左上1番歯根破折、2番根尖病巣で抜歯後に2歯連続インプラント

相談者: yasuさん (38歳:女性)
投稿日時:2010-04-08 17:56:50
参考:過去のご相談
根管治療中の2番、残存歯質がわずかでも抜歯を避けることは可能?


前回は相談にのっていただき有難うございました。
再度宜しくお願いいたします。


左上1番、2番にインプラントを予定しております。

左上1番は歯根破折、2番は根尖病巣があり根が破壊(パーフォレーション?)されていて歯質が残っていない為、抜歯と言われております。(ヒビもあるようです。)


左上1番2番共痛みが出ております。

ただ左上1番は、何軒の歯医者で撮っても破折がレントゲンには映らず、歯科用CTでも映りませんでした。
今の先生だけがレントゲンに映っていると(実際に見せていただきましたが…素人には分かりません。)言われています。

症状から自分も破折の様な気もしていますし、今の先生を信頼していますので、抜歯しかないんだろうと思っておりますが…



患者側としては抜く前に証拠が欲しいと思ってしまうのです。
今の先生に、この気持を伝えると

「抜いた歯をお見せします。」

とは言ってくださるのですが、(左上1番はまだ被せ物も、土台も入ったままの状態です。)土台を取ってマイクロで見たいとお願いしましたら、土台を取っても見えない位置に破折があるから見せられないとおっしゃいます。

CTを撮った歯医者では、土台を取ると必ず見えると言われました。
(マイクロがあるなら)



今の先生を信頼していますが、CTを撮った歯医者で左1番は5?、2番は3?しかないから相当の覚悟を決めてインプラントしないといけないと言われてしまいました。

その先生は

「僕だったら、犬歯と犬歯でブリッジだな。」

将来的にダメになっても3番、3番のインプラントブリッジが審美的に良いと思うと…



今の先生は責任を持って何かあってもフォローしていきますと言って下さいますが、治療費もとても高額だし、2歯連続のそれも前歯のインプラントなんて、このサイトの先生方は誰もお薦めしないような気がしています。

先生との信頼関係が一番だとは分かっているのですが、やっぱり私が今から受けようとしている治療方法はリスクが高すぎますか?


ただここでやっぱりブリッジにしたいとか言い出したら、今の先生は気分を悪くされるのでしょうか?

ブリッジにすると歯茎も下がるし、他の歯にも負担がかかる、ブリッジは好きじゃないと言っていました。
(私の歯には他にも上に2ヶ所ブリッジがあります。)


どうぞご意見よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-04-08 19:08:21
その先生が、yasuさんと同様に前歯2本連続インプラントのケースで10年以上経過している症例を何例もお持ちであればお任せするかもしれませんが、そういった症例をお持ちではない、あるいはお持ちの場合でも経過年数が10年に満たないというのであれば、僕が患者だったとしても躊躇してしまいますね(^^;)

まずは、過去に同様のケース(前歯2本連続インプラント)の治療経験についてお聞きになられてみてはいかがでしょうか?


また、ブリッジは好きじゃないとおっしゃられているということは、あまりブリッジが得意じゃないのかなぁ…という気もしますので、もし僕が患者でブリッジでの治療をする場合には他の医院に転院してしまうかもしれません。

ちなみに、インプラントにすれば骨が下がらない、ブリッジだと下がるということは無いと思いますよ。

インプラントにすれば骨の吸収が抑えられるという先生もいらっしゃいますが、実際にはインプラントにしようがブリッジにしようが、時間が経つと吸収するべき骨は吸収してしまうようです。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-04-08 20:26:36
前歯の2歯連続インプラント治療に関しては、どちらかと言うと否定的見解が数年前の臨床歯周病学会で話し合われました。
ヨーロッパの歯科医師、アメリカの歯科医師、日本の歯科医師での共通見解です。

どうしてもそれを選ばなければならない強い理由がある場合は仕方ないでしょうが、可能であれば保存なり、他の治療法なりを考慮しても良いと思います。


インプラントは一度入れたら”おいそれとは”除去出来ません。
なので、出来ればセカンドやサードオピニオンを求めて他院を訪れてみてはいかがでしょうか?

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: yasuさん
返信日時:2010-04-09 01:15:10
田尾先生、ご回答有難うございます。

今、診ていただいている先生は、インプラントにとても精通されている先生のようなんですが、2歯連続前歯のインプラントの症例数や、10年以上トラブル無く経過しているかなどは聞いたことがありません。
次回の診察の時に聞いてみようと思います。


>ちなみに、インプラントにすれば骨が下がらない、ブリッジだと下がるということは無いと思いますよ。

>インプラントにすれば骨の吸収が抑えられるという先生もいらっしゃいますが、実際にはインプラントにしようがブリッジにしようが、時間が経つと吸収するべき骨は吸収してしまうようです。


何軒か歯医者をまわりましたが、ほとんどの先生がブリッジの方がインプラントより歯茎は痩せる、とおっしゃいます。

やっぱりどちらにしても歯茎は痩せるんですよね。



今の先生は痩せてきても目立たないようにジルコニアの土台で抜歯即時埋入すると言われていますが、やはり怖いです。





タカタ先生、ご回答有難うございます。

以前の質問で

>いま、私の医院ととある大手の技工所さんとで前歯インプラントを安全に確実に成功させるための術式を開発しております。

と先生が回答されているのを拝見しましたが、やはりまだそのような術式は開発されていないのでしょうか?
誰もが安全に審美的にも納得のいく前歯の連続インプラントはまだまだ難しいのですね。

今はブリッジでしのいだ方が無難なのでしょうね。
ただブリッジの支台となる歯も抜歯となる歯と同じ時期に抜髄した歯なので強度的に心配もあり、これも又悩むのですが…


歯が痛み辛いですが、他の先生の意見を聞きにもう少し歯医者さん探し頑張ってみようと思います。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-04-09 13:28:02
抜歯に成る歯の状態、立体的な状態が重要だと思います。

又、患者さんご自身がどれ位の審美性を求めているのか、完全に天然歯と同じまでの回復をお望みの場合、2本連続でインプラントを入れるとなると、歯冠と歯冠の間の軟組織の状態が天然歯間の状態まで回復させられるのかどうか、は現時点でも世界最高レベルのDR達が競い合っている状態です。

現時点で分かっている事は、歯茎、骨の高さ、顎の欠損部の横幅、相当に造成しないと難しいと言う事で、又それが安定してくれるのかどうかに関しては、今後の課題である、とされています。



又、個人的意見として、天然歯間状態まで回復させた顎提が自然な状態なのか?と言う事に関して疑問を持っています。

所詮インプラントは人工物なので、それを支える組織は天然歯よりもよりシビアに考える必要がある、と言う事です。


現時点でインプラント周囲に骨の厚みが2mm必要とかそれを覆う歯茎の厚みが3mm必要とか、色々な見解が出されつつある中ですので、今回のご質問に対して確実な治療方法とかで応えていただける先生を見付けるのは厳しいと思われます。



これも個人的意見ですが、自分自身の骨だけで治療する方法では、骨は年老いて行くと自然に細くなって行きますから、長期的に見て厳しいのではないかな、と思います。

なので、私は生体に安定して存在できるインプラントのような骨造成物、歯茎を支えてくれる土台があれば出来る日が来るんだろうな、と考えています。

ですが、それが自然にエイジングして行く状態なのか?と問われれば、違いますねと答えます。


例えが悪いかもしれませんが、某美容整形の理事長が息子の手術を受けて外見は40代みたいに作っているのが最たる例です。

それを患者さんが望むならしない事はないけれど、と言うのが私の考えです。



1番が5mm、2番が3mmと言うのは骨の厚みの事だと思いますが、それがご自身の体なのでそれ以上に厚みを作る必要がある、と言う事です。

先ほどの周囲に骨の厚みが2mmと言っていたら1番でも1mmの直径のインプラントしか入りませんし、2番には無理でしょう。


インプラントの標準的太さは4mm弱です。

細いものでも3mmですし、矯正用とかのものでしか2mm位の太さのインプラントは存在しません。

3mmのインプラント周囲に2mmの骨を作るとなれば厚さ7mmの顎骨、更に歯茎3mmと成ったら顎提は13mmになります。

元々の歯の生えている時の骨の厚み、歯茎まで合わせて、そこまでの幅はないと思います。

となると歯が綺麗にできたとしても、顎提が自然なのか?と問われれば疑問です。

これが現時点での情報です。


繰り返しますが、インプラントは人工物です。

それを支える組織は天然歯よりも必要だと言う事なのです。

そこら辺までを鑑みて検討して見て下さい。


今の状態でお困りなのは理解致しますが、歯の代わりはないのです。

但し、唇の位置が歯に覆っていて笑っても歯茎が見えないとかで、審美的に多少の妥協をする事が可能な考えを持っているのでしたら、2本連続インプラントする余地はあると思います。


今回のご相談の件に関しては、犬歯の将来性に疑問をお持ちなようですし、私でしたらインプラント希望ならば、1番だけにインプラントさせていただいて、2番には骨造成と歯茎造成に止め、被せ物を2本連結する、つまり1番と2番連結の被せ物にすると思います。

そうして置けば、将来犬歯が抜歯に成ってときに1番と3番でインプラントにしてのブリッジ治療になり、自然観ある仕上がりになるのではないでしょうか?


以上私見ですが、ご参考にされて下さい。

お大事に。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-04-09 14:59:06
最初の話に戻ってしまうかもしれませんが、一体何故、「破折」と他の歯医者さんは診断されたのでしょうか??

その理由を聞いてみたいですね。。


文章読むだけでは、破折と決定的に診断するようさがなさそうなんですけど・・・・

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: yasuさん
返信日時:2010-04-09 18:14:33
松元先生、大変長文の分かりやすいご回答に感謝いたします。

やはり私が受けようとしている治療は大変リスクが高いということを改めて思い知らされました。

私は笑うととても歯茎が見える人です。
見た目もとても気になる方です。
2歯連続インプラントには向きませんよね。
歯の代わりはないと言うお言葉、胸に突き刺さりました。



>1番だけにインプラントさせていただいて、2番には骨造成と歯茎造成に止め、被せ物を2本連結する、つまり1番と2番連結の被せ物にする

こんな方法もあるのですね。
この方法なら今よりは前歯インプラントに積極的になれそうです。

でもこの治療法もかなりインプラントが得意な先生を探す必要がありそうですね。

大変参考になりました。
有難うございました。




中山先生、ご回答有難うございます。

2歯連続インプラントを提案していただいている先生だけが、レントゲンで破折が映っていると言われました。

あと5軒ほど歯科医院をまわりましたが、その5軒では映りませんでした。
破折と診断された先生は黒い筋がレントゲンに映っていると、私も見せていただきましたが、これが破折なのか…と素人にはよく分かりませんでした。

その後、歯科用CTも撮りに行きましたが、CTにも金属が入っているから破折は映らないと言われてしまいました。



フィステルが出来ているわけでもないし、歯茎を押しても痛くもないし、病巣が無いのに痛んだり違和感があるのは、破折だと素人は思ってしまいます。
折れていなければこんなに嬉しいことはないのですが…

でも痛いんですよね。
一度被せ物と土台を取ってもらってマイクロで見ていただこうとは思っているのですが、今の先生はレントゲンで破折は確定しているからそんな事は意味がないし、抜いたら見せるのでと言われています。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2010-04-09 18:41:29
こんにちは。

yasuさんの前歯インプラントは、私も松元先生と同じ意見です。

世界最高レベルの治療については、松元先生の、松元教貢歯科医院のホームページを検索され、その中のブログを見られればよく分かります。

松元先生の著書「MISを追求したインプラント」(第一歯科出版)も参考されればいいと思います。



歯根破折では、長期間放置すると、歯槽骨の吸収をきたす。
根尖性歯周炎では急性症状消失後抜歯時期の検討を図るべきです。

インプラント挿入位置は前歯部インプラント治療においてはもっとも重要な項目であり、臼歯部に比べて挿入位置の誤差が厳しく限定される。1mm程度のズレが、致命的な問題を引き起こす可能性がある。

特に前歯部では即時または待時であっても平坦な骨面にに埋入することはまれで、斜面にインプラントホールを形成することになる。


ヘンリー・タケイ
「上顎前歯部にインプラントを埋入する場合は、わずかに口蓋側に傾斜するようにホールを形成する。
なぜなら、上顎骨の前歯部は唇側が陥凹して斜面になっており、また唇側には十分な骨が存在しないからである。」


石本光則
「抜歯即時埋入の手法で、天然歯と同じ位置に前歯インプラントを埋入しても唇・頬側骨板は維持されずに骨が吸収し、結果として歯肉の退縮が見られることも少なくない。
審美領域でのインプラント埋入ポジションは、口蓋側・低位埋入がスタンダードになりつつある。」


松元教貢
「問題は植立位置であろう。
このインプラントは、植立位置をよく見極めないといけない。
その際、歯科用3DCTが非常に有効である。

唇側の骨、とくに歯槽頂の部位の把握とインプラントホールの形成が重要である。
唇側の骨の厚みをとる位置で口蓋から歯槽頂の間で植立すると良い。
林揚春先生が言われる垂直にできるだけ立てる、ということである。

私の考えと林先生の違いは、林先生は口蓋にアクセスホールが来ることを考えておられるが、私は先端まで真っ直ぐに一直線に植立することを考えている。
林先生は、恐らく傾斜埋入は歯肉等の退縮を招くとしてあまり勧めないのであろう。」



私自身の考えは、松元先生の考え方に近いのですが、左上1番・2番を抜歯し、左上1番をインプラントをして、左上3番の歯の根管の状態を見て、良くないなら再根治根充をして、強固なメタルコアーを入れ、左上1番2番3番のインプラントブリッジにするのがいいと、私は思いますが、もう少し他の先生方の意見もお聞きになってください。


おだいじに。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: yasuさん
返信日時:2010-04-09 21:32:59
横山先生、ご回答有難うございます。

松元先生のホームページ、大変興味深く拝見させていただきました。


>1mm程度のズレが、致命的な問題を引き起こす可能性がある。

やはり怖いですね。


綺麗な症例写真を見ていると、安易に自分もやってみたいと思っていましたが…
10年後、20年後の症例写真も見てみたいです。


天然歯とのブリッジ前歯の場合は有りなんでしょうか?
前歯は奥歯ほど力がかからないのでしょうか…
色々な治療法があるのですね。

私には神経を抜いてしまった歯がまだまだたくさんあります。
インプラントを入れることで他の歯が少しでも長持ちしてくれれば良いのですが…



貴重なご意見有難うございました。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2010-04-10 09:45:19
破折がX線やCTで写るなんて、たまたまだと僕は思っています。

また、明らかな!!レントゲン像でなければ破折との診断は難しいと思います。
明らかなっというのは、誰が見ても破折だっと断定できるであろう場合です。

今回のケースはそれには当たらないと思います。


症状がなく、病巣もない。
でも、ちょっと痛みがある。

だとしたら、僕なら根管治療をもう一度、上手な先生に見てもらうかもしれません。

もちろん、治らないかもしれませんが、その時はどうせ抜いて、インプラントなんですから、リスクはありますが、コアを外して、再根管治療

ちなみに、病巣がある歯も根管治療の専門医であれば、もしかすると治せるかもしれません。


是非、一度、診察を受けてみられたらいかがでしょうか??

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2010-04-10 10:15:30
僕も中山先生と同様に

>僕なら根管治療をもう一度、上手な先生に見てもらうかもしれません。

です。

今一度、検討されてはいかがでしょうか?


僕は根管治療専門医ではありませんが、数軒の歯医者さんで「抜歯インプラント」と宣告された歯であっても再根管治療する事によって(とりあえずは)抜歯を免れているケースが多々あります(もちろん、全てではありませんが)。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: yasuさん
返信日時:2010-04-10 21:27:38
中山先生、2度もご回答有難うございます。

レントゲンで破折と診断された先生は、とても話をよく聞いてくれて、インプラントの資格も持っていらしてこの先生の言うことなら間違いないと思っておりました。

根の治療の専門医にかかれば、抜かずに済む可能性はありますか?と聞いたところ、首を横に振っておられました。
たとえ根管治療が上手くいったとしても、土台を入れてしまうと割れてしまう歯だから、無駄なお金は使わない方が良いと言っておられました。


ただ歯を見ることなくレントゲンだけで判断されるのに、私もあまり納得がいきませんでした。
ここで又セカンドオピニオンを求めると、この先生のところには帰れないし、信じて治療を受けてみようと思っていました。


どうせ抜くなら、根管治療の専門医に診ていただいてからにした方が後悔しないですよね。
せっかく信頼が出来そうな先生を見つけられたと思ったのですが、歯医者さん探しは本当に難しいです。

気にかけていただいて嬉しいです。
有難うございました。



タイヨウ先生、ご回答有難うございます。

根管治療の専門医に診ていただこうと、電話してみたのですが、ずっと話し中で…
根管治療で困っている方は本当にたくさんいるんですね。

痛いから早く治療を受けたいのですが、専門医の先生は大忙しですね。


かれこれ4カ月痛みと闘いながら治療を受ける先生を探しております。

抜歯が免れたならどんなに嬉しいことでしょうか。
早く痛みない生活を送れることを願って又休み明けにも電話してみます。


先生方のご回答に勇気付けられました。
本当に有難うございました!



タイトル 左上1番歯根破折、2番根尖病巣で抜歯後に2歯連続インプラント
質問者 yasuさん
地域 非公開
年齢 38歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 抜歯:1番(中切歯)
抜歯:2番(側切歯)
根管治療の治療法
インプラント治療法
インプラントその他
根の病気(根尖病変・根尖病巣)
歯根破折
回答者




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