下顎埋没抜歯術前・術後の抗生剤の必要性と副作用

相談者: 有馬さん (25歳:男性)
投稿日時:2010-07-04 20:44:59
参考:過去のご相談
水平埋伏智歯の抜歯検討中、CTとレントゲンで抜歯リスクの差は?



■下顎埋没抜歯を検討しております。

■質問は術前・術後に服用する抗生物質の必要性と副作用の問題です。


抗生剤は「フロモックス」なのですが、術前に服用・その後3日分
(一日3錠)なくなるまで服用となっています。

しかし抗生物質というのは細菌に感染した場合に有効な方法なのでは?
通常時に服用することは、体内の有益な細菌のバランスを崩してしまうのではないかと思うのです。

又、症状が出ていない時に抗生剤を服用することによって細菌感染時に抗生剤対抗菌ができてしまう可能性があると思うのですが?



■質問1)4日程度の服用であれば抗生剤対抗菌の心配はないのでしょうか?

■質問2)術後に抗生剤を服用して、有益細菌のバランスが崩れてしまい逆に細菌に感染しやすくなるということはあるのでしょうか?


相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 有馬さん
返信日時:2010-07-04 21:11:02
又、同時処方された胃粘膜保護薬「ムコスタ」ですが副作用に血小板の減少があると思うのですが?
ムコスタ服用で抜歯後の血餅の形成に問題がでると思われますか?
回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-07-04 21:40:53
こんばんは。

抜歯時に抗生物質を服用するか否かは臨床でも意見が分かれているところですが、抜歯だからという事より抜歯も手術の部類であるという事を思えば一般的に抗生物質が処方される事と、術後感染症を避けるという意味を秤にかければ、その有用性は副作用の事を考慮しても上回るのではないかという判断なのでしょう。

今現在感染は無くとも、抜歯手術後は口腔内という特殊環境であるために必ず細菌に創面は晒される事になります。
その点を考慮すれば術後感染から身を守るためには有効とされています。



抜歯に際しての服用のみであるわけですので、耐性菌云々という話とはまた別のところで語られるべきものと思っています。

また細菌のバランスですが、何か基礎疾患や加齢などで抵抗力の弱っている状況ではあり得る事ですが、健康体での日和見感染の心配は少ないと思われます。


ムコスタも血餅形成に問題があるのなら処方されたりはしません。



いずれのお薬もインターネットの情報に頼らず、実際におかかりになっている医師・歯科医師の指示に従って服用されていただいた方がよいと思われます。

回答 回答2
  • 回答者
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2010-07-04 21:41:42
有馬さん、こんにちは。

>質問は術前・術後に服用する抗生物質の必要性と副作用の問題です。

術前に抗生剤を服用するケースは、元々心臓の病気にかかっている等のケースを除けば、ほとんどありません。

術後に抗生剤を処方されることは実際に多いです。
目的は、有馬さんのおっしゃる通り感染の予防です。

その必要性の有無については、確かに医療関係者の中でも様々な議論があります。



ところで、有馬さんは、 

>下顎埋没抜歯を検討しております。 

>同時処方された胃粘膜保護薬「ムコスタ」ですが

と書かれていますが、既に抗生剤とムコスタは処方されているのでしょうか? 
それとも最初にお書きの通り、これから抜歯に臨まれるのでしょうか?


いずれにしても、実際に抜歯をされる担当の先生が必要と考えられて処方される(処方された)お薬は、正しく服用されることが大原則です。

これに関して、インターネット医療相談の内容を元に、ご自身で服薬する・しないをお決めになられたり、担当の先生に要望を出されたりすることは、決して好ましいことではありません。


以上を前提として、ご質問の内容について私個人の意見をコメントしたいと思います。


■ご質問1
>4日程度の服用であれば抗生剤対抗菌の心配はないのでしょうか?

抜歯後に一時的に抗生剤を服用されることで、即耐性菌が問題となる可能性は低いと思います。



■ご質問2
>術後に抗生剤を服用して、有益細菌のバランスが崩れてしまい
逆に細菌に感染しやすくなるということはあるのでしょうか?

抗生剤服用の影響で、細菌のバランスも一時的に変化することは稀にあります。

その結果、舌が一過性に黒くなるといった症状(黒毛舌)がみられることがあります。

ですが、この細菌バランスの変化によって、逆に感染のリスクが増加するといったことはありません。



■ご質問3
>ムコスタ服用で抜歯後の血餅の形成に問題がでると思われますか?

健康な方であれば、そのような弊害はほとんど考えられません。


以上、ご参考になれば幸いです。

繰り返しとなりますが、実際に抜歯に臨まれる際には、担当の先生の処方内容を必ずお守りください。



…田中先生とかぶりました。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 有馬さん
返信日時:2010-07-06 10:16:50
田中先生 中本先生

■的確な御解答をしていただきまして誠に感謝しております。
---------------------------



■お薬の件、十分に納得できました。
処方された薬は十分に考慮した結果処方されているので、自己判断はせずに必ず指示された用法用量を守って使用致します。



■ただ、やはりどうしても副作用等で個人的に合わない場合は処方された担当医の先生と薬剤師の方と御相談いたします。


■あと、心配症なものですので処方された薬と親知らずの治療が終了した1-2週間後に内蔵に副作用の影響がないか、血液検査と尿検査をしてみます。



術後の経過に不安がありましたら、またご相談させていただきます。
このたびは本当にありがとうございました。




タイトル 下顎埋没抜歯術前・術後の抗生剤の必要性と副作用
質問者 有馬さん
地域 香川
年齢 25歳
性別 男性
職業 大学生・短大生・専門学生
カテゴリ 抜歯:8番(第三大臼歯、親知らず)
親知らずの抜歯
抗生剤(抗生物質)・化膿止め
水平埋伏知歯(横向きに骨に埋まった親知らず)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

歯磨きをしても虫歯になる原因 デンタルフロスは効果無し? 歯ブラシとデンタルフロスどっちが先? 歯科衛生士が就職前に絶対に知っておきたい