ベースセメントを残してのレジン充填
相談者:
k_kazamiさん (31歳:男性)
投稿日時:2010-10-26 00:58:38
参考:過去のご相談
・虫歯治療後、滲みる症状が数年単位で続いています
・熱いものがしみる臨床症状と歯髄炎の診断についての疑問
大臼歯のPd Inray (class1) 入替希望で受診した時のことなのですが。
当初はGold Inray希望でしたが、一部は先生よりCR充填を推奨頂いたので同意しました。
その際窩洞が深い部位 (上7) があり、一部ベースセメント (素材は不明ですが多分GIC) を残してCR充填を行った歯があるのですが、これは良くあるやり方なのでしょうか?
先生からの説明は
「セメントを全部除去すると痛みが出るかもしれない。
内部は虫歯にもなってないしあえて残す」
と言うような内容だったと思います。
確かにそれ自体は理に適ってると思うのですが、だいぶ後になって思ったことは
・窩洞形態的にC-Valueが大きくなりそう、しかもセメントが介在する分レジンは広く・浅くなるのでギャップによる問題が心配
・う蝕への耐性を考慮すると、象牙質の上層はセメントより、レジンによる樹脂含浸層のほうが有利な気が
と言う疑問が浮かんできて、後々のことを考えると(歯髄刺激のリスクを承知なら)ゴッソリ詰め替える方が良いようにも思えました。
あまり気にするようなことでもないでしょうか?
・虫歯治療後、滲みる症状が数年単位で続いています
・熱いものがしみる臨床症状と歯髄炎の診断についての疑問
大臼歯のPd Inray (class1) 入替希望で受診した時のことなのですが。
当初はGold Inray希望でしたが、一部は先生よりCR充填を推奨頂いたので同意しました。
その際窩洞が深い部位 (上7) があり、一部ベースセメント (素材は不明ですが多分GIC) を残してCR充填を行った歯があるのですが、これは良くあるやり方なのでしょうか?
先生からの説明は
「セメントを全部除去すると痛みが出るかもしれない。
内部は虫歯にもなってないしあえて残す」
と言うような内容だったと思います。
確かにそれ自体は理に適ってると思うのですが、だいぶ後になって思ったことは
・窩洞形態的にC-Valueが大きくなりそう、しかもセメントが介在する分レジンは広く・浅くなるのでギャップによる問題が心配
・う蝕への耐性を考慮すると、象牙質の上層はセメントより、レジンによる樹脂含浸層のほうが有利な気が
と言う疑問が浮かんできて、後々のことを考えると(歯髄刺激のリスクを承知なら)ゴッソリ詰め替える方が良いようにも思えました。
あまり気にするようなことでもないでしょうか?
回答1
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2010-10-26 05:44:03
k_kazamiさまおはようございます。
少々意味不明の部分がありますが判る範囲でお答えいたします。
充填物を除去した時以前に詰めてあった充填物を除去せずにCR充填をしたとの意味のように受け取りましたが、個人的には以前の充填物は全て除去した上でむし歯の有無を確認して新しく充填することにしています。
う蝕への耐性については感染歯質を全て除去してあって封鎖が出来ていれば問題は無いと思います。
参考になさってください。
少々意味不明の部分がありますが判る範囲でお答えいたします。
充填物を除去した時以前に詰めてあった充填物を除去せずにCR充填をしたとの意味のように受け取りましたが、個人的には以前の充填物は全て除去した上でむし歯の有無を確認して新しく充填することにしています。
う蝕への耐性については感染歯質を全て除去してあって封鎖が出来ていれば問題は無いと思います。
参考になさってください。
相談者からの返信
相談者:
k_kazamiさん
返信日時:2010-10-26 10:23:22
山田先生、こんにちは。
わかりにくい内容で申し訳ありません。
当時の先生のお話とX線画像から私は状況をこのように認識しています。
(大雑把なイメージです)
#ooooo# ← 歯冠部
#-ooo-#
#-xxx-#
#-xxx-#
#-----#
#-***-#
# エナメル質 - 象牙質 o レジン x 元々のセメント * 歯髄
CR充填だと普通はxxxの部分もoooになると思うのですが (山田先生の仰る内容はそう言うことですよね)、上記のように詰める方法を私は見たことがないので質問させて頂いた次第です。
接着と言う視点で見ると、1層余計な部分が増えるぶん、少なくともメリットは無いような気がするのですが。
わかりにくい内容で申し訳ありません。
当時の先生のお話とX線画像から私は状況をこのように認識しています。
(大雑把なイメージです)
#ooooo# ← 歯冠部
#-ooo-#
#-xxx-#
#-xxx-#
#-----#
#-***-#
# エナメル質 - 象牙質 o レジン x 元々のセメント * 歯髄
CR充填だと普通はxxxの部分もoooになると思うのですが (山田先生の仰る内容はそう言うことですよね)、上記のように詰める方法を私は見たことがないので質問させて頂いた次第です。
接着と言う視点で見ると、1層余計な部分が増えるぶん、少なくともメリットは無いような気がするのですが。
回答2
杉原歯科クリニック(杉並区・上高井戸)の杉原です。
回答日時:2010-10-26 13:39:39
推測ですが・・・
歯髄の近くまで削ってあり、インレーの下が直接覆髄or間接覆髄+ベースセメントだった場合が考えられます。
セメントや覆髄材を除去すると抜髄になる危険性が高くなると判断したらセメントを残し充填することもあります。
セメントの有無よりも山田先生の
>感染歯質を全て除去してあって封鎖が出来ていれば問題は無いと思います。
に同意します。
歯髄の近くまで削ってあり、インレーの下が直接覆髄or間接覆髄+ベースセメントだった場合が考えられます。
セメントや覆髄材を除去すると抜髄になる危険性が高くなると判断したらセメントを残し充填することもあります。
セメントの有無よりも山田先生の
>感染歯質を全て除去してあって封鎖が出来ていれば問題は無いと思います。
に同意します。
相談者からの返信
相談者:
k_kazamiさん
返信日時:2010-10-26 19:40:57
杉原先生、こんにちは
分かりにくくてすみません。
痛みが出るかも「しれない」リスクを言われただけで「絶対こうすべき」と言われたわけでは無いんですよ。
なので歯髄刺激のリスクを承知ならばと書きました。
感染歯質は無い前提です。
Inrayの下が怪しいから外したのではなく単なる入替ですので。
長期的に見た場合、CR+成分不明のセメント or CRのみならどっちが良いか、違いはありますかと言う話です (封鎖のことも含めて)。
私はこう言う接合修復のような形態は知らなかったので、例えばセメントとCRの間には隙間が出来易いとか、辺縁漏洩し易いとか、気分の問題だけ?とか、そう言ったご意見が欲しいと思っています。
セメントを残してCR充填することも普通にあることは分かりました。ご回答有難うございます。
分かりにくくてすみません。
痛みが出るかも「しれない」リスクを言われただけで「絶対こうすべき」と言われたわけでは無いんですよ。
なので歯髄刺激のリスクを承知ならばと書きました。
感染歯質は無い前提です。
Inrayの下が怪しいから外したのではなく単なる入替ですので。
長期的に見た場合、CR+成分不明のセメント or CRのみならどっちが良いか、違いはありますかと言う話です (封鎖のことも含めて)。
私はこう言う接合修復のような形態は知らなかったので、例えばセメントとCRの間には隙間が出来易いとか、辺縁漏洩し易いとか、気分の問題だけ?とか、そう言ったご意見が欲しいと思っています。
セメントを残してCR充填することも普通にあることは分かりました。ご回答有難うございます。
回答3
杉原歯科クリニック(杉並区・上高井戸)の杉原です。
回答日時:2010-10-26 20:05:23
なるほど
>長期的に見た場合、CR+成分不明のセメント or CRのみならどっちが良いか
意見は分かれると思いますので、あくまで私見というか私なら・・・
セメントによってはCRと接着しにくいので、身元不明のセメントは全て除去しCRのみ。
もし覆髄が必要なら、4メタ系レジンで覆髄しCR。
長期でどれだけ差が出るかは分かりません。
全部を自分で把握しておきたいのと、気分の問題です。
ご参考まで・・・
>長期的に見た場合、CR+成分不明のセメント or CRのみならどっちが良いか
意見は分かれると思いますので、あくまで私見というか私なら・・・
セメントによってはCRと接着しにくいので、身元不明のセメントは全て除去しCRのみ。
もし覆髄が必要なら、4メタ系レジンで覆髄しCR。
長期でどれだけ差が出るかは分かりません。
全部を自分で把握しておきたいのと、気分の問題です。
ご参考まで・・・
回答4
E Eデンタル(愛知県豊橋市)の井野です。
回答日時:2010-10-26 20:22:42
こんにちは、
結論から言えば気にしなくていいと思いますが。
>・窩洞形態的にC-Valueが大きくなりそう
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007151225
などがありますがあくまでも研究室内のことで、臨床でここまで気にして治療を行っている先生はまずいないと思います。
(田尾先生にまた怒られそうですが、事実です^^;)
>個人的には以前の充填物は全て除去した上でむし歯の有無を確認して新しく充填することにしています。
私も山田先生、杉原先生と同じ意見でセメントは全部取ります。
ただし、セメントは取っているように見えて多くの場合で少しは残っています。
特にレジン治療後の再レジン治療などでは全て取りきるのは顕微鏡で確認しながらの治療が必要になると思います。
(面積が大きいレジン修復を裸眼で全て除去するのはほぼ不可能だと・・・思います)
個人的には虫歯がなければ多少セメントが残っていても予後に大きく影響する因子にはならないと思っています。
この辺りはどこで手を打つかは先生次第になってしまいます。
>辺縁漏洩
こちらの方であれば、接着処理中に唾液などに汚染されていないかや、詰めるテクニックの方が大きな因子になると思います。
あまり気にしなくていいと思いますよ。
おだいじに
結論から言えば気にしなくていいと思いますが。
>・窩洞形態的にC-Valueが大きくなりそう
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007151225
などがありますがあくまでも研究室内のことで、臨床でここまで気にして治療を行っている先生はまずいないと思います。
(田尾先生にまた怒られそうですが、事実です^^;)
>個人的には以前の充填物は全て除去した上でむし歯の有無を確認して新しく充填することにしています。
私も山田先生、杉原先生と同じ意見でセメントは全部取ります。
ただし、セメントは取っているように見えて多くの場合で少しは残っています。
特にレジン治療後の再レジン治療などでは全て取りきるのは顕微鏡で確認しながらの治療が必要になると思います。
(面積が大きいレジン修復を裸眼で全て除去するのはほぼ不可能だと・・・思います)
個人的には虫歯がなければ多少セメントが残っていても予後に大きく影響する因子にはならないと思っています。
この辺りはどこで手を打つかは先生次第になってしまいます。
>辺縁漏洩
こちらの方であれば、接着処理中に唾液などに汚染されていないかや、詰めるテクニックの方が大きな因子になると思います。
あまり気にしなくていいと思いますよ。
おだいじに
相談者からの返信
相談者:
k_kazamiさん
返信日時:2010-10-27 11:39:45
杉原先生、井野先生
ありがとうございます。
杉原先生がうまく書いてくれましたが、CR/セメント間の接着とか、聞きたかったのは正にそんな話でした。
C値の話も、界面がCR/セメントだと、どうなるかと言うことです。
例えばclass1窩洞にライニング無しで充填した際の、μ単位の隙間があるような例がありますが、想像上はあんなイメージです。
基本的には全部やりなおしたほうが良さそうだと思いました。
と言っても充填した先生に不信感があるとか、そんなんじゃないですよ。
理由があって行ったことですし。
>こちらの方であれば、接着処理中に唾液などに汚染されていないかや、詰めるテクニックの方が大きな因子になると思います。
直接テクニックについて尋ねたことはありませんが、先生にレジンを見せて貰ったことがあります。
たぶん20種類近くあったと思うのですが、
「こんなに何に使うんでしょう?」
と聞いた際の答えが
「フロー・粘りが違う。
必要に応じて組み合わせる」
だったのと、保険治療時でもラバーダムをされていたので、多分こだわりのある先生だと思います。
ありがとうございます。
杉原先生がうまく書いてくれましたが、CR/セメント間の接着とか、聞きたかったのは正にそんな話でした。
C値の話も、界面がCR/セメントだと、どうなるかと言うことです。
例えばclass1窩洞にライニング無しで充填した際の、μ単位の隙間があるような例がありますが、想像上はあんなイメージです。
基本的には全部やりなおしたほうが良さそうだと思いました。
と言っても充填した先生に不信感があるとか、そんなんじゃないですよ。
理由があって行ったことですし。
>こちらの方であれば、接着処理中に唾液などに汚染されていないかや、詰めるテクニックの方が大きな因子になると思います。
直接テクニックについて尋ねたことはありませんが、先生にレジンを見せて貰ったことがあります。
たぶん20種類近くあったと思うのですが、
「こんなに何に使うんでしょう?」
と聞いた際の答えが
「フロー・粘りが違う。
必要に応じて組み合わせる」
だったのと、保険治療時でもラバーダムをされていたので、多分こだわりのある先生だと思います。
タイトル | ベースセメントを残してのレジン充填 |
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質問者 | k_kazamiさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 31歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
レジン(白いプラスチック) 詰め物、インレーその他 補綴関連 材料・機材関連 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。