[写真あり] 9歳、歯の痛み、歯茎と顔の腫れが治まらない (アメリカ)
相談者:
pママさん (9歳:女性)
投稿日時:2011-09-22 16:03:13
参考:過去のご相談
*米国在住9歳児、歯の痛みと顔の腫れ、高熱。病名も原因も言われない
先日、ご相談申し上げた、アメリカ在住のものです。
10日間の抗生物質(AmoxicillinとClavulanate potassium)を終えても、歯茎の腫れと若干痛みがあるそうなので、小児歯科医が紹介した、根管治療専門医に行きました。
また、レントゲンをとって見る限りでは 歯茎の炎症による腫れかもしれないから 歯茎専門医(pedodontist)に行くようにと、下記のような紹介状を歯茎専門医に送りました。
Treatment Performed:Evaluation swelling and pain LR Endodontic Diagnosis: Buccal swelling #28 that appears to be periodontal in etiology. Developing tooth makes interpretation of possible apical pthosis problematiic.
REmarks:Recommend perio eval.
すると、同日の午後、Pedodonitistに行くと、レントゲンとって 歯茎の腫れを見ると Rootに問題があると思うんだけど。。といって、硬いポップコーンのようなものは食べたかという質問をされて
(確かに、食べていましたが、ラマを触ったあとに、消毒剤で消毒はしましたが。。しかし、初めて軽い歯痛を感じたあとでした)、
とにかく歯茎が膨れて炎症が治まってないから、ペニシリンが効いていないみたいだから、 患部を暖めてMETRONIDAZOLEを処方して、 再来するように言われたのですが、その日の夜、小児歯科医と相談した結果、やはり両名Rootに問題があると思ったらしく、また1週間後に小児歯科医に戻るようにいわれました。
質問ですが、
(1)根管治療専門医はレントゲンしか検査の方法はなかったのでしょうか?
たとえば歯髄壊死を確認するための電気を通す方法があるらしいのですが、それをお願いするとかしたほうがよかったのでしょうか?
実はよく考えてみると、歯の中央部分ではないのですが、小さい角のような歯が周辺近くに(ど真ん中ではなかったのですが、)出ていて、歯痛を訴える2週間ぐらい前に欠けた記憶があります。
確かに右の歯でしたが、膨れている歯茎のある歯のようなきもします。
なので、根管治療専門医にDens evaginatusと関係ありますか?ときくと関係ないといわれました。
しかしながら 歯茎専門医(pedodontist)によると、初診のした小児歯科医はDens evaginatus による根管炎症を考えて、根管治療専門医に紹介状を書いたということでした。
(小児歯科医と歯茎専門医はご夫婦でした)
(2) 小児歯科医、歯茎専門医、根幹治療専門医もレントゲンを患部を見ることだけをしているのですが、ほかになにか検査とかはないのでしょうか?(細菌検査、CT など)
(3)#28は虫歯ではないのですが、もしかしたら 穴を開けないと中は どうなっているかわからないのでしょうか?
どの先生方も一生懸命考えてくださっているのですが、3箇所を行ったりきたりしている感じがするのと、どの先生も確実に診断できずにいるので不安です。
普通日本でしたら、娘のような場合 どのような検査や投薬、経過観察を経て 診断と治療にいたるのでしょうか?
頭に入れておいたほうが、過去の出来事を思い出すときに大変役に立つし、先生に質問もできるので、教えていただけると大変助かります。
たとえば、写真のような腫れをみた 歯茎専門医に 「うみがたまってるんじゃないでしょうか?」と聞いたところ、「感染(炎症)で腫れていると思うけど、あそうだね。パンチしてみよう。
」といって、先のとがったものですこし穴を開けてみたけれど、なにも出なかったみたいです。
画像1 画像2
*米国在住9歳児、歯の痛みと顔の腫れ、高熱。病名も原因も言われない
先日、ご相談申し上げた、アメリカ在住のものです。
10日間の抗生物質(AmoxicillinとClavulanate potassium)を終えても、歯茎の腫れと若干痛みがあるそうなので、小児歯科医が紹介した、根管治療専門医に行きました。
また、レントゲンをとって見る限りでは 歯茎の炎症による腫れかもしれないから 歯茎専門医(pedodontist)に行くようにと、下記のような紹介状を歯茎専門医に送りました。
Treatment Performed:Evaluation swelling and pain LR Endodontic Diagnosis: Buccal swelling #28 that appears to be periodontal in etiology. Developing tooth makes interpretation of possible apical pthosis problematiic.
REmarks:Recommend perio eval.
すると、同日の午後、Pedodonitistに行くと、レントゲンとって 歯茎の腫れを見ると Rootに問題があると思うんだけど。。といって、硬いポップコーンのようなものは食べたかという質問をされて
(確かに、食べていましたが、ラマを触ったあとに、消毒剤で消毒はしましたが。。しかし、初めて軽い歯痛を感じたあとでした)、
とにかく歯茎が膨れて炎症が治まってないから、ペニシリンが効いていないみたいだから、 患部を暖めてMETRONIDAZOLEを処方して、 再来するように言われたのですが、その日の夜、小児歯科医と相談した結果、やはり両名Rootに問題があると思ったらしく、また1週間後に小児歯科医に戻るようにいわれました。
質問ですが、
(1)根管治療専門医はレントゲンしか検査の方法はなかったのでしょうか?
たとえば歯髄壊死を確認するための電気を通す方法があるらしいのですが、それをお願いするとかしたほうがよかったのでしょうか?
実はよく考えてみると、歯の中央部分ではないのですが、小さい角のような歯が周辺近くに(ど真ん中ではなかったのですが、)出ていて、歯痛を訴える2週間ぐらい前に欠けた記憶があります。
確かに右の歯でしたが、膨れている歯茎のある歯のようなきもします。
なので、根管治療専門医にDens evaginatusと関係ありますか?ときくと関係ないといわれました。
しかしながら 歯茎専門医(pedodontist)によると、初診のした小児歯科医はDens evaginatus による根管炎症を考えて、根管治療専門医に紹介状を書いたということでした。
(小児歯科医と歯茎専門医はご夫婦でした)
(2) 小児歯科医、歯茎専門医、根幹治療専門医もレントゲンを患部を見ることだけをしているのですが、ほかになにか検査とかはないのでしょうか?(細菌検査、CT など)
(3)#28は虫歯ではないのですが、もしかしたら 穴を開けないと中は どうなっているかわからないのでしょうか?
どの先生方も一生懸命考えてくださっているのですが、3箇所を行ったりきたりしている感じがするのと、どの先生も確実に診断できずにいるので不安です。
普通日本でしたら、娘のような場合 どのような検査や投薬、経過観察を経て 診断と治療にいたるのでしょうか?
頭に入れておいたほうが、過去の出来事を思い出すときに大変役に立つし、先生に質問もできるので、教えていただけると大変助かります。
たとえば、写真のような腫れをみた 歯茎専門医に 「うみがたまってるんじゃないでしょうか?」と聞いたところ、「感染(炎症)で腫れていると思うけど、あそうだね。パンチしてみよう。
」といって、先のとがったものですこし穴を開けてみたけれど、なにも出なかったみたいです。
画像1 画像2
相談者からの返信
相談者:
pママさん
返信日時:2011-09-22 16:35:00
回答1
杉原歯科クリニック(杉並区・上高井戸)の杉原です。
回答日時:2011-09-22 16:45:23
>小さい角のような歯が周辺近くに(ど真ん中ではなかったのですが、)出ていて、歯痛を訴える2週間ぐらい前に欠けた記憶があります
中心結節が破折したのかもしれません。
中心結節が折れると虫歯が無くても歯髄炎を起こすことがあります。
これは担当医には伝わっていますでしょうか。
診断の重要なヒントになりますので必ずお伝えください。
過去の中心結節に関する質問です。
*〔写真あり〕中心結節が折れた場合の治療方法は?
ご参考まで・・・
中心結節が破折したのかもしれません。
中心結節が折れると虫歯が無くても歯髄炎を起こすことがあります。
これは担当医には伝わっていますでしょうか。
診断の重要なヒントになりますので必ずお伝えください。
過去の中心結節に関する質問です。
*〔写真あり〕中心結節が折れた場合の治療方法は?
ご参考まで・・・
回答2
E Eデンタル(愛知県豊橋市)の井野です。
回答日時:2011-09-22 17:08:06
こんにちはお子さんのことになると少し不安になってしまいますね。
電気歯髄新などで原因歯の特定はされた方がいいでしょうね。
私も中心結節からの感染を疑いますが、これは担当の先生が診断してくれると思いますので、まずはかかりつけの先生に経過、症状などを話された方がいいと思います。
もし根の治療ですと、かなり難しい根管治療が予想されます。
小児歯科、もしくは歯内療法専門医でこのようなケースを実際治療された経験のある先生に治療はお任せになった方がいいと思います。
成人の根の先端が完成されているケースと異なり、根の先端がまだかなり開いているので特殊な治療になると思います。
一応中心結節の画像を。
上の歯の小さな突起が中心結節です。
この部分が折れると、たまに問題を起こすことがあります。
もし折れていれば顕微鏡などで拡大して細い道具を通せばすぐに分ります。
色々不安でしょうがお子さんだけは励まし続けてあげて下さいね^^
おだいじに
画像1
電気歯髄新などで原因歯の特定はされた方がいいでしょうね。
私も中心結節からの感染を疑いますが、これは担当の先生が診断してくれると思いますので、まずはかかりつけの先生に経過、症状などを話された方がいいと思います。
もし根の治療ですと、かなり難しい根管治療が予想されます。
小児歯科、もしくは歯内療法専門医でこのようなケースを実際治療された経験のある先生に治療はお任せになった方がいいと思います。
成人の根の先端が完成されているケースと異なり、根の先端がまだかなり開いているので特殊な治療になると思います。
一応中心結節の画像を。
上の歯の小さな突起が中心結節です。
この部分が折れると、たまに問題を起こすことがあります。
もし折れていれば顕微鏡などで拡大して細い道具を通せばすぐに分ります。
色々不安でしょうがお子さんだけは励まし続けてあげて下さいね^^
おだいじに
画像1
相談者からの返信
相談者:
pママさん
返信日時:2011-09-23 01:07:50
杉原先生、井野先生ありがとうございました。
添付の画像を見たのですが、娘の歯とは違うと思います。
むしろ、中央結節の周囲にある盛り上がった歯の一番高いところが異様にとんがっていて、その上に、小さいしずく(この文面にある。より小さいくらい)が くっついていました。
反対の歯にもあったのですが、それも 2年くらい前に同じようにとれたのですが、そのときは今回のようなことにはいたらなかったのですが。。
(これは、はの形成異常なのでしょうか?)
幼稚園に入るぐらいから、6ヶ月に一度は当時住んでいた、韓国の歯科に検診に行っていたのですが、歯の成長異常を指摘されたことがなく、去年の12月15日に韓国の大学病院で定期健診をして、証明書を作成してもらったのを思い出して、見たのですが、No Gross abonomalities-No urgent care neededになっているのですが、もう9ヶ月もたっているので、該当となる歯の状態は、今と違っていることも考えられますが。。
先生方に、質問されたり、アドバイスをいただくと、いろいろ診断の参考になるような自分の記憶を思い出せて、よかったです。
返信にも、優しいお心遣いが感じられて、大変感謝しております。
がんばります!
添付の画像を見たのですが、娘の歯とは違うと思います。
むしろ、中央結節の周囲にある盛り上がった歯の一番高いところが異様にとんがっていて、その上に、小さいしずく(この文面にある。より小さいくらい)が くっついていました。
反対の歯にもあったのですが、それも 2年くらい前に同じようにとれたのですが、そのときは今回のようなことにはいたらなかったのですが。。
(これは、はの形成異常なのでしょうか?)
幼稚園に入るぐらいから、6ヶ月に一度は当時住んでいた、韓国の歯科に検診に行っていたのですが、歯の成長異常を指摘されたことがなく、去年の12月15日に韓国の大学病院で定期健診をして、証明書を作成してもらったのを思い出して、見たのですが、No Gross abonomalities-No urgent care neededになっているのですが、もう9ヶ月もたっているので、該当となる歯の状態は、今と違っていることも考えられますが。。
先生方に、質問されたり、アドバイスをいただくと、いろいろ診断の参考になるような自分の記憶を思い出せて、よかったです。
返信にも、優しいお心遣いが感じられて、大変感謝しております。
がんばります!
回答3
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2011-09-23 03:46:47
こんばんは。
また、お会いしましたね。
娘さんの歯の問題が解決され、順調に回復に向かわれていることを願っておりましたので、こうしてこのサイトではもうお会いしたくなかったのですが。
娘さんの状況、改善されていらっしゃらないのですね・・・・・
記述内容とレントゲン写真、口内写真を拝見致しました。
前回のコメントでも申し上げましたが、実際に娘さんを診察しておりませんので、ここでは診断を下せません。
アドバイス的なことを書いて行くことでしかサポート出来ませんが、気を落とさずにどうか頑張って下さいね。
さて、
こちらの根管治療専門医の先生が書かれた、歯茎専門医(歯周専門医といいます。Periodontistです。Pedodontistは小児歯科専門医を指しているのですよ。)宛ての紹介状の内容ですが、
>Treatment Performed:Evaluation swelling and pain LR
Endodontic Diagnosis: Buccal swelling #28 that appears to be periodontal in etiology. Developing tooth makes
interpretation of possible apical pthosis problematic.
REmarks:Recommend perio eval.
ちょっと翻訳致しますね。
「処置:右下LR(Lower right)の腫脹と疼痛状況を評価した。
歯髄観点での診断:右下第二小臼歯頬側歯肉に確認される腫脹は歯周疾患に起因すると認められる。
発育過程にある歯が根尖部位の病態を引き起こすとは考えられにくい。(引き起こすのは疑わしい・有り得ない)
所見:歯周科での再評価を求める。」
この記述内容から、担当の根管治療専門医は、前回のご質問欄で申し上げた「Dens evaginatus・中心結節」を最初から全く疑われていないようです。
ここからは、個人的な感想なのですが、
紹介状の記述内容と、「interesting case!」という、根管治療専門医らしからぬコメントから推察致しまして、担当の先生は中心結節を「ご存じないのではないか」というような感じを強く受けました。
担当の根管治療専門医にはとても失礼にあたることは重々分かっておりますが、アジア系の患者さんを治療されたことがないのではないか、こういった症例を診たことがないのではないかと疑ってしまいます。
アメリカの根管治療専門医でも、熱心に症例の勉強をなされていなかったり、白人しか診療したことがないというような先生は、アジア系(Asian)の人種やインディアン(Native Americans)、ヒスパニック系(Hispanics)の人種によく発現する中心結節を存じ上げていない可能性があります。
(全てではないですよ。勉強されてる先生はちゃんと分かりますし、アジア圏、日本の先生でも分からない方は多くいらっしゃいます。)
今回のこちらの根管治療専門医は小児科医師からのご紹介のようですが、却って小児科医師の方が洞察力が強いと感じました。
一度、別の根管治療専門医にセカンドオピニオンを求められたら如何でしょうか。
もし当てがないようでしたら大学病院の歯髄科・根管治療科(Endodontic department)での受診を検討なさっても良いかもしれません。
個人的には、添付されたお写真で、第二小臼歯の歯冠部分の形態が疑わしい様相(噴火口状)を示しておりますし、既に根尖周囲が病相(透過像+歯槽硬線が広く消えています。)を表していますので、いずれの診断名になろうとも、歯髄からの起因を再検討されたほうが宜しいかと思います。
また、その必要性があると感じます。
>根管治療専門医はレントゲンしか検査の方法はなかったのでしょうか?
>たとえば歯髄壊死を確認するための電気を通す方法があるらしいのですが、それをお願いするとかしたほうがよかったのでしょうか?
電気診は、電気歯髄診断器(Electrical Pulp Tester)で歯の表面に電気刺激を加え、沁み・痛みの反応で歯髄の生死の判断及び歯髄の病態を診査する方法ですが、痛覚発生の閾値は、必ずしも歯髄の病態を的確にそのまま反映しているとは限りません。
歯髄状態を再評価する時でも、診査項目の中の一項目として、参考程度に行うものです。
また、
根未完成歯や萌出途中の歯、そして外傷直後の歯は、電気診で、電気的閾値が上昇したり、反応がなかったりしますので、こういった症例では行われない場合が多いのです。
特に、根完成歯と根未完成歯では反応の閾値が大きく異なります。
根未完成歯は神経も完成していないので反応が鈍くなる場合が多く、また、年齢的にも、その反応に対する信憑性が低いとされていますので、通常、根未完成歯ではあまり行いません。
(症例によって、また、お子さんの精神的な成熟度・性格によって参考程度に用いたりする場合も稀にありますが、本当にとても稀です。)
>#28は虫歯ではないのですが、もしかしたら 穴を開けないと中は どうなっているかわからないのでしょうか?
>普通日本でしたら、娘のような場合 どのような検査や投薬、経過観察を経て診断と治療にいたるのでしょうか?
診査方法は国単位ではなく、先生によって違うことがあります。
歯髄疾患に対する一般的な診査方法は(アメリカでも日本でも、何処の国でも)、以下の方法を用いて、その結果を参考にしながら総合的に判断し、診断を下すようにしています。
1患歯の病歴などの問診
2視診
3レントゲン診査(撮影方向が違うものを何枚か)
4触診
5温度診(したりしなかったり)
6電気診(したりしなかったり)
7歯周状態
8膿瘍中央にろう孔があれば、インディケーターになるようなものを挿入してレントゲン撮影し、病原を探ります。
オプションで
9マイクロスコープによる視診
10CT診査
大学病院では
11MRI(核磁器共鳴画像)診査も
ただ、今回のような状況では、
1・2・3・7・8・(必要があれば9 )である程度分かるかと思われます。
歯の形態によっては、微小な露髄があるかどうか、歯髄と交通しているかどうかを調べるために、根管長測定器(Endodontic meter)でファイルを接触、挿入させて視ることもあります。
最後に、
今回のような幼若永久歯の歯髄に異常が生じますと、その歯は正常な歯としての発育が妨げられることになります。
根未完成歯ですから、根の先にある根尖孔が開いたまま根の成長が停止してしまうのです。
お写真を見ますと、右下第二小臼歯は、根尖の穴の径が根の管よりも大きくラッパ状根管(Blunderbuss canal)になっていますから、通常の根管治療・充填は困難となります。
ですから、まず、開大した根尖に石灰化バリアを誘発させ、閉鎖させる処置が必要不可欠になるかと思います。(Apexification・アペキシフィケーション)
幼若永久歯が歯髄を失うと、歯冠、歯根ともに薄く、歯質の石灰化の程度も低いままで、脆弱な歯となりやすいため、今後の処置が肝心要になると言えますから、慎重に医師選びをなされたほうが良いように思います。
お大事になされて下さい。
また、お会いしましたね。
娘さんの歯の問題が解決され、順調に回復に向かわれていることを願っておりましたので、こうしてこのサイトではもうお会いしたくなかったのですが。
娘さんの状況、改善されていらっしゃらないのですね・・・・・
記述内容とレントゲン写真、口内写真を拝見致しました。
前回のコメントでも申し上げましたが、実際に娘さんを診察しておりませんので、ここでは診断を下せません。
アドバイス的なことを書いて行くことでしかサポート出来ませんが、気を落とさずにどうか頑張って下さいね。
さて、
こちらの根管治療専門医の先生が書かれた、歯茎専門医(歯周専門医といいます。Periodontistです。Pedodontistは小児歯科専門医を指しているのですよ。)宛ての紹介状の内容ですが、
>Treatment Performed:Evaluation swelling and pain LR
Endodontic Diagnosis: Buccal swelling #28 that appears to be periodontal in etiology. Developing tooth makes
interpretation of possible apical pthosis problematic.
REmarks:Recommend perio eval.
ちょっと翻訳致しますね。
「処置:右下LR(Lower right)の腫脹と疼痛状況を評価した。
歯髄観点での診断:右下第二小臼歯頬側歯肉に確認される腫脹は歯周疾患に起因すると認められる。
発育過程にある歯が根尖部位の病態を引き起こすとは考えられにくい。(引き起こすのは疑わしい・有り得ない)
所見:歯周科での再評価を求める。」
この記述内容から、担当の根管治療専門医は、前回のご質問欄で申し上げた「Dens evaginatus・中心結節」を最初から全く疑われていないようです。
ここからは、個人的な感想なのですが、
紹介状の記述内容と、「interesting case!」という、根管治療専門医らしからぬコメントから推察致しまして、担当の先生は中心結節を「ご存じないのではないか」というような感じを強く受けました。
担当の根管治療専門医にはとても失礼にあたることは重々分かっておりますが、アジア系の患者さんを治療されたことがないのではないか、こういった症例を診たことがないのではないかと疑ってしまいます。
アメリカの根管治療専門医でも、熱心に症例の勉強をなされていなかったり、白人しか診療したことがないというような先生は、アジア系(Asian)の人種やインディアン(Native Americans)、ヒスパニック系(Hispanics)の人種によく発現する中心結節を存じ上げていない可能性があります。
(全てではないですよ。勉強されてる先生はちゃんと分かりますし、アジア圏、日本の先生でも分からない方は多くいらっしゃいます。)
今回のこちらの根管治療専門医は小児科医師からのご紹介のようですが、却って小児科医師の方が洞察力が強いと感じました。
一度、別の根管治療専門医にセカンドオピニオンを求められたら如何でしょうか。
もし当てがないようでしたら大学病院の歯髄科・根管治療科(Endodontic department)での受診を検討なさっても良いかもしれません。
個人的には、添付されたお写真で、第二小臼歯の歯冠部分の形態が疑わしい様相(噴火口状)を示しておりますし、既に根尖周囲が病相(透過像+歯槽硬線が広く消えています。)を表していますので、いずれの診断名になろうとも、歯髄からの起因を再検討されたほうが宜しいかと思います。
また、その必要性があると感じます。
>根管治療専門医はレントゲンしか検査の方法はなかったのでしょうか?
>たとえば歯髄壊死を確認するための電気を通す方法があるらしいのですが、それをお願いするとかしたほうがよかったのでしょうか?
電気診は、電気歯髄診断器(Electrical Pulp Tester)で歯の表面に電気刺激を加え、沁み・痛みの反応で歯髄の生死の判断及び歯髄の病態を診査する方法ですが、痛覚発生の閾値は、必ずしも歯髄の病態を的確にそのまま反映しているとは限りません。
歯髄状態を再評価する時でも、診査項目の中の一項目として、参考程度に行うものです。
また、
根未完成歯や萌出途中の歯、そして外傷直後の歯は、電気診で、電気的閾値が上昇したり、反応がなかったりしますので、こういった症例では行われない場合が多いのです。
特に、根完成歯と根未完成歯では反応の閾値が大きく異なります。
根未完成歯は神経も完成していないので反応が鈍くなる場合が多く、また、年齢的にも、その反応に対する信憑性が低いとされていますので、通常、根未完成歯ではあまり行いません。
(症例によって、また、お子さんの精神的な成熟度・性格によって参考程度に用いたりする場合も稀にありますが、本当にとても稀です。)
>#28は虫歯ではないのですが、もしかしたら 穴を開けないと中は どうなっているかわからないのでしょうか?
>普通日本でしたら、娘のような場合 どのような検査や投薬、経過観察を経て診断と治療にいたるのでしょうか?
診査方法は国単位ではなく、先生によって違うことがあります。
歯髄疾患に対する一般的な診査方法は(アメリカでも日本でも、何処の国でも)、以下の方法を用いて、その結果を参考にしながら総合的に判断し、診断を下すようにしています。
1患歯の病歴などの問診
2視診
3レントゲン診査(撮影方向が違うものを何枚か)
4触診
5温度診(したりしなかったり)
6電気診(したりしなかったり)
7歯周状態
8膿瘍中央にろう孔があれば、インディケーターになるようなものを挿入してレントゲン撮影し、病原を探ります。
オプションで
9マイクロスコープによる視診
10CT診査
大学病院では
11MRI(核磁器共鳴画像)診査も
ただ、今回のような状況では、
1・2・3・7・8・(必要があれば9 )である程度分かるかと思われます。
歯の形態によっては、微小な露髄があるかどうか、歯髄と交通しているかどうかを調べるために、根管長測定器(Endodontic meter)でファイルを接触、挿入させて視ることもあります。
最後に、
今回のような幼若永久歯の歯髄に異常が生じますと、その歯は正常な歯としての発育が妨げられることになります。
根未完成歯ですから、根の先にある根尖孔が開いたまま根の成長が停止してしまうのです。
お写真を見ますと、右下第二小臼歯は、根尖の穴の径が根の管よりも大きくラッパ状根管(Blunderbuss canal)になっていますから、通常の根管治療・充填は困難となります。
ですから、まず、開大した根尖に石灰化バリアを誘発させ、閉鎖させる処置が必要不可欠になるかと思います。(Apexification・アペキシフィケーション)
幼若永久歯が歯髄を失うと、歯冠、歯根ともに薄く、歯質の石灰化の程度も低いままで、脆弱な歯となりやすいため、今後の処置が肝心要になると言えますから、慎重に医師選びをなされたほうが良いように思います。
お大事になされて下さい。
相談者からの返信
相談者:
pママさん
返信日時:2011-09-23 15:17:03
王先生
また、詳しいアドバイスありがとうございます。
本当に助かります。
おっしゃるとおり、白人の多いエリアに居住しており、根管治療専門医も白人 評判の悪い先生ではないのですが、会話をしていて感じたのですが、おそらく娘のような症例は 治療したことがないように思われます。
実際、同日の午後に受診した歯周専門医は、「この歯茎の腫れを根管治療専門医は、こうやってきちんとみたのかね?」と私に驚いて質問されたくらいです。
王先生のおかげで、実際に、診断 治療となったときに はたして方向性が一般的なものなのか確認しながら 進めると思います。
お忙しい中、たすけていたいて ありがとうございます。
母親の私のほうが 大変がっかりしていましたが、納得のいく先生にめぐり合えるようしっかりしようと思います。
San Diego市内のほかの根管治療専門医をとも思いましたが(メキシコ人やアジア系も多い地区もあるので)、また、娘のような症例を治療したことのない先生にあたるとも限りませんので、大学病院に連れて行ってみようと思います。
UCLAの病院が一番近いところらしいので、そちらに娘の症状を治療できるかどうか、質問と予約願いを入れてみました。
担当の小児歯科医の先生に相談して紹介状を書いていただくようにしたいと思っています。
また質問なのですが
(1) 歯の仕組みがよくわからないのですが、歯髄のことなのですが、これは失うとすべての歯に影響するのでしょうか?
それとも該当する歯にだけ影響するのでしょうか?
(2)このまま抗生剤だけを飲んで、経過観察ばかりしていたら状態がもっと悪くなるような気がするのですが。
つまり、歯茎の腫れは いくら薬を飲んでも引っ込まず、病巣もそのまま残り、ほかの歯にも影響するのではないかと心配なのですが。
歯周専門医のいわれるように、ほんとに、腫れている歯茎の炎症を抑えるのが先なのでしょうか?
私としては、できる限りの検査をして、なるべく早く診断 治療をしていただいたほうが、安全な気がするのですが。
(3)この状態で 日本につれて帰って治療をするのは無理でしょうか?
飛行機に乗ると高度や気圧のため、病巣のある歯が痛んだりすると聞いたことがあります。
また、詳しいアドバイスありがとうございます。
本当に助かります。
おっしゃるとおり、白人の多いエリアに居住しており、根管治療専門医も白人 評判の悪い先生ではないのですが、会話をしていて感じたのですが、おそらく娘のような症例は 治療したことがないように思われます。
実際、同日の午後に受診した歯周専門医は、「この歯茎の腫れを根管治療専門医は、こうやってきちんとみたのかね?」と私に驚いて質問されたくらいです。
王先生のおかげで、実際に、診断 治療となったときに はたして方向性が一般的なものなのか確認しながら 進めると思います。
お忙しい中、たすけていたいて ありがとうございます。
母親の私のほうが 大変がっかりしていましたが、納得のいく先生にめぐり合えるようしっかりしようと思います。
San Diego市内のほかの根管治療専門医をとも思いましたが(メキシコ人やアジア系も多い地区もあるので)、また、娘のような症例を治療したことのない先生にあたるとも限りませんので、大学病院に連れて行ってみようと思います。
UCLAの病院が一番近いところらしいので、そちらに娘の症状を治療できるかどうか、質問と予約願いを入れてみました。
担当の小児歯科医の先生に相談して紹介状を書いていただくようにしたいと思っています。
また質問なのですが
(1) 歯の仕組みがよくわからないのですが、歯髄のことなのですが、これは失うとすべての歯に影響するのでしょうか?
それとも該当する歯にだけ影響するのでしょうか?
(2)このまま抗生剤だけを飲んで、経過観察ばかりしていたら状態がもっと悪くなるような気がするのですが。
つまり、歯茎の腫れは いくら薬を飲んでも引っ込まず、病巣もそのまま残り、ほかの歯にも影響するのではないかと心配なのですが。
歯周専門医のいわれるように、ほんとに、腫れている歯茎の炎症を抑えるのが先なのでしょうか?
私としては、できる限りの検査をして、なるべく早く診断 治療をしていただいたほうが、安全な気がするのですが。
(3)この状態で 日本につれて帰って治療をするのは無理でしょうか?
飛行機に乗ると高度や気圧のため、病巣のある歯が痛んだりすると聞いたことがあります。
回答4
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2011-09-24 01:53:54
こんばんは。
>San Diego市内のほかの根管治療専門医をとも思いましたが(メキシコ人やアジア系も多い地区もあるので)、また、娘のような症例を治療したことのない先生にあたるとも限りませんので、大学病院に連れて行ってみようと思います。
>UCLAの病院が一番近いところらしいので、そちらに娘の症状を治療できるかどうか、質問と予約願いを入れてみました。
その様になさるのが一番宜しいかと思いますよ。
以前、研修時にLAのWest Covinaに住んでおりましたが、台湾から技術移民された方々はWest Covina、San GavrielやSan Marino、 Torrence、 PV(Palos Verdes)、Diamond Bar等に居住することが多いので、自然とこういったエリアには台湾系、日系の先生のクリニックが集中しています。
LAに住まわれているのでしたらお分かりかと思いますが、これらのエリアは地価が高い地区ですから、居住している台湾系の方たちもインテリ・富裕層の方が多く(労働者層が多いMontery parkと違いまして)、こういった地区にあるクリニックはそれなりの技量がなければ医院経営が成り立たない側面があり、ヒスパニック系の方がより多く住まわれているPasadenaや San Diegoに行かれるよりも、治療要望に沿える高品質な治療が受けられる確率が高いと思います。
(歯科に限らず、他の科もです。)
まぁ、これは個人的な意見なので参考程度になさって下さい。
さて、UCLAにはもう問い合わせられましたでしょうか?
UCLAには世界のトップクラスに位置される各界の先生がいますので、こういった症例は見慣れています。
昔、研修プログラムで在籍していたころはDr.Buchananという根管治療分野で世界的に有名な先生が学生や研修医・留学生の指導に当たっておられました。
ただ、現在は非常勤になられ、大学病院にはあまりお顔を出されていないようで、予約出来るかどうかは分かりませんが、診ていただける機会があれば、とてもラッキーなことだと思います。
UCLAの一般治療部門(Genenal treatment)ではなく、出来ればPostgraduate Endodontic Clinic若しくはPediatricsの方に問い合わせて下さいね。
さもないと、またあっちこっちへと回されますから・・・
それから、予約時にPostgraduate provider(研修医)か Faculty members(指導医)か Student dentist(インターン生)の何れかで予約しますかという事を聞かれると思いますので、診察費と治療費を考量しながらどのランキングの先生に診ていただくか事前に検討なさっておかれた方が無難です。
今回のような根管は、Student dentistには難しすぎると思いますので、可能であればPostgraduate以上の医師に任せられたほうが良いですね。
UCLAには台湾系の先生が3−4人、日系二世の先生が一人、韓国系の先生が2人ほど指導医としてご活躍されていますので、何かと心強いと思いますよ。
その中で、私の出身校の直属の先輩で、現在UCLAで教鞭をとられている先生が2人おりますが、何か歯科部門で分からないことがありましたら、私からの紹介だと、こちらの先生にお訊ね下さい。(張廷琳先生)
ご専門と担当部門は違いますが、サポートして下さるはずです。
こちら→http://www.dent.ucla.edu/bio/bio.asp?id=404
または、
→http://www.dentistry.ucla.edu:8000/Dentistry/about-us/academic/advanced-prosthodontics-biomaterials-hospital-dentistry/removable-prosthodontics
長期間に渡って抗生剤を服用なさっている状態は良くありません。一日も早く解決されることをお祈り致します。
さて、ご質問ですが、
>(1)これは失うとすべての歯に影響するのでしょうか?
>それとも該当する歯にだけ影響するのでしょうか?
該当する歯だけです。
ただ、病的な部分(病巣など)が大きくなり、隣接歯の根に影響を与える場合もありますから、早期に処置を施されたほうが良いと言えます。
>(2)このまま抗生剤だけを飲んで、経過観察ばかりしていたら 状態がもっと悪くなるような気がするのですが。
>つまり、歯茎の腫れは いくら薬を飲んでも引っ込まず、病巣もそのまま残り、ほかの歯にも影響するのではないかと心配なのですが。
>歯周専門医のいわれるように、ほんとに、腫れている歯茎の炎症を抑えるのが先なのでしょうか?
前回は、もう少しで蜂窩織炎(Cellulitis)になる一歩手前まで感染が波及していたわけですから、まず感染拡大の縮小と抑制を行わなければなりませんでした。
歯髄から起因した腫脹は抗生剤を服用しても、完全には無くなりません。
多少縮小はしますが、きれいに消えることはありません。
根管内で腐敗、壊死した組織と物質を取り除かなければ解決出来ませんが、既に歯髄−歯周併発タイプの炎症になられている場合は、歯周組織も合わせて処置しなければならず、また、歯周組織起因を排除すべく、鑑別診断のためにやられているのかもしれません。
(何せ、今回は根管治療医から歯髄起因ではない!とはっきり言われているものですから、歯周専門医もこうすることしか出来ないのではないでしょうか。)
>(3)この状態で 日本につれて帰って治療をするのは無理でしょうか?
>飛行機に乗ると高度や気圧のため、病巣のある歯が痛んだりすると聞いたことがあります。
日本に帰国なさっても、こういった症例を手掛けている先生は多くないですよ。
また同じように日本でも、治療したことがない、こういった症例をご存じない、処置法が全く分からないという先生に当たる可能性があります。
この様な根管は、殆どが根管治療専門クリニックか大学病院に紹介されます。
そうしますと、本帰国ならまだしも、一時帰国の場合は、予約→初診→(紹介→予約→再診察→)予約→治療開始・・・というプロセスを踏まなければならないわけですから、滞在期間中に治療が終えられるかどうかの問題に直面する可能性があります。
また、
仮に、今後Apexificationという処置が必要となった場合、経過リコールを含めてましても、長期化が予想される治療になると言えますから、短期間の滞在では無理のように感じます。
数年前、娘さんと同じ症状で、シカゴに住まわれていた台湾人のお子さんが、親御さんに連れられて、根管治療のためにわざわざ台湾に帰国されてきたことがありました。
長期化するということをご説明した上で応急処置のみを施し、シカゴのロマリンダ大学で教鞭をとられている知人の医師にご紹介して、居住地であるアメリカで継続的な根管治療を受けていただきました。
こうしたほうが、このお子さんのためになると考えたからです。
根管治療期間中は予期せぬハプニングが起こる事もありますし、今後の予後観察も何年にも渡って行わなければならないため、いつでも、すぐ連絡が取れる担当医師が傍におられたほうが良いと言えます。
「遠くの親戚よりも近くの隣人」同様、一時帰国しながら、こういった根管治療を受けられるのは個人的にはあまりお薦め出来ません。
>San Diego市内のほかの根管治療専門医をとも思いましたが(メキシコ人やアジア系も多い地区もあるので)、また、娘のような症例を治療したことのない先生にあたるとも限りませんので、大学病院に連れて行ってみようと思います。
>UCLAの病院が一番近いところらしいので、そちらに娘の症状を治療できるかどうか、質問と予約願いを入れてみました。
その様になさるのが一番宜しいかと思いますよ。
以前、研修時にLAのWest Covinaに住んでおりましたが、台湾から技術移民された方々はWest Covina、San GavrielやSan Marino、 Torrence、 PV(Palos Verdes)、Diamond Bar等に居住することが多いので、自然とこういったエリアには台湾系、日系の先生のクリニックが集中しています。
LAに住まわれているのでしたらお分かりかと思いますが、これらのエリアは地価が高い地区ですから、居住している台湾系の方たちもインテリ・富裕層の方が多く(労働者層が多いMontery parkと違いまして)、こういった地区にあるクリニックはそれなりの技量がなければ医院経営が成り立たない側面があり、ヒスパニック系の方がより多く住まわれているPasadenaや San Diegoに行かれるよりも、治療要望に沿える高品質な治療が受けられる確率が高いと思います。
(歯科に限らず、他の科もです。)
まぁ、これは個人的な意見なので参考程度になさって下さい。
さて、UCLAにはもう問い合わせられましたでしょうか?
UCLAには世界のトップクラスに位置される各界の先生がいますので、こういった症例は見慣れています。
昔、研修プログラムで在籍していたころはDr.Buchananという根管治療分野で世界的に有名な先生が学生や研修医・留学生の指導に当たっておられました。
ただ、現在は非常勤になられ、大学病院にはあまりお顔を出されていないようで、予約出来るかどうかは分かりませんが、診ていただける機会があれば、とてもラッキーなことだと思います。
UCLAの一般治療部門(Genenal treatment)ではなく、出来ればPostgraduate Endodontic Clinic若しくはPediatricsの方に問い合わせて下さいね。
さもないと、またあっちこっちへと回されますから・・・
それから、予約時にPostgraduate provider(研修医)か Faculty members(指導医)か Student dentist(インターン生)の何れかで予約しますかという事を聞かれると思いますので、診察費と治療費を考量しながらどのランキングの先生に診ていただくか事前に検討なさっておかれた方が無難です。
今回のような根管は、Student dentistには難しすぎると思いますので、可能であればPostgraduate以上の医師に任せられたほうが良いですね。
UCLAには台湾系の先生が3−4人、日系二世の先生が一人、韓国系の先生が2人ほど指導医としてご活躍されていますので、何かと心強いと思いますよ。
その中で、私の出身校の直属の先輩で、現在UCLAで教鞭をとられている先生が2人おりますが、何か歯科部門で分からないことがありましたら、私からの紹介だと、こちらの先生にお訊ね下さい。(張廷琳先生)
ご専門と担当部門は違いますが、サポートして下さるはずです。
こちら→http://www.dent.ucla.edu/bio/bio.asp?id=404
または、
→http://www.dentistry.ucla.edu:8000/Dentistry/about-us/academic/advanced-prosthodontics-biomaterials-hospital-dentistry/removable-prosthodontics
長期間に渡って抗生剤を服用なさっている状態は良くありません。一日も早く解決されることをお祈り致します。
さて、ご質問ですが、
>(1)これは失うとすべての歯に影響するのでしょうか?
>それとも該当する歯にだけ影響するのでしょうか?
該当する歯だけです。
ただ、病的な部分(病巣など)が大きくなり、隣接歯の根に影響を与える場合もありますから、早期に処置を施されたほうが良いと言えます。
>(2)このまま抗生剤だけを飲んで、経過観察ばかりしていたら 状態がもっと悪くなるような気がするのですが。
>つまり、歯茎の腫れは いくら薬を飲んでも引っ込まず、病巣もそのまま残り、ほかの歯にも影響するのではないかと心配なのですが。
>歯周専門医のいわれるように、ほんとに、腫れている歯茎の炎症を抑えるのが先なのでしょうか?
前回は、もう少しで蜂窩織炎(Cellulitis)になる一歩手前まで感染が波及していたわけですから、まず感染拡大の縮小と抑制を行わなければなりませんでした。
歯髄から起因した腫脹は抗生剤を服用しても、完全には無くなりません。
多少縮小はしますが、きれいに消えることはありません。
根管内で腐敗、壊死した組織と物質を取り除かなければ解決出来ませんが、既に歯髄−歯周併発タイプの炎症になられている場合は、歯周組織も合わせて処置しなければならず、また、歯周組織起因を排除すべく、鑑別診断のためにやられているのかもしれません。
(何せ、今回は根管治療医から歯髄起因ではない!とはっきり言われているものですから、歯周専門医もこうすることしか出来ないのではないでしょうか。)
>(3)この状態で 日本につれて帰って治療をするのは無理でしょうか?
>飛行機に乗ると高度や気圧のため、病巣のある歯が痛んだりすると聞いたことがあります。
日本に帰国なさっても、こういった症例を手掛けている先生は多くないですよ。
また同じように日本でも、治療したことがない、こういった症例をご存じない、処置法が全く分からないという先生に当たる可能性があります。
この様な根管は、殆どが根管治療専門クリニックか大学病院に紹介されます。
そうしますと、本帰国ならまだしも、一時帰国の場合は、予約→初診→(紹介→予約→再診察→)予約→治療開始・・・というプロセスを踏まなければならないわけですから、滞在期間中に治療が終えられるかどうかの問題に直面する可能性があります。
また、
仮に、今後Apexificationという処置が必要となった場合、経過リコールを含めてましても、長期化が予想される治療になると言えますから、短期間の滞在では無理のように感じます。
数年前、娘さんと同じ症状で、シカゴに住まわれていた台湾人のお子さんが、親御さんに連れられて、根管治療のためにわざわざ台湾に帰国されてきたことがありました。
長期化するということをご説明した上で応急処置のみを施し、シカゴのロマリンダ大学で教鞭をとられている知人の医師にご紹介して、居住地であるアメリカで継続的な根管治療を受けていただきました。
こうしたほうが、このお子さんのためになると考えたからです。
根管治療期間中は予期せぬハプニングが起こる事もありますし、今後の予後観察も何年にも渡って行わなければならないため、いつでも、すぐ連絡が取れる担当医師が傍におられたほうが良いと言えます。
「遠くの親戚よりも近くの隣人」同様、一時帰国しながら、こういった根管治療を受けられるのは個人的にはあまりお薦め出来ません。
相談者からの返信
相談者:
pママさん
返信日時:2011-09-24 10:04:58
王先生
ありがとうございました。
UCLAのKANG先生が電話を下さって、水曜日に予約を取れました。
こちらの小児歯科医の先生は、市内のほうが緊急の場合 便利なのではないかとおっしゃって、市内で娘を見てくれそうなところを探してくださっていて、月曜日に連絡をくれるそうでう。小児歯科医の先生は 自宅の電話番号も教えてくださって、「いつでも電話してもいいから。」とおっしゃってくださいました。
歯茎の腫れの状態が、お送りしたときの写真よりも悪くなっているので、緊急の場合、市内の根管治療医に見てもらうことも検討しています。
いろいろ親身になって 相談に乗っていただいて 本当にありがとうございました。
娘が快方にむかいましたら、あらためてご連絡させていただきます。
ありがとうございました。
UCLAのKANG先生が電話を下さって、水曜日に予約を取れました。
こちらの小児歯科医の先生は、市内のほうが緊急の場合 便利なのではないかとおっしゃって、市内で娘を見てくれそうなところを探してくださっていて、月曜日に連絡をくれるそうでう。小児歯科医の先生は 自宅の電話番号も教えてくださって、「いつでも電話してもいいから。」とおっしゃってくださいました。
歯茎の腫れの状態が、お送りしたときの写真よりも悪くなっているので、緊急の場合、市内の根管治療医に見てもらうことも検討しています。
いろいろ親身になって 相談に乗っていただいて 本当にありがとうございました。
娘が快方にむかいましたら、あらためてご連絡させていただきます。
タイトル | [写真あり] 9歳、歯の痛み、歯茎と顔の腫れが治まらない (アメリカ) |
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質問者 | pママさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 9歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯の異常・トラブルその他 根管治療の治療法 歯茎(歯ぐき)の腫れ 小児歯科治療 小児歯科その他 その他(写真あり) アメリカ(米国) |
回答者 |
|
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。