幼少から硬いものを食べると顎が発達し、親知らずも真っ直ぐ伸びる?

相談者: 徳田新之助さん (36歳:男性)
投稿日時:2011-12-16 21:52:29
⇒参考:過去のご相談
「局所麻酔の腕、上手い下手があるのでしょうか?」



いつもお世話になっております。
知的好奇心を満たすような質問で誠に恐縮なのですが、ひとつ教えていただきたいことがあります。

先日「虫歯の歴史」という本を読みました。
その中に江戸時代の将軍家のような高い身分の人の歯は小さい頃からやわらかい物を食べていたので顎の骨が発達せず歯並びが非常に悪かったとの記載がありました。

ということは乳歯の頃から硬いものをバリバリ食べさせれば顎が発達し、親知らずも真っ直ぐ伸びる環境になるのでしょうか。

最近では第二大臼歯埋伏もあると聞きます。
歯並び(顎の発達)は先天性のものなのか、後天性のものなのか。

個人的に知りたいことでお忙しい先生方のお手を煩わせるのは非常に心苦しいのですがぜひご教授いただきたく、投稿させていただきました。

よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2011-12-16 22:21:49
ある程度、歯のサイズ・形などは遺伝的要因で親子が似通ってくる部分はあると思います。

そこへ後天的要素で小さくなる事は考えられると思います。

八代将軍様

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-12-17 09:03:04
>ということは乳歯の頃から硬いものをバリバリ食べさせれば

「硬いものをバリバリ」よりは、「噛みごたえのあるもの」や「飲み込むまでに噛む回数がたくさん必要なもの」の方が効果的です。

食べ物の具を少し大きめに切るのもよいでしょう。

あまり噛まない人の歯列臼歯が内側に倒れこんでいる傾向があります。

たくさん噛むことで内側に倒れていた臼歯が起き上がり、結果として歯列のアーチが拡大されるようです。

回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2011-12-17 11:19:16
むし歯の歴史 編著 竹原直道 (砂書房)’

名著ですね。

>江戸時代の将軍家のような高い身分の人の歯は小さい頃からやわらかい物を食べていたので顎の骨が発達せず歯並びが非常に悪かった

もし、当時の一般庶民の歯並びが良かったにも関わらず、身分の高い人の歯並びが明らかに悪かったとしたら、食物に原因を求めることは説得力を持った意見の一つに思えます。

他にも、生活習慣で差のあったものが無かったかどうか考えてみるのは楽しいと思います。毎日の歩行量の差(将軍家の人だとおちおち出歩けない?)、睡眠環境の差・・・etc.これらが歯・歯列と、どう関係しているのか、或いは全く無関係か、ですね。

成長発育期にちゃんと鼻呼吸出来ていないと上顎(つまり下顎も)の発育が悪いと考える人はいらっしゃいます。


>歯並び(顎の発育)は先天的なものか、後天的なものなのか。

知り合いの先生がR大御所に、そっと尋ねたところ、「遺伝6割・環境(後天的)4割かな?」とお答えいただいたそうです。

私個人は、エピジェネティクス(epigenetics)なものに考えていますが・・。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 徳田新之助さん
返信日時:2011-12-17 21:24:13
柴田先生、堀先生、藤森先生ご回答ありがとうございます。

むし歯の歴史」ひらがな表記でした。失礼しました。

現在のような機器のない時代の歯科医療は、どこまでえぐかったのか興味を持ち、載ってそうなタイトルの本だったので購入したのですが、でんぷんと砂糖に関する記述が多く、少々期待はずれでしたが今回の質問内容のところは食い入るように読みました。

食べ物が乱ぐい歯の原因とするのはあくまで一説にすぎないのですね。
活字で書かれているとつい盲信しがちになります。
ここで質問し、回答が得られよかったです。

先天、後天両方あるとすれば「乱ぐい歯の予防」は食習慣だけでは無理ということでしょうか。


>柴田先生

洒落のわかる先生とお見受け致しました。
最後の一行に尾張宗春公への敬愛と暴れた人への怨念を感じました。
回答 回答4
  • 回答者
伊藤矯正歯科クリニック(名古屋市中区)の伊藤です。



※2013年9月14日までは伊藤和明先生、それ以降は伊藤雅大先生がご回答されています。
回答日時:2011-12-18 09:15:38
幼少期ならしっかり噛むことによって歯並びを改善したり、悪くなるのを予防することができる可能性があります。

しかし成長期を過ぎるとそれだけで歯並びを良くすることは不可能だと思います。

よく噛むことはいろいろな効用があります。

日本咀嚼学会では
「ひみこのはがいーぜ」という標語で説明しています。

ひ:肥満防止、
み:味覚の発達、
こ:言葉の発音はっきり、
の:脳の発達、
は:歯の病気予防、
が:ガン予防、
い:胃腸快調、
ぜ:全力投球

なんでもしっかりよくかんで食べましょう。
そのためにも歯並び、噛み合わせが整っていないと効果は半減します。


もし興味があれば

歯科に役立つ人類学 −進化からさぐる歯科疾患ー」
金澤英作,葛西一貴 編著 わかば出版

歯科医向けの本ですが、一般の方が読んでも面白いかもしれません。歯科医学と人類学の橋渡しともいうべき本。

顎骨の進化(変化)の原因には食性があると考えている学者も多いようです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 徳田新之助さん
返信日時:2011-12-18 22:44:50
伊藤先生、ご回答ありがとうございます。

私は歯並びは良いので今さら噛む必要はないかと思っていましたが咀嚼学会の標語を見ると成長しきってからでもしっかり噛むことは良いことなのですね。勉強になりました。

もし子を育てる機会があれば咀嚼を念頭に置いた食生活を心がけようと思いました。

さらに書籍の紹介ありがとうございます。
サブタイトルに興味津々です。
明日大型書店の医学書コーナーをまわってみたいと思います。

実のあるご回答、本当にありがとうございました!



タイトル 幼少から硬いものを食べると顎が発達し、親知らずも真っ直ぐ伸びる?
質問者 徳田新之助さん
地域 非公開
年齢 36歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 親知らずその他
専門的な質問その他
その他(その他)
歯並び(歯ならび)その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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