コア装着時に水洗浄さえも無く、唾液が入ったまま乾燥しても大丈夫?

相談者: ミツミツさん (36歳:女性)
投稿日時:2012-10-30 23:14:33
こんばんは

わたしは今日、根管治療が終わった右下6番にファイバーコアを装着しました。
その際不安に思ったことがあります。

うがいをした後、水で洗浄し、ファイバーコアを何回か脱着する作業を繰り返した後、2 〜3分口を開けたまま待たされました。
右下6番は高さも無く、その時中に唾液がどんどん入って行ってたと思います。
そして、「装着しますね」と言われ、風をかけられ、綿を頬側と舌の下に入れられ、装着されました。

つまり、消毒どころか、水の洗浄もありませんでした。
唾液が入ったまま、乾燥したことになるのですが、虫歯の原因、又は根の先の病巣ができる原因等にならないのでしょうか?

この歯は根管治療中、針が根の先に入ってしまい、根の先が曲がっている為針を除去することが出来ませんでした。
何かあったら再治療は不可能で、抜歯になると言われました。

なので、虫歯、病巣等、とても不安です。
先生方、問題があるかどうか、ご回答よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2012-10-30 23:23:27
こんばんは。

正確なところは分かりませんが、おそらくそれぐらいの配慮不足が原因で、将来の感染根管の原因になる様な可能性はかなり低いだろうとは思います。

気にしない先生は気にしない、気にする先生は気にする程度の、よく見られる操作だと思います。



>針が根の先に入ってしまい、根の先が曲がっている為針を除去することが出来ませんでした。
>何かあったら再治療は不可能で、抜歯になると言われました。

に関しては、自費にはなりそうですが専門医や力を入れている先生を見つけ出して相談されれば、いきなり抜歯ということにはならないと思いますので、万が一の場合はそうされるといいと思いますよ。

とりあえず今回は過ぎたことですから、あまり深く考えない方がいい様に思います。

お大事にどうぞ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ミツミツさん
返信日時:2012-10-30 23:45:52
渡辺先生、早速のご回答ありがとうございます。
感染根管の影響は低いと言う事でホッとしました。

では、虫歯の原因にはなるでしょうか??
クラウンはゴールドを被せる予定です。
また虫歯になると、出費が(泣)

そして今後の治療の参考にもさせて頂きたいので、よろしくお願いします。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2012-10-31 08:38:49
ご相談ありがとうございます。


>では、虫歯の原因にはなるでしょうか??


ならないとは言えません。

もともと削られた歯は,とてもばい菌がしみ込みやすくなります。
削られた面は、あたかもストローをたくさん束ねてカットしたように穴だらけだからです。

また、ばい菌は唾液に混じって,納豆のようにとてもべたべたしています。
納豆のついた食器をきれいにするって、他の汚れとは違いますよね。


そういう訳で、一生歯を残すためには、削った面を保護して,一度たりとも汚染されないように用心します。
特に根の管は、細く深いため、一度汚染されてしまうとなかなかきれいにすることができにくいからです。


ただお話からではいずれ抜歯を考えているようですから、そこまで考慮していないというお互いに暗黙の了解があるのでしょうか。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ミツミツさん
返信日時:2012-10-31 18:58:11
さがら先生、ご回答ありがとうございます。

>一生歯を残すためには、削った面を保護して、一度たりとも汚染されないように用心します。

一度たりとも…ですか……
うがいもしてはダメって事ですよね。
そこまで徹底しないとまた虫歯になるんですね(泣)

返って諦めがつきました。
でもせめて余分な唾液ぐらい除去して欲しかったです(泣)


>ただお話からではいずれ抜歯を考えているようですから、そこまで考慮していないというお互いに暗黙の了解があるのでしょうか。

わたしは少しでも長く歯を維持したいので、保険外のコアでお願いしますと担当医にお願いしました。
なので暗黙の了解では無いと思います。
細かい事はあまり気にしてないのかもしれません。

そういえば、今はコア剥き出しのままです。
歯の側面は削られ、形が整えられてます。

唾液にさらされてる状態です…
ばい菌いっぱい付いてますよね…
なんだか複雑な気分です…
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2012-10-31 20:02:37
ご返信ありがとうございます。


>そこまで徹底しないとまた虫歯になるんですね(泣)


必ずしも虫歯になる訳ではありませんから,ご心配ありません。
そこまで徹底すると安心できるというお話です。


唾液にさらされてる状態です…
>ばい菌いっぱい付いてますよね…


唾液の中のばい菌が少なければ,あまりご心配はありません。
治療前から,あるいはせめて治療と同時に、予防医療で唾液中の虫歯菌を数えたり減らしたりすることは、治療を長く持たせる骨の一つです。


多くの人は勘違いをしています。
今度こそ治療の後で予防をきちんとしよう,という勘違いです。

正しい予防とは、治療の前に予防を始めることです。
終わってからでは、つまり、もう虫歯菌がしみ込んだり,中に閉じ込められたりしてからでは、予防効果も半減してしまうからです。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2012-11-01 05:30:50
すみません、さがら先生のご意見とは対立しますが、海外のカリオロジー(むし歯学? 日本の歯学教育では科目が分かれてしまって相当するものがありません)の教科書によると、少々の細菌(むし歯も)も封鎖してしまうことで臨床上問題ないとされています。

細菌も生き物ですから、餌(プラークなど)が完全に途絶えてしまえば死ぬか、仮死かそれに近い状態を長く維持する、という考え方で良いと思います。
(根管内でも根尖歯根の先端寄りの部分は、顎骨内から栄養分が入ってくる可能性があります)



もちろん程度問題なので、施術する側としては合理的な範囲で出来るだけの配慮はするべきだと思います。

それと完全封鎖の状態と、隙間が空いている様な状態(例えばクラウンの適合精度が悪い状態)では異なるのですが、これに関しては素材ではなくて先生と技工士さんの腕なのでここではなんとも・・

一応ファイバーコアは、丁寧に操作が行われれば隙間は空きにくい、良い材料のひとつではありますので、ミツミツさんが心配するとしたら、根管治療終了後の術中の唾液感染よりも、今度出来上がるクラウンがピッタリ隙間なく出来上がって、それをしっかりとくっつけて貰えるかどうか、と言う点だと思います。

ただ通常それを確認する術はないと思いますが、同じ先生と技工士さんが作るものであれば、保険の物よりも自費の方が精度良く作って貰える可能性が高いので、ミツミツさんはそれほど悪くない選択はすでにされていると思いますよ。



生き物は皆細菌と共存していますから、どれだけ健康な人でも最大限注意を払ったインプラントのオペなどでも、「感染」はある意味ずっとしていますし、完全に避けることは出来ません。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2012-11-01 09:57:34
>すみません、さがら先生のご意見とは対立しますが、


かまいませんよ〜^^)

いろいろな考えがあって良いと思います。
患者さんも好みで選ぶ範囲が増えます。

意見交換はとても大事です。



>それと完全封鎖の状態と、隙間が空いている様な状態(例えばクラウンの適合精度が悪い状態)では異なるのですが、これに関しては素材ではなくて先生と技工士さんの腕なのでここではなんとも・・



つまりきちんとしてクラウンで封鎖してしまえば、もう安心という考えです。

これは古くから言われていることですが、じつはすでにもう古い考えです。
つい最近の最も新しい歯内療法の論文では、コロナル・リーケージと言って、クラウンをかぶせている歯でも歯の根の中まで上から感染を起こすことが証明されました。



ここをざっくりと説明します。

もともと、健康な歯は象牙質というストローを束ねた断面を、エナメル質という完璧なキャップでふさいでいます。
例えれば、ゆで卵の白身を守っているのが卵の殻であり、エナメル質だということです。

クラウンという治療は、そのエナメル質をすっかり削り落としてしまいます。
上もまわりも、それから大事な歯茎との境目まで。


歯茎との境目をクラウンで封鎖することは、歯周病に造詣が深ければ理解できる高度な知識としても、歯周病学的にみても極めて複雑で高度な技術が要求され実行は困難と思われることですが、そこをクラウンの材質で人工的にくっつけたとしても、隙間無くふさぐことも、それを長く維持させることも出来なかったという証明がされました。


私はできるだけクラウンは最後の治療にしたいと思っています。
それまでは、詰め物などで対応した方が、一生歯を残すためには有効でした。

どうしても必要があれば私もクラウンにします。
そして、クラウンを精魂込めて作った後、37年くらい今も無事に使えている症例を持っています。
それ以降10年20年30年と長持ちしている方が普通です。
もちろん例外もありますが。


しかし、わたしは、クラウンなどを,決して軽々しく行うべきではないと考えています。


証明されなくても、考えただけで、自然と同じ事を今の科学で再現できるわけがないことから、初めから疑う方が科学的な心でもあります。



>細菌も生き物ですから、餌(プラークなど)が完全に途絶えてしまえば死ぬか、仮死かそれに近い状態を長く維持する、という考え方で良いと思います。


これも古くからある考えで、むし歯を生き埋めにしてしまえばいいと思われています。


エビデンスに基づく治療の考えはとても大切で守る必要があると私も考えています。

しかし科学的な心では、常に疑うことが、そして臨床科にとっては研究よりも目の前で困っている患者さんの治療の成果のほうが、より重要と考えています。


実際に多くの臨床を経験してみると誰でも分かることですが、大分前閉じこめられたらしい虫歯の状態をたくさん観察できます。

結果は、確かに激しい進行はなくなっています。
その分、歯の神経の防御反応が高まって、虫歯の残党と神経の間にはとても硬い象牙質が出来て、守られているように見えることが殆どです。

しかし、虫歯は死んでいるのでしょうか?
いいえ、殆ど死んでいません。
少しずつですが、防御線をよけるように、横へ横へと広がり、あるいは歯と歯の間の重要な弱点を歯茎の下へ下へと深くむしばんでいることが少なくありません。


つまり、エビデンスで言えば、むし歯治療のバイブルであるキッドのカリオロジーでの最も信頼できる判断基準である虫歯の硬さで調べると、はっきり虫歯が広がっていることが診断できます。

そこの再治療をするときに、神経はほぼ無事であっても、肝心の歯が殆ど使えなくなって後の治療にとても支障を感じることがあります。
私はそれでも神経を残す手段を知っていますが、ちまたでは簡単に神経を抜かれる状況だと思われます。


もちろんそうでない例もあるでしょう。
そういう場合は、歯科医院に治療に来院しないから調べようがないわけです。


エビデンスに基づいた歯科治療はとても私の性に合っています。
しかし、それを疑う科学の心も、臨床には必要です。

何しろ、むし歯でもまだ解明されていないことがあり、そもそも現代の科学が進歩したとはいっても、偉大な科学者ほど謙虚であり、人間の身体も海も宇宙も、殆ど分からないと言っているくらいです。

ましてや、我々の仕事は科学の中でも目の前の患者さんが困っている事へ答えを提供しなければならないという、現場の仕事をしていて、研究者とは少々違います。


証明されていないから出来ないではなく、適切な処置がすぐに求められています。

例えば極端な例で、今では常識的なことですが、出血と止血のメカニズムはかなり解明されています。
でも大昔は、そんなことは分からなくても、圧迫したら血が止まった、だから押さえよう,ということから治療が始まっています。


したがって、歯科医師には裁量権が認められていますが、適切な臨床的感覚と経験値は欠かせないと思っています。

エビデンス、これはEBM エビデンス・ベースト・メディスンともいわれていますが、研究者とは違い我々には臨床の責任があり、EMM エビデンス・メーキング・メディスン位の気持も忘れてはなりません。

出血と止血のメカニズムが、おそらく人類生誕後何百万年も経た現代でやっと証明されたように。



又、予防的概念でいえば、できる限りの用心をしておくことが安心に繋がります。
しなくても良かったね、と結果論を待つことは時代遅れです。
21世紀は予防の時代、心の時代です。
徹底的にしたほうが安心と思われる人は,それを選択することが出来ます。


他の人は大丈夫だったから、唾液がかかっちゃっても良いよ、後から洗ったり、消毒すればいいし、その方がずっと楽だし、という選択肢もあり得ます。

でもストローを束ねた断面には入り込んでしまったとしたら、表面を拭っても、中まできれいにできるのでしょうか?
初めから入れないようにしたほうが、安心だと言う人もいると思います。



いろいろ書きましたが、削る治療が始まると決して自然の歯にはかなわないことがおわかりになったと思います。

一番良い治療をお話ししましょう。

それは痛くないときに、一生削らないで済む、削らない治療を受けに行き、歯を残したい間は通い続けることです。

今までと逆をするだけで、切り替えが面倒でしょうが、健康を維持増進してしまうと、そのあと、それはそれは楽になり、楽しくなってしまうものなんです^^)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ミツミツさん
返信日時:2012-11-05 21:31:45
先生方、ご回答ありがとうございました!!
お礼が遅れてすみません。

☆渡辺先生

>少々の細菌(むし歯も)も封鎖してしまうことで臨床上問題ないとされています。

既にコアを装着してしまった私には救いの言葉です〜
虫歯菌が死んでしまっている事を願いたいです。


>今度出来上がるクラウンがピッタリ隙間なく出来上がってそれをしっかりとくっつけて貰えるかどうか、と言う点だと思います。

技工士さんと担当医の腕にかかってるんですね。
これは祈るばかりですか。。
でも保険外のクラウンにしといて良かったです!


☆さがら先生

虫歯について、まだまだ研究されているんですね。
治療した後、何年も虫歯になっていない人の症例も細かく研究してほしいです。

そしてこれからは予防歯科を頑張っていこうと思います。
ちなみにわたしはリカルデントガムを今年から、毎日噛んでいます。予防歯科になってればいいんですが^_^;


先生方、貴重なお話しありがとうございました。



タイトル コア装着時に水洗浄さえも無く、唾液が入ったまま乾燥しても大丈夫?
質問者 ミツミツさん
地域 非公開
年齢 36歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療その他
歯の土台に関するトラブル
歯医者への不満・グチ
回答者




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