清掃性のいいインプラントは?
相談者:
裕次郎Uさん (40歳:男性)
投稿日時:2013-04-23 23:23:46
清掃性のいいインプラントってありますか?
どこのメーカーがいい、こういう構造がいい等、情報お願いします。
構造に関しては、高床式みたいな、アパットメントと上物の間に隙間があった方が歯間ブラシが届いていいように思うのですが。
よろしくお願いします。
どこのメーカーがいい、こういう構造がいい等、情報お願いします。
構造に関しては、高床式みたいな、アパットメントと上物の間に隙間があった方が歯間ブラシが届いていいように思うのですが。
よろしくお願いします。
[過去のご相談]
回答1
回答日時:2013-04-24 02:01:16
インプラント本体(フィクスチャー)は通常歯肉の中、あるいは骨の中に埋め込むものですから、基本的にはメーカーや構造による差はないと考えて良いと思います。
どちらかと言えばアバットメント(差し歯の土台の部分)とのつなぎ目(マージン)の位置だったり、精度が重要でしょうね。
そういう意味では、アバットメントとのつなぎ目自体が存在しないワンピースタイプインプラント(AQBなどの一部ラインナップ)や、ワンピースの如くフィクスチャーとアバットメントのつなぎ目がガタつかないテーパー嵌合のプラットフォームスイッチングのタイプ(ANKYLOSやAstraなど)、あるいはつなぎ目を歯肉より上にわざと持ってくるシステム(ストローマンの一部ラインナップなど)が多少良いかも知れません。
あとこれはインプラント周囲歯肉の炎症を嫌ってのご質問だと思いますので、歯肉に接触する部分の炎症の起こりやすさ、という視点で素材を考えれば金合金(カスタムアバットメントと呼ばれる、いわゆるオーダーメイドのアバットメントを作る際に使用される場合がある素材)が一番悪くて、チタン合金(既製のアバットメントはほぼこれ。
カスタムも可。
ワンピースタイプもこれ)は良く、セラミック系(既製のアバットメントの一部やカスタム。)は更にわずかに良い、という感じの様です。
またインプラント周囲歯肉に直接接触する部分の研磨も基本的にはしてある方が良い訳ですが、ジルコニア等ではツルツルに鏡の様に研磨してあるよりは実は少し手前の、削り出したままの状態ぐらいの粗さがある方がインプラント周囲歯肉とのなじみがわずかに良いとか、そういう報告もある様です。
逆にインプラント周囲炎が起きてしまった場合のリカバリーについては、基本的にどのメーカー、タイプも難儀するのですが、骨の"つき"の良いザラザラのものやHA(ハイドロキシアパタイト)をコーティングしている様な現代的(?)なタイプよりも、古いツルツルのものや、ザラザラしてるけど比較的ツルツル(?)のもの(astraなど)の方が若干結果が良いとかの報告もあります。
高床式も完璧とは言えませんが、確かに一定の安心感はありますね。
基本的に上記の様な、メーカーや素材、仕上げを基準に患者さんが指定して選択することは難しいと思いますが、高床式とか高床式に少し近い感じでアバットメントとクラウンのつなぎ目を見えるところに持って来てもらう(縁上マージン)とか、それぐらいのオーダーなら現実味はある様な気もします。
それと裕次郎U さん、当サイトに沢山のご質問を投稿されている様ですが、寄せられた回答に対してよく分かったとか分からなかったとか・・一言頂戴出来ると幸いです。
お大事にどうぞ。
どちらかと言えばアバットメント(差し歯の土台の部分)とのつなぎ目(マージン)の位置だったり、精度が重要でしょうね。
そういう意味では、アバットメントとのつなぎ目自体が存在しないワンピースタイプインプラント(AQBなどの一部ラインナップ)や、ワンピースの如くフィクスチャーとアバットメントのつなぎ目がガタつかないテーパー嵌合のプラットフォームスイッチングのタイプ(ANKYLOSやAstraなど)、あるいはつなぎ目を歯肉より上にわざと持ってくるシステム(ストローマンの一部ラインナップなど)が多少良いかも知れません。
あとこれはインプラント周囲歯肉の炎症を嫌ってのご質問だと思いますので、歯肉に接触する部分の炎症の起こりやすさ、という視点で素材を考えれば金合金(カスタムアバットメントと呼ばれる、いわゆるオーダーメイドのアバットメントを作る際に使用される場合がある素材)が一番悪くて、チタン合金(既製のアバットメントはほぼこれ。
カスタムも可。
ワンピースタイプもこれ)は良く、セラミック系(既製のアバットメントの一部やカスタム。)は更にわずかに良い、という感じの様です。
またインプラント周囲歯肉に直接接触する部分の研磨も基本的にはしてある方が良い訳ですが、ジルコニア等ではツルツルに鏡の様に研磨してあるよりは実は少し手前の、削り出したままの状態ぐらいの粗さがある方がインプラント周囲歯肉とのなじみがわずかに良いとか、そういう報告もある様です。
逆にインプラント周囲炎が起きてしまった場合のリカバリーについては、基本的にどのメーカー、タイプも難儀するのですが、骨の"つき"の良いザラザラのものやHA(ハイドロキシアパタイト)をコーティングしている様な現代的(?)なタイプよりも、古いツルツルのものや、ザラザラしてるけど比較的ツルツル(?)のもの(astraなど)の方が若干結果が良いとかの報告もあります。
高床式も完璧とは言えませんが、確かに一定の安心感はありますね。
基本的に上記の様な、メーカーや素材、仕上げを基準に患者さんが指定して選択することは難しいと思いますが、高床式とか高床式に少し近い感じでアバットメントとクラウンのつなぎ目を見えるところに持って来てもらう(縁上マージン)とか、それぐらいのオーダーなら現実味はある様な気もします。
それと裕次郎U さん、当サイトに沢山のご質問を投稿されている様ですが、寄せられた回答に対してよく分かったとか分からなかったとか・・一言頂戴出来ると幸いです。
お大事にどうぞ。
回答2
国際ビル歯科(千代田区丸ノ内)のさがらです。
回答日時:2013-04-24 08:31:36
ご相談ありがとうございます。
清掃性は長期的な成功にとても大事です。
インプラントの成功率はとても高く一般的な治療となってきていますが、現在もっとも重要な課題はインプラント周囲炎です。
この対策には二つの要素があります。
患者さん自身が清掃しやすい形態や構造であること、歯科医院側が炎症に対して専門的な対策を用意して治療を実行することという計画性です。
前者については、ご指摘のような高床式も一つの手段です。
他にもいくつかあります。
後者については、清掃の習慣や実力がついていても、それに見合う効果を上げる治療計画です。
渡辺先生が説明された、インプラントと上の歯の構造とのインターフェースの位置や素材も原始的な視点といえます。
最新の知見としては、試行錯誤の結果で素材や構造を消去法で取捨選択する論理法とは違うアプローチがされています。
それはインプラント治療の原点に戻り、インプラントと骨や粘膜とのインターフェースの研究から生まれた新しい概念です。
その結果全ての種類のインプラントや構造に共通する欠点と改良点が判明しつつあります。
その欠点とは、従来は感染という視点でしたが、炭素による汚染が大きなファクターであると解明されたことです。
その炭素による汚染を除く光機能化という治療方法は画期的なインターフェースのシールを実現して細菌の侵入を防ぐことができます。
さらに継続的な研究により、インプラントに接続するアバットメントという連結するバーツと噛ませるためのクラウンにも光機能化を行うことによって、粘膜とのインターフェースのシールにも成功したという最新の報告もあります。
これにより清掃性について、従来は患者さんにとても高度なケアを要求された場合でも、あるいは器用でないとケアに効果が上げられなかった場合でも、とても簡単に清掃性が保てる可能性がとても高まってきます。
ご指摘のように、目先のインプラントにとらわれることなく、清掃性などにも重点を置いた長期的な成功を目指す本当のインプラント治療を見極めることはとても大事な心がけです。
清掃性は長期的な成功にとても大事です。
インプラントの成功率はとても高く一般的な治療となってきていますが、現在もっとも重要な課題はインプラント周囲炎です。
この対策には二つの要素があります。
患者さん自身が清掃しやすい形態や構造であること、歯科医院側が炎症に対して専門的な対策を用意して治療を実行することという計画性です。
前者については、ご指摘のような高床式も一つの手段です。
他にもいくつかあります。
後者については、清掃の習慣や実力がついていても、それに見合う効果を上げる治療計画です。
渡辺先生が説明された、インプラントと上の歯の構造とのインターフェースの位置や素材も原始的な視点といえます。
最新の知見としては、試行錯誤の結果で素材や構造を消去法で取捨選択する論理法とは違うアプローチがされています。
それはインプラント治療の原点に戻り、インプラントと骨や粘膜とのインターフェースの研究から生まれた新しい概念です。
その結果全ての種類のインプラントや構造に共通する欠点と改良点が判明しつつあります。
その欠点とは、従来は感染という視点でしたが、炭素による汚染が大きなファクターであると解明されたことです。
その炭素による汚染を除く光機能化という治療方法は画期的なインターフェースのシールを実現して細菌の侵入を防ぐことができます。
さらに継続的な研究により、インプラントに接続するアバットメントという連結するバーツと噛ませるためのクラウンにも光機能化を行うことによって、粘膜とのインターフェースのシールにも成功したという最新の報告もあります。
これにより清掃性について、従来は患者さんにとても高度なケアを要求された場合でも、あるいは器用でないとケアに効果が上げられなかった場合でも、とても簡単に清掃性が保てる可能性がとても高まってきます。
ご指摘のように、目先のインプラントにとらわれることなく、清掃性などにも重点を置いた長期的な成功を目指す本当のインプラント治療を見極めることはとても大事な心がけです。
回答3
加藤デンタルクリニック(横浜市中区)の加藤です。
回答日時:2013-04-24 08:54:21
清掃は御自身がしやすい他に、定期的に歯科医院で行うクリーニングがあると思います。
定期的なクリーニングでは、スクリュー固定であれば取り外しが出来て、メガネの掃除のように超音波などで清掃がしやすいです。
合着タイプですと取り外しが大変なので取り外すことはしないことが多いと思います。
参考までに。
定期的なクリーニングでは、スクリュー固定であれば取り外しが出来て、メガネの掃除のように超音波などで清掃がしやすいです。
合着タイプですと取り外しが大変なので取り外すことはしないことが多いと思います。
参考までに。
回答4
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2013-04-24 12:59:54
裕次郎U さん、今日は
清掃性に関しては、メーカーはあまり関係ないと思います。
いくつかの清掃性を左右する因子を書いてみます。
1)インプラントでの回復の範囲
奥歯が数本無い状態で、回復する場合、一番おくまで回復するのか、少し手前までにするのか。
(本人が何処まで磨けるかにもよりますが)
2)インプラント体の埋入位置
天然歯とインプラント体の距離、インプラント体とインプラント体の距離が、最低必要量より広いこと。
インプラント体の中外の並び位置。
3)周りの粘膜の状態
不動粘膜が少ない場合は、手術によって、不動粘膜を作る。
4)アバットメントや上部構造の素材
チタン>ジルコニア>セラミック>金>ハイブリット
5)立ち上がり部位の形態
アバットメントが粘膜上に出るような高いものを用い、アバットメントがみえるようにする(見た目は悪い)。
隣同士の隙間を空け、中外の立ち上がりもスムーズな形態で粘膜にかぶせない(見た目が悪く、食片がたまりやすい)。
ここからは、かなり個人的な意見ですので、参考程度にしてください。
6)アバットメント:既製かオーダーメードか
既製の法が、工場で作られるので良いのではないか。
7)ねじ止めか、セメント止めか
直接清掃性に影響はないと思いますが、ねじ止めの方が、後から、少しなら形態をすることも可能。
また、最悪の場合、外して清掃もできる。
清掃性に関しては、メーカーはあまり関係ないと思います。
いくつかの清掃性を左右する因子を書いてみます。
1)インプラントでの回復の範囲
奥歯が数本無い状態で、回復する場合、一番おくまで回復するのか、少し手前までにするのか。
(本人が何処まで磨けるかにもよりますが)
2)インプラント体の埋入位置
天然歯とインプラント体の距離、インプラント体とインプラント体の距離が、最低必要量より広いこと。
インプラント体の中外の並び位置。
3)周りの粘膜の状態
不動粘膜が少ない場合は、手術によって、不動粘膜を作る。
4)アバットメントや上部構造の素材
チタン>ジルコニア>セラミック>金>ハイブリット
5)立ち上がり部位の形態
アバットメントが粘膜上に出るような高いものを用い、アバットメントがみえるようにする(見た目は悪い)。
隣同士の隙間を空け、中外の立ち上がりもスムーズな形態で粘膜にかぶせない(見た目が悪く、食片がたまりやすい)。
ここからは、かなり個人的な意見ですので、参考程度にしてください。
6)アバットメント:既製かオーダーメードか
既製の法が、工場で作られるので良いのではないか。
7)ねじ止めか、セメント止めか
直接清掃性に影響はないと思いますが、ねじ止めの方が、後から、少しなら形態をすることも可能。
また、最悪の場合、外して清掃もできる。
相談者からの返信
相談者:
裕次郎Uさん
返信日時:2013-04-26 23:51:26
4人の先生方、この度は、ご回答ありがとうございます。
渡辺先生
専門的な一般では入手できない情報をお寄せ頂きまして、本当にありがとうございます。
私もアンキロス社はいいなと思ってました。
(一般素人がスミマセン)
それとZsystem社のジルコニアインプラントもいいなと思います。
さがら先生
専門的な一般では入手できない情報をお寄せ頂きまして、本当にありがとうございます。
光機能化がどこの病院でも、扱うようになってくれると、新しいインプラントの時代になる予感がしました。
加藤先生&小牧先生
やっぱり、ねじ式がいいようですね。
---------------------------
インプラントは2013年春現在、”いかに植立するか”、が第一になっているように思いますが、”いかに長期に渡り、周囲炎と闘えるか”に着眼点が変わってくれるといいなと思います。
渡辺先生
専門的な一般では入手できない情報をお寄せ頂きまして、本当にありがとうございます。
私もアンキロス社はいいなと思ってました。
(一般素人がスミマセン)
それとZsystem社のジルコニアインプラントもいいなと思います。
さがら先生
専門的な一般では入手できない情報をお寄せ頂きまして、本当にありがとうございます。
光機能化がどこの病院でも、扱うようになってくれると、新しいインプラントの時代になる予感がしました。
加藤先生&小牧先生
やっぱり、ねじ式がいいようですね。
---------------------------
インプラントは2013年春現在、”いかに植立するか”、が第一になっているように思いますが、”いかに長期に渡り、周囲炎と闘えるか”に着眼点が変わってくれるといいなと思います。
回答5
国際ビル歯科(千代田区丸ノ内)のさがらです。
回答日時:2013-04-27 13:09:46
ご返信ありがとうございます。
>インプラントは2013年春現在、が第一になっているように思いますが、”いかに長期に渡り、周囲炎と闘えるか”に着眼点が変わってくれるといいなと思います。
これは重要な着眼点ですね。
たしかに現在も、”いかに植立するか”、に目を奪われている傾向が世間的には目立ち、あえて後悔を買っているようでとても心配していますが、医学的な主流は治療後の歯周病予防を目指した長期成功です。
もともと歯の治療全体は、一生の健康を目指すことが本質ですから、インプラントという歯の治療の一部にしか過ぎない部分についても、本質を外さないことが本物の治療といえます。
従って、治療前の計画から歯周病予防プログラムを実行するべきと考えています。
目につかない隠れた部分ですが、清掃性はその一部として、当然考慮されるべきです。
>インプラントは2013年春現在、が第一になっているように思いますが、”いかに長期に渡り、周囲炎と闘えるか”に着眼点が変わってくれるといいなと思います。
これは重要な着眼点ですね。
たしかに現在も、”いかに植立するか”、に目を奪われている傾向が世間的には目立ち、あえて後悔を買っているようでとても心配していますが、医学的な主流は治療後の歯周病予防を目指した長期成功です。
もともと歯の治療全体は、一生の健康を目指すことが本質ですから、インプラントという歯の治療の一部にしか過ぎない部分についても、本質を外さないことが本物の治療といえます。
従って、治療前の計画から歯周病予防プログラムを実行するべきと考えています。
目につかない隠れた部分ですが、清掃性はその一部として、当然考慮されるべきです。
相談者からの返信
相談者:
裕次郎Uさん
返信日時:2013-04-28 19:24:37
さがら先生
再度、コメント頂きまして、ありがとうございます。
”清掃性のいいインプラント” が今後、広まっていく事を患者として願っております。
これにて質問解決とさせて頂きます。
皆さん、回答ありがとうございました。
再度、コメント頂きまして、ありがとうございます。
”清掃性のいいインプラント” が今後、広まっていく事を患者として願っております。
これにて質問解決とさせて頂きます。
皆さん、回答ありがとうございました。
タイトル | 清掃性のいいインプラントは? |
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質問者 | 裕次郎Uさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 40歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ | インプラント治療法 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。