[写真あり] 歯根端切除術、マイクロ使用の専門医がいいか?

相談者: ミニー0728さん (25歳:女性)
投稿日時:2014-04-17 16:28:11
こんにちは。
前回、根管治療についてご相談させて頂きました。

前歯4本(右1,2、左1,2)がオールセラミックです。


昨年夏ごろからフィステルが出来ている右2番の根管治療を行い、11月に1本治療を終えました。
マイクロスコープラバーダム使用)

高かったセラミックを外したくなかったので、裏に穴を開けてそこから治療をしていました。

他の3本も黒い影があるため治療予定ですが、とりあえず右2番の経過を見ていました。



3月末頃急に痛み出し、再びフィステルができました。
掛かりつけの歯医者へ行き診てもらったところ

『根はもう綺麗になっているので、また根管治療をしても意味がない。
根の先を取り除かなければいけないので、手術した方がいい』

と言われました。



ただ、そこの先生は根管治療は沢山しているものの、歯根端切除術の経験が少ないとのこと。

他の先生の意見も聞いてみますか?ということで歯内療法専門の歯科医院を紹介してもらいました。


今、紹介状をお願いしているのでまだそちらには伺ってないのですが紹介先は自由診療のため、手術代は恐らく10万円以上。

それで本当に治ればいいのですが、万が一また再発し、抜歯などになった場合、また相当の費用がかかってしまうので、心配になり、
自分で色々調べ、保険診療で出来る病院を見つけました。

総合病院の口腔外科で、そちらの先生は年間100件以上の歯根端切除術をされているそうで、手術は1泊2日で保険内治療(費用は2万ほど)。

成功率は95%と言われ、慣れた手術なので、マイクロスコープも希望であれば使用しますが基本的には使いませんと言われました。
また、ラバーダムも不使用とのこと。


根管治療はマイクロスコープ、ラバーダム使用で成功率がかなりあがる、と色々調べて分かったので、そのような所を捜し治療してもらってました。

やはり歯根端切除術も同様にマイクロスコープ、ラバーダムを使用した方がいいのでしょうか?



また、前歯なので傷跡がどのくらい目立つのかもとても気になるところです。
自由診療、保険診療でその辺も変わってくるのでしょうか?


また、この病巣は大きい方でしょうか?
かなり切らなければいけないですか?

一般的に傷口は、月日が経てば目立たなくなってくるものですか?
それともやはり傷は残るのでしょうか?



本当は、歯内療法の先生のところでして頂きたいのですが、口腔外科の先生も手術の成功率が高く、90%くらいの人が予後も問題ない、とHPには書いており、どっちに行っても治るなら安い方で済ませたいというのが本音です。

しかしマイクロスコープ、ラバーダムを使わないということがどうしても引っかかっています。

金額がかなり違ってきそうなので、なかなか決めきれません。


他3本の根管治療も残っているので、正直あまりお金をかけれないのですが…(泣)

ただ、やはり歯を残し、完治させるのが一番重要なので治るのなら高くても出すべきだな、とも。


長くなってしまってすみません。
どちらの病院の方がいいでしょうか?
ご回答お願いいたします。

画像1画像1


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2014-04-17 16:46:23
マイクロを使って歯根端切除をやりはじめると、マイクロ無しで行う事が非常に怖くなります。

個人的には費用はかかりますが、歯内療法専門医での処置をオススメします。


ご参考になれば。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2014-04-17 17:30:19
ミニー0728さん、こんにちは

歯根端切除術も同様にマイクロスコープラバーダムを使用した方がいいのでしょうか?

歯根端切除において根管治療(充填)を同時に行う場合はラバーダムの意味はありますが、根管治療(充填)を伴わない歯根端切除にラバーダムの必要性はないと思います。


ただし、当然のことながら歯根端切除にマイクロスコープを使用することは非常に重要です。

私は口腔外科が専門ですが歯内療法専門医でのマイクロスコープを用いた歯根端切除をおすすめします。


また、今回の再発について歯科用CTで詳細に観察することで何か原因がわかる可能性もあります。


参考になれば幸いです。

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回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2014-04-17 18:12:51
ミニー0728 さんこんにちは

歯根端切除術も同様にマイクロスコープラバーダムを使用した方がいいのでしょうか?

ラバーダムについては、歯根端切除術では全く必要ありませんよ。


しかしマイクロスコープは、必要だと思います。
あるデーターでは、マイクロスコープを使用しない場合は、成功率が54%。
顕微鏡とCTを併用すると成功率は90%以上と圧倒的な違いがありました。


私も、歯内療法の専門医でCTとマイクロスコープを使用して処置していただく事をおすすめします。

ご参考になれば

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回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2014-04-17 21:21:31
日本顕微鏡歯科学会の講演で聞いてきたのですが。

保険診療に歯根端切除術マイクロスコープとCT併用の点数が認められましたが、理由として肉眼での歯根端切除術は約60%、マイクロスコープとCT併用の歯根端切除術90%以上の予後となり、マイクロスコープとCT併用は明らかに予後が良かったので認められたようです。

それは、マイクロスコープがあると根の先もよく見えるので、しっかり手術が出来るからだと思われます。

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回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2014-04-18 00:09:55
自分の回答としては荒木先生のご回答に近いですが、



>総合病院の口腔外科で、そちらの先生は年間100件以上の歯根端切除術をされているそうで、手術は1泊2日で保険内治療(費用は2万ほど)。
>成功率は95%

について気になったことをコメントしますね。

まず総合病院の口腔外科だと、一般開業医からの紹介での処置や、入院患者さんの一般歯科治療がメインの仕事となるはずです。

その中で2〜3日に1回歯根端切除を行っていて(それ自体が信じ難いですが・・)、その後の経過をしっかりと確認出来ているとはちょっと想像がつきません。


根管治療や歯根端切除術が成功したか否かを判定するには術後4年の時点での評価が学術的にはおよその基準となっているかと思いますが、そういった環境の病院で4年後同じ患者さんが来院する率はかなり低いと思います。

環境が違いすぎて詳しいことは分かりませんが、おそらくほとんどの患者さんはいらっしゃらないのではないでしょうか・・。



95%という数字はおそらくですが、その先生の実績ではなくて一般的な数字(と言っても、知る限りでは世界最高峰のスペシャリストの水準の数値。当然ながら100%マイクロスコープ使用下で、某米国歯科大学の専門医の数値に匹敵します)ではないでしょうか?

(CTが全てのケースで本当に必要かどうかは自分には分かりませんが、マイクロスコープがなかった頃のこのオペの成功率は歯内療法専門医のデータで60%台でした)

さもなければ、術後に調子が悪いと言って来院されなかった=成功 と考えている先生なのかも知れません。


一般開業医からの紹介患者さんであれば口腔外科で歯根端切除をして調子が悪ければ、「これ以上はどうしようもないですね」と言われてそちらの一般開業医で抜歯をするでしょうし、当院でもそういった「口腔外科で歯根端切除を受けたけど調子が悪い」と来院される方は定期的にいらっしゃいます。



それとこの4月の保険のルール改正で、「CT+マイクロスコープを使えば歯根端切除術の診療報酬大幅アップ」という意味の分からない変更がありましたが・・。

真面目に丁寧に根管治療が行われれば歯根端切除術が必要になること自体が滅多にないのに、そもそもの根管治療でラバーダムも使わずに何をし始めるのか、想像するだけでも恐ろしいです。


それと気になるのは、その世界最高峰のプロトコールで標準的に使用されている薬剤(MTAセメント ※※データ上、必ずしもこれでなければいけないとは言い切れませんが※※)は、未だ保険適用とはなっていないままだったと思います。



自分がミニー0728さんと同じ立場だったら、

・このまま諦める
・歯内療法専門医で10万出してオペして結局ダメ
・なんか怪しい(?)口腔外科で2万出してオペして結局ダメ

のどれだったら自分が一番受け入れられるかを考えて決めると思います。
ネガティブすぎますが・・ある意味現実だと思います。

"再"歯根端切除は原則的には無理ですから、これらの歯にとっては残せるかどうか、最後の選択と考えた方がいいと思いますよ。



迷いがあるなら少なくとも、その自費専門・歯内療法専門の先生がこの状態を見てどの様な判断をされるか、お話を伺ってから判断した方がいいのではないでしょうか。

納得の行く方法が見つかるといいですね。

お大事にどうぞ。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ミニー0728さん
返信日時:2014-04-18 10:00:44
荒木先生、畑田先生、水川先生、加藤先生、渡辺先生

早速のご回答ありがとうございます。

ラバーダム根管治療でのみ必要なのですね。
私の勘違いでした。


やはりマイクロスコープはあった方が成功率が上がるとのことで、歯内療法専門の先生のところでやって頂こうかと思っています。

とても予約が取りにくい先生のようで、来週ようやく行けるのでとりあえず話を聞き、手術費用なども詳しく聞いて最終決定しようかと思っています。




そこで、もう少し質問させてください。


CTとマイクロスコープの併用で手術の予後がいい確率が上がるとのことですが、CTを撮ると、具体的にはどのようなことが分かるのでしょうか?

今かかりつけの先生には

『開けてみてもしも歯自体が破損していたら、手術はせずにそのまま閉じる。
それはもう歯の限界なので仕方ないです。
抜歯になります。』

というようなことを言われたのですが、
そのような破損なども、CTで見れば前もって分かるのでしょうか?

もしくはやはり開けて、マイクロスコープで見なければ分からないのでしょうか?
破損の度合いによっては、見落とすということもあり得ますか?



あと、口腔外科の先生のHPを見て疑問に思ったのですが歯根管切除術は失敗してしまったとしても、また受けれるものなのでしょうか?

一度失敗しても、再手術できます。
と書いてあったのですが、こちらのサイトを見ていると再手術はほとんどあり得ないというような見解が多いように感じたのですが…

歯根管切除術は歯を残すための最後の手段、というようなご意見が多いかと思いますが、この、口腔外科の先生はかなり珍しい方なのでしょうか?


また、歯根管手術は一般的に難しい手術なのでしょうか?


度々すみません。
よろしくお願いいたします。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2014-04-18 12:12:06
>CTを撮ると、具体的にはどのようなことが分かるのでしょうか?

まずCTの画像の読影がきちんとできるかが条件になりますが・・・

CTというのは3次元的に病巣の部分を確認することができます。

通常のレントゲン(デンタルやパノラマ)は一方向からだけのすべてが重なった情報なので奥行というのはわかりません。

CTの場合はどのような面でも見ることができるというメリットがあります。


もし、通常のレントゲンのみで手術をするとなると実際に開けてみて確認しながら手術を進めることになりますが、CTを撮影することで開けずして、中の状態を3次元的に確認できるということになります。

参考の写真はデンタルとCTを同時に撮影したものです。

デンタルでは病巣の範囲は2次元的ですが、CTでは3次元的に病巣の位置や大きさを確認することができるのがわかります。



しかしいくらCTでも細かい部分はわかりません。

CTで病気の大体の大きさや形態を確認して実際に手術をする際には
マイクロスコープで細かい(悪い)部分確認しながら手術をするということになります。

ですから治療成績は上がるということになります。

マクロをCTで確認してミクロをマイクロで確認するというイメージです。




口腔外科の先生のHPを見て疑問に思ったのですが歯根管切除術は失敗してしまったとしてもまた受けれるものなのでしょうか?

受けることはできまずが成功率は下がります。

一回手術して再発したということはその手術の際に原因が除去できていなかったということを意味しています。

逆に原因が除去できていれば再発はしません。


何度もできるというのは事実ですが同じことを2回行っても結果は同じだと思います。

画像1画像1 画像2画像2

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回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2014-04-18 13:18:01
>成功率は95%と言われ、慣れた手術なので、マイクロスコープも希望であれば使用しますが基本的には使いませんと言われました。

自分なら100%使います。
前医の根管治療がどんな具合かはマイクロでないとわかりませんので。



>また、前歯なので傷跡がどのくらい目立つのかもとても気になるところです。

個人的には糸が細いと治りがいいように思います。
細いと肉眼で取り扱うのは至難の技かと思います。
髪の毛よりも細い糸はありますので。

だからこそマイクロがいるかと思います。




渡部先生が書かれた
>それと気になるのは、その世界最高峰のプロトコールで標準的に使用されている薬剤(MTAセメント ※※データ上、必ずしもこれでなければいけないとは言い切れませんが※※)は、未だ保険適用とはなっていないままだったと思います。

口腔外科での治療が何で封鎖するかは気になるところです。

再手術に関してですが他院での歯根端切除術例で不良経過していた物を再々根管治療後に、再歯根端切除術をした事はあります。

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回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2014-04-18 14:00:04
成功率の話が出てきていますが、CTとマイクロがあれば誰もが成功率90%にはなりませんから注意してください。


>95%という数字はおそらくですが、その先生の実績ではなくて一般的な数字(と言っても、知る限りでは世界最高峰のスペシャリストの水準の数値。

95%というのはたぶんペンシル大学のキム教授のデーターだと思いますが、数年間経過をおった予後では成功率が少しだけ下がっています。

個人的にはですが、成功率が90%もある先生はほんの一握りの歯内療法専門医(外科系の得意な)だけだと思いますよ。


先日カナダのフリードマン教授の講演を聞いてきましたが、外科的歯内療法の成功率は75〜85%ぐらいと話されていましたが、私も8割以上あればかなり上手な先生だと思いますし、私の拙い臨床でも8割以下ぐらいに感じています。

私が尊敬する歯内療法のかなり上手な先生と議論しても8割あったらいいね。と話されていました。

 
ですので、成功率とは渡辺先生がおっしゃるようにその先生の成功率で比べないとあまり意味はないと思います。

また外科的歯内療法は短期予後で成功率を出せばかなりいい数字がでますし、長期予後で観察して成功率を出せば数字は必然的に悪くなります。



> 一度失敗しても、再手術できます。

可能ですが、基本的には同じ部位に何回もメスを入れない方がいいのは事実なのと、もし2回目も失敗に終わった時には更に骨もダメージが及ぶので2回目は今の時点では考えない方がいいでしょうね。

たぶんどこの病院かは検討はつきますが、費用面でお困りのようなら保険で治療してくれる外科を選択されるのも1つです。

上手な専門医が行っても100%うまくいくことはありませんから。


>とりあえず話を聞き、手術費用なども詳しく聞いて最終決定しようかと思っています。

でいいと思いますよ^^


おだいじに

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回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2014-04-18 14:04:50
>CTを撮ると、具体的にはどのようなことが分かるのでしょうか?

畑田先生も書かれておりますが「病気の大きさ(広がり具合)」が3次元的に把握できます。

とある報告では

顕微鏡不使用 54.2%
顕微鏡使用 74.0〜79.2%
歯科用CT併用 83.3%
先進医療(術前カンファレンス) 92.1%

だそうです。

注)
術前カンファレンスとは、術者以外の歯科医による判断が入る事を言います。


このように顕微鏡使用の有無、CTの有無で明確な差があると考えます。



>そのような破損なども、CTで見れば前もって分かるのでしょうか?
>もしくはやはり開けて、マイクロスコープで見なければ分からないのでしょうか?
>破損の度合いによっては、見落とすということもあり得ますか?

歯根破折の程度が大きければCTで確認する事も可能ですが、ほとんどの場合、マイクロで実際に見ないと解らない事が多いです。
また、さらに小さい破折の場合には見落とす可能性もあります。

ただ、歯内療法専門医が見落とす程度の小さな亀裂の場合、処置がしっかりされていれば術後に影響が出る事は少ないと考えられた方がよろしいかと思います。
(専門医であれば、当然、処置もしっかりしているでしょうから)



>一度失敗しても、再手術できます。

他院さんで歯根端切除を行ったが上手く行っておらず、僕が再度手術をしたと言う事はあります。



>また、歯根管手術は一般的に難しい手術なのでしょうか?

やや、アドバンスな手術だと思います。


ミニー0728 さんのレントゲン写真を見る限りでは「やや大き目の病変」と思いますので、信頼できる先生にお任せするのが一番かと思います。



お大事にされてください。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ミニー0728さん
返信日時:2014-04-22 15:10:22
畑田先生、柴田先生、井野先生、櫻井先生

詳しい説明本当にありがとうございました。

明後日、歯内療法専門の歯科医院に行く予定なのでマイクロスコープ、CT、MTAセメントについてちゃんと聞いてみようと思います。




口腔外科のほうは、

【マイクロスコープは希望でしたら使用しますが、手術の成功率にはあまり関係ありません】

という言葉がどうしても引っかかっていたので受診するのはやめました。


歯内療法専門の先生は、今かかりつけの先生がとても信頼されている先生のようなのでやはりそちらでお願いしようと思います。

費用はかかりますが、自分の歯を残せるように、疑問点は先生にちゃんと質問しつつ手術して頂こうと思います。


相談してよかったです!

先生方、本当にありがとうございました。



タイトル [写真あり] 歯根端切除術、マイクロ使用の専門医がいいか?
質問者 ミニー0728さん
地域 非公開
年齢 25歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療の専門医
歯根端切除術
その他(写真あり)
マイクロスコープ
回答者




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