フラップ手術と破折の因果関係、抜歯後のインプラントについて

相談者: K2317さん (46歳:女性)
投稿日時:2014-05-03 20:24:10
フラップ手術後、歯茎が腫れ、場所的に恐らく破折とのことで、近々仮歯を外し、破折ならばその場で抜歯と言われました。
ショックです。

ブリッジインプラントを選ぶようにとのことです。



1)フラップ手術と破折の因果関係はないと言われました。

ただ、仮歯を外したりするときに歯を叩いていますし、ガリガリいじっていますし。
神経のない歯なので、フラップ手術前から破折という可能性もあるのでしょうか。

でも、破折していたのならば、フラップ手術をする必要はありませんでしたよね(過去記事からそう判読しました)。


終わったことなのでいたしかたありませんが、手術したくもなかったのに勧められたということもあり、それで、破折→抜歯だなんて、不信感を持ちました。



2)破折でも抜かないという選択肢はないんでしょうか。



3)インプラント不適応という人もいるそうですが、どういう条件でないとできないのでしょうか。
また、金属アレルギーは問題ないのでしょうか。
過去質問からも、問題のある方が多く、金額的にも躊躇してしまいます。

(奥から2番目の上の歯です)


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2014-05-04 03:09:12
こんばんわ。

>1)フラップ手術と破折の因果関係はないと言われました。

私もそのように考えています。



>フラップ手術前から破折という可能性もあるのでしょうか。

十分考えられます。



>2)破折でも抜かないという選択肢はないんでしょうか。

接着修復という方法があります。

歯根破折 http://www.yamadashika.jp/infection.html#a02

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【※編集部注】

ここで記載されている接着修復は、『根管長測定器併用根管内部接着法』(根管内部接着法)という特殊な方法です。

詳細はこちらの相談の[回答6]をご覧下さい。

歯の根元が割れているかもしれないと言われた


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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2014-05-04 11:20:23
ご相談ありがとうございます。


>1)フラップ手術と破折の因果関係はないと言われました。

ふつうはそのとおりです。



>フラップ手術前から破折という可能性もあるのでしょうか。

ありえます。



>でも、破折していたのならば、フラップ手術をする必要はありませんでしたよね(過去記事からそう判読しました)。


いいえ、はっきり破折した状態ならばそのとおりですが、破折の初期のヒビはマイクロスコープで見ても分からないほど小さくて発見が不可能です。

あとでヒビが広がり、破折と診断されることは、手術の有無に関係なくしばしばあることです。
手術が歯を残すために必要であれば受けて正解となることが多いと思います。



>終わったことなのでいたしかたありませんが、手術したくもなかったのに勧められたということもあり、それで、破折→抜歯だなんて、不信感を持ちました。


受けたくないのであれば、それをはっきり治療めにお話しするべきです。
手術をしない歯周病治療方法もあるからです。

スウェーデンの研究では、同じ程度の重症な歯周病でも長期的には手術の有無と結果に相違がなかったと言われているからです。



>2)破折でも抜かないという選択肢はないんでしょうか。

そういう選択肢もありますが、長期的、歯周病学的には抜歯がふつうの選択肢となります。



>3)インプラント不適応という人もいるそうですが、どういう条件でないとできないのでしょうか。


一般的な外科処置が不可能な場合と殆ど同じです。

またインプラント治療前と途中と治療後に歯周病管理を受けられない人、受動も含む喫煙者、歯ぎしり・特殊職業等異常習癖等が疑われる場合です。

他には心理的にお望みでない場合とか、他の治療方法が適していると思われる場合、又あえて言えば他の歯も同じようにどんどん悪化する時期が考えられます。


>また、金属アレルギーは問題ないのでしょうか。


現代のインプラントはチタンを使いますから、チタンアレルギーがあればしないほうが安全です。
もっとも非常に稀だと言われています。
私も今までそういう人に出会ったことがありません。



>過去質問からも、問題のある方が多く、

どの治療方法であっても、正しくなければしっぺ返しを受けることは、インプラントに限らずまったく同じです。
もし問題が出れば、インプラントは手術ですから大きな問題に直結しやすいことは間違いありません。

従ってどのような治療でも正しい選択が重要です。
ほんらい虫歯の正しく治療を受けていれば、抜歯になんかなる訳がないし、これからも同じ路線で行けば同じくり返しを避けられない未来だと言えます。



>金額的にも躊躇してしまいます。

無理のない決断が必要です。

金銭的にも、何十年と長く使えたり、それによって他の歯等の健康が守られて、もう一生治療しなくてよくなれば、元が取れます。

今まで同じ路線で、短期間でくり返しの治療をお考えであれば、いくら安くても高い買い物になるとも言えます。

目先だけではなく長期的な価値を、その歯だけではなく全体は歯や身体の健康を総合的に見た価値観でとらえられるかどうかで分かれると思います。


少なくとも迷っているのであれば決してインプラントをするべきではなく、それこそ「不適応」といえます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: K2317さん
返信日時:2014-05-05 15:13:42
山田先生、さがら先生、ご回答ありがとうございました。


手術をした歯についてですが、「歯周病検査のあと、下の歯はポケットが長いので外科治療をやると聞いていたけれど、別の上の歯までやるとは言っていなかったのに・・・」という気持ちが大きく、そのことを主治医にも伝え、やらない方法はないかも聞きました。
ですが、「手術がベスト」と押し切られた形でした。

そういう経過があったので、さがら先生のおっしゃる「受けたくないのであれば、それをはっきり治療めにお話しするべきです。 手術をしない歯周病治療方法もあるからです」というご指摘について、素人ゆえ、あれ以上、何と言えばよかったのかと、考えているところです。


ただ、半年ぐらい前から、この主治医がこの歯の根の治療をしてきていたので、いくら手をかけてもダメなときは来るし、寿命だったのだとあきらめます。

根の治療後も、シクシクと心臓のようになるときがあり、「根の治療の意味があったのかな」と感じていた時の手術でしたので、「手術すればこのシクシクも治りますか」と聞くと「その可能性が高い」とのことでした。
でも、もともと折れていたから、シクシクしていたと考えるほうが自然かなと思いました。



手術と破折の因果関係はふつうはないということがわかり、よかったです。
科学的にそうだろうとは、頭ではわかっていたつもりですが、第三者の専門家の方々に言っていただき、納得できました。


ありがとうございます。



タイトル フラップ手術と破折の因果関係、抜歯後のインプラントについて
質問者 K2317さん
地域 非公開
年齢 46歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ インプラント治療法
歯周外科治療(フラップ手術)
歯根破折
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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