抜歯後からのこめかみ・側頭部等の頭の痛みの原因
相談者:
バナナ野郎さん (30歳:男性)
投稿日時:2014-06-10 16:19:07
こんにちわ。
数年前、神経を抜いて被せ物をしていた右上の第一大臼歯に違和感を覚え、大学病院でCT検査などをしてもらった結果、炎症がみられ、上顎洞にも炎症がみられたため、歯肉炎による歯性上顎洞炎との診断がくだり、第一大臼歯を抜歯してもらったのですが、その後からこめかみ、側頭部に軽い痛みが生じるようになりました。
正直、その抜歯によって、後頭部の重い感じや憂鬱な精神状態から解放され、とても体調がよくなり感謝していますが、抜歯で上顎洞炎も良くなるはずと言われていたところが、耳鼻咽喉科で検査を受けたところ、手術の必要があると言われ、手術しました。
しかし、それ以降、こめかみ、側頭部の痛みが激化して酷い頭痛に悩ませられ、今日に至ります。
耳鼻咽喉科では上顎洞炎は完治していると言われています。
病院に行っても原因がはっきりせず、どこに相談していいかもわからないので、よろしくお願いします。
なぜ、抜歯でこめかみ、側頭部の痛みが発生したのか、そして、なぜ、上顎洞炎の手術(内視鏡下副鼻腔根本手術)で、それが激化したのか、そして、第一大臼歯を抜歯したことで、なぜ、後頭部の重い感じや憂鬱な精神状態から解放されたのか…、長くなってすいません。
これらの原因を知りたいのですが、よろしくお願いします。
数年前、神経を抜いて被せ物をしていた右上の第一大臼歯に違和感を覚え、大学病院でCT検査などをしてもらった結果、炎症がみられ、上顎洞にも炎症がみられたため、歯肉炎による歯性上顎洞炎との診断がくだり、第一大臼歯を抜歯してもらったのですが、その後からこめかみ、側頭部に軽い痛みが生じるようになりました。
正直、その抜歯によって、後頭部の重い感じや憂鬱な精神状態から解放され、とても体調がよくなり感謝していますが、抜歯で上顎洞炎も良くなるはずと言われていたところが、耳鼻咽喉科で検査を受けたところ、手術の必要があると言われ、手術しました。
しかし、それ以降、こめかみ、側頭部の痛みが激化して酷い頭痛に悩ませられ、今日に至ります。
耳鼻咽喉科では上顎洞炎は完治していると言われています。
病院に行っても原因がはっきりせず、どこに相談していいかもわからないので、よろしくお願いします。
なぜ、抜歯でこめかみ、側頭部の痛みが発生したのか、そして、なぜ、上顎洞炎の手術(内視鏡下副鼻腔根本手術)で、それが激化したのか、そして、第一大臼歯を抜歯したことで、なぜ、後頭部の重い感じや憂鬱な精神状態から解放されたのか…、長くなってすいません。
これらの原因を知りたいのですが、よろしくお願いします。
回答1
ひぐち歯科クリニック(大阪府茨木市)の樋口です。
回答日時:2014-06-17 00:56:27
こんにちは。
側頭部の痛みが歯や上顎洞の問題と関係しているかどうかはわかりません。
頭蓋内に何らかの異常があることも考えられます。
神経内科や脳神経外科で診てもらうことをお勧めします。
側頭部の痛みは緊張型頭痛や片頭痛かもしれません。
緊張型頭痛は筋痛という意味で歯ぎしりや食いしばり、筋性顎関節症と共通する病態です。
このような痛みがなぜ抜歯後の生じ、なぜ上顎洞の手術後に増悪したのかはわかりません。
後頭部の症状が軽くなったのは、上顎洞の手術によりその部分の炎症が消失したためかもしれません。
側頭部の痛みが歯や上顎洞の問題と関係しているかどうかはわかりません。
頭蓋内に何らかの異常があることも考えられます。
神経内科や脳神経外科で診てもらうことをお勧めします。
側頭部の痛みは緊張型頭痛や片頭痛かもしれません。
緊張型頭痛は筋痛という意味で歯ぎしりや食いしばり、筋性顎関節症と共通する病態です。
このような痛みがなぜ抜歯後の生じ、なぜ上顎洞の手術後に増悪したのかはわかりません。
後頭部の症状が軽くなったのは、上顎洞の手術によりその部分の炎症が消失したためかもしれません。
回答2
アンドウ歯科クリニック(世田谷区世田谷)の安藤です。
回答日時:2014-06-17 08:35:52
バナナ野郎さん、おはようございます。
口腔内からの炎症と上顎洞との炎症が直接関係があったのか、それともそれぞれ別々に原因があり発症していたのかは、おそらく実際に診断をしたドクターにしかわからない事だと思います。
脳は痛みを長期間(慢性的に)感じていると、痛みに対して敏感な状態になってしまいます。
この状態では、その他の体の部位の痛みにも敏感になったり、神経伝達物質の放出量の変化により、鬱状態になることもあります。
抜歯を行った後は、歯への感染により慢性的に(長期間)痛みの刺激を受けていた脳が、痛み刺激の情報を受ける事が少なくなったことにより、痛みに敏感になっていた状態から解放されたのかもしれません。
また他に、抜歯などの外科処置を行った後は、内因性オピオイド(脳内麻薬)などの放出により痛みを抑制する経路が活性化する場合があります。
さらに、神経伝達物質の放出量の変化により一時的に鬱状態が改善されていた可能性も考えられます。
痛みをコントロールする時に使われる神経伝達物質と鬱状態の時に関わる神経伝達物質は同様の物が関与している事がわかっています。
これらの状態が、新たなる手術の侵襲によってバランスが崩れてしまったのではないでしょうか?
手術による外科的侵襲は、必ず感覚神経を刺激しますので、この刺激の度合いがバナナ野郎さんには強すぎたのかもしれません。
歯からの痛みを伝えるのも、上顎洞内からの痛みを伝えるのも、三叉神経という感覚神経を通して脳に伝えられます。
これは、頭痛に関わる感覚神経と同じ神経です。
現在、片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛は、根本的には脳内から生じると考えられています。
末梢(歯・顎・上顎洞など)からの痛み刺激が強いまたは多い場合は、頭痛の頻度や程度が増強される事が見られます。
これは、もともと持っていた頭痛が、刺激されて表現されやすくなった状態であると考えられます。
以前は、緊張型頭痛は側頭筋という頭の横にある筋肉の過緊張によって生じると考えられていましたが、現在この過緊張がどれほど関係があるのかについては議論されています。
緊張型頭痛でも、側頭筋の緊張状態や痛みが無い場合があるからです。
よって、緊張型頭痛でも、分類では側頭部の痛みがあるものと、そうでない物の2タイプに分けられています。
バナナ野郎さんは、歯の治療と上顎洞の治療をすでに済まされていて、現在の症状は頭痛のみということのようですので、神経内科、脳外科、ペインクリニックのいずれかの科で開いているような、「頭痛外来」を受診して診るのはいかがでしょうか?
早く痛みが改善するとよいですね。
お大事になさってください。
口腔内からの炎症と上顎洞との炎症が直接関係があったのか、それともそれぞれ別々に原因があり発症していたのかは、おそらく実際に診断をしたドクターにしかわからない事だと思います。
脳は痛みを長期間(慢性的に)感じていると、痛みに対して敏感な状態になってしまいます。
この状態では、その他の体の部位の痛みにも敏感になったり、神経伝達物質の放出量の変化により、鬱状態になることもあります。
抜歯を行った後は、歯への感染により慢性的に(長期間)痛みの刺激を受けていた脳が、痛み刺激の情報を受ける事が少なくなったことにより、痛みに敏感になっていた状態から解放されたのかもしれません。
また他に、抜歯などの外科処置を行った後は、内因性オピオイド(脳内麻薬)などの放出により痛みを抑制する経路が活性化する場合があります。
さらに、神経伝達物質の放出量の変化により一時的に鬱状態が改善されていた可能性も考えられます。
痛みをコントロールする時に使われる神経伝達物質と鬱状態の時に関わる神経伝達物質は同様の物が関与している事がわかっています。
これらの状態が、新たなる手術の侵襲によってバランスが崩れてしまったのではないでしょうか?
手術による外科的侵襲は、必ず感覚神経を刺激しますので、この刺激の度合いがバナナ野郎さんには強すぎたのかもしれません。
歯からの痛みを伝えるのも、上顎洞内からの痛みを伝えるのも、三叉神経という感覚神経を通して脳に伝えられます。
これは、頭痛に関わる感覚神経と同じ神経です。
現在、片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛は、根本的には脳内から生じると考えられています。
末梢(歯・顎・上顎洞など)からの痛み刺激が強いまたは多い場合は、頭痛の頻度や程度が増強される事が見られます。
これは、もともと持っていた頭痛が、刺激されて表現されやすくなった状態であると考えられます。
以前は、緊張型頭痛は側頭筋という頭の横にある筋肉の過緊張によって生じると考えられていましたが、現在この過緊張がどれほど関係があるのかについては議論されています。
緊張型頭痛でも、側頭筋の緊張状態や痛みが無い場合があるからです。
よって、緊張型頭痛でも、分類では側頭部の痛みがあるものと、そうでない物の2タイプに分けられています。
バナナ野郎さんは、歯の治療と上顎洞の治療をすでに済まされていて、現在の症状は頭痛のみということのようですので、神経内科、脳外科、ペインクリニックのいずれかの科で開いているような、「頭痛外来」を受診して診るのはいかがでしょうか?
早く痛みが改善するとよいですね。
お大事になさってください。
相談者からの返信
相談者:
バナナ野郎さん
返信日時:2014-06-17 14:27:06
安藤先生、丁寧な解説ありがとうございます。
抜歯により鬱状態から解放されていたのが、新たなる手術の侵襲によってバランスが崩れてしまったのではないか。
手術による外科的侵襲は、必ず感覚神経を刺激するので、この刺激の度合いが自分には強すぎたのかも…。
この解説の通りな気がしました。
元々、ストレスからか上顎洞炎のせいかわかりませんが、慢性的に上顎付近が重く、第1臼歯が舌を噛んで、舌が腫れ上がって喉の方まで痛みが波及していました。
しかし、抜歯で歯がなくなったことにより、それが無くなり憂鬱な状態から解放されたのかと思います。
そして、耳鼻科での手術により、元々あった頭痛が刺激され増強したのかと思いました。
歯科口腔外科でCTを撮った時は、上顎洞内の腫れ・炎症が第1臼歯の方まで繋がっているように画像に写っていたので、歯が悪さをしている可能性があるとのことで、抜歯をしてもらったので、二つの症状は関連性があるかと思っています。
今現在、ペインクリニックでリリカを処方してもらい痛みを和らげています。
星状神経節ブロック注射も30回くらいして、一定の効果はみられましたが、手術をする前の状態にはまだ戻っていません。
第1臼歯の抜歯後1年くらいしてから耳鼻科で手術をしたので、その間の1年くらいはずっと体調が良かったです。
先生の言うとおり、頭痛外来なども考えてみようと思います。
ありがとうございました。
抜歯により鬱状態から解放されていたのが、新たなる手術の侵襲によってバランスが崩れてしまったのではないか。
手術による外科的侵襲は、必ず感覚神経を刺激するので、この刺激の度合いが自分には強すぎたのかも…。
この解説の通りな気がしました。
元々、ストレスからか上顎洞炎のせいかわかりませんが、慢性的に上顎付近が重く、第1臼歯が舌を噛んで、舌が腫れ上がって喉の方まで痛みが波及していました。
しかし、抜歯で歯がなくなったことにより、それが無くなり憂鬱な状態から解放されたのかと思います。
そして、耳鼻科での手術により、元々あった頭痛が刺激され増強したのかと思いました。
歯科口腔外科でCTを撮った時は、上顎洞内の腫れ・炎症が第1臼歯の方まで繋がっているように画像に写っていたので、歯が悪さをしている可能性があるとのことで、抜歯をしてもらったので、二つの症状は関連性があるかと思っています。
今現在、ペインクリニックでリリカを処方してもらい痛みを和らげています。
星状神経節ブロック注射も30回くらいして、一定の効果はみられましたが、手術をする前の状態にはまだ戻っていません。
第1臼歯の抜歯後1年くらいしてから耳鼻科で手術をしたので、その間の1年くらいはずっと体調が良かったです。
先生の言うとおり、頭痛外来なども考えてみようと思います。
ありがとうございました。
相談者からの返信
相談者:
バナナ野郎さん
返信日時:2014-06-17 14:42:09
樋口先生、回答ありがとうございます。
神経内科や脳神経外科も検討してみようと思います。
神経内科や脳神経外科も検討してみようと思います。
タイトル | 抜歯後からのこめかみ・側頭部等の頭の痛みの原因 |
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質問者 | バナナ野郎さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 30歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
抜歯:6番(第一大臼歯) 上顎洞炎(蓄膿症) 頭痛、めまい |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。