前歯インプラントの固定方法はスクリューかセメントか?
相談者:
N.Nakayamaさん (30歳:女性)
投稿日時:2014-11-18 14:52:59
いつも大変参考にさせていただいております。
三度目の投稿となります。
【現状】
・事故で右上1番を破損、抜歯
・5月に大学病院で骨造成のうえインプラント埋入
・10月に頭出しの2次手術完了
・歯肉安定後ジルコニアアバットメント装着予定
【質問】
上部構造の固定方法にスクリューを使用する方法とセメントを使用する方法の2通りがあると聞きます。
自分で調べた範囲内では、前者は修理が容易な反面、かなりの精度でないと緩みや隙間が生じ周囲炎の要因になる、後者はしっかり固定するがセメントの取り残しが周囲炎の大きな要因になるという程度で理解しています。
歯科医師により考え方が分かれるようですが、最新でも2012年頃の見解しか探せませんでした。
1) 前歯の固定方法で現在の主流はどちらですか。
2) 双方を比較したような研究論文を探す方法はありますか。
日本補綴学会誌、日本口腔インプラント学会誌のネットで閲覧できる一部論文では自力では探し当てられませんでした。
症例によりけりかと存じますが、意見の分かれる方法のようですので、各先生方のお考えを拝聴できればと思います。
三度目の投稿となります。
【現状】
・事故で右上1番を破損、抜歯
・5月に大学病院で骨造成のうえインプラント埋入
・10月に頭出しの2次手術完了
・歯肉安定後ジルコニアアバットメント装着予定
【質問】
上部構造の固定方法にスクリューを使用する方法とセメントを使用する方法の2通りがあると聞きます。
自分で調べた範囲内では、前者は修理が容易な反面、かなりの精度でないと緩みや隙間が生じ周囲炎の要因になる、後者はしっかり固定するがセメントの取り残しが周囲炎の大きな要因になるという程度で理解しています。
歯科医師により考え方が分かれるようですが、最新でも2012年頃の見解しか探せませんでした。
1) 前歯の固定方法で現在の主流はどちらですか。
2) 双方を比較したような研究論文を探す方法はありますか。
日本補綴学会誌、日本口腔インプラント学会誌のネットで閲覧できる一部論文では自力では探し当てられませんでした。
症例によりけりかと存じますが、意見の分かれる方法のようですので、各先生方のお考えを拝聴できればと思います。
回答1
回答日時:2014-11-18 15:46:42
再度の回答ですね。
スクリューかセメントかは、とちらでも精度良く適切に行われたとしたら差はない、という理解で良いかと思います。
ですのでどちらを選択するか?よりは主治医の先生&技工士の知識や技術が高いことの方が重要でしょうし、それが推し量れない場合は主治医の先生のお勧めの方でお任せするのがおそらく最善の選択になるかと思います。
個人的にはどう考えているかと言いますと、色々な報告や意見を聞いた上で、今は第一選択をスクリュー固定としています。
(以前はセメント固定を第一選択にしていた時期もあります)
前歯の場合などは特に、スクリューにしたくてもスクリューホールが審美領域に来てしまう場合などは第二選択としてセメント固定も仕方ないかな?というのが現在のスタンスです。
理由はN.Nakayamaさんがお調べになった通りです。
論文検索については、査読の厳しいものだと国際誌になりますから、たぶんpub-med http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedなどで英文で検索した方がいいと思いますよ。
今回の場合のキーワードは、cement-retained implant restorationsとか peri-implantitis などで、例えば
Clin Oral Implants Res. 2013 Nov;24(11):1179-84.
Does residual cement around implant-supported restorations cause peri-implant disease? A retrospective case analysis.
Linkevicius T1, Puisys A, Vindasiute E, Linkeviciene L, Apse P.
( http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22882700 )
とかでしょうか・・
症例によりけり、ということで良いと思いますけどね。
スクリューかセメントかは、とちらでも精度良く適切に行われたとしたら差はない、という理解で良いかと思います。
ですのでどちらを選択するか?よりは主治医の先生&技工士の知識や技術が高いことの方が重要でしょうし、それが推し量れない場合は主治医の先生のお勧めの方でお任せするのがおそらく最善の選択になるかと思います。
個人的にはどう考えているかと言いますと、色々な報告や意見を聞いた上で、今は第一選択をスクリュー固定としています。
(以前はセメント固定を第一選択にしていた時期もあります)
前歯の場合などは特に、スクリューにしたくてもスクリューホールが審美領域に来てしまう場合などは第二選択としてセメント固定も仕方ないかな?というのが現在のスタンスです。
理由はN.Nakayamaさんがお調べになった通りです。
論文検索については、査読の厳しいものだと国際誌になりますから、たぶんpub-med http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedなどで英文で検索した方がいいと思いますよ。
今回の場合のキーワードは、cement-retained implant restorationsとか peri-implantitis などで、例えば
Clin Oral Implants Res. 2013 Nov;24(11):1179-84.
Does residual cement around implant-supported restorations cause peri-implant disease? A retrospective case analysis.
Linkevicius T1, Puisys A, Vindasiute E, Linkeviciene L, Apse P.
( http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22882700 )
とかでしょうか・・
症例によりけり、ということで良いと思いますけどね。
回答2
松元教貢歯科医院(大田区山王)の松元です。
回答日時:2014-11-18 17:59:01
ジルコニアアバットメントネジ留めにして、その上にもう一つネジ留めの上部冠にするのか、ジルコニアアバットメントネジ留めにして、その上にセメント合着の上部冠、ジルコニアアバットメントと上部冠一体型にしてしまっててのネジ留め、と3通りネジ留めと言いながらもあると思いますが、ネジ留めで行かれるなら、一体型のネジ留めが一番良いのではないか、と私は思います。
ここで質問されているセメント合着は、ジルコニアアバットメントネジ留めで上部冠セメント合着、のことですよね。
この方式でされるなら、セメントの不利な部分、周囲炎に関しても歯茎ギリギリの高さで境目、マージン設定することで解決出来る、と思います。
審美性を口蓋面、裏面にまで求められるのでしたら、セメント合着式ですね。
主流がどうとか、と言うのは余り気になさなない方が良いと思います。
時代は何時でも移り変わりますので。
多分このことに関しては、ずっと議論し続けられることとなって継続して行くものだと思います。
そして、決定打となるようなものも出難いだろう、多分出ないだろう、とも思います。
それよりも、患者さんご自身のメインテナンス、プロ側のメインテナンスのコンビで、歯茎、骨の安定安静をはかって行く最善の努力を為されることの方が効果的だと思います。
治し方が重要なのは確かにそうですが、その後のメインテナンスの方も非常に重要で、時間が経てば経つほど、そちらの方の重要性が増して来るものだと思います。
これからの人生50年以上と考えていただけると、多分上部冠とかアバットメントは交換が必要になるだろう、と思います。
なので、重要なのはその土台、骨と歯茎に埋まっているインプラント部です。
その上、つまり上部冠に関しては、土台であるインプラントと骨、歯茎がしっかりしていてくれれば、幾らでもチャンと再作製出来ます。
しかし、土台である骨、歯茎、インプラントにトラブルが起これば、再治療は大変苦労されることが予測されます。
とは言え、新しい時代の息吹で、そのような場合でも余り患者さんの侵襲が大きくならずに再治療出来るようになるだろう動きが出始めているのも事実ですが・・・
それでも、土台の重要性は変わりませんから、メインテナンスには心を砕いていただいて欲しいです。
良く最近ではメインテナンスフリー、と言う概念が理想として語られたりし出していますが、それは口腔内では無理だと思います。
せめてレスメインテンス程度がギリなのではないでしょうか。
話が横にずれてしまってすみません。
以上ご参考になれば幸いです。
失礼しました。
ここで質問されているセメント合着は、ジルコニアアバットメントネジ留めで上部冠セメント合着、のことですよね。
この方式でされるなら、セメントの不利な部分、周囲炎に関しても歯茎ギリギリの高さで境目、マージン設定することで解決出来る、と思います。
審美性を口蓋面、裏面にまで求められるのでしたら、セメント合着式ですね。
主流がどうとか、と言うのは余り気になさなない方が良いと思います。
時代は何時でも移り変わりますので。
多分このことに関しては、ずっと議論し続けられることとなって継続して行くものだと思います。
そして、決定打となるようなものも出難いだろう、多分出ないだろう、とも思います。
それよりも、患者さんご自身のメインテナンス、プロ側のメインテナンスのコンビで、歯茎、骨の安定安静をはかって行く最善の努力を為されることの方が効果的だと思います。
治し方が重要なのは確かにそうですが、その後のメインテナンスの方も非常に重要で、時間が経てば経つほど、そちらの方の重要性が増して来るものだと思います。
これからの人生50年以上と考えていただけると、多分上部冠とかアバットメントは交換が必要になるだろう、と思います。
なので、重要なのはその土台、骨と歯茎に埋まっているインプラント部です。
その上、つまり上部冠に関しては、土台であるインプラントと骨、歯茎がしっかりしていてくれれば、幾らでもチャンと再作製出来ます。
しかし、土台である骨、歯茎、インプラントにトラブルが起これば、再治療は大変苦労されることが予測されます。
とは言え、新しい時代の息吹で、そのような場合でも余り患者さんの侵襲が大きくならずに再治療出来るようになるだろう動きが出始めているのも事実ですが・・・
それでも、土台の重要性は変わりませんから、メインテナンスには心を砕いていただいて欲しいです。
良く最近ではメインテナンスフリー、と言う概念が理想として語られたりし出していますが、それは口腔内では無理だと思います。
せめてレスメインテンス程度がギリなのではないでしょうか。
話が横にずれてしまってすみません。
以上ご参考になれば幸いです。
失礼しました。
相談者からの返信
相談者:
N.Nakayamaさん
返信日時:2014-11-22 10:50:44
渡辺先生
拙い質問にも関わらずいつも的確な助言をありがとうございます。
>>それが推し量れない場合は主治医の先生のお勧めの方でお任せするのがおそらく最善の選択になるかと思います。
これには大変救われた思いです。
先生や技工士さんの知識や技術の高さは、患者としては最も気がかりですが最も確かめる方法が難しいところですので…。
論文検索もさっそく活用しております。
知恵不足知識不足で自力で調べるには限界があったので大変参考になりました。
どうもありがとうございました。
松元先生
ひとえにネジ留め、セメント合着と様々な方法があるのですね。
存じ上げませんでした。
この点は担当医とよく確認をしたいと思います。
この年齢にしてインプラントの選択となりましたので、おっしゃる通り、土台のトラブルは起こりえないよう、引き続き自身のケアと医院での定期的なケアを徹底しなければと改めて思いました。
重要な視点からのアドバイスをありがとうございました。
拙い質問にも関わらずいつも的確な助言をありがとうございます。
>>それが推し量れない場合は主治医の先生のお勧めの方でお任せするのがおそらく最善の選択になるかと思います。
これには大変救われた思いです。
先生や技工士さんの知識や技術の高さは、患者としては最も気がかりですが最も確かめる方法が難しいところですので…。
論文検索もさっそく活用しております。
知恵不足知識不足で自力で調べるには限界があったので大変参考になりました。
どうもありがとうございました。
松元先生
ひとえにネジ留め、セメント合着と様々な方法があるのですね。
存じ上げませんでした。
この点は担当医とよく確認をしたいと思います。
この年齢にしてインプラントの選択となりましたので、おっしゃる通り、土台のトラブルは起こりえないよう、引き続き自身のケアと医院での定期的なケアを徹底しなければと改めて思いました。
重要な視点からのアドバイスをありがとうございました。
タイトル | 前歯インプラントの固定方法はスクリューかセメントか? |
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質問者 | N.Nakayamaさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 30歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ | インプラント治療法 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。