歯肉退縮のメカニズムとは

相談者: はくしゃくさん (33歳:男性)
投稿日時:2015-08-08 16:09:12
事故により歯を失い現在勉強中です。

歯周炎になり炎症による組織破壊が起き、歯槽骨の骨吸収が起きて結果として歯肉も退縮するのは、(炎症性サイトカインが破骨細胞活性化?分化誘導?など詳細なメカニズムは知りませんが)何となく解ります。

では抜歯後、骨吸収が起きてしまうのはなぜですか?
むしろ抜歯窩を埋めようと骨芽細胞優位にならないのでしょうか?

骨吸収と歯肉退縮の関係性については理解が間違っているかも知りません。
基本的には骨が無くなれば肉もなくなるだろう、とざっくり思っています。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2015-08-08 19:18:50
抜歯後、骨吸収が起きてしまうのはなぜですか?
>むしろ抜歯窩を埋めようと骨芽細胞優位にならないのでしょうか?

一時的には骨を埋める方向にシフトしますが、継続して外部からの刺激(力)が入力されないと破骨細胞有利になり骨吸収が起こります。


>基本的には骨が無くなれば肉もなくなるだろう、とざっくり思っています。

その通りです。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2015-08-08 23:13:41
骨をつくる細胞の由来の違いだと思いますよ。

歯根の周り(高さ)の骨は歯根膜由来ですから、名前も「顎骨」ではなくて「歯槽骨」です。
それよりも下(下顎の場合 上顎なら上方)を「顎骨」と言います。

つまり、歯(根)がなくなればスピードに個人差はあるものの、原則的には歯槽骨は消失していくことになります。

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回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2015-08-09 10:03:53
歯根(と言うか、健全な歯根膜)があれば、仮に、歯槽骨は無くっても、歯肉がちゃんと存在するような場合はありえると思います。
下顎前歯唇面などです。
只、歯肉退縮しやすいから注意は必要ですけどね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はくしゃくさん
返信日時:2015-08-09 10:22:34
櫻井先生、

いつもご回答ありがとうございます。

>継続して外部からの刺激(力)が入力されないと破骨細胞有利になり骨吸収が起こります。

ということは、抜歯インプラントを行う場合、可能であればやはり即時埋入、即時荷重が歯周組織を維持する上ではベストであり、それが出来ずともオッセオインテグレーションが早く、早期荷重が見込めるフィクスチャーの方が歯肉組織の維持の面でもベターである、という理解であっていますか?



渡辺先生、

ご回答ありがとうございます。
歯槽骨歯根膜由来で、顎骨とは異なる、ということ初めて知りました。非常に勉強になります。

私の場合、事故で完全脱臼してしまいましたが、ソケットが骨で埋まる速度は早いと言われたので(プリザベーション等特別なことはしていません。
むしろ血餅を取られて、それ瘡蓋みたいなものだから取ってはいけないんじゃないですか?と聞いたぐらい余計なことしかしない)、ソケット側にも歯根膜細胞は比較的多く残っていてそれが歯槽骨へと分化していったということでしょうか?

ここでもますます歯根膜の大切さを思い知ることになるとは思いませんでした。




藤森先生、

ご回答ありがとうございます。
脆弱ながらも骨がなくとも肉があることもあるということですね。しかし、やはり歯根膜が重要なんですね。
残念ながら、残すチャンスはあったのですが、無くなってしまいました…。
歯肉も歯根膜由来なんでしょうか?
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はくしゃくさん
返信日時:2015-08-09 11:26:27
失礼しました。

歯の発生においては、歯槽骨は外胚葉性間葉細胞が存在する歯小嚢と呼ばれる部位?から生じた骨芽細胞から、歯根膜も同じく歯小嚢から生じた靭帯線維芽細胞から、歯肉は別で歯と上皮の間の epithelial cuffと呼ばれる部位の上皮細胞から生じる、とWikipediaにはありました。

基本的には発生後も同じですかね?
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2015-08-10 09:11:44
んんんん…

オッセオインテグレーションが早く、早期荷重が見込めるフィクスチャーの方が歯肉組織の維持の面でもベターである、という理解であっていますか?

一般的にはフィクスチャーが入る事により歯槽骨の吸収は止まると言われていますが、そこまでのスピードが求められるかどうかは解りません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はくしゃくさん
返信日時:2015-08-10 22:49:48
>基本的には発生後も同じですかね?

この質問は意味不明なので撤回します。


櫻井先生、
ありがとうございます。

フィクスチャーを通して刺激が加わらなくても、入れるだけで骨吸収は止まると言われているのですか。
それは何でなのでしょうか?
一般的に、と書かれていますが臨床の現場でも体感的にも感じられるのでしょうか?
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2015-08-11 11:00:30
>それは何でなのでしょうか?

スミマセン。
僕も不勉強でメカニズムは解りません。


>臨床の現場でも体感的にも感じられるのでしょうか?

あります。

フィクスチャー埋入後、海外出張などで3年ほど上部構造を入れられなかった事がありますが、骨吸収は認められませんでした。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2015-08-11 11:14:41
オッセオインテグレートが起これば、多くの場合骨吸収は止まりますが、オッセオインテグレートが起こるまでに吸収することはあります。

抜歯後、3〜6ヶ月程度で、骨の吸収が落ち着いてから埋入すれば、オッセオインテグレートを起こすまでにもほとんど吸収することはありませんが、即時埋入の場合、周りの骨の厚みや、隣の歯の骨の状況によって、吸収することもあります。

個人的には即時過重によって、骨の吸収に大きな差はないように思います。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はくしゃくさん
返信日時:2015-08-12 00:17:50
櫻井先生、

ご回答ありがとうございます。
そういう体感的な話は歯科に関わる職の方にしか分かり得ないので、とても参考になります。


小牧先生、

ありがとうございます。

フィクスチャーを埋める時期も関わってくる、ということですね。
そして、荷重より、オッセオインテグレーションの方が関係深いと。
例えば即時埋入で、骨吸収してしまった場合とある程度吸収が落ち着いた3-6カ月の患者だと前者の方が、吸収量だと多いイメージですか?
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2015-08-12 18:04:56
はくしゃくさん

>例えば即時埋入で、骨吸収してしまった場合とある程度吸収が落ち着いた3-6カ月の患者だと前者の方が、吸収量だと多いイメージですか?

どこの部分の骨吸収を指すのかなど、定義によって回答が変わって話が複雑になるので、はくしゃくさんの現状に限って話を進めましょう。

はくしゃくさんのの場合、もう既に数ヶ月前に抜歯が終わっているのですね。

ある程度骨吸収が落ち着いているので、インプラント体を埋入するにあたり、1)歯を作る位置に関わりなく残っている骨の位置にインプラント体を埋入する方法と、2)歯を作る位置に合わせてインプラント体を埋入する位置を決め、骨が足りないようなら骨を作る手術をするという方法の2つがあります。

1)の方法では見た目が悪かったり、歯磨きがしづらいということが起こることがあります。
それを改善するためには、2)の方法をとります。

ただ、骨を作ろうとしても、必要な位置までできないこともあります。
その場合は、どこで妥協するかを検討することになります。


どちらの方法を選択しても、治療が成功すれば、病的な状態にならない限り、インプラント体に接した骨が吸収する可能性はかなり低いと思います。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はくしゃくさん
返信日時:2015-08-12 23:52:19
小牧先生

ありがとうございます。
約2カ月前に右上1番完全脱臼、左上1番歯根破折で、現在信頼する行きつけの歯医者さんの紹介で、インプラントを得意とする歯医者に現在通っています。

治療方針も、どのインプラントを入れるかも納得の上、決まっていて(欲を言えばメディフュージを持っていて、スプリッティングも出来れば申し分ないですが)技術面を含めて、自分が考えるベストに近い治療を行ってくれると思っています。


>治療が成功すれば、病的な状態にならない限り、インプラント体に接した骨が吸収する可能性はかなり低いと思います。

この言葉には安心させられます。
希望は連続するインプラント間の歯間乳頭の出来る限りの維持なんです。
フィクスチャー間を3mm以上開けるとか、プラットフォームスイッチイングさせるとか、肝を抑えてもどこまで維持出来るかは未知数です。


今はまだ勉強中の身ですが、この掲示板では多くの事を学べ感謝しております。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はくしゃくさん
返信日時:2015-08-13 00:04:14
本題に戻りますと、調べていくと歯茎と一口に言っても遊離歯肉歯間乳頭 含む)と付着歯肉、歯槽粘膜に分けられることを知りました。

骨が無くなると、退縮するのはどれでしょうか?
複数であるなら、順番はありますか?


骨があっても退縮するのは遊離歯肉で、骨がなくても残ってる藤森先生のいうケースも遊離歯肉だと、勝手に思っています。
回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2015-08-13 08:45:10
残念ながら、歯のない所に歯肉はありません。
インプラントの周りにあるのは不動粘膜と可動粘膜です。

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2015-08-13 12:04:11
>希望は連続するインプラント間の歯間乳頭の出来る限りの維持なんです。
>本題に戻りますと、
>骨が無くなると、
>骨があっても退縮する

はくしゃくさんにとって、何が問題なのでしょうか?


1)歯間乳頭の維持  治療終了時点で維持できているのか長期的な維持か

2)骨の吸収  インプラント体がオッセオインテグレートを起こすまでの吸収かその後の吸収か

3)インプラント周囲粘膜粘膜の退縮  治療終了までの退縮か、その後の退縮か


治療終了後の、骨やインプラント間の乳頭を含む粘膜の変化は、ほとんどがケアの状況に左右されます。
時に、インプラント体の埋入位置や、上部構造の形態、隣り合う天然歯との位置関係が影響することもあります。

治療が終了するまでの変化は、治療終了時での状態を予測して、歯科医師が治療計画を立てます。
計画どうりの状態が得られるかどうかは、患者さんごとの難易度と歯科医師の持つ知識と技術に左右されます。


どのような術式を用いるかは患者さんの状況によって最適なものを用いることになりますので、はくしゃくさんからどのような術式を用いて欲しいというような要望はなされない方が良いでしょう(例えば、スプリッティング)。

また、状況が悪ければ、手術の回数が増えることもありますが、無理をして回数を減らすことは予知性を悪くすることにつながりますので、気をつけた方が良いでしょう。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: はくしゃくさん
返信日時:2015-08-15 00:13:29
小牧先生

ありがとうございます。


歯を失うと歯肉も粘膜と呼び名を変え、線維芽細胞の割合やコラーゲン比率など変わってくること、初めて知りました。
勉強になります。

問題は別にありませんよ。
ただこれから自分が行おうとしていること、これから起こる変化を、より深く理解しようとしているだけです。
(ボーンリモデリングについても詳しくなりました)


治療終了時点の出来は治療を行って下さる歯科医師の腕の見せ所でしょう。
大いに期待していますし、私がどうこう出来る問題ではありません。

粘膜の場合、歯肉と比べより脆弱ですから注意深くケアはやっていこうと思っています。
もちろん審美的にも、健康面でも長期の維持が目標です。



タイトル 歯肉退縮のメカニズムとは
質問者 はくしゃくさん
地域 非公開
年齢 33歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ インプラント治療法
インプラント関連
専門的な質問その他
歯茎が下がった(歯肉退縮)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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