保険診療でのマイクロスコープ、ラバーダムは普及するのでしょうか

相談者: うんにゃさん (55歳:男性)
投稿日時:2016-08-29 19:21:56
このサイトを見ていて、抜髄根管治療ラバーダムは必須、マイクロスコープを使いこなせばより精密な治療ができることを知りました(マイクロスコープは他の治療にも有用)。

しかし現状は、保険治療でマイクロスコープやラバーダムを使用する歯医者さんは、ごく少数と思います(あっても、被せ物自費を勧められるケースが多いのではないでしょうか)。

保険治療中心の所では拡大鏡すら、あまり普及していないように思います。
私が抜髄治療を受けた所も、マイクロスコープも拡大鏡もラバーダムも使用されませんでした。


最初の治療が精度良く行われれば、何度も悪くなって治療を繰り返すことが減り、結果的に保険料を節約できると思います。

今後は、適正な保険点数が認められ、保険治療にもマイクロスコープやラバーダムが広く普及することを期待してよいものでしょうか。
庶民の患者としては、それを期待したいのですが…。

よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2016-08-29 20:50:30
>今後は、適正な保険点数が認められ、保険治療にもマイクロスコープラバーダムが広く普及することを期待してよいものでしょうか。

これは国民が国に意見を出していくしか方法はありません。


どこの歯科医院に行っても同じ治療が受けられるという名目の保険治療であればもう少し国がレギュレーションや設備を決めるべきかと思います。

顕微鏡、CBCTなど数百万する設備がある歯科医院とない歯科医院はで治療費が同じなど普通ありえません。



保険歯科医療費はここ20年近く2.5兆円と財源が決まっています。
(ペット産業が5兆円なのでその約半分が人の口に使われるお金です)

治療枠は既に2.5兆円と決められており、2年に1度行われる改定で「ある治療費が上がれば他の治療費が下がり」バランスをとっています。

またGDPに占める医療費も日本は他の先進国に比べ極端に低いとのデーターもあります。


昔は歯科も儲かる時代でしたが今の歯科保険治療は歯科医師の犠牲の上に成り立っている側面もあります。
(20年予算枠は同じでも物価も20年前と同じということはありません。つまり歯科の予算は減っているのです)


その赤字治療の代表が根管治療であり、世界的にはラバー、マイクロを使う専門医の治療費は10万以上しますし、有名な一流どこの治療費は25万円ぐらいだそうです。

専門医ではなくても一般歯科医の根管治療費も6万円以上はします。
(ラバー、顕微鏡が無くてもそのぐらいします)

これを1万円で行い設備も最先端のものをというのは少し無理があります。

保険治療の根管治療を10円上げるだけでも年間1億5000万の財源を確保する必要があると言われます。
今の治療費から1000円根管治療の費用を上げようとすれば150億の財源が必要となります。


因みにこんなに安い治療費にも関わらず、これでも日本の顕微鏡、CTの普及率は世界でもトップクラスです。

ただ、日本人は歯に対する意識が非常に低いので、多くの方は設備が良くなるだけ医療費が上がってしまうことは歓迎しないと思います。
(日本人の多くの方が歯科に望むのは「安い」だと思います)



今日ベトナムの方からメール相談がありそこに書いてあったベトナムの治療費も根管治療が2万円と日本の保険治療より高い費用だそうです。
今や日本の歯科治療費は後進国に近いものになりつつあります。

昔と違い日本はデフレの環境下で全てが相対的に弱くなってしまっています。


個人的には無理して保険制度を運用するより、歯科は最低限の治療以外は保険治療から外してしまった方が競争が始まり全体のレベルは上がる気がします。


ただこうしてしまうと歯科医療を受けれなくなる人も相当数出てしまうと思うので、今の保険治療はこのままでより良い医療を受けたい人は自費専門の歯科医院という住み分けがベターな選択だと思います。

保険治療であれもこれもと望まれる気持ちも分からなくはないですが、これでも日本の歯科医療はかなり恵まれている方だと思いますよ。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-08-29 21:17:27
マイクロスコープラバーダムは今後、広く普及するのでしょうか

あくまで私見になりますが、自費での負担をしても、より良い治療を受けたいというニーズが広がりつつあるように思いますから、そういった方々に向けて、少しずつは普及していくものと思います。


保険治療中心の所では拡大鏡すら、あまり普及していないように思います。

当面、健康保険での治療に際しての大きな普及は、かなり難しいのではと思います。

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回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2016-08-29 21:25:18
海外にいる日本人の方があまり現地では治療を受けたがらないように思います。

言葉の問題、治療の質、治療費どれをとっても日本国内に比べると高いハードルのようです。


マイクロスコープラバーダムは今後、広く普及するのでしょうか

自分の周りの歯科医をみてても少しずつマイクロスコープを購入する歯科医が増えてきているように思います。
ただ保険で気軽に使うようになるかというと難しいとは思います。

個人的には広く普及して欲しいのです。
今回の保険改正により多少弾みがつけば良いと思います。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: うんにゃさん
返信日時:2016-08-30 00:26:22
井野先生、小林先生、柴田先生
ご回答いただき、ありがとうございました。

現状の保険制度では難しい面も多いのですね。
確かに、高額な機器を使った治療まで全て保険でというも無理があることが、よく理解できました。

ただ、今は、虫歯治療抜髄根管治療)は保険で、被せ物だけは自費にすることが認められていますが、逆に、抜髄・根管治療だけは自費で、被せ物は保険にすることも認められれば、選択肢が広がるように思います(例えば予算が15万円しかない場合)。

混合診療になってしまうので、難しいとは思いますが…。

全て保険か全て自費かで、格差が広がり過ぎないことを願っております。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2016-08-30 14:25:16
個人的にはマイクロスコープは広く普及しないほうがよいように思います。

あれ、けっこう使いこなすの難しいですから。
だから買っても使ってない先生が多い。

マイクロスコープを使ったほうが必ず良い治療になるというのは妄想。

専門的な研修を受けた認定医が、特定の症例で使うのがベスト だと思います。

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回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2016-08-30 15:02:24
うんにゃ さんこんにちは

>逆に、抜髄根管治療だけは自費で、被せ物保険にすることも認められれば、選択肢が広がるように思います

本当にそうなんですよね。
いままで、保険の制度で被せ物は高いという概念が定着してしまい、本当に大事なことをわかられていない方がほとんどだと思います。


例えば、”小さな虫歯だから保険で!!” とおっしゃる方がよくいらしゃいますが、それこそ、自費で精密な治療をすることで虫歯の取り残しや、やり直しといった頻度が少なくなりますから、本当は一番大事な治療の1つなんですよね。

ここで食い止めればそれ以上悪くなりにくいんですよ。


>格差が広がり過ぎないことを願っております。

欧米のように治療費が高くなり、予防にみなさんの関心が行くようになれば結果としては良い方向に向かうかと思っています。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: うんにゃさん
返信日時:2016-08-30 19:01:18
森川先生、水川先生
ご回答いただき、ありがとうございました。

マイクロスコープさえあれば良いというわけではないことが理解できました。

初期の段階こそ精密治療できっちり治療して、そこで食い止めるべき、なるほど、私もそうしていきたいと思いました。

私も、これからは、一番初期=予防の段階でしっかりと歯医者さんに通い、新たな虫歯を作ってしまわないようにしたいと思います。



タイトル 保険診療でのマイクロスコープ、ラバーダムは普及するのでしょうか
質問者 うんにゃさん
地域 非公開
年齢 55歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ ラバーダム
その他(保険と保険外)
マイクロスコープ
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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