慢性閉鎖性歯髄炎の鑑別と治療につきまして

相談者: do-shiyouさん (48歳:男性)
投稿日時:2017-06-28 11:59:28
初めてご相談させて頂きます。
よろしくお願い致します。

現在レントゲン上ではう蝕は無い右下7番が、歯髄充血から慢性閉鎖性歯髄炎【以下、[慢閉歯髄炎]でよろしいでしょうか】に進行したような温痛と鈍痛が続いてとても辛いのですが、診断相談ではなく一般論としてご教授頂けませんでしょうか。



1 診て頂いた先生は

『慢閉歯髄炎と思われるが、露髄してみないと確定は出来ない』

と言われたのですが、慢閉歯髄炎とはそういうものなのでしょうか。


2 続きで

『しかし大丈夫だった時に覆髄するにしても、露髄確認すること自体にリスクがある。
現在は痛みがそれほどでも無いので劇症化するまで待ってから抜髄した方が良い』

とも言われたのですが、先生方のご意見は如何でしょうか。



3 [慢閉歯髄炎はレントゲンにも映らず、問診・視診・打診・温度診・電気診等で総合的に判断するものの、正常歯と鑑別困難]という解説をよく見るのですが、先生方はどのように鑑別なさっているのでしょうか。
どのような状態であれば露髄させてみようと思われますでしょうか。


4 先生の2.のお話しは理解は出来るのですが、現在が初期の慢閉歯髄炎であった場合に抜髄せずに出来る治療があるならば是非試しておきたいのですが…。
何か治療方法が有りますでしょうか。


5 とはいえ、初期かどうかもやはり露髄しなければ確認出来ないものなのでしょうか。


ご多忙とは存じますが、何卒お助け頂けませんでしょうか。
よろしくお願い申し上げます。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2017-06-29 00:52:34
初めまして。
そんな診断名が・・あったんですね^^;

治療計画を判断する上ではそれほど重要ではないと思いますが、要はむし歯による歯髄感染は疑えないけど、症状的には歯髄炎 と言う状況なのだと推察します。


一般論として、原因はひび割れ(による細菌感染)があり得るのではないかな、と思います。

ひび割れを疑って、経験のある歯科医マイクロスコープでその歯を観察すると大体のアタリはつけられるかも知れませんが、ひび割れの有無よりも深さの方がおそらく重要ですから、正確なことはやはりわからないと思います。


でも48歳男性、下7番ならない話ではないでしょうね。
歯ぎしり痕が顕著だったり、エラが張ってたりすれば更に疑えます。
なんとなくですが、クラックラインがあるとしたら遠心(奥の方)の気がします。

症状だけでは判断しづらいのですが、歯髄炎が初期であれば、クラウンを被せることで助けられる場合はあると思いますよ。


自分だったら、少しでも可能性があるなら歯髄を残したいので、今の状況なら劇症化を待つよりもそれっぽいクラックラインをマイクロスコープで確認した上でそれをお見せして説明をし、試しに仮歯までは被せてみる提案はすると思います。

それで実際に削ってみて、症状だったり他の検査結果や、あとクラックラインの深さ、色等から総合的に判断して、敢えて露髄させて確認する場合はあるかも知れません。

結局臨床で一番信用出来る情報は、歯髄の状態を直接目で見る(といってもマイクロスコープは使った上でですが)ことですね。



逆にクラックラインさえも全然見当たらないとすればTCH是正指導とか、マッサージとか栄養面でのアプローチなども有効かもとは考えていますが、この辺りになると一般的に確立した方法や考え方ではありません。
あと親知らずはないですよね?? もしあれば関係ある場合もあると思います。

きちんとした生きてる歯髄であれば露髄はさせても残せそうな自信はなんとなくあるのですが、露髄させずに済むならやはりしたくはないですよね。リスクもそうですけどお金もかかる話ですので。



とにかくこちらとしてはネット上ですし、情報のない中想像でいい加減なコメントをしていますから、唯一情報を持っている主治医の先生とはよく相談しながら判断してください。
良くなるといいですね、お大事にして下さい。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2017-06-29 09:27:34
>慢性閉鎖性歯髄炎

僕も大学では習いませんでしたので「そんな病名があるんだ…」と初めて知りました。
(まあ、病名は時代とともに変わるものですから不思議ではないのですが…)
(また、病名は学問的に分類しやすいというだけで、臨床上はあまり関係ないことも多々ありますので…)


結論から言えば、渡辺先生と全く同じです。

もし、裸眼での視診のみで判断されたのであればマイクロスコープを使って観察してもらった方がよろしいかと思います。

クラックがあればそれに対する処置を行なえば良いでしょうし、詰め物かぶせ物を除去して観察すればより正確に行えることと思います。

また、感染歯質を除去していって、仮に露髄したとしても直接覆罩などで歯髄を保存することは可能かと思います。
(マイクロ使用でより確実になると思います)


それも無ければTCHの可能性を疑いますので、TCH是正指導を考えます。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: do-shiyouさん
返信日時:2017-06-30 08:55:04
渡辺先生、櫻井先生、お忙しい中貴重なお時間を割いて頂いてのご回答、誠に有難うございます。
お礼が遅くなり申し訳ございません。


お二人にご指摘頂いたクラックはマイクロで見ても見当たらないようなので、どうしたものかと…。

歯髄の状態の確認にはやはり露髄がベストで、直接覆髄ならばリスクも少なくて済むというご指摘ありがとうございます。

ただ初期歯髄炎には、抜髄せずにクラウンを被せても有効なのでしょうか。
大変厚かましいのですが、お時間がございましたらまたご教授頂けませんでしょうか。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2017-06-30 09:36:09
>お二人にご指摘頂いたクラックはマイクロで見ても見当たらないようなので

と言う事であれば、感染性の歯髄炎ではなく「(我々が習った時代の診断名でいうと)単純性歯髄炎」だと考えます。


歯髄の状態の確認にはやはり露髄がベストで、直接覆髄ならばリスクも少なくて済む

これはクラックが発見された場合です。

クラックが見つからないのであれば、現状に手は加えず、TCH是正指導で経過観察をすると思います(あくまでも実際に拝見しておりませんので、私見ですが…)。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: do-shiyouさん
返信日時:2017-07-01 16:02:10
櫻井先生、ご回答ありがとうございます。

自覚症状としてはTCHは無いのですが、TCH是正が歯髄炎にも有効というのは驚きました。
TCH是正ならば自分でも出来そうです。
貴重なお時間をありがとうございます。



タイトル 慢性閉鎖性歯髄炎の鑑別と治療につきまして
質問者 do-shiyouさん
地域 非公開
年齢 48歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯のヒビ(ひび割れ)
根の病気(根尖病変・根尖病巣)
根の病気・異常その他
回答者




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