左上2番、虫歯ではなく神経が死んで嚢胞ができている

相談者: Konandaiさん (44歳:女性)
投稿日時:2018-01-09 19:54:47
左上2番が虫歯ではなく神経が死んでおり、嚢胞ができてます。

耳鼻科の先生によると嚢胞の上部に小さいけれど骨の欠けがあり、そこから感染したのではないか?とのことです。

小鼻周りがもっこりと腫れ、小鼻下も腫れて痛みがあり、歯性上顎洞炎のような症状が出て、耳鼻科の方でCTを撮り鼻の方の治療はないとのことだったので口腔外科にまわされました。

強くぶつけたりといったこともないのに歯の神経が死んでおり、歯科レントゲンでは左上の2番の歯に嚢胞が出来ており、歯を支える骨が溶けているとのことでした。
虫歯ではないので虫歯による感染ではないとのことです。

歯の根っこの上部、上唇との境目辺りに丸い膨らみが出来てたのを口腔外科で切開され食塩水で消毒され、嫌気球菌によるものと言われ抗菌剤を服用しております。

先生は生まれつき骨が欠けてたのかなとか原因が特定できていないことを深掘りする様子もなく、歯性上顎洞炎としてみているのか抜歯をすすめてこられ、私としては戸惑っております。

虫歯によるものではないけど死んでいる左上2番の歯が原因歯でよいと思うとのことでした。

その他の病気の可能性はないのかを確認しましたところ、脊髄まではみれていないけどBP剤使用による顎骨壊死の第一段階とかだと怖いね、まだ骨は出てないけどねとのことでした。

感染根管治療はしてもうまくいかないかもしれないけど、どこか自分で探して別のところでやってみて、駄目なら抜歯でうちに戻ってくればいいしと言われました。
抜歯はすすめられるものの、インプラントは向かないんじゃないかと言われ、前歯なのにと思うと気が滅入ります。

感染根管治療はするだけ無意味なのでしょうか?


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2018-01-10 15:43:13
Konandaiさん

こんにちは。
左上2番のことでお悩みなのですね。

左上2番は神経が死んでいるということですが、電気歯髄診(歯に電流を流して痛みを感じるか調べる診察法)などでかくにんしてもらったのでしょうか?

もし神経が死んでいて、レントゲン的に根尖部を含む円形の嚢胞性病変があったのでしたら「歯根嚢胞」というものである可能性がかなり高くなります。
むし歯が原因であることがほとんどですが、むし歯以外の原因で発生することもあります。

左上2番が直接的な原因で歯性上顎洞炎を発症することはまず考えにくいです。

あと、BP製剤の事を記載されておりますが、服用されているのでしょうか?

骨髄炎は圧倒的に下顎に多いので、上顎に発症することも珍しいですが、そもそも骨髄炎を疑うような所見があるのでしょうか?

また、歯根嚢胞であればまず最初に行う治療は感染根管治療になると思いますよ。
あくまで歯根嚢胞であった場合ですが。。。

歯根嚢胞かどうかはレントゲンで疑うことはできますが、確定診断は病理検査でしかつきません。

まあある程度経験のある歯科医師であれば、レントゲンだけでも限りなく正確に診断できると思いますが。。。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Konandaiさん
返信日時:2018-01-10 17:51:07
金田先生、ご回答ありがとうございます。

電気歯髄診での確認で、左上2番の神経が死んでいるということになりました。

歯根嚢胞の確定診断は病理検査でできるとのことですが、どのような検査になるのでしょうか?
因みに、あずき豆位の大きさに腫れた所を切開した時には、その組織を培養するような生検はやってません。

BP製剤はベーチェット病で服用してましたが、口腔外科の先生の指示で休薬してます。

BP製剤使用による顎骨壊死の第一段階というのは、BP剤使用のためかベーチェット病によるものか体調により歯茎が浮くようなという表現が的確か分かりませんが、歯の疼痛がよくあるという症状も加味して歯を支える骨が溶けている事と合わせて先生が言ってるのかもしれません。
私にもよくわかりません。

去年の10月中旬より左上2番の歯の上に激しい痛みがあり、歯の裏側にぷくっと腫れができました。
時には下顎の痛みや三叉神経の痛みが出てました。

抗生物質と痛み止めを内服するとその腫れはひき、痛みについても少し症状が治まりました。
2度目の腫れが今回になりますが、鼻の下や小鼻が腫れて口腔内の左上2番のかなり上部に、あずき豆位の腫れができて年末に切開しました。

嚢胞が骨を溶かすのに必要な期間ですが、2ヶ月位でとけてしまうものでしょうか?

また、ベーチェット病と嚢胞ができた事とが関係性があるのかどうかについても教えていただけると助かります。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2018-01-10 18:10:22
嚢胞が骨を溶かすのに必要な期間というのは答えが難しいですね。
嚢胞によっても発生機序が違うためです。

歯根嚢胞であれば、その前段階があり根尖性歯周炎歯根肉芽腫⇒歯根嚢胞と変化します。
全ての段階において骨吸収は起こりますので、嚢胞になる前から骨吸収はあったと思います。

ベーチェット病で起こる口腔内症状としては口内炎が有名ですね。
特に嚢胞発生のリスクにはならないと思います。

ちなみにBP製剤を服用している患者さんの顎骨壊死は、主に抜歯などの観血的処置を契機に起こると言われています。

レントゲンと口腔内所見を診ないことには何とも言えませんが、個人的にはまず感染根管治療を行い反応を見るのがいいのかなという印象を受けます。

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相談者: Konandaiさん
返信日時:2018-01-10 18:22:36
金田先生、ありがとうございます。

感染根管治療ですが、この場合、専門医の方がよいでしょうか?

専門医ではなくても、感染根管治療をやっている先生であれば任せて大丈夫でしょうか?

度々で申し訳ございませんが、ご回答頂けますと助かります。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2018-01-10 18:32:39
Konandaiさん


感染根管治療は一般的な歯科治療です。
ですので、感染根管治療を専門にしていなくても問題はないとは思います。

どういう治療を専門としているかなどはHPなどに記載している先生も多いですので、ご不安でしたら専門としている先生かどうか確認して受診することをお勧めいたします。

ただし、まだ診断がついていないので、そもそも感染根管治療が適応となるかも不明ですのでご注意ください。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Konandaiさん
返信日時:2018-01-10 21:36:54
金田先生、本当に丁寧にありがとうございます。

切開をしたので一時的だとは思いますが腫れはひいています。

検査してから感染根管治療を受けられるまでの待ちの期間が4ヶ月くらいでも大丈夫そうでしょうか?
早くても1ヶ月程度の待ちの期間の所を選んだ方が良さそうでしょうか?

感染根管治療後についてですが、歯の保存ができた場合の仕上げ方について教えてください。
また、歯の保存ができなかった場合の仕上げ方についても教えてください。

かかっている病院の先生の説明がわかりづらく、不安だけがつのったためです。

ここで抜歯してどっか別の所で義歯をつくるかインプラントするか、感染根管治療してきてくれたらブリッジはできるとか。
インプラントと義歯の違いも教えていただけると助かります。

本当に恐縮です。
ご回答よろしくお願いいたします。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2018-01-11 08:49:13
Konandaiさん

おはようございます。

そうですね。感染根管治療は早めに始める方が治療成績は良いと思います。
ただ、先生の技術にも成績は左右されますので、どこでもいいから早くしてもらうというのも良いとはいえませんので難しいところですね・・・

保存ができればということに関してですが、保存はできるが嚢胞は外科的に取らないといけないということもありえます。
その場合は、歯根端切除術および歯根嚢胞摘出術という手術が必要になります。

感染根管治療だけで嚢胞が完全に消失すれば必要はありませんが・・・・
その上で、土台をし、かぶせ物をすることになるんだと思います。

保存できない場合は抜歯して欠損補綴としてブリッジ義歯インプラントなどをすることになると思います。

ただし、BP製剤の服用期間やその他の薬剤の服用歴にもよりますが、抜歯などの骨に侵襲のある外科手術はBP製剤休薬後3カ月は待たなくてはなりませんが(日本口腔外科学会のガイドラインによる)。

インプラントは骨に人工歯根を植え込み、その上にかぶせを作る補綴方法です。人工の歯を作るというイメージでしょうか。
義歯はいわゆる「部分入れ歯」です。
テレビのCMなどでやっている取り外し式の入れ歯になります。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Konandaiさん
返信日時:2018-01-11 11:11:48
金田先生、おはようございます。
いつも分かりやすい説明ありがとうございます。

義歯だと取り外してお手入れがいるし、物がかみにくいけれど、インプラントだと自分の歯のように物は噛めるということでしょうか?

インプラントも取り外しはしないけど実はお手入れがいるのでしょうか?

現状ですが、歯を支える骨が溶けています。
治療して嚢胞を取り出すか、嚢胞が自然に消滅するかして歯を支える骨が再生しない場合、歯の保存は難しくなりますか?

歯を支える骨がない状態で抜歯しても大丈夫なのでしょうか?

本当に恐縮です。
ご回答よろしくお願いいたします。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2018-01-11 11:52:30
>義歯だと取り外してお手入れがいるし、物がかみにくいけれど、インプラントだと自分の歯のように物は噛めるということでしょうか?
>インプラントも取り外しはしないけど実はお手入れがいるのでしょうか?

⇒おっしゃる通り義歯は取り外しができるので、歯と同じく清潔にしておく必要があります。
インプラントは固定式なので取り外しできませんので、歯と同じく丁寧に清掃をする必要があります。
感染に弱いので歯と同じくというより、歯よりもより丁寧にという方がいいかもしれません。

>現状ですが、歯を支える骨が溶けています。
>治療して嚢胞を取り出すか嚢胞が自然に消滅するかして歯を支える骨が再生しない場合、歯の保存は難しくなりますか?

感染根管治療をして嚢胞が縮小しているかどうかは経時的にレントゲンで確認する必要があります。
変化がない、逆に大きくなるということでしたら外科的に嚢胞摘出できるのかあるいは抜歯しないといけないのかを考えることになります。

嚢胞が自然になくなることはないですが、感染根管治療を適切に行って縮小してくるのであれば、それは周囲に新生骨ができていると考えてもらっていいと思います。

ただ、部位的にもともと骨の厚みが少ないことがあるので、インプラントができるかどうかはわかりません。

また、そもそも歯根嚢胞であった場合の前提の話ですので。

それとBP製剤の種類や他の薬剤の服用歴がある場合、骨に侵襲を加える手術によって顎骨壊死が起こるリスクも少しだけ高くなるので慎重に検討する必要があるように思います。

>歯を支える骨がない状態で抜歯しても大丈夫なのでしょうか?

⇒骨を支える骨がもともとないのか、吸収してなくなってしまったのかによります。
吸収してなくなったのであれば、その原因が歯にあり、抜歯しないと吸収を止めることができないのであれば抜歯適応だと思います。
もともと骨が薄いのであれば、抜歯するときに丁寧に抜歯しないと薄い骨が折れてしまうこともあります。

そうなればインプラントをすることになったときに不利になることもあります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Konandaiさん
返信日時:2018-01-15 12:28:26
金田先生、丁寧な説明ありがとうございます。
すごく勉強になります。
ありがとうございます。

実は、歯科治療(感染根管治療)の病院選びについてアドバイスをいただきたく質問させていただきました。
宜しくお願い致します。

先日紹介状を発行していただき、診断名について改めて確認してきました。

レントゲンによると、嚢胞は摘出しなくてもすむかもしれない位の大きさで電気診で歯の神経虫歯によるものでなく死んでいること、膿のせいで歯を支える骨が溶けていること、その上部に小さな骨の欠けがあるということ、以上の点から歯根嚢胞と診断したようです。

感染根管治療というキーワードで検索すると、マイクロスコープラバーダム、専門医、といったワードが検出されますが、前歯の歯根嚢胞で歯科大学付属病院にかかった場合、保存科ではなく虫歯の方にまわされた場合、マイクロスコープやラバーダムを使用して?の専門医の指導の元の研修医の治療になる可能性が高いのでしょうか?

マイクロスコープやラバーダムを使用せずとも研修医クラス以上の先生が専門医ではなくとも感染根管治療してくれる医学部併設の大学病院歯科(口腔外科、一般歯科、審美歯科)を選択する方が賢明でしょうか?

どちらを選択した方が良いかアドバイスいただきたいです。


自分で調べてというのはなしで、素人にもわかるようなご回答をいただけますと助かります。

宜しくお願い致します。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2018-01-15 18:10:52
Konandaiさん

こんばんは。
ご質問の件ですが、

>前歯歯根嚢胞歯科大学付属病院にかかった場合、保存科ではなく虫歯の方にまわされた場合、マイクロスコープラバーダムを使用して?の専門医の指導の元の研修医の治療になる可能性が高いのでしょうか?

大学病院にもよりますし、担当医が誰になるかにもよると思います。
歯内療法を専門とする先生にあたればいいですが、指名できるわけではありませんし、当たり外れは大きいと思います。
ラバーダムやマイクロスコープの使用もしてくれる先生はしてくれるでしょうし、してくれない先生もいると思います。

>マイクロスコープやラバーダムを使用せずとも研修医クラス以上の先生が専門医ではなくとも感染根管治療してくれる医学部併設の大学病院歯科口腔外科、一般歯科、審美歯科)を選択する方が賢明でしょうか?

⇒どうしてもマイクロスコープとラバーダムを使用して歯内療法を受けたい場合は、はじめからそうしてくれる開業医の先生を探す方が確実だと思います。
ただし、高い確率で自費治療になると思います。

ラバーダムとマイクロスコープの使用は義務付けられているわけではありませんし、保険治療だと割に合わない治療になるため、ほとんどの開業医さんが自費治療で行っているからです。

保険治療は、本当に最低限の治療しか受けれないことがあります。

ただし、歯内療法を得意とする先生であれば、必ずしもそういった設備を使わなくてもちゃんと適切な治療をしてくれます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Konandaiさん
返信日時:2018-01-15 19:15:42
金田先生、こんばんは。
いつも丁寧に回答してくださり感謝しております。

歯内療法科所属というだけではなく、歯内療法を得意にする先生にあたれると良いという事ですね。
その道の専門医を探すと自費診療になりそうですね。

歯周病専門の先生が感染根管治療して歯根嚢胞は再発しやすいのでと口腔外科の先生が更に嚢胞摘出手術をする病院は、希望する感染根管治療とは違うかもしれないということですね。
保険治療で対応してくれる先生が見つけられると良いのですが。



少し話が変わりますが、歯周組織再生療法であるエムドゲイン法やリグロスというものが歯周病治療で使われていることを知りました。
エムドゲイン法やリグロスは、嚢胞で歯を支える骨が溶けているのを再生させることもできたりしますでしょうか?
気にになってます。
適用できる場合についても教えていただきたいです。

ご回答いただけると助かります。
宜しくお願い致します。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2018-01-16 08:50:57
Konandaiさん

おはようございます。

>歯周組織再生療法であるエムドゲイン法やリグロスというものが歯周病治療で使われていることを知りました。
>エムドゲイン法やリグロスは嚢胞で歯を支える骨が溶けているのを再生させることもできたりしますでしょうか?
>気にになってます。
>適用できる場合についても教えていただきたいです。

歯根嚢胞であったとしても、根管治療だけで縮小し消失することもありますし、縮小せず外科的に嚢胞摘出しないといけないこともあります。
どちらにしても嚢胞がなくなれば吸収していた骨は自然と再生することがあります。

ガイドライン上は嚢胞摘出後、1年間は再発の有無や骨再生の有無を経過観察すると思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Konandaiさん
返信日時:2018-01-16 15:27:54
金田先生、こんにちは。

いつも丁寧でわかりやすいご回答で本当に助かります。
ありがとうございます。

歯周組織再生療法の適用については、感染根管治療後または外科的に嚢胞摘出後、嚢胞がなくなり骨が自然再生するかを経過観察してから適用ということでしょうか?

感染根管治療と嚢胞摘出が根治治療なのではなく、それぞれ経過観察しつつ適用かどうかみていくということですね。
理解しました。

歯肉膿瘍という診断に変わった場合、保存可能か否かについて治療方針はどうなりますでしょうか?



タイトル 左上2番、虫歯ではなく神経が死んで嚢胞ができている
質問者 Konandaiさん
地域 東京23区
年齢 44歳
性別 女性
職業 その他
カテゴリ 根管治療の治療法
根管治療に関するトラブル
根の病気(根尖病変・根尖病巣)
回答者




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