隣接面虫歯治療後の痛み発生、歯髄炎か食いしばりの痛みか?

相談者: ふじころさん (27歳:女性)
投稿日時:2018-04-24 14:50:54
3ヵ月前に上奥の隣接面虫歯レジンで治療してもらいました。
治療前は全く痛みがなかったのですが、治療後からしみたり痛みが出るようになりました。
数週間で徐々にひいていき、治まったと思ったのですが、1ヶ月ほど前からまたしみるようになってきました。

ただ、治療直後の、明らかに治療した部分が痛むのと違い、その歯周辺という感じで治療した歯と関係があるのか分からず困っているので、教えていただけないでしょうか?


治療直後の症状は以下のような感じで、2〜3週間で徐々に治まっていきました。

麻酔が切れてからジンジンと痛みが続いた
・熱いものと冷たいものを飲むとしみて、痛みがしばらく(数分〜1時間)続く
・食事でものを噛んだ時も同様に痛む
・治療箇所にフロスをすると少し痛みを感じる


現在
・熱いものや冷たいものを飲んだ等のきっかけはなく、痛みや違和感が数時間〜数日続くことがある
・丸1日違和感や痛みの症状が出ないこともある
・症状が出ている日は、うがいなどで水をふくむとしみる感覚がある
・ブラシをあてると歯茎が痛むことがある(この歯茎の場所に関しては、自分で触ってみて3か月前に治療した歯の歯茎だと特定できました)
・特に夕方〜夜にジンジンとしたりキーンとした痛みがでる事がある

・症状が出るようになった頃は仕事が特に忙しく、肩こり等がひどかったように思います(接骨院に通院中です)
・睡眠中や、集中している時の食いしばりの自覚があります(TCHはできるだけ意識していますが、マウスピース等は使用していません)


しみたり痛みが出ているのが3ヶ月前に治療した歯の付近ということもあり、治療後に出た痛みが一旦なくなったあと、再発したので、歯髄炎になっているのか、それとも治療とは全く関係なく肩こりや食いしばりが原因なのか分からないでいます。


先日歯医者さんへは行ったのですが(治療をした歯科とは別のところです)、ちょうど予約の日に痛みの症状が出ていなかったのもあり、叩いてもらっても何番の歯がしみているのかはっきり分からず、またレントゲンも撮りましたが原因を特定することはできませんでした。

「歯が痛い」という主訴で受診し「歯髄炎かも?」とは聞けずに帰ってしまったので、もう一度、歯髄炎かを調べてもらいに行きたく、その際の参考にするため、教えていただけないでしょうか。



質問1
上記のような症状で、歯髄炎の可能性はありますか?


質問2
どのような検査をすれば歯髄炎だと判断ができますか?

原因が不明だったので経過観察となったのですが、もし歯髄炎だったら…と思うと何も対処せずにいる事が怖いので、歯髄炎ではない確証を得たいと思っています。


質問3
最初に虫歯治療を行った歯科だとどこまで削ってあるかなど詳しくわかっていると思いますが、歯髄炎かどうかの再受診も、治療を行っていない別の歯科で検査してもらって問題ないでしょうか?
最初に虫歯治療を行った医師と、別の歯科の医師に診てもらった場合で、診断に差がつく可能性はありますか?


質問4
最初の治療直後の痛みの出方から、虫歯治療時に神経に接触してしまった可能性はありますか?


質問5
治療時、歯間に挟み込む装置?を挟むときに苦戦していた風で、力任せに挟んだ印象がありました。
現在もその歯間部の歯茎が痛む原因として、治療時に器具を押し当てたことによる炎症が、今も続いている可能性はありますか?
その時出血したり痛みがあったとしても、通常は歯茎の炎症は長引かないものでしょうか?



よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2018-04-27 16:06:00
臼歯部の隣接面レジン充填したということですね。
隣接面部ということで、メタルストリップスのようなものを用いたものと思います。
それが「挟み込む装置」というものでしょう。


ご懸念のように、歯髄炎のような神経症状がまず第一に思いつくところでしょうか。
この場合、形成時の歯髄への損傷はあまり考えにくいでしょう。
そうであればもっと症状は重いだろうと思います。

もうひとつは充填物の成分による刺激でしょうか。
ただ、症状の出方から考えれば、歯髄炎のようなものとは異なるように思います。


それよりも考えられるのが歯周組織炎症でしょう。
特に、隣接面へのレジン充填ということで考えれば、辺縁の不適合は十分に考えられるところで、それによる清掃性の悪さから起こる歯周炎の方が可能性は高いように感じます。
フロスをして出血が多いとか、引っかかるという感覚は他の部位より強くないでしょうか。


もっとも私は矯正治療しか行いませんので、どこまで正しいかは分かりません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2018-04-28 02:34:20
今村先生、ご回答ありがとうございます。

歯髄炎よりも、歯周炎の可能性が考えられるのですね。
「辺縁の不適合」とは、レジンと歯の境目に隙間や段差があるような状態のことでしょうか?

もし「辺縁の不適合」が原因の歯周炎であった場合は、治療法はどのようになるのでしょうか?
詰め物の詰め直しを行う必要がありますか?


ブラシをあてると歯茎が痛むことは何日かおきにありますが、出血はありません。
フロスをしてたまに引っかかるという感覚はあります。

天然歯では無くなったので、ある程度の引っかかりやザラっとしたような感覚はあるものと考えていましたが、、普通はないものですか?
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2018-05-01 11:56:11
>「辺縁の不適合」とは、レジンと歯の境目に隙間や段差があるような状態のことでしょうか?

そうですね。
形成された窩洞歯肉炎付近、あるいは歯肉縁下まで入っているとすれば、その部分ではこのようなことが起こることが十分に考えられます。

仮に、辺縁の不適合による歯周炎であれば、外して清掃性が高まれば症状は改善されてくるだろうと思います。
もちろん、最終的にはつめなおしということになりますが、保険の制度としてすぐに詰め直すということはできないのではないかと思います。


もちろん、歯髄炎の可能性がまったくないというわけではないでしょう。
経過を見ながら対処して行くということにはなっていくのだろうと思います。

回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2018-05-01 15:52:06
歯髄炎かもしれないですね。
かかりつけの先生に症状を伝えられたら良いと思いますよ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2018-05-01 16:26:24
今村先生、再度のご回答感謝いたします。

歯周炎であれば、まず詰めたものを取り外す必要があり、保険の制度ではすぐに詰め直せないので、外したままにしておかねばならないということでしょうか?

外したままという状況が想像できないのですが、歯があった部分が空洞になったままで、細菌感染や亀裂の可能性、食事等の日常生活に問題はないのでしょうか?


また、先日の診察時には辺縁に不適合があるという指摘はありませんでした。
(ルーペは使用していたと思います)
辺縁の不適合による歯周炎かどうかというのは、視診では分からないものですか?調べる方法はどういったものになりますか?



もう一点、今回の痛みの出方からは、食いしばりによる痛みであるということはあまり考えられないでしょうか?

よろしくお願い致します。




藤森先生、ご回答ありがとうございます。

記載した症状から、歯髄炎の可能性があるかもしれないのですね。
ご意見、感謝いたします。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2018-05-01 16:58:16
>歯があった部分が空洞になったままで、細菌感染や亀裂の可能性、食事等の日常生活に問題はないのでしょうか?

外すのであれば、仮封はすることになると思います。
しみたりしますし、歯が寄ってきたりすることを防ぐ必要もあります。


>辺縁の不適合による歯周炎かどうかというのは、視診では分からないものですか?調べる方法はどういったものになりますか?

やはり最もわかりやすいのは、探針などで触ってみることでしょう。
それによる引っ掛かりなどがあればということです。
視診でどれぐらいはっきりわかるのかについては、よくわかりません。


>食いしばりによる痛みであるということはあまり考えられないでしょうか?

この影響はないとは言えないでしょう。
とはいっても、特にその歯だと特定されるという事からすれば、やはりそれだけが問題ということではなく、歯のほうにも何らかの問題があると考えるべきなのでしょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2018-05-07 22:35:13
今村先生、ご回答ありがとうございます。

歯肉炎は、マイクロスコープを設置している歯科を探して診てもらえばより判断がつきやすいのかな と思いましたが、探針などで触ってみて引っ掛かりはないか調べてもらうことの方が、視診よりも有効なのですね。

食いしばりの質問については、痛む部分が自分で特定できるのは歯茎の痛みに関してだけで、肝心の何番の歯が痛むのかは歯科でも特定できていない状況ですので、いただいたご回答の状況とは少し違うのかな??と思いました。


次の診察時には、辺縁の不適合による歯周炎かどうかの探針の検査と、歯髄炎の検査(打診、電気診など)、食いしばりが原因なのか、を調べていただこうと思います。


ご意見、大変参考になりました。
ありがとうございました。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2018-05-08 08:32:28
ご相談ありがとうございます。

>質問1 上記のような症状で、歯髄炎の可能性はありますか?

ありえます。


>質問2 どのような検査をすれば歯髄炎だと判断ができますか?

検査としては、症状や経過に関するお話を聞く設問、レントゲン、罹患歯の特定、炎症や程度の有無、歯髄救済処置の試み、歯髄炎以外の原因探索、などでしょうか。


>原因が不明だったので経過観察となったのですが、

もし放置と同じであれば必ず悪化します。


>歯髄炎ではない確証を得たいと思っています。

それはとても重要なことです。

初めから思い込みだけでひとっ飛びに結論を出して、一つに思い込むことは、もし偶然に結果が合っていればとても早道とはなり得ますが、当たって砕けろみたいにとてもリスクが高いからです。
もしそれが間違いであったなら、それにもとずく治療は損失や大きな後悔につながるからです。


そのためには現代医療では科学的な診断プロセスがあります。
これはサットンの法則とオッカムの剃刀またはヒッカムの格言という理論を使います。

まず基本検査でプロブレムリストを作成して予備診断をすることです。
平たく言えば、原因と思われるあらゆる疑惑を総合的に、つまり見落としなくもれなくリストアップすることです。

次に追加の精密検査をして、その原因の疑いの中から消去法で真実に迫っていく絞り込みをして確定診断を出す方法です。


>質問3 治療を行っていない別の歯科で検査してもらって問題ないでしょうか?

初めの良い条件が無くなり問題なくはありませんが、可能と言えます。


>診断に差がつく可能性はありますか?

当然あります。


>質問4 虫歯治療時に神経に接触してしまった可能性はありますか?

ありえます。


>質問5 治療時に器具を押し当てたことによる炎症が、今も続いている可能性はありますか?

ありえます。


>その時出血したり痛みがあったとしても、通常は歯茎の炎症は長引かないものでしょうか?

もしもともと健康であり、かつ、健康を維持していればその通りです。
健康かどうかは自己診断では分かりません。


>辺縁の不適合による歯周炎かどうかというのは、視診では分からないものですか?

分かる時も分からない時もあります。
歯周炎については歯周病検査がいくつもあり総合的に診断できます。


>調べる方法はどういったものになりますか?

一つの検査で済ませてしまうのではなく、総合的にいくつもの検査を組み合わせる、見落としない検査があります。


>食いしばりによる痛みであるということはあまり考えられないでしょうか?

ありえます。
以下のお話の中にはその特徴も窺われるからです。

>・食事でものを噛んだ時も同様に痛む
>・治療箇所にフロスをすると少し痛みを感じる
>・丸1日違和感や痛みの症状が出ないこともある
>・症状が出ている日は、うがいなどで水をふくむとしみる感覚がある
>・ブラシをあてると歯茎が痛むことがある
>・特に夕方〜夜にジンジンとしたりキーンとした痛みがでる事がある
>・症状が出るようになった頃は仕事が特に忙しく、
肩こり等がひどかったように思います
>・睡眠中や、集中している時の食いしばりの自覚があります

ちなみに、食いしばりによる痛みなどはDCSとも呼ばれていて、噛み合わせ咬合)の検査により診断できます。
日本補綴歯科学会では、40種類以上の咬合検査を推奨しています。

なぜそんなにたくさん用意されているかというと、咬合の問題はとても複雑でかつ精細ですから、一つ二つの検査で実態が分かることなどあり得ないからです。


人体はとても複雑です。
例えれば人体が巨大なジグソーパズルであることを想像してみてください。

そのピースが一つや二つでは、分からないだけではなく、たった一部分から全体を大きく誤解してしまうリスクの方が高いことがわかりますね。

当然そのピースが多ければ多いほど実態が見えてきます。
検査とはわからなかったことが見えてくる、見える化、視覚化をすることで、お互いに現状を理解し、将来の見通しも納得しやすくなる唯一の手段だということです。

とてもとても大変ですが、それだけ頑張っても到底全部のピースを集めることは不可能です。
こういうプロセスを病態診断といい、現代の最先端の診察方法です。


TCHはできるだけ意識していますが

それは食いしばり、歯ぎしり、咬合異常等々のたくさんの病名の中のたった一つですから、それに決めつけてしまう自己診断と自己治療は危険です。
それは咬合の問題ですから診断するには多数の咬合検査が必要です。

またTCHと診断が出た後に、治療をした結果の評価や再発予防の計画は検査により確認します。


それが検査もなくその治療をいきなりやってみていいのでしょうか。
以前より症状が悪化しているのかもしれませんが、とりあえずやってみて、のように簡単に人生を賭けてしまっていいのでしょうか。

もしその結果を評価するときに、痛みが消えた、という話だけで決めてしまったとしたら、原因から根本的に解決したと将来も安心できるのでしょうか。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ふじころさん
返信日時:2018-05-09 06:48:02
さがら先生、ご回答ありがとうございます。

とても参考になりました!
教えていただいた以下のような検査を受けるには、一般的な歯医者さんで大丈夫でしょうか?


>検査としては、症状や経過に関するお話を聞く設問、レントゲン、罹患歯の特定、炎症や程度の有無、歯髄救済処置の試み、歯髄炎以外の原因探索、などでしょうか。
歯周炎については歯周病検査がいくつもあり総合的に診断できます。
>食いしばりによる痛みなどはDCSとも呼ばれていて、噛み合わせ咬合)の検査により診断できます。

大学病院や、なにか専門的な歯科咬み合わせ認定医?がいる等)を探して行った方が確実ですか?
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2018-05-09 08:08:23
ご返信ありがとうございます。

>一般的な歯医者さんで大丈夫でしょうか?

標準以上であれば大丈夫です。

つまり、治療方法が見かけや勘どころとか経験や思い込み、あるいは形式的ではなく、学会や歯科大学教育の標準や世界の医療標準を備えていることは最低条件ということです。

しかし、そうであったとしても、やはり、
>診断に差がつく可能性はありますか?

当然あります。

もし一生の快適な健康を目指し、歯を残すための本当の歯科医療とは、相当に難しいことと思っていただいて構いません。
だからこそ、予防に勝る治療はない、ということわざが当てはまります。



ちなみに、
咬み合わせ認定医?

これは紛らわしい名称ですが、咬合を研究している日本補綴歯科学会の資格ではなく、全く別の団体の資格です。

私も研究のためと思ってその第一回目に応募して資格を取りましたが、受験してみて驚くべき実態がわかりすぐに返上してしまいました。
それは歯科医師ならば誰でも安いお金で買えることがわかってしまったからです。

したがってその資格者は大量にいます。




タイトル 隣接面虫歯治療後の痛み発生、歯髄炎か食いしばりの痛みか?
質問者 ふじころさん
地域 非公開
年齢 27歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯治療後の痛み
歯科治療後の歯の痛み
むし歯 治療後の痛み
詰め物、インレー治療後の痛み
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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