歯ぎしりによってすり減った歯の修復について

相談者: クリーム猫さん (33歳:女性)
投稿日時:2018-12-19 21:52:26
この度もよろしくお願いいたします。

以前質問をした後体調を崩してしまい、ご回答いただいた三木先生にお礼を言うことができず申し訳ありませんでした。
アドバイスいただきありがとうございました。


歯ぎしりによってすり減った歯について質問です。

昔から歯ぎしりがあり高校生の時に当時通っていた歯科医院のすすめでナイトガードも作成したのですが、歯がすり減るとどうなるのかをよく理解しておらずほとんど着けていませんでした。

昨年から別の歯科医院にかかるようになり、そこでも歯のすり減りを指摘されナイトガードを作成しましたが、根菅治療での痛みがナイトガードを着けると強くなったことがあり、そのまま着けるのをやめてしまいました。

先日定期検診で歯のすり減りについて主治医から説明があり、象牙質が露出している部分が多く、これ以上放置するのはよくない(もし歯が割れてしまった場合抜歯になってしまう)とのことでした。


そこで提案された方法が、

@ナイトガードを必ず着ける
Aセラミックインレーのように象牙質が露出しているところを覆い保護する
B犬歯(3番)の先が平らにすり減っているせいで余計に奥歯に負担がかかっているので、ラミネートベニアで上下左右の犬歯の形を修復する

です。


保護しないといけない歯が多く、予後を考えて全て自費診療の材料にすると100万円以上になります。
私にとっては大金ですが、それが歯にとって一番いいことなら支払いたいと思っています。

インレーについては保険診療の材料でもできるようですが、二次カリエスのことを考えるとセラミックの方がよいのかなと思います。

ただ、気になるのは犬歯にラミネートベニアを貼ることです。
すり減っている以外は健康な犬歯を削ってでも、ラミネートベニアで形を修復して他の歯を保護した方がいいのでしょうか?

今まで歯並びがよく虫歯もほとんどなかったため、こんなにたくさんの歯を削ることに抵抗があります。

また、そのことに胡座をかき歯ぎしりについてきちんと考えてこなかったことを反省しています。
これからは歯を大切にしたいです。

犬歯について、また象牙質の保護についても先生方の意見を聞かせていただけたら嬉しいです。

よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2018-12-19 23:03:58
こんばんは。

診察したわけではないので確かなことは言えませんが、そのままにしておくのが一番だと思います。

歯は使えば程度の差はあれ必ずすり減ります、これは生理的なもので顎関節は通常それに適応していきます。

>@ナイトガードを必ず着ける

個人的には気休めにもならないと考えています。

>Aセラミックインレーのように象牙質が露出しているところを覆い保護する

最悪の方法です、やればいいカモです。

>B犬歯(3番)の先が平らにすり減っているせいで余計に奥歯に負担がかかっているので、
ラミネートベニアで上下左右の犬歯の形を修復する

犬歯誘導の回復を狙ってのことだと思いますが、誰でも年を取って歯がすり減れば必ずそうなります、そうなったらラミネートべニアをするなんて聞いたことがありません、カモにされますよ。

またラミネートべニアにすればはがれるだろうしセラミックが欠けるでしょう、その方がダメージが大きいと思います。

>それが歯にとって一番いいことなら支払いたいと思っています。

一番悪いと思います。

二次カリエスのことを考えるとセラミックの方がよいのかなと思います。

セラミックなんて金属修復に比べたらいい素材ではありません、見た目を考えて仕方がないから使うだけです。

>すり減っている以外は健康な犬歯を削ってでも、ラミネートベニアで形を修復して他の歯を保護した方がいいのでしょうか?

何もしないのが一番です、歯がすり減ったらセラミックで被覆するなんて聞いたことがありません。

>そのことに胡座をかき歯ぎしりについてきちんと考えてこなかったことを反省しています。

歯ぎしりは治らないと思います、どうしてもということならスプリントを入れて歯ぎしりができないようにすることです。

回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2018-12-20 01:12:48
こんにちは。

過剰な治療かもしれませんから、セカンドオピニオンを受けられるとよいでしょう。

30代女性でかなり顎が張ったタイプなのでしょうか?
何かスポーツや力仕事をされているのでしょうか?
歯が磨り減って象牙質が出たのは歯ぎしりのせいでしょうか?
酸蝕症や逆流性食道炎等ではありませんか?
または嘔吐を繰り返した等で、歯が溶けやすい条件があった上に歯ぎしりをしていると言うことはありませんか?

全顎治療を受けるには、普通より早すぎる年齢のようで気にかかります。

本当にそのような治療が妥当なのかについて、複数の歯科医に見てもらったほうがよいかもしれませんね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: クリーム猫さん
返信日時:2018-12-20 01:40:40
山田先生

ご回答ありがとうございます。
信頼していた先生なのでそのように言われてショックです。
今までの虫歯治療詰め物クラウンも、自費セラミックジルコニアをすすめられてそうしていました。
歯のことを考えてのことだったと思いたいです。



Dr.ふなちゃん 様

ご回答ありがとうございます。
ご指摘の通り酸蝕歯と言われています。

酸っぱいものや無糖の炭酸が好きでよく摂取しており、知識がない頃は口の中が酸性のまますぐに歯を磨いたりしていました。

顎のサイズは普通だと思います。
エラはどちらかというとありません。
運動は学生時代にしていました。

逆流性食道炎や胃腸風邪等以外で嘔吐の病気の経験はありません。
上記の食生活と歯ぎしり・食いしばりが原因ではないかと言われています。

歯のすり減りが進んだ場合、象牙質の露出している部分をレジン等で埋めるくらいかと想像していたので、治療計画を聞いたときは過剰なのではないかと不安もありました。

主治医を信頼して歯のためなら仕方ないと思っていたのですが、セカンドオピニオンを受けた方がいいようですね。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2018-12-20 08:40:57
ご相談ありがとうございます。

>@ナイトガードを必ず着ける

歯ぎしりを治す治療にはなりません。

歯が割れない用心ならば着けることによる保護にはなります。
しかし、根本的な対策にはなりません。
なぜならば、一番危険な忙しい時やストレスがある時には忘れがちであり、毎日必ず着けることは不可能だからです。


>Aセラミックインレーのように象牙質が露出しているところを覆い保護する

生きている歯であれば、その必要があるのかどうかを検査することが前提です。


>B犬歯(3番)の先が平らにすり減っているせいで余計に奥歯に負担がかかっているので、

理屈や見た目だけでは決められません。
ほんとうに負担がかかっているのか?検査しなければわかりません。

そのためにたくさんの咬合検査、あるいは咀嚼機能検査があるくらいです。
検査も一つだけでは間違いやすいためたくさんして総合的に診断しなければなりません。

結論ありきで、試しに削ってみる? などは最も危険です。


ラミネートベニアで上下左右の犬歯の形を修復する

そういう方法もありえます。

しかし、修復する必要があるのか?検査が必要です。
修復するなら、どういう形にするのか?設計診断のための検査が必要です。

さらに、治療前の検査データを保管しておいて、治療中と治療後の検査結果を比較することにより、治っているのかどうかの診断が不可欠です。

闇雲に、いきなり形を変えてみる、ことは危険です。


>保護しないといけない歯が多く、

全部を保護しなければなりません。
1本も同じ歯は無く、全てが別々の役割を持ち、全ての歯がお互いに助け合い、全ての歯が重要だからです。


>予後を考えて

その通りです。
今だけは無く、これから将来どうなるかの予測を立てること、どうせ治療するなら成功する見通しを立ててから、実行に踏み込むべきです。


>全て自費診療の材料にすると100万円以上になります。

もし、良くなると同時に、これ以上悪化を防ぎたい、とも用心するならば、検査や準備に相当手間暇がかかります。

到底そのような安い金額でおさまるはずがありません。
安物買いで、悪化の泥沼に落ち、どんどん歯を失っている人はたくさんいらっしゃいます。

よくよく計画を練り上げましょう。


>私にとっては大金ですが、それが歯にとって一番いいことなら支払いたいと思っています。

歯には、とても価値があります。


>インレーについては保険診療の材料でもできるようですが、

保険治療は穴埋めにしか過ぎない考えであり、虫歯ができてしまった過去の後始末だけの場合がほとんどです。

将来の健康を考えることには制限がついていることを知りましょう。


二次カリエスのことを考えるとセラミックの方がよいのかなと思います。

残念ながら間違いです。
虫歯の予防は材料で決まるわけではないからです。

何故虫歯になるのか?その原因を検査診断してから、もう虫歯にならない予防医療を選択することが一生の虫歯予防になります。

ふつう虫歯は根絶できます。
とうぜん根管治療などという危険なことに追い込まれることはないはずです。


>すり減っている以外は健康な犬歯を削ってでも、ラミネートベニアで形を修復して他の歯を保護した方がいいのでしょうか?

そういう場合もありえます。
クラウンにしなければならないこともありえます。

しかし、非常に難しい治療になります。
いきなり削ったりしないようにしましょう。

少なくとも、現状の精密な検査データを永久保存しておきましょう。
そうすれば治療を失敗した時に、今の時点に戻ることができるからです。
そうでないと、全くの迷路に落ち込みゴールが見えなくなります。

こういう治療計画を予防医療と言い、1965年から推奨されています。


>今まで歯並びがよく虫歯もほとんどなかったため、こんなにたくさんの歯を削ることに抵抗があります。

そういう気持ちがふつうです。
慎重になりましょう。


>そのことに胡座をかき歯ぎしりについてきちんと考えてこなかったことを反省しています。

まだ遅くありません。
軽々しく削る前によくよく考えましょう。


>これからは歯を大切にしたいです。

良い心がけです。
選択を間違えなければ、安全です。
第一歩を間違えると、一生蟻地獄の迷路に踏み込んでしまいます。


>犬歯について、

将来を握るとても大切な歯です。


>象牙質の保護についても先生方の意見を聞かせていただけたら嬉しいです。

本来は今頃の年代であれば、ふつうエナメル質で守られなければならない弱い部分です。
そこを突破されると、身体全体を侵されてしまうからです。

そのため、身体には自然に守る働きがあります。
まずその健康な自然の力を引き出すことがいちばんの治療になります。


お一人で考えても決して結論はでません。
補綴治療の専門家の援助が必要です。

本当の補綴治療こそ、一生にわたる本当の予防医療だからです。
セカンドオピニオンもいい考えです。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2018-12-20 10:32:31
>歯のことを考えてのことだったと思いたいです。

そうですね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: クリーム猫さん
返信日時:2018-12-24 13:25:22
さがら先生


ご丁寧にありがとうございます。
さがら先生のおっしゃる検査とはどのようなものでしょうか?


石膏模型の作成と、通常の噛み合わせや左右に下顎を動かした状態の噛み合わせの写真撮影を行い、今回の方法が提案されました。

デンタルや全顎のレントゲンは半年ほど前に撮影しています。


また、

>そのため、身体には自然に守る働きがあります。
>まずその健康な自然の力を引き出すことがいちばんの治療になります。

というのは、象牙質が露出してしまった歯についてセラミック等の補綴を行わなくても守れる方法があるということでしょうか?
そういった方法があるのなら、どんな努力も厭いません。


先生方のアドバイスに従い、来月上旬にセカンドオピニオンの予約を入れました。

金額面よりも、歯や身体に対して一番よい方法を選択したいです。
回答 回答5
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2018-12-26 12:07:30
象牙質が露出するほど摩耗した場合には、大きな咬みあわせの問題が立ちはだかります。

比ゆ的に言うと、まな板同士のようになってしまい、臼と杵のような関係を再現しにくくなっているからです。

その理由は摩耗が大きいと、咬みあわせの高さを減じ、厳密に言うと下顎の位置も変化しているからです。

一般的には生理的なあるいは加齢に伴う変化として、容認しながらの修復治療になります。
そうなると前述の臼の高さが足りないことに

なりますから、咀嚼能率の良い、咬合学にのっとった歯冠形態の再現が難しくなるということです。
摩耗の程度・歯一本一本の状態により考慮しなければならないことになりますから、ベストの治療を施す(受けると)となると難しいものです。

私見では、たくさんの歯に手を付けるのではなく、問題が生じたらその時々で、考慮していくという方法を取らざるを得ないと思います。
審美にこだわらず、金属インレーも選択肢に入れてください。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2018-12-28 13:00:04
ご返信ありがとうございます。

>検査とはどのようなものでしょうか?

これは私個人のヤマカンで決めたことではなく、日本補綴歯科学会が提唱している、見落としを防ぐ(総合的な)検査です。
歯科医師ならば誰でも学べる、学会の研究成果による体系的なプロセスがあります。


基礎・基本検査と追加精密検査とに大きく分かれます。

前者はまず診察の後に、お顔の写真とお口の中の高解像画質の撮影、全体のパノラマレントゲン撮影、歯周病基本検査、石膏模型の作成というごく簡単な検査です。

ただ、それぞれに厳しい規格があり、現状を知り(病態診断)、問題点をもれなく探し(プロブレム・リストアップ)、誰が学会に出しても同じ仮説(予備診断)ができるよう科学的な規格になっています。


後者は、基礎・基本検査結果の予備診断という、いわば仮説や単なる疑いのリストという段階をさらに深く絞り込み、真の原因を突き止め、どうせ治療するなら成功させたいという、治療効果を上げるために真相を明らかにする(確定診断)ためのプロセスです。

その中に、歯ぎしり(噛み締め)に関係する噛み合わせ咬合)の検査が各種あります。
咬合状態は見た目では結論(確定診断)を出せないことが証明されているからです。

歯の治療とはもとどおりにならないことがほとんどであり、かえって前より悪化するリスク(医原性疾患)が伴いますから、思惑とか単なる疑いだけで削りたくないからです。

つまり噛んでいる状態は空っぽのお口を見ただけでわかりませんから、実際に物を噛んで動いている状態(顎運動)を縦・横・上下の立体的(3次元的)に計測して検査・記録します。

また歯を治療する究極の目的は、よく噛めて心身の健康を生涯守ることですから、咀嚼機能検査、嚥下機能検査などもあります。
お口と身体の関係は切り離せませんが、最近では咬合と聴力の間に影響(相関関係)があるとも言われており、聴力図(オージオグラフ)を描いてみる検査も増やせます。

身体全体に比べれば、歯科の病気はとても限られているので、体系的なプロセスを辿れば誰でもふつう治るはずです。

でも人間は複雑で全く同じ人はいません。
そのため、全ての人に対応できるように検査は約40種類くらいあり、お一人ずつに合わせて選び(スクリーニング)、オーダーメイドの計画を立てます。

日本補綴歯科学会の目的は歯だけではなくて、心身の(総合的な、ホリスティック)健康であり、その回復や再発予防と維持増進(保全)が目標です。

また予防に勝る治療はない、と諺もあります。
きちんと咀嚼できることが認知症・がん・骨粗鬆症・肺炎などによる寝たきりを予防できることもあると証明が始まっています。

身体のことに最も詳しい専門家はお医者さんですね。
したがって、アメリカではお医者さんが職業を変えて歯科医師になるほど、歯科医院がとても大事と認識されているほどです。


また、このプロセスの大事なポイントは記録が残せ、その都度患者さんに確認していただけることです。
これを見える化(視覚化)と言います。

これにより治療計画の見直しも可能となり、またその資料により検査の重複を避けて第三者にも意見を求められますし、デジタルな結果ほど検査結果を見比べることにより、はっきりと治療中の成果の確認と成功への予測や、お互いに明るい希望を持てること、また治療直後や定期的な評価も客観的にできます。

歯科医療も物売りではなく、医療として科学的に進化しております。

そもそも検査の目的が、どうしてこうなってしまったんだろう? と原因を調べるためです。
いわば謎解きのパズルを解くように順々に解決していく様は、楽しいとおっしゃる方も少なくありません。

もし健康を目指すならば、歯科医院は楽しい場所であるべきだと個人的には思っております。


象牙質が露出してしまった歯についてセラミック等の補綴を行わなくても守れる方法があるということでしょうか?

お一人ずつで違いますが、ありえます。
もし一生の健康が目的ならば、むしろセラミック等の人工的な物を使うのは最後の手段と考えたほうが安全です。

歯も人間の体も地球の環境も宇宙も、現代のどんなに進んだ科学であろうと、偉大な自然の力には到底かなわないからです。

ご参考になれば幸いです。




タイトル 歯ぎしりによってすり減った歯の修復について
質問者 クリーム猫さん
地域 非公開
年齢 33歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯の異常・トラブルその他
歯軋り(歯ぎしり)
補綴関連
酸蝕歯(酸蝕症)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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