[写真あり] 歯列矯正治療による歯根吸収
相談者:
DH百合さん (28歳:女性)
投稿日時:2019-01-20 22:23:40
こんばんは。
先日、2年の期間を経て矯正が終了しました。
現在は保定装置を付けています。
写真一枚目 矯正開始前
写真二枚目 矯正終了時
のレントゲンです。
終了時に、上顎の2ー2が歯根吸収している事を告げられました。
右上2番の歯根吸収がかなり進んでおり、歯同士が当たると動揺が見られます。
歯根破折を避ける為、硬いものは前歯では噛まないようにしていますが、正直、将来的に保存可能かどうかが不安です。
1 右上2番含め、上顎2ー2は将来的に保存可能でしょうか?
2 現在固定はしていません。固定をした方が良いのでしょうか?
3 当方DHをしており、多少の知識はあります。
今回の歯根吸収は力のかけ過ぎによるものだと考えています。
通常、矯正でここまで歯根吸収してしまうものなのでしょうか?
ご多忙中かと思いますが、よろしくお願い致します。
画像1 画像2
先日、2年の期間を経て矯正が終了しました。
現在は保定装置を付けています。
写真一枚目 矯正開始前
写真二枚目 矯正終了時
のレントゲンです。
終了時に、上顎の2ー2が歯根吸収している事を告げられました。
右上2番の歯根吸収がかなり進んでおり、歯同士が当たると動揺が見られます。
歯根破折を避ける為、硬いものは前歯では噛まないようにしていますが、正直、将来的に保存可能かどうかが不安です。
1 右上2番含め、上顎2ー2は将来的に保存可能でしょうか?
2 現在固定はしていません。固定をした方が良いのでしょうか?
3 当方DHをしており、多少の知識はあります。
今回の歯根吸収は力のかけ過ぎによるものだと考えています。
通常、矯正でここまで歯根吸収してしまうものなのでしょうか?
ご多忙中かと思いますが、よろしくお願い致します。
画像1 画像2
回答1
歯科医師の松山です。
回答日時:2019-01-21 10:12:31
1 右上2番含め、上顎2ー2は将来的に保存可能でしょうか?
右上2番は、ちょっとどうかなと思いますが。
その他は意外と持つのではとしか言えません。
2 現在固定はしていません。固定をした方が良いのでしょうか?
矯正用の撚り線(ワイヤー)をCRまたはスーパーボンドによる、あるいは固定用のバンド状の布様の材料を同上材料で固定も考慮されますが、オーバージェット次第でしょう。
3 について。
他院でのケースですが、たまたま見たものですが、この場合全顎的に吸収しているという、悲惨なものでした。
力のかけすぎ=とは断定できないでしょう。
というのは、あなたの場合では術前から起きることが断定的に予想できるからです。
術前のパノラマから歯冠形態・歯根形態で吸収しやすいことが分かるのです。
形態については
「歯科矯正、加速装置を使用した場合の歯根吸収」
を参考にしてください。
右上2番は、ちょっとどうかなと思いますが。
その他は意外と持つのではとしか言えません。
2 現在固定はしていません。固定をした方が良いのでしょうか?
矯正用の撚り線(ワイヤー)をCRまたはスーパーボンドによる、あるいは固定用のバンド状の布様の材料を同上材料で固定も考慮されますが、オーバージェット次第でしょう。
3 について。
他院でのケースですが、たまたま見たものですが、この場合全顎的に吸収しているという、悲惨なものでした。
力のかけすぎ=とは断定できないでしょう。
というのは、あなたの場合では術前から起きることが断定的に予想できるからです。
術前のパノラマから歯冠形態・歯根形態で吸収しやすいことが分かるのです。
形態については
「歯科矯正、加速装置を使用した場合の歯根吸収」
を参考にしてください。
回答2
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2019-01-21 10:29:21
こんにちは。
術後のお写真を拝見すると上顎2−2と下顎1−2に歯根吸収があるように見えますね。
矯正治療のリスクの第一に歯根吸収が挙げられるというのは歯科衛生士さんならばよくご存知でしょう。
セファロなどでの検証も必要でしょうが、歯根吸収がおこるのは歯を動かす際には必ず炎症細胞が出現するのですがその炎症細胞の分化の失敗によりおこるので予測不能とされています。
ただ、おこりやすい傾向というのはありジグリングフォースや移動量が大きい抜歯矯正時、また過剰な力がかかったときというのも挙げられるように思います。
骨が元々薄い方で移動方向に無理がある場合も骨から歯根の一部がはみ出るかまたは歯根が吸収するか?ということで歯が動くのではないかと思いますので、骨が薄い方向への移動は極力避けておくのがよいように思います。
矯正治療は骨の改造と同時に歯を動かさなければいけませんから治療途中に問題が生じていないか?についてレントゲン検査を行って確認しつつ進める必要があるように思います。
1年毎あるいはそれよりも短い期間で検査を行っておけば歯根吸収が起きているということが早期にわかり、一旦治療を中止したり治療計画の見直しを行うことが可能になるように思います。
1.
成人矯正の場合どうしても無理な歯の動きが必要な場合もあるでしょうから、歯根は半分程度まで吸収していても大きな問題は起こらないといわれる場合もありますが、右上2番については画像からはかなり短くなっているような印象を持ちますね。
歯周病にならないように気をつけることが大切でしょう。
咬合が安定していれば保存可能と考えることもできるでしょうから臼歯の咬合維持が大切になってくるでしょう。
2.
まず歯同士が当たらないように調整をしっかりしてもらうとよいのかもしれません。
動揺するというのはよい状態ではないというのはどういうときでも同じです。
細かく咬合調整を行ってもらうほうがよいでしょう。
次に固定をどうするか?ですが固定することで清掃性が悪くなることも考えられますから、咬合調整で動揺がとまるかどうかを確認してもらったほうがよいかもしれませんね。
咬合をさせていないのに動揺があるようならば固定が必要になるでしょう。
そのほうが歯周組織への負担が少なくなるでしょう。
3.
矯正治療時のリスクのひとつですから歯根吸収はどういうときでもありえますが、力のかけ方は大きな要因でしょうし骨と歯根の位置関係も大きな要因でしょう。
矯正認定医で矯正治療を受けた方でも歯根が大きく吸収してしまっているケースを見ます。ですからやはりブラケット矯正治療のリスクのひとつとして歯根吸収は必ず挙げられると思います。
おこらないほうがよいですが稀に起こることが誰でもあるので治療途中にレントゲン検査をまめに行ったほうがよいということになるのでしょう。
一旦歯根が吸収すると修復不能ですから現状からよい状態を長期に維持していくことが大切になると思います。
定期的にかみ合わせのチェックをしっかり行ってもらったりメンテナンスを受けていかれることが必要でしょう。
術後のお写真を拝見すると上顎2−2と下顎1−2に歯根吸収があるように見えますね。
矯正治療のリスクの第一に歯根吸収が挙げられるというのは歯科衛生士さんならばよくご存知でしょう。
セファロなどでの検証も必要でしょうが、歯根吸収がおこるのは歯を動かす際には必ず炎症細胞が出現するのですがその炎症細胞の分化の失敗によりおこるので予測不能とされています。
ただ、おこりやすい傾向というのはありジグリングフォースや移動量が大きい抜歯矯正時、また過剰な力がかかったときというのも挙げられるように思います。
骨が元々薄い方で移動方向に無理がある場合も骨から歯根の一部がはみ出るかまたは歯根が吸収するか?ということで歯が動くのではないかと思いますので、骨が薄い方向への移動は極力避けておくのがよいように思います。
矯正治療は骨の改造と同時に歯を動かさなければいけませんから治療途中に問題が生じていないか?についてレントゲン検査を行って確認しつつ進める必要があるように思います。
1年毎あるいはそれよりも短い期間で検査を行っておけば歯根吸収が起きているということが早期にわかり、一旦治療を中止したり治療計画の見直しを行うことが可能になるように思います。
1.
成人矯正の場合どうしても無理な歯の動きが必要な場合もあるでしょうから、歯根は半分程度まで吸収していても大きな問題は起こらないといわれる場合もありますが、右上2番については画像からはかなり短くなっているような印象を持ちますね。
歯周病にならないように気をつけることが大切でしょう。
咬合が安定していれば保存可能と考えることもできるでしょうから臼歯の咬合維持が大切になってくるでしょう。
2.
まず歯同士が当たらないように調整をしっかりしてもらうとよいのかもしれません。
動揺するというのはよい状態ではないというのはどういうときでも同じです。
細かく咬合調整を行ってもらうほうがよいでしょう。
次に固定をどうするか?ですが固定することで清掃性が悪くなることも考えられますから、咬合調整で動揺がとまるかどうかを確認してもらったほうがよいかもしれませんね。
咬合をさせていないのに動揺があるようならば固定が必要になるでしょう。
そのほうが歯周組織への負担が少なくなるでしょう。
3.
矯正治療時のリスクのひとつですから歯根吸収はどういうときでもありえますが、力のかけ方は大きな要因でしょうし骨と歯根の位置関係も大きな要因でしょう。
矯正認定医で矯正治療を受けた方でも歯根が大きく吸収してしまっているケースを見ます。ですからやはりブラケット矯正治療のリスクのひとつとして歯根吸収は必ず挙げられると思います。
おこらないほうがよいですが稀に起こることが誰でもあるので治療途中にレントゲン検査をまめに行ったほうがよいということになるのでしょう。
一旦歯根が吸収すると修復不能ですから現状からよい状態を長期に維持していくことが大切になると思います。
定期的にかみ合わせのチェックをしっかり行ってもらったりメンテナンスを受けていかれることが必要でしょう。
回答3
月島矯正歯科(中央区月島)の今村です。
回答日時:2019-01-21 15:45:38
矯正治療による歯根吸収は、どのような治療を行ったかなどにかかわらず、一定の割合で生じてくるようです。
それは、おなじ先生が同じ治療を行っても生じる事も生じないこともあるものですので、一概に治療の仕方が悪かったとも言いがたいところがあります。
問題は、この先吸収を生じた歯がどうなるかということでしょう。
現在は、若干の動揺は生じているものと思います。
それは、矯正治療が終了したばかりのときには一般的な状態です。
歯の移動の際に、歯槽骨の吸収と新生が起こりますが、当然新生の方が遅く、これが安定するまでには、時間がかかるものです。
矯正治療による歯根吸収を生じた歯というものが自然に脱落したということは経験したことはありません。
吸収はされていても、残っている部分で支えられているからなのだろうと思います。
そして、これはメンテナンスさえしっかりしていれば、しっかりとしているものだと感じております。
もちろん、殴ったとかいうような強い力を加えるようなことがあれば、健全な歯に比べれば、もろいだろうということは想像できます。
とはいっても、歯周病でかなり歯槽骨が吸収されているような方でも、炎症がコントロールされているようであれば、歯自体はしっかりしているということを考えれば、歯根がある程度短くても、残存部分によって歯が残るということは、期待ができるところでしょう。
当面は、担当されている先生に、リテーナーチェックなどの際にフォローしていただくということをしてもらう必要もあるでしょう。
意思の疎通を取るように、お互いに心がけていただければと思います。
それは、おなじ先生が同じ治療を行っても生じる事も生じないこともあるものですので、一概に治療の仕方が悪かったとも言いがたいところがあります。
問題は、この先吸収を生じた歯がどうなるかということでしょう。
現在は、若干の動揺は生じているものと思います。
それは、矯正治療が終了したばかりのときには一般的な状態です。
歯の移動の際に、歯槽骨の吸収と新生が起こりますが、当然新生の方が遅く、これが安定するまでには、時間がかかるものです。
矯正治療による歯根吸収を生じた歯というものが自然に脱落したということは経験したことはありません。
吸収はされていても、残っている部分で支えられているからなのだろうと思います。
そして、これはメンテナンスさえしっかりしていれば、しっかりとしているものだと感じております。
もちろん、殴ったとかいうような強い力を加えるようなことがあれば、健全な歯に比べれば、もろいだろうということは想像できます。
とはいっても、歯周病でかなり歯槽骨が吸収されているような方でも、炎症がコントロールされているようであれば、歯自体はしっかりしているということを考えれば、歯根がある程度短くても、残存部分によって歯が残るということは、期待ができるところでしょう。
当面は、担当されている先生に、リテーナーチェックなどの際にフォローしていただくということをしてもらう必要もあるでしょう。
意思の疎通を取るように、お互いに心がけていただければと思います。
相談者からの返信
相談者:
DH百合さん
返信日時:2019-01-22 13:20:39
松山先生、船橋先生、今村先生、
お忙しい中、回答していただきありがとうございます。
ここまで丁寧に回答して頂けると思っていなかった為、とても嬉しく思っています。
少しでも長く残せる様、定期的な通院と自宅でのセルフケアを怠らずに頑張っていきたいと思います。
今回は貴重なご意見、本当にありがとうございました。
お忙しい中、回答していただきありがとうございます。
ここまで丁寧に回答して頂けると思っていなかった為、とても嬉しく思っています。
少しでも長く残せる様、定期的な通院と自宅でのセルフケアを怠らずに頑張っていきたいと思います。
今回は貴重なご意見、本当にありがとうございました。
回答4
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2019-01-22 15:22:20
タイトル | [写真あり] 歯列矯正治療による歯根吸収 |
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質問者 | DH百合さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 28歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯列矯正の治療法 歯列矯正のトラブル その他(写真あり) 根の病気・異常その他 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。