奥歯の根管治療でラバーダムの必要性について

相談者: ゆまるさん (34歳:女性)
投稿日時:2023-10-08 09:49:19
先日、根幹治療について質問させていただいた者です。
ご回答いただいた先生方、ありがとうございました。
今回は根幹治療についてです。

【これまでの経過】
8/31に虫歯治療後の歯(上右奥から2番目の歯)に対してセラミック装着。
その後、同部位にしみる症状。悪化傾向にあり、担当医と相談し、セラミックを外して根幹治療することになった。
※現在妊娠後期で12月初旬出産予定のため、出産時期に痛くなることを防ぐため。

【今回の質問】
前述の通り、上右奥から2番目の歯に対しての根幹治療を控えています。

私の通っている歯科ではマイクロスコープ(頭につける拡大鏡)は使っているのですが、ラバーダムがあるか分かりません。
と言うのも、主人が同じ歯科に通っているのですが、上の前歯の根幹治療の際にラバーダムはつけなかった、と言っています。
部位の問題もあるのかもしれませんが。

ここの掲示板でラバーダムについて激論が交わされているのを読みました。
当然ラバーダムがある方が安全だろう、ということも分かりました。

次回受診時が治療回なので、その時にラバーダムについて聞こうと思っていますが、仮にラバーダムを使っていなかった場合って、ここで根幹治療を行うのは避けたほうがいいのでしょうか?

セラミックの保証のことや出産時期のこともあり、仮にラバーダムがなかったときに転院する必要があるのか分かりません。

先生自体は悪い人ではないと思います。
説明はとても丁寧です。
技術に関しては私は素人なので評価できません。

ご意見いただけますと幸いです(>_<)


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2023-10-08 13:03:44
マイクロスコープ(頭につける拡大鏡)は使っているのですが、

拡大鏡はマイクロスコープではありませんね。
 
倍率が全く違います。
また照明も同軸ではない為、マイクロスコープのようにクリアーには根管内がみえません。

>次回受診時が治療回なので、その時にラバーダムについて聞こうと思っていますが、仮にラバーダムを使っていなかった場合って、ここで根幹治療を行うのは避けたほうがいいのでしょうか?

保険治療では、基本的にラバーダムは歯科医院のサービスで行うようなものなので、奥歯でもあまりしないことが一般的です。

また、治療時間を確保しておいて、説明後にラバーダムしないなら治療はしませんは歯科医院に迷惑がかかるので、ラバーダムをしないのなら、その歯科医院で根管治療をしないのであれば、事前に電話でラバーダムの、する・しないは聞いて事前に判断して下さい。
 
基本的に保険治療は理想を追求した医療システムではないので、ネットで情報を得ても叶えられないことも多々あります。
 
ご自身の体の事ですしなるべくベストな処置は、受けたいと思われるのはわかりますが、海外で10万円近い治療を日本の保険治療では1万円でしないといけないのでどうしても叶えられる事には限界があります。


どの世界にも理想と現実があるように、歯科も経済が入ってくると理想的な事ばかり出来ない現実があることは知っておかれて下さい。

おだいじに

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ゆまるさん
返信日時:2023-10-08 13:28:54
井野先生

ありがとうございます。
頭につけるものはマイクロスコープとは別物なのですね。
知りませんでした。

倍率が違って鮮明に神経が見えないとなると、ちゃんと治療できたかどうかはどうやって判断するのでしょうか?

ラバーダムに関しても、ここの掲示板で知識を得たばかりなので、前回聞けませんでした。

先生から治療計画・経過をICされたのですが、その時にマイクロスコープやラバーダム等の話はありませんでした。。

この前回受診の後、医院の定休日・祝日と続き、次回になってしまいます。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2023-10-08 15:35:04
>ちゃんと治療できたかどうかはどうやって判断するのでしょうか?

基本的には、分からず治療します。
 
患者さんの症状と術者の勘で、治療が成立しています。
 
裸眼や拡大鏡より、マイクロスコープがあった方が歯の中を細かに見れますが、根管内全てを見れる訳ではありません。

ただ神経治療の専門医は、マイクロスコープの使用が義務づけられでますので、この点からもマイクロスコープでの治療の優位性は分かると思います。
文献でもマイクロスコープがあると、経験の少ない先生でも神経管の見逃しが優位に減ると報告があります。
 
勘と薬剤に頼った旧式治療より、拡大視野下で菌に対する配慮を行った現代的な治療の方が予後は良いです。


 
>その時にマイクロスコープやラバーダム等の話はありませんでした。。

ネット見ていると、マイクロスコープやラバーダムをさも使っているように書かれてますが、現実無くて当たり前で、それらを希望するならそれらを使っている歯科医院を受診してもらう必要があります。
 
これは日本だけではなく、世界的にみてもこれらを使っている先生は極々少数派です。

ネットは色々な情報が得られますが、マイクロスコープ、ラバーダムは患者さんを集める集客ツールになっており、実際使いこなせない先生もいます。
日本は世界的にみても、マイクロスコープの普及率は10%を超え世界一ですが、使われていないマイクロスコープも世界一と言われます。

あってもミラー(鏡)を見ながらの治療になり左右反対、上下反対に手を動かす必要があり多少のトレーニングは必要になります。
また細かな治療の連続になる為治療時間も必然的に長くなり、更に顕微鏡治療用の道具も揃える必要があります。

結果マイクロ導入は医院の売上は下がりますので、こういった面からも導入したはいいが使わない先生も沢山出てきます。
 
理想を知ってしまうと、歯科医院探しはホント難しいと思いますよ。
 
おだいじに。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2023-10-08 19:10:51
>当然ラバーダムがある方が安全だろう

もちろんそうですね。
ただ保険診療で中々ラバーダムをしてくれる歯科医院は少ないと思います。
逆に自費根管治療を選択してラバーダムがなければ、自費の価値はないと思います。

>倍率が違って鮮明に神経が見えないとなると、ちゃんと治療できたかどうかはどうやって判断するのでしょうか?

倍率が違うので神経(根管)が見えないわけではありません。
拡大鏡でも、マイクロスコープと同等の倍率(10倍程度)のものはあると思います。
ただ視軸と光源から出る光線の軸=光軸がずれていると、根管の深いところまで光が届かないという意味だと思います。

ただお住まいの県には、根管治療が得意な歯科医は沢山いらっしゃると思います。


日本歯内療法学会へのリンクです。

https://jea-endo.or.jp/doctors/

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ゆまるさん
返信日時:2023-10-08 19:56:12
柴田先生

ご回答、ありがとうございます。

Linkもありがとうございます。
歯内療法の専門医の先生は、こんなにも少ないものなのですね。

理想を追及したいところではありますが、やはり現実的ではないのかな、と思ってしまいます(>_<)
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2023-10-09 13:36:31
手前味噌ですが、日本顕微鏡歯科学会にも認定医制度があります。

https://jamd.or.jp/ninteii.html

回答 回答5
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2023-10-10 15:09:49
こんにちは。

ラバーダムは行ってもらい、治療を受けられた方が安心できるでしょう。

ただ、予防で歯髄処置を行うような場合は、元々支台歯として形成されており壁がちゃんとあるでしょうからきちんとバキュームで吸ってもらえば、処置中薬液が口腔内に飛散したり漏れる事はないでしょうし、唾液も入らないので感染リスクも低くできるでしょう。

このようにないよりはあった方が安心できるけれど、割愛しても通常問題ないというケースは多いでしょう。

逆に今回のケースではなく、歯冠部の壁を一部失っていて隔壁を作らずラバーダムだけしても意味は薄いでしょう。

要はラバーダムの有無だけにこだわる必要がどれくらいあるのか?という事で、ルーティンにしてくれている歯科医の方がどういうケースでも使ってくれるだろうから、より安心出来るだろうという事だろうと思います。
いるか?いらないか?といえば、いらないケースも多くあるでしょう。


また、マイクロスコープ歯科医院にあってもほぼ使わない保険医は多いでしょう。
使うほど治療のタイムパフォーマンスが非常に悪くなりますからね。

マイクロスコープをずっと使って治療を受けたいならば、日本顕微鏡歯科学会に登録されている歯科医が期待高くしてくれるのではないでしょうか。(こちらも必ず保険治療でずっと使用しながらしてもらえるのか?保証されるものではありませんが、まだ使う努力をしている研鑽中も含めて可能性が高くなると期待したいと思います)

根管治療はそれだけが目標というケースは稀で、最終的には補綴に進むので、歯根の歯壁をどれだけ残して治療してもらえたか?で、長長期的予後が変わります。

見えるが故に、あるいは見たいが為に壁を削りすぎる場合がしばしばあると指摘される事があり、マイクロスコープで治療時間短く凄いスピードで根管治療をしていた海外の歯科医の自費根管治療後の歯根破折率の高さが話題になった事もあります。

結局、マイクロスコープを如何に使いこなすではなく、やっぱり根管治療をいかにきっちりするか?に日本の歯科の熱量はシフトして行った気がしています。

レーザーを併用した根管治療などもあり、手指の感覚で行う事が一般的だった時代からしている歯科医にとっては、開きにくい根管が開きやすくなり壁をツルツルにできる事が、手指の感覚できっちりわかって根管治療の時間短縮と出来がよくなったりという事から、高額なレーザーによる洗浄法など色々なやり方があります。

もしも普通の保険医の力量に不安が高い場合は、自費で歯内療法だけを主に紹介を受けて行なっている割高な歯内療法医を選ばれる事をお勧めしたいと思います。
海外の歯冠修復治療に保険が効かない高額治療を行う歯科医院では、根管治療は専門医に全て任せる事が主流です。

日本は保険医が何でも上手くやらないといけないと思い、かなりの負荷をもって努力と満遍なく設備投資や研鑽しなければいけない為、大変だなぁと思っています。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ゆまるさん
返信日時:2023-10-14 15:40:54
先生方、たくさんのご意見をありがとうございます。

その後の経過ですが、歯科受診するはずだった日に妊娠経過の方が悪化してしまい、切迫早産管理のため入院になってしまいました。
なので、現在歯科治療に入ることができずにいます。
さいわい、現在歯のほうが劇的に痛くなることはなく、経過しております。

このまま出産までは退院できない可能性が高いので、このまま様子をみることになりました。

もしその間になにかあれば、病院の歯科にかかることになると思います。
出産して、歯も特になにもなければ、退院後に改めて治療していきたいと思います。

ありがとうございました。



タイトル 奥歯の根管治療でラバーダムの必要性について
質問者 ゆまるさん
地域 非公開
年齢 34歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療の治療法
ラバーダム
妊娠中の歯科治療
マイクロスコープ
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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