[写真あり] 左下7番、歯根破折後の治療の選択肢と予後について(海外)

相談者: 海花さん (47歳:女性)
投稿日時:2024-01-23 20:20:46
親愛なる先生方
お力をお貸しください。
よろしくお願いします。

左下7番が歯根破折で、抜歯後骨補填剤を入れ、数週間後にインプラント埋入と言う診断と治療方法が出されました。

抜歯の診断が妥当なのか、インプラント以外の治療の選択肢、予後、また海外在住で、一時帰国の予定との兼ね合いもあり、飛行機搭乗と治療に関する時間のタイミングなどもお聞きしたく存じます。

質問が多岐に渡り、もしかしたらスレッドを別々に立てた方がよろしければご指導ください。


@治療方法の選択肢に関して

1/歯を保存する治療は可能か。
遠心根が破折の模様とのこと、マイクロスコープにての治療は断られました。
ひびが見える訳ではなく、破折箇所ははっきりは分からないとのこと。

もし、歯肉縁上であれば再治療が可能ではとも思いますが、歯肉縁下ではと思えます。
現在フィステルはなくとも、歯肉の腫れはしっかりあります。(頬側部の根尖側ではなく、歯冠に近い側)

やはり無理なのだろうか、と自分でも思えてきます。
歯の動揺は疼痛が出始めの頃はありましたが、現在はほぼありません。


2/ヘミセクションは可能か。
7番は力がかかる歯だから無理だろう、と言われました。
しかし破折は遠心根に限定されているようで、骨吸収が二本ある近心根に進んでいなければ、残したいのです。

ヘミセクション後、小臼歯のようなサイズで単独クラウンを装着することは可能ではないのか、と期待しております。

今回の診断を下したドクターが当時、根管充填も行ったドクターで樋状根であることを直後から話していましたし、他にも不安要素を知っているのではとも思えます。

治療中に仮歯として使用していた、以前のセラミッククラウンにひびがあったことを指摘しても、歯を守ることになるから新しいクラウンを本接着しましょうと言う運びになりましたし、その後もずっと消えない痛みを何度訴えても、咬合調整をするのみで、なかなかX線を撮ろうとしてくれなかったこと、など思い当たる節があります。

過去のx線を見直すと、半年後に遠心根に根充剤が途切れているのが見受けられます。
これがひびなのでしょうか。

結果論ですが、今思うと何度もはぐらかされて来たような気もします。
今回の痛みがいつもと違う痛みであることを告げて、ついにパノラマ3D写真を撮影してくれましたが、それでも歯肉に腫れが見られない当初は、咬合調整、隣接歯にう蝕があるからと言う始末。
私の方から隣接歯はX線透過の違うCR充填であることを告げたほどです。

そして歯肉の腫れを見て、急に抜歯インプラントが必要と言う診断が出ました。


3/ヘミセクションは歯内療法専門家の元で行うべきなのか、それとも口腔外科なのか。


4/インプラントしかないのか、インプラントをしなかったら?
自分で見る限りでは、上顎7番の対合歯は下顎7番のみのようです。
抜歯後インプラントをしなければ挺出が心配です。
挺出はどのくらいの期間を経て生じるものなのでしょうか。


A予後について

1/ヘミセクションのリスクを負う価値はあるのか。
ヘミセクションは元々延命治療のようなものということは把握しています。
余りにも早期に残存根の抜歯をしなければならないとしたら、それでも価値があるのか、考えています。

咬合力の回復と言うよりは、対合歯の挺出を予防できればと思っています。
TCHはありません。
夜間噛みしめやタッピングは多少ありますが、毎晩必ずマウスピースを装着しています。


2/インプラントの定着率や耐久年数には過去の炎症が関係するか。
左下7番の歯は、過去に歯髄炎から歯髄壊死を起こした歯です。
そういった歯は治療をしても予後が悪いし、インプラントの定着率がよくない、と知り合いのドクターがぼそっと語っていたのを思い出します。
このケースに該当するのではと少し心配になります。

数年前、CR充填の二次う蝕から、生活歯セラミッククラウンを勧められました。
ドクター曰く、自分の口腔内にもあり、経験上、何十年も長持ちするものだから説明してくれて信頼して治療を受けましたが、数年のうちに、歯髄炎、歯髄壊死、今回の歯根破折を経験しました。

歯髄炎と壊死の疼痛も凄いものでしたが、根尖炎をわずかに併発していていました。
疲労と共に、夕方などに現れる挺出感と違和感、軽い痛みなどが続き、クラウンを装着をためらったほどです。

前述のように、樋状根であったこと、また治療中に仮歯として使用していた一つ目のセラミッククラウンの歯冠部にひびが見られたことなど考えますと、その当時から予後があまりよくないことがドクターには分かっていたのではと、結果論ですが思えてきます。

現在の歯肉の腫れのちょうど上の部分の残存歯冠部にひびがあったのです。

根尖炎はX線上では完治している模様です。
パノラマ3D写真では、影が根尖部ではなくて歯根部周辺から派生しているようです。


B治療のタイミングについて
海外在住中ですが、一時帰国を予定しています。
短期間で可能でしたら、3月辺り、しっかりかまえて治療となると6月辺りと言う目途です。


1/歯根破折の状態を抱えたまま長距離フライトに搭乗することは可能でしょうか。


2/抜歯の前後、飛行機に搭乗するのは何日ほど避けるべきという通説はありますか。


3/飛行機搭乗後すぐに、インプラント手術ができますか。
インプラント手術後何日から飛行機の気圧に耐えられますか。

西欧から物価の安い東欧に渡航してインプラント手術をするケースがありますが、直後の飛行機移動の際の気圧の変化でインプラントが定着しないという歯科医師がいます。


4/抜歯即日埋入術、即日インプラント術の場合、飛行機に搭乗できるようになるまでにどれくらいの時間を見たらよいのでしょうか。
また2度目の渡航を避ける意味でも、以上のような治療方法受けることができるかも考慮中です。

以上の悲しい経過が信頼していたドクターの元を離れようという気持ちにさせました。

長々失礼いたしました。


抜歯やインプラント等、大掛かりな治療を安心できる国内の歯科医師にお任せできないのかと、考えている次第です。
先生方のご意見をお聞かせいただければ幸いです。

添付資料 
x線写真 下顎左側第二大臼歯 根管治療後、クラウン装着直後 2020年6月
x線写真 下顎左側第二大臼歯 半年経過検診時 2020年12月

画像1画像1 画像2画像2


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2024-01-24 07:34:01
海花さんこんにちは。

CTを撮って、どのようにするか相談されるのが良いと思います。
CTにより三次元で判断すれば、歯が残せるのか、部分的に抜歯して残せるのか判断できることが多いからです。

まずは、治療方法が決まると良いですね。

仮に抜歯やインプラント治療になった場合には、翌日でも飛行機自体に乗ることに対してOKだとしても、傷口の経過が見れないので不安がありますね。

外科処置した場合には、翌日に消毒、1週間後に傷口の確認をすることが一般的ではないかと思います。
1週間して問題無ければ、順調に治っていると判断できます。

1番は、治療をしようとしている歯科医院でご相談されるのが良いでしょうね。

回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2024-01-24 15:28:39
こんにちは。

同じ歯のご相談ですからここにまとめていただいたので、それはよかったと思います。

根管治療を頑張ってしていただいた事が、レントゲンから伺えるように思います。

セラミック冠にしたが、歯髄が死んで感染根管治療になったのでかなり根管は拡大されお薬もしっかり詰められたように見えます。
根尖端からお薬が出てしばらくは刺激から痛みが長引いたのではないでしょうか?
歯科医も苦労したでしょうし、患者さんも大変だっただろうと想像しました。

セラミック冠は感染根管治療の為に一旦外され、再度再装着されたのですね?

なかなかそういう治療はしないと思いますが、コスト的な問題があったのでしょうか?
費用は倍かかっても作り直しが一般的だと思うからです。

何が原因かはわかりませんが、連続しているはずの根管充填材が破断して連続性がなくなっているように見える為、歯根破折は疑われると思います。

ただ、近心根と遠心根は分かれているように見えますから、ご希望のヘミセクションは可能かもしれませんね。
ただ、治療は複雑でデリケートで大変だと思います。

何しろ7番で器具の入り具合が悪いでしょうから、すんなり抜歯した方が治療は容易で楽でしょう。
抜くのは簡単、使うように治療するのは大変というイメージです。

外科が入りますが、日本では一般開業医が割とよくヘミセクションはしていますし、慣れている歯科医は多いのではないか?と思います。

口腔外科を出て一般開業医になっている歯科医も多数いますから、幅広く選べるように思います。
念の為に受診を希望している歯科医院に事前にご希望をお伝えし、ご相談されておくのが良いでしょう。

インプラントは今の歯科医も勧めているようですから、ヘミセクションを受けられるか?は別の歯科医にご相談され依頼されるとして、インプラントは元の歯科医に戻ってというのもありでしょうか。


〉以上の悲しい経過が信頼していたドクターの元を離れようという気持ちにさせました。

頑張ってした治療がうまくいかなかった場合は転院の理由になりますが、かなり頑張って根管拡大して充填されているように見えていると思います。

歯根が折れていても飛行機には乗れるでしょう。
念の為に痛み止めと抗生剤をもらっておくと安心できるでしょう。

インプラントは西欧の方が東欧に行って依頼されるのは安いからだけですよね?

日本でも安さだけを売りにしている歯科医院はたくさんあります。
様々な会社からインプラントは安いものから高いものまで販売されていますから、安さだけで選ぶとその後長年経過してどうなのかな?という不安はありますね。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2024-01-24 20:12:46
当院の患者さんで根管治療中に何度も飛行機に搭乗している方がいらっしゃっいますが、特に何も言われておりません。

その方はCAですので、一般人よりかなり頻繁に搭乗されていると思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 海花さん
返信日時:2024-01-24 20:40:16
加藤先生、船橋先生、柴田先生、
お忙しい中ご回答を頂きありがとうございました。

加藤先生
飛行機搭乗の注意事項も分かりやすく説明頂き感謝しております。
確かに回復状況に支障が出ないレベルですぐに旅立ってしまうのと、執刀医の先生にきちんと抜糸まで見届けて頂くのでは違いがありますね。

説明がうまくできず申し訳ありませんでした。
3Dパノラマ写真は担当医の元で抜歯の診断が下る時点で撮影してもらっています。(ただ諸事情でこのサイトに添付はできませんでした。)

その上で大きな力がかかる場所だから、抜歯以外には方法がないということを言われました。
もう一度よく考えて、どのドクターにこの歯をお任せできるか決められるようにしたいと思います。


船橋先生
優しいお言葉をありがとうございます。
数年経過した今でも、当時の治療を思い出すとトラウマです。

痛みを分かって頂けるドクターがいらっしゃると思うとそれだけ気持ちが軽くなります。
先生のお言葉を読んで、当時の激痛は消えた今でさえ、自分が重苦しい気持ちを上手に消化できずにいたことに気づかされます。

このような痛みが出るタイプの治療だったのだと思うと、腑に落ちるところもあります。

根管充填後、新たにセラミッククラウンを新規に作り直し、新しいものを装着いたしました。

根管治療時はクラウン咬合面からタービン歯髄内にアクセスし、そのままクラウンは除去せずテンポラリークラウンとして使用しておりました。
ひびが見られたのも、この古いクラウンを仮歯として使用していた時のお話です。

帰国時の限られた時間を最大限に使えるように段取りも含めて色々ご教授くださりありがとうございます。
出来る限りのことを出発前に手配しておくようにしたいと思います。

また、7番の治療が患者、術者両者にとって、いかに難しいかを思い起こしてくださってありがとうございます。
これはとても大切な要素です。

確かに3年前の根管治療時も直後開口障害に悩まされました。
ただでさえ辛い治療になり得る箇所、敢えて予後が芳しくない治療を選択するかというのも考えさせられます。

抜くのは簡単とおっしゃる通り、インプラントも一度手術してしまえば、十数年は同じ様な治療を要することはないでしょうから、疲弊しながらヘミセクション、悪化の後、抜歯、やはりインプラントに...と言う経過を辿るよりも、このまま抜歯、インプラントへストレートに進んだ方が、精神的な負担は少ないのかもしれません。

ずっとヘミセクション術後の歯をずっと保ち続けるという希望的観測がどの程度の根拠があるのか...よく考えなければならず、信頼置けるドクターにも聞いてみたいと思います。


柴田先生、
説得力のある実例をありがとうございます。

どなたのご回答も治療直後を避ければ、飛行機に搭乗することが出来ると解釈できそうです。
上顎ではありませんしね。
時差、気圧の差による疲れをためないように、自分でコントロールできる程度のことだと安心できます。

CAさんの搭乗ペースを考えるとインプラント手術もヘミセクションも1週間ほどあれば、ある程度進められそうな気がしました。

船橋先生もおっしゃっていましたが、後は事前に予約をキープをしておくことが大切と言えそうですね。
ありがとうございました。


最後に、追記させていただきます。

本日勇気を出してセカンドオピニオンを頂きに新たなドクターの診察を受けました。
インプラント治療も一般治療も行う開業医のドクターです。

直近に撮られた3Dパノラマ等も持参しましたが、本サイトにも添付しました2020年時のレントゲンを見るだけで、

「私だったら、この時点で抜歯ですね。ヘミセクションは余り意味がないのでは?」

とのことでした。理由としては、

根充剤が根尖部から顎骨内に流入し大きく出ている所は、それだけ根尖炎による歯根吸収と根管拡大があり炎症組織が存在していた証拠であり、破折のないであろう近心根にも同じ現象がみられるので、弱小化しているであろう近心根を土台にして小臼歯サイズのクラウンを装着しても意味がない、」

と言い切られました。

「むしろ根充後の破折があるかもしれない歯がセラミッククラウン装着から3年も長持ちしてくれた、と見る」

とも言われました。

船橋先生がおっしゃってくださっている、頑張って根管拡大をしてくれたという見方ではなくて、壊死と感染による根管拡大が進行していたという見方をされていました。日本人の歯根長は欧米人に比べて短い、また個人的には私の歯はどの歯も歯根が短めと言うことも指摘されたことがあります。

このような点が、今日初回のX線診で考慮されての発言であったかは不明です。

このまま以前の担当医の元に留まるにしても、新たな歯科医の元で治療をすることになろうとも、当時のドクターが最善を尽くしてくれたのだという思いを持てるのは、自分の精神状態にとっても、とても意味のあるものだと思えました。現地のセカンドオピニオンを頂いた歯科医師も当サイトのドクターの方々も貴重なご意見ありがとうございました。

引き続きご教授のほどよろしくお願いいたします。



タイトル [写真あり] 左下7番、歯根破折後の治療の選択肢と予後について(海外)
質問者 海花さん
地域 非公開
年齢 47歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ インプラント治療法
その他(写真あり)
海外その他
歯根破折
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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