グラスアイオノマーセメントとレジン系セメントの歯面への影響
相談者:
hrgfさん (27歳:男性)
投稿日時:2013-08-07 01:47:08
いつもお世話になっております。
グラスアイオノマーセメントとレジン系セメントの歯面への影響の差について気になっております。
レジン系セメントは象牙質の表面をわずかながら脱灰し、樹脂含含層を形成すると知り、そういった層を形成する分、グラスアイオノマーセメントよりも歯面に対するダメージといいますか、健全な歯面を傷つける量が大きくなるのではないかと思っております。
特にセラミックなどの割れることで交換の必要性が出る補綴物の場合は樹脂含浸層を形成する上に、交換の際にその層を壊す必要があると考えたので、セラミックなどの交換の可能性がある材料の場合は特にレジン系ではないセメントの方が歯面を傷つける量が少なくて済むのではないか、と考えているのですが。
グラスアイオノマーセメントも接着の際に歯へのダメージというのはあるのでしょうか。
グラスアイオノマーセメントとレジン系セメントの歯面への影響の差について気になっております。
レジン系セメントは象牙質の表面をわずかながら脱灰し、樹脂含含層を形成すると知り、そういった層を形成する分、グラスアイオノマーセメントよりも歯面に対するダメージといいますか、健全な歯面を傷つける量が大きくなるのではないかと思っております。
特にセラミックなどの割れることで交換の必要性が出る補綴物の場合は樹脂含浸層を形成する上に、交換の際にその層を壊す必要があると考えたので、セラミックなどの交換の可能性がある材料の場合は特にレジン系ではないセメントの方が歯面を傷つける量が少なくて済むのではないか、と考えているのですが。
グラスアイオノマーセメントも接着の際に歯へのダメージというのはあるのでしょうか。
[過去のご相談]
回答1
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2013-08-07 09:29:43
個人的な見解を書きます。
理論的な物性に関してはおおよそhrgfさんの書かれている通りの解釈でよろしいかと思います。
ただ、現実的には「セメントによる歯面の脱灰(マイクロメートル単位での問題)」よりも「補綴物、修復物の脱離」や「セメントが溶解する事による二次カリエスの発生」(ミリメートル単位での問題)の方が重要となります。
レジンセメントとグラスアイオのマーセメントでは「接着と合着の違い」がありますし「感水するかしないかの違い」があります。
テクニカルエラーなどを考えればグラスアイオノマーセメントの方が有利な場合もありますが、形成量の違い(合着を前提とした形成と接着を前提とした形成では後者の方が形成量を少なく出来ます)などから考えれば接着を重視した方が遥かに歯の保存には有利で歩くとは明白かと思います。
理論的な物性に関してはおおよそhrgfさんの書かれている通りの解釈でよろしいかと思います。
ただ、現実的には「セメントによる歯面の脱灰(マイクロメートル単位での問題)」よりも「補綴物、修復物の脱離」や「セメントが溶解する事による二次カリエスの発生」(ミリメートル単位での問題)の方が重要となります。
レジンセメントとグラスアイオのマーセメントでは「接着と合着の違い」がありますし「感水するかしないかの違い」があります。
テクニカルエラーなどを考えればグラスアイオノマーセメントの方が有利な場合もありますが、形成量の違い(合着を前提とした形成と接着を前提とした形成では後者の方が形成量を少なく出来ます)などから考えれば接着を重視した方が遥かに歯の保存には有利で歩くとは明白かと思います。
回答2
E Eデンタル(愛知県豊橋市)の井野です。
回答日時:2013-08-07 13:52:43
臨床上その単位の歯のダメージは我々歯科医師は考えませんね。
セメントもどちらかというと術者が慣れた物を使用していることが殆どです。
おっしゃるような単位での歯のダメージより我々は詰め物が取れないという観点から接着剤を選択しています。
ミクロン単位でのことを心配されていますが、金属系の修復に比べると、セラミック系の修復物はかなり神経方向に削りますし、適合を上げる為にはかなり健康な部分は犠牲になります。
(樹脂含浸層の厚みの何百倍も材料の特性上やもうえず健康な部分を削っている訳です)
ですので、セメントのダメージを気にするなら、それ以上に、詰め物の種類にも気を使う必要はあると思います。
また樹脂含浸層はミクロン単位ですが、再治療の際の歯の切削はミクロン単位ではなくミリ単位で削りますので再治療の際の樹脂含浸層もあまり気にしなくていいですよ。
因みにセラミックは安定した材料なので、クラスアイオノマーよりレジン系の方が接着に関してはいいと思います。
金属系の修復物ならどちらのセメントでもいいと思います。
おだいじに
セメントもどちらかというと術者が慣れた物を使用していることが殆どです。
おっしゃるような単位での歯のダメージより我々は詰め物が取れないという観点から接着剤を選択しています。
ミクロン単位でのことを心配されていますが、金属系の修復に比べると、セラミック系の修復物はかなり神経方向に削りますし、適合を上げる為にはかなり健康な部分は犠牲になります。
(樹脂含浸層の厚みの何百倍も材料の特性上やもうえず健康な部分を削っている訳です)
ですので、セメントのダメージを気にするなら、それ以上に、詰め物の種類にも気を使う必要はあると思います。
また樹脂含浸層はミクロン単位ですが、再治療の際の歯の切削はミクロン単位ではなくミリ単位で削りますので再治療の際の樹脂含浸層もあまり気にしなくていいですよ。
因みにセラミックは安定した材料なので、クラスアイオノマーよりレジン系の方が接着に関してはいいと思います。
金属系の修復物ならどちらのセメントでもいいと思います。
おだいじに
回答3
回答4
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2013-08-07 19:04:56
エナメル質に樹脂含浸層のような表面加工をして歯の艶を取り戻したり脱灰を防ぐ予防法もあるくらいですから、エナメル質を酸で処理して終わりというわけではなくそこをちゃんと処理するのですからミクロン単位で考えても全く問題はないと思います。
象牙質も脱灰して終わりではなくきちんと新しい層を作り上げるのですから、逆に物性が強くなると思います。
ですからレジン系セメントでも、なんらご心配される必要はないと思います。
グラスアイオノマーセメントを使用するか、レジン系セメントを使用するかは、その医院の臨床実績に左右されることが多いと思います。
術者・システムが違えば、結果も異なることがありますから、歯科医が使い慣れているものが一番結果がいいと思います。
(結果がいいので使っているはずですからね)
象牙質も脱灰して終わりではなくきちんと新しい層を作り上げるのですから、逆に物性が強くなると思います。
ですからレジン系セメントでも、なんらご心配される必要はないと思います。
グラスアイオノマーセメントを使用するか、レジン系セメントを使用するかは、その医院の臨床実績に左右されることが多いと思います。
術者・システムが違えば、結果も異なることがありますから、歯科医が使い慣れているものが一番結果がいいと思います。
(結果がいいので使っているはずですからね)
相談者からの返信
相談者:
hrgfさん
返信日時:2013-08-08 17:28:44
先生方、ご回答ありがとうございます。
ちょっと気になってしまったのですが、櫻井先生のご回答に、
>テクニカルエラーなどを考えればグラスアイオノマーセメントの方が有利な場合もありますが、形成量の違い(合着を前提とした形成と接着を前提とした形成では後者の方が形成量を少なく出来ます)などから考えれば接着を重視した方が遥かに歯の保存には有利で歩くとは明白かと思います。
とありますが、グラスアイオノマーセメントは歯質と化学的結合をするとネットで見たのですが、実際は分子同士の結びつきというより、物理的なかん合力によるところが大きいのでしょうか。
細かくてすみません。
ちょっと気になってしまったのですが、櫻井先生のご回答に、
>テクニカルエラーなどを考えればグラスアイオノマーセメントの方が有利な場合もありますが、形成量の違い(合着を前提とした形成と接着を前提とした形成では後者の方が形成量を少なく出来ます)などから考えれば接着を重視した方が遥かに歯の保存には有利で歩くとは明白かと思います。
とありますが、グラスアイオノマーセメントは歯質と化学的結合をするとネットで見たのですが、実際は分子同士の結びつきというより、物理的なかん合力によるところが大きいのでしょうか。
細かくてすみません。
タイトル | グラスアイオノマーセメントとレジン系セメントの歯面への影響 |
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質問者 | hrgfさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 27歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ | 材料・機材関連 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。