ゴールドクラウンの型どりを歯科衛生士が実施。ちょっと心配です

相談者: マンマさん (31歳:女性)
投稿日時:2014-02-04 23:49:35
こんにちは

右下7番をゴールドのクラウンにする予定です。
今日型取りをしたのですが、終始歯科衛生士さんが処置してくれました。
自費の治療で自分では奮発したつもりです。

見た目で判断するのは悪いと思いますが、若い歯科衛生士さんなのでちょっと心配なのです。

型取りを歯科衛生士がするのは普通なのですかね。

宜しくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2014-02-05 00:11:06
衛生士さんでも非常に上手い場合もありますが、ルール的にはダメですね。

噛み合う相手の歯(上の歯)の型採りならルール上OKとはなっています。

一口に自費診療と言っても色々な自費診療がありますので、ルールや技術面は別として歯科医師が型採りをするよりは歯科衛生士にしてもらった方がコストは抑えられると思います。

何を重視するか、経営的な判断かも知れません。



・・と、フォローになってませんけど。。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2014-02-05 07:01:23
マンマ さん、おはようございます。

>ちょっと心配なのです。

疑問に思うこと、不安に感じることは、何でも直接お尋ねになり、コミュニケーションをとりながら治療を進めていきましょう。

個人的には、ルールが守れない歯科医院での治療は、それなりのものでしかないと思ってしまいますね。

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回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2014-02-05 09:03:11
ご相談ありがとうございます。


型取り歯科衛生士がするのは普通なのですかね。


ふつうとも言えません。
歯科医院ごとに違います。


自費の治療で自分では奮発したつもりです。


まず医療の価値として考えます。
自費の目的を考えると善し悪しがよく分かります。

ゴールドという材料を買ったおつもりであれば、どのお店でも良いし、若く何も知らない若い店員から受け取っても充分です。

しかし、良い治療を求めているのであれば、材料は二の次で、医療技術を買うことになりますから、腕の良いプロから施術してもらえなければ、まったく価値はありません。

大事なパーティーに行くために、メイクやヘアースタイルをカットとセットともド素人に任せるでしょうか?
それとも輝くシンデレラのように変身させてくれるプロに頼むでしょうか?


歯科衛生士でも実力があればよろしいでしょう。
歯科医師でも実力がなければ歯科衛生士以下の価値でしょう。
実力がある条件が同じならば、クラウンを入れる価値は歯科医師のほうが上でしょう。


次に法律的なルールから考えます。
歯科衛生士が行ったその処置は、まったく合法的です。

ちなみに、歯科医師などが歯科衛生士に自費の型取りを禁止すると決めることは法律違反となります。

歯科衛生士は皆さんが考えられている以上に、法律的には大きな権限を認められています。

ただし社会的には日本の歯科医師の意識も低く、またその整備が遅れています。
これから日本の歯科衛生士が活躍できるように、皆さんや歯科医師皆で応援をしていかなければなりません。


つまり今回、法律的には正しく、医療価値としてはそこの歯科医師のレベル次第ということです。


また、歯科衛生士の一番大事な仕事は、予防業務です。
皆さんはある誤解をされています。

一番良い治療とは、ゴールドやセラミックを使うことではありません。
一番良い治療とは、上手な削り方や上手なインプラントではありません。

一番良い治療とは、一生削らない治療を受けることです。

なぜならば、どんなに上手に削ってクラウンを入れても、きれいで自然な歯にはかないません。

予防に勝る治療はない、ということわざをご存知でしょう。

削らない治療で自然なきれいな歯を一生残すことができる、歯科衛生士こそが、歯科医師よりも良い治療をする、とも言えることを知ってください。

ほんとうに一番良い治療を求める人には、削らない歯科衛生士のほうが削る歯科医師よりも上なのです。

もしすぐクラウンに削りたがる歯科医師がいたら、相当レベルが低いともいえます。

あなたの担当の歯科衛生士の価値を知りましょう。
歯科衛生士が一生あなたの健康を守ります。

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回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2014-02-05 13:14:09
さがら先生とコメント内容に相違が出てきたので補足をします。

今回の、クラウンを被せる予定の下の歯の型採りのことは「精密印象」という行為で、これは「時代によって解釈の変わる可能性はある」ものの、現状では"患者に危害を加える恐れの大きな行為の「絶対的医行為」"というものに含まれていると思います。
(つい最近解釈が変わっていたとかなら分かりませんが・・)



厚労省によれば歯科の「絶対的医行為」として、

@歯の切削
A切開や抜歯などの観血的処置
B精密印象を取ることや咬合採得
C歯石除去術のための鎮痛処置を除いた薬剤の皮下注射や歯肉注射

が挙げられていますので、これらの行為についてはここで議論する様な余地はないかと思います。

(私自身もさがら先生同様衛生士の活躍の場は増やしていきたい考えで、現状には首を傾げたくなる部分もあります)


参考→外部サイト(PDF形式)みんなの歯科ネットワーク
参考→歯科衛生士の業務範囲は?(ここの中本先生のご回答が素晴らしく分かりやすいです)

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2014-02-05 13:45:01
結局、裁判などで司法の判断が下りない限り、永遠のグレーだと思いますが・・・
(詳しく掘り下げてもやっても歯チャンネル内の議論で終わると思いますよ)

>C歯石除去術のための鎮痛処置を除いた薬剤の皮下注射や歯肉注射

歯科医の静脈注射で激痛が。歯科医や衛生士が静脈注射をしてもよいのか?

回答4で櫻井先生が書かれていますが、

点滴の際の静脈確保はOKと判例が出ているので、この辺りも違法とはいえないような気もします。



ここでは衛生士の業務範囲の白・黒は判断できない内容だと思いますが^^;

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回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2014-02-05 14:41:30
井野先生の引用された相談でも回答しましたが、結局

 神戸市は、歯科衛生士の権限を逸脱していないかを厚労省歯科保健課に照会。同課は(1)歯科医師の指示の下で行っている(2)十分な知識と経験、技能がある(3)患者の不利益になっていない――、として6月に「今回のケースは法に触れない」との見解を示した。歯科衛生士が行うことができる行為は「ケース・バイ・ケースで判断する」とした。

というところが現状の落とし所と言う事になりそうですね。


つまり「白黒はっきりさせたかったらその都度、裁判で」という事でしょうか。

注意)
あくまでも「相対的医行為」の範疇の話ですけどね。

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回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2014-02-05 15:45:05
渡辺先生

解説ありがとうございます。
先生の歯科衛生士への熱い応援も良く存じ上げています。
いつもご活躍ありがとうございます。
中本先生の回答も丁寧でわかりやすい優れた回答です。


ただその後、情報が新しくなっているようです。
ご高承の通り絶対的医療行為、相対的医療行為も厚生省の発言ですが、その内容に関してさえも厚生省時代から厚労省の解釈と指導はくるくる変わり現在ではもう業務範囲解釈については指導も直接回答もしていないようです。

注射については、その後厚労省が静注と採血ははっきりと業務範囲を逸脱しないとしていますから、すでにご解説の内容から状況は前進しています。


しかし、厚労省は行政としての指導責務がありますが、法的に正しいかどうかは司法が決めることです。

法的には、歯科衛生士法第2条2項の2による保助看法の解除等と、刑法の違法性阻却規定、あるいは歯科医師法、診療放射線技師法によって業務範囲が明確に定められています。


その実例については、医療現場での混乱を収拾するために日本歯科医学会日本補綴歯科学会等の各学会支部に歯科衛生士業務範囲を提案させ纏めようとした活動をご存じでしょうか?

結果を誰も見ることができませんでした。
その訳は、歯科医師が歯科衛生士業務範囲を制限することは違法行為であると司法機関が介入したために歯科衛生士業務範囲を狭めることなど到底発表できなかったといわれています。


従って法に基づき歯科衛生士業務を制限することなく適切に積極的に指導教育して歯科衛生士の実力を引き出し、臨床において特に予防医療を普及させ歯科医療の質を高めることにより国民福祉向上に資することが歯科医師の務めであると考えています。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2014-02-06 00:04:38
さがら先生のおっしゃることも分からなくはないんですが・・

法的根拠だったり司法判断などで明確に「クロ」とは言えないとしても、「絶対的医行為」はダメで「相対的医行為」についてはケースバイケース、ということは社会通念上?言えると思うんですよね。

明確な線引きや司法判断がされてないからと言って、衛生士学校でも教えている訳もない抜歯や歯の切削も我々でどんどん教えて行こう〜 って訳にもいかないかなと。
精密印象についても当然教えてないでしょうし。

あでも先に挙げた「絶対的医行為」が絶対と言えるのかどうかという問題もある訳ですね・・。
(そういえば以前にも他のスレッドで採血について同じやりとりがありましたね・・確かに井野先生のご指摘通り、不毛。。)

じゃあ今回の件についても櫻井先生のコメントの通り、正確なところは「ケース・バイ・ケースで判断される」というのが"解答"といったところでしょうか。



元に戻して、

型取り歯科衛生士がするのは普通なのですかね。

違法かどうかは司法判断してみないと分からない様ですが、今のところ普通ではないです。

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回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2014-02-06 08:45:18
渡辺先生
法的に限って書きましたが、社会的な意義についても議論は当然必要ですよ。
現実的には法律を振りかざすのではなくコンセンサスを伴う改革が必要です。

絶対的…とかの区別を言い出した厚労省自体が口をつぐんでしまったあとも開業医だけが振り回すと違法な制限につながることもあり得ます。


>精密印象についても当然教えてないでしょうし。


先生、歯科衛生士の環境では世界から相当遅れている日本もまだまだ大丈夫ですよ。
ずいぶん前からすでに実際ある大学では麻酔から初め形成等々全ての教育と実習をもう始めていますよ。
まだ他校へ広がってはいませんが。

またある先進国では歯科衛生士が日本の法律で権限を認められているように抜歯も含めてほぼ全ての歯科治療行為を全国的に実施しています。
歯科衛生士に関して日本はとりわけ不当に遅れています。

精密印象くらいは歯科衛生士にとって権利として当たり前のことです。
もちろん法的にも道義的にも野放しではない条件は過去にも書いた通りです。
先生のように歯科衛生士の重要性を認めておられる方こそ旧弊にとらわれず積極的に取り組んでいただきたいところです。


ご質問への回答が脱線してしまいすみません^^;

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回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2014-02-06 09:56:27
型取り歯科衛生士がするのは普通なのですかね。

患者さんの数が多い歯科医院などは、衛生士などが本印象採っていると思いますけどね。
 
私も昔勤めていた歯科医院では衛生士が印象採っていましたよ。
アルジネートの下に寒天置くだけですから、10回もやれば誰に出来るといえば出来ると思います。

また、「対合印象」と「本印象」で危険度が異なるかといえば、変わらないと思います。


衛生士の業務範囲を言うなら、歯科助手(素人)の医療行為はどうなっているの!?と言いたいです。


私も話が脱線しましたが^^;




マンマさんのように
>今日型取りをしたのですが、終始歯科衛生士さんが処置してくれました。
自費の治療で自分では奮発したつもりです。

これでははっきり言って、銀色(銀)が金色(金)になった程度で保険と自費の差はあまりないでしょうね。
材料を金にすれば精度が格段に上がるものではありませんし、
・削る(拡大視野でマージンが鮮明か)、
・型を採る(型採りの材料も重要です)、
噛み合わせを決める、(今回のような最後大臼歯の噛み合わせは非常にシビアです)
・石工を流す(誰が流すのかが非常に重要)、
・技工物を作る(どれだけ上手な技工士が作るのか)
各ステップ精密に行わない限り、良いものはできません。

逆を言えば、削る、型を採る、噛み合わせを決めるが不明瞭であれば、どんなに優秀な技工士、優秀な材料を用いても・・・
 
歯科治療は積み木と同じで、下の積み木から1つづつ丁寧に行わなくは結果は出ません。
 
 
個人的にはいくら雰囲気のよい歯科医院でも、保険治療と差を出す試みが行われてなければ、自費治療は受けませんね^^;


ただ、表向きは自費と保険の差は「材料の差」であって、施術に差を付けてはいけないことになっていますので、自費治療にしたから時間をかけ歯科医師が全部治療しないといけないということではありません。

ですので、今の歯科医院の流れでも何ら問題はありません。
(現実、保険治療では赤字の分野も多々あり、自費の治療費から保険の赤字分野を補填している部分もあります)
 
 
ただ、保険に比べ何十倍もの費用を支払っている側からすると明確な差は出して欲しいですよね・・・^^;


おだいじに

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回答 回答11
  • 回答者
回答日時:2014-02-06 10:45:12
>ただ、保険に比べ何十倍もの費用を支払っている側からすると明確な差は出して欲しいですよね・・・^^;


その通りだと思います。
その歯科医師の実績をについて症例写真などを多数見せて頂いて検証することも有効です。



>ただ、表向きは自費と保険の差は「材料の差」であって、


真実は表向きだけではありませんが、そういった基準も目安としてはありえます。
たとえば、型を取る材料ですが、


アルジネートの下に寒天置くだけですから、10回もやれば誰に出来るといえば出来ると思います。


この方法は比較的簡単で楽な方法でとても安く済みますが、ごく限られた条件では精密な型を取ることができます。


ふつう、精密印象といえば、最も多く使われているシリコン印象材、ハイドロコロイド印象材(アルジネートは使わない、全寒天印象材)、チオコール・ラバー印象材などのことを言います。

これらはとても精密で良い治療ができますが、高度な技術やスタッフ教育や管理態勢がないと、まったく使いこなせません。
逆に、かえって粗悪品ができてしまいます。


治療前に聞いて確かめることができます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: マンマさん
返信日時:2014-02-07 22:07:03
先生方、たくさんお教えいただいてありがとうございます。

ご指摘の通り、通っている歯医者さんは患者さんが多く予約の取りにくいところです。
歯を先生が削っている最中にも、他の歯科衛生士が先生に質問などを聞きにきたりと、先生が多分毎日は出勤していないんじゃないかなと思うことがあります。
会議などで忙しくて。

小林先生が言われたように、疑問に思ったことを直接聞いてみたいと思います。
あと、他の歯医者も少し探してみようかなとも思いました。

歯のことなどあまり人には聞きにくかったりするので、このサイトがあって本当に助かります。

お忙しい中丁寧に教えて下さってありがとうございました!



タイトル ゴールドクラウンの型どりを歯科衛生士が実施。ちょっと心配です
質問者 マンマさん
地域 非公開
年齢 31歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ ゴールドクラウン(金の被せ物)
クラウン(差し歯・被せ)その他
衛生士関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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