[写真あり] 右下6番抜歯後の骨移植とインプラントについて (米国)

相談者: 歯科相談(アメリカ)さん (39歳:女性)
投稿日時:2015-05-25 09:09:20
右下6番、20年以上前に神経治療をしました。
歯茎の下で虫歯が進行し、レントゲンでも黒く映っています。


アメリカ在住で、2年程前から、時間が経つと歯質が柔らかくなり抜歯が困難になると言われ、抜歯・インプラントを勧められていたのですが、決断出来ずにいました。

先日、詰め物を囲っていた歯質の片側が破損、応急処置として、破損部分を取り除き、詰め物も取り、片側は神経治療後の蓋と思われるセメントがむき出しの状態で、片側半分が歯質の山(縁)が残っている状態です。

早く抜歯を、インプラントするなら、抜歯時に骨移植(骨再生の薬を入れる)とのことでした。


@インプラントの為には、抜歯時に骨再生の薬を入れるのは必須なのでしょうか?
(骨の状況にかかわらず、歯科医の方針のようでした。)


A骨再生の薬を入れることのメリットは理解しているのですが、デメリットはないのでしょうか?


B抜歯・インプラントを信頼して任せられる歯科医を選ぶ際の判断基準はどのような点を考えたら良いでしょうか?


インプラント完成まで約10か月かかるとのことで、仕事の都合で途中で帰国となった場合は、知り合いの日本の歯科医を紹介するとのこと。

担当医の説明が乏しせいか、不安事項が多く、どうしても抜歯・インプラントに踏み切れずにおり、セカンドオピニオンを取りに行こうか迷っています。


宜しくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2015-05-25 09:20:19
ご相談ありがとうございます。

>@インプラントの為には、抜歯時に骨再生の薬を入れるのは必須なのでしょうか?
>(骨の状況にかかわらず、歯科医の方針のようでした。)

いいえ、必須とはいえません。
ふつう健康ならば必ず治るからです。
また薬を入れたから治り方が特に良くなるともいえないからです。



>A骨再生の薬を入れることのメリットは理解しているのですが、デメリットはないのでしょうか?

メリットは有利になると思われる場合は有効です。

デメリットは、素材のリスクがあります。
販売されている他人の骨や他の動物の骨や化学合成物質の異物を入れるからです。

また抜歯後はふつう自分の骨で埋まり、一生新陳代謝をくりかえし、むしろ自分の骨が増えたりして健康が維持増進されますが、一部を除き、異物は刺さったトゲのようなものであり自分の骨と同じに新陳代謝されることはないからです。


>B抜歯・インプラントを信頼して任せられる歯科医を選ぶ際の判断基準はどのような点を考えたら良いでしょうか?

外科を清潔に正しく実施できること、クラウンを入れますから噛み合わせの調和を全体に図れること、一生使いたければアフターケアの設備や歯科衛生士を常駐させていること、それら全部について実績を見せて頂けることなどで消化。

なお時期を逃すと抜歯が難しくなることはありますが、普通必ずきれいに抜けます。
その理由によって、患者さんの都合よりも、自身の都合で抜歯を嫌がるようでは、外科的な腕前があまり信頼できないといえなくもありません。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2015-05-25 09:57:28
さがら先生の書かれている事に同意です。

追加として

>B抜歯インプラントを信頼して任せられる歯科医を選ぶ際の判断基準はどのような点を考えたら良いでしょうか?

>インプラント完成まで約10か月かかるとのことで、仕事の都合で途中で帰国となった場合は、知り合いの日本の歯科医を紹介するとのこと。


抜歯後すぐにインプラントを決断する必要はないと考えます。
(もちろん、抜歯前に将来的な治療方針が立っていた方が何かと都合は良いのですが…)

抜歯即時埋入をしないのであれば抜歯後3〜6カ月は骨が治るのを待つ期間があります。
その間にゆっくり考えても遅くはないと思います。


もし、その間に仕事の都合で帰国の可能性があるのであれば、帰国後、ゆっくり歯医者さんを探しても遅くはないのではないでしょうか?
(抜歯後2年以内くらいをメドにされるとよろしいかと思います)

その際、さがら先生の書かれているように長期的にケア(メインテナンス)を受けられる所を探すと言うのがよろしいかと思います。



ご相談の下顎6番部のインプラントは一般的には手術そのものでのトラブルは比較的少ない部位です。
(インプラント治療を多く経験している歯科医にとっては)

むしろ、術後のケアにより長期間安定して使えるかどうかの差が出やすい部位でもあります。


繰り返しになりますが、1〜2年以内に帰国の可能性があると言う事であれば、即決はせず、ゆっくり考えられてもよろしいのではないでしょうか。
(状況が解らないので何とも言えませんが、抜歯は早い方が良いのかもしれません)


参考まで。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 歯科相談(アメリカ)さん
返信日時:2015-05-25 11:47:07
さがら先生、

早速に有難うございます。
骨再生の薬は必須と言う訳ではないのですね。
歯科医の方針によるのでしょうか。


心配になり検索したところ、抜歯窩は時間とともに周りの骨の吸収が進み痩せて薄くなってしまう、そうなるとインプラントを埋め込むことが難しくなるため抜歯の段階で骨再生の処置をしておくと書いてありました。

歯科医が説明していたのはこのソケットプリザベーションという処置のことを言っていたのだと思います。


異物を体には入れないで済むのであれば出来るだけ入れたくないですし、一度入れると取り出すことも出来ないでしょうし。
もう一度、先生に相談してみた方が良いのでしょうか。


また、こちらの歯科ではインプラントに向けての説明は、ネットに書いてある程度のことだけです。
アメリカではインプラントが日本よりも一般的だからでしょうか、気軽に抜歯・インプラントを勧めているように思えてなりません。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 歯科相談(アメリカ)さん
返信日時:2015-05-25 11:54:22
櫻井先生、

早速にお返事ありがとうござます。

抜歯後、インプラントを即決しなくとも大丈夫とのこと。
抜歯後そのままにしておくと、前後の歯が動いて倒れてくるとか、対抗歯が延びてくると聞きますが、2年も猶予があると思って良いのでしょうか?

抜歯後は、入れ歯のようなものをして、そういう事態を防ぐ必要があるのでしょうか?


右下の歯が無い状態だと、右側で咀嚼することが出来ないので、(今でも右側ではもう咀嚼困難な状況です)、抜歯するにしても歯のない状態を長く放置しておくのは、良くないかなと思っていました。



こちら(New York)は、星の数ほど歯医者があります。
その中から信頼出来る歯医者を探すのは至難の業で、日系の歯科も含め数件回ったのですが、どこもインプラントは抜歯後骨が再生されるまで4か月程度はかかる、と言われました。
良くわかりませんが、それがアメリカでの一般的な方法なのかもしれません。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2015-05-25 20:22:13
>2年も猶予があると思って良いのでしょうか?
抜歯後は、入れ歯のようなものをして、そういう事態を防ぐ必要があるのでしょうか?

確かに抜歯後長期間放置するのはよろしく無いのですが、個人的には2年くらいだとそんなに大きな問題にならないような気がします。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2015-05-26 08:12:58
ご返信ありがとうございます。

抜歯後は、入れ歯のようなものをして、そういう事態を防ぐ必要があるのでしょうか?

歯が動くかどうかは個人差の大きい問題です。

基本的には並びは、力関係でなりなっていて、おしくらまんじゅうのように押し合って並んでいます。
また噛み合う相手の歯は、強い力に対抗するようになっています。

そこに1本歯を削ったり、まるまる抜いてしまうと、おしくらまんじゅうの子供が一人抜けたように瞬間的にバランスが崩れます。


さらに上下の歯を噛み合わせることで、歯の位置が決まりますから、歯並びの接触が無くなった部分の方向への力がひずみとなることもあります。

たった1本削っただけで、もちろん抜歯は最大の影響で、そのずれは全部の歯に伝わります。
ですから詰め物被せ物でも仮歯がとても重要な理由の一つとなる訳です。


もっともその瞬間はミクロン単位の話ですから、気がつかない人も多く、又傍目には肉眼で変化を感じ取れることは全くありません。
したがって、平気じゃないの、と言ってしまう人は多いと言えます。


ご当地ではなかなか引き受けてくれないようですが、flipperという手段もあり得ます。
NYCでは多様な歯科医師がいるようですし、費用さえかければ如何ようなことも叶えてもらえる可能性もあります。



インプラントは抜歯後骨が再生されるまで4か月程度はかかる、

そうですね。
その頃にインプラントを始めることが良くあります。

厳密に言えば抜歯後が再生終了するまでは約7ヶ月かかります。
インプラント開始時期については、抜歯と同時という、治癒期間ゼロという選択肢もあります。
お一人ずつにあったベストな選択はかように異なります。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2015-05-26 12:14:57
顎堤再建の観点から考えると、抜歯して自然治癒を待つ、と言う方法だと横幅が半分になってしまう、と言われています。

ただインプラントを植立するだけでしたら、その幅に合わせたインプラントサイズを選ぶことで何も余計なことをしないで植立出来るのかも知れませんが、その場合、細いインプラントに成って大臼歯を支えるにはやや心配が残る、と言うことも心配になるかも知れません。


私個人は、顎堤再建を主な目的として、抜歯即時植立インプラントを骨造成GBRと同時に行い、更にそのボリュームを維持保持して、保護する目的で歯冠修復の仮歯を入れる、と言う治療を好んでしております。

顎堤再建すると顎堤が歯があった状態の時とかなり近い状態に維持されますので、隣在歯との関係で考えると清掃性とかで有利ですし、何よりも見た目と、患者さん自身のそこの感覚が天然歯があった時と殆ど変らず喜ばれることが多いように感じています。

又、長期的経過で見ていると、やはり顎堤再建したインプラント周囲とそうではない自然に任せての方を比べると、前者の方が安定しているように感じます。


簡単に言うと、インプラントは所詮異物ですから、支えてくれている基礎、土手の部分に関してはボリュームがあった方が良い、と言う感じを私は持っています。

ここら辺に関しては、まだまだ論争中の所であり、結論が出るまでにはかなりの時間が必要とされる、と言うことは間違いがない、と思います。


世界の学会、特にアメリカ系の場合には、骨造成GBRをすることが殆どで、自然治癒を待ってと言うのはまずない、と思います。

その理由として、最大のモノは加齢現象で残念ながら表側、唇頬側から自然と人は痩せて行く縮んで行く、それを危険因子と考えている、と言うことから来ていると思います。

しかし、そうではない自然に出来る限り自家骨再生をさせて、その中で解決図って行く、と言う考えの先生方も一部にはいる、と言うのも間違いないです。


で、余計なことかと思いますが、私の治し方の場合、出来る限り抜歯即時植立同時骨造成歯茎再生までして仮歯入れられるなら入れて、その部位を保護するようにし、セラミックの歯を入れるのを術後1ヶ月(半)程度、と言うことをしています。

実際に、そう言う治し方で私自身が患者さんになって昨秋下顎の第一大臼歯破折でしております。
勿論、私自身で出来る筈がないので、うちの勤務医の先生に、私の流儀のやり方でしていただいて、です。

現時点で手術後7ヶ月、セラミック冠装着後半年ですが何事もなく経過しております。


こう言う治し方出来る、するには、色々と特別な工夫が沢山要りますので、世界的に見ても全く一般論ではありませんが、これだけの短期間で治せて、何事もなく過ごせているような治療もある、と知っていただければ幸いです。


以上、ご自身のお口の顎骨の状態とか、隣の歯とか、顎堤のこととか色々とお考えになってご判断いただければ、と思います。


ご参考までに。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 歯科相談(アメリカ)さん
返信日時:2015-05-31 10:25:01
先生方、ご意見を頂きましてありがとうございます。

その後、3件の歯医者を回り、インプラント専門医(歯周病専門認定医Periodontist)にも診てもらいました。

最初に診てもらったインプラント専門医は、私の場合は抜歯が非常に難しいので、口腔外科(Oral Surgeon)での抜歯を勧められました。

理由は、
@右下6番が破損し抜歯の時に掴む部分が殆ど残っていないこと。
A歯茎下の虫歯或いは歯根吸収が起こっていること。
B歯根膜が消えており、骨癒着がみられること。

もし一般歯科医が自分で抜歯出来ると言っているなら、やめた方が良い、と言われました。無理に抜こうとすると、骨を傷つけたりしてインプラントが出来なくなったり、取り残しがあったりして再度口腔外科に行くことになる可能性もあるとのこと。



2つ目に診てもらった一般歯科医では、やはり同様に口腔外科へ行け、とのことでした。
(そこのインプラント専門医は歯周病がメインなので難抜歯には対応していないとのこと。)


3つ目に診てもらった一般歯科医は、口腔外科に行く必要はない、時間はかかるが自分で抜ける、自分もレジデンシーを1年経験している、これまでも似たようなケースの抜歯を経験している、信用して任せてもらって良いと言い、口腔外科医を紹介してもらえませんでした。

また、抜歯後は、インプラントに向けた骨再生のための人工骨を詰めることはせずに、自然の力で骨再生を待つべき、infectionがあるので人工物を詰めると何が起こるか分からない、との意見でした。



このまま3番目の一般歯科医を信じて抜歯を任せてしまって良いのか、別の歯科で紹介してもらった口腔外科に行って抜歯した方が良いのか、悩んでいます。

抜歯後は、3番目の一般歯科医で取り外し可能な仮の入れ歯を作りスペースを確保し、骨が再生するのを4か月〜6か月待って、そこと提携しているインプラント専門医のところでインプラントしようと思っていました。


一般歯科医を信じられずに、別の歯科で紹介してもらった口腔外科で抜歯すると、一般歯科医との関係も崩れ、そちらに戻れなくなるのではないかと心配しています。
(口腔外科医はもしかすると、骨再生の人工の薬を詰める方針かもしれません。)

色々な歯科医の意見を聞いたばっかりに、何を選択したら良いのか分からなくなってしまいました。

抜歯に際して、口腔外科に行くべきか、一般歯科医に任せるべきか、ご意見伺えると助かります。


ご参考までにレントゲン写真を添付します。
1枚目は現在の状態で、歯が破損し、ほとんど歯質は残っていません。
2枚目は2年前に撮影したもので、破損前の写真になります。

どうぞ宜しくお願い致します。

画像1画像1 画像2画像2
回答 回答6
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2015-05-31 13:47:13
レントゲンを見たうえでのコメントは診断になってしまうので感想くらいに思ってください。


即時埋入ですが、このような大臼歯の複数根がある場合は、抜歯前、根分岐部歯根間歯槽中隔にインプラントのために予備的穿孔を(ドリリングを)行っておくことを、推奨している術式もあります。

この様な方法であると中間部をはずさずに、ドリリング出来るというメリットがあります。
しかもこの穿孔部から梃子の挿入が容易になり抜歯しやすくなります。


インプラントは埋入せず、時間をおいての埋入もあります。

大臼歯の炎症を起こしていない場合は、抜歯自体が相当困難を極める感じで、時間がかかるかもしれません。


余計な情報でますます迷わせることになるかもしれませんが、専門性が発達しているアメリカでは、郷に入ったら郷に従えかもしれません。

it your choice でしょうか。

2人の専門家がこの回答を支持しています  



タイトル [写真あり] 右下6番抜歯後の骨移植とインプラントについて (米国)
質問者 歯科相談(アメリカ)さん
地域 海外
年齢 39歳
性別 女性
職業 会社員(事務系)
カテゴリ インプラント治療法
その他(写真あり)
アメリカ(米国)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

歯磨きをしても虫歯になる原因 デンタルフロスは効果無し? 歯ブラシとデンタルフロスどっちが先? 歯科衛生士が就職前に絶対に知っておきたい