審美目的のクラウン治療における根管治療

相談者: M.Gさん (41歳:女性)
投稿日時:2018-10-14 18:37:13
20年ほど前に、特に虫歯のない前歯上4本を、歯並びをよくする目的でクラウン(裏がメタル)にしました。
神経は抜いておらず、前歯4本を削ってクラウンをかぶせたものです。

その後10年経過し、前歯一本のセラミックの先がちょっと欠けたため、別の歯科医院で2代目のクラウン(ジルコニア)に変えました。
クラウン自体の先が少量欠けた以外に問題や症状はありませんでした。


その際に、特に説明もなく、特に虫歯などはありませんでしたが、根管治療(神経を抜いて、薬を詰める)をされました。

1) 審美目的のクラウンを被せる治療で特に膿も、虫歯も、痛みもない歯を根管治療するのは普通でしょうか?

その後、この根管治療?処置をしたことによる(1代目の差し歯の時には無かった)問題が多く、やらない方が良かったのではと考えてしまいます。
今では抜歯をして、エステショットなどの部分入れ歯にすることも考えています。


2) この部分入れ歯にすることについてどう思われますか?

根管治療は神経や歯の根に問題がある場合にするという理解ですので、参考までに上記2点についてご教示いただけると幸甚です。


よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2018-10-15 02:44:26
こんばんは。

クラウンを被せる際に神経を残そうとすると、

1.クラウンの向きがある程度制限される(審美目的で歯並びを変える際などにはネック)
2.あとで冷たいものがしみてくる可能性がある
3.セラミックの厚みが十分に持たせられず、意図する審美性が確保出来ない可能性がある

などの理由で、先生によっては「当然のように」神経を抜く場合はあるようです。
どちらかと言えば年配の先生の方がその傾向が強い印象がありますが、それほど珍しくはないと思いますよ。


個人的には抜くデメリット(根管治療にかかるコストや根管治療の失敗)の方が気になるので抜くことはありませんが、当院の場合根管治療も自費のみですから、日本の保険診療のようにタダみたいな金額で神経が抜けるとか、神経を抜くことにやたらと自信がある先生だったりすると判断基準も変わる可能性はあるかも知れませんね。



それで過去の治療については仕方がないですが、今後の治療計画について、根管治療の問題だけなら抜歯は避けた方が良いと思います。

日本だと色々事情でなんとも言えないようなところはあるのですが、欧米の根管治療の専門医レベルでの話で言えば、根管治療の失敗だけが理由で抜歯をするという選択はまずほとんどありません。(→手を尽くせば残せる、という意味)


前歯部分入れ歯についても、色々デメリットが多いですから・・想像されているようなものとはおそらく大分異なると思いますよ。

是非、前歯については治療を頑張って残した方が良いと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: M.Gさん
返信日時:2018-10-15 05:43:06
渡辺先生

分かりやすい御回答、ありがとうございます。
先生のHPの方も拝見しました。
色々な情報があり、素人にも分かりやすく、勉強になりました。

失った神経は残念ながら戻ってきませんが、状況が理解でき、少し気持ちが楽になりました。


重ねた質問で大変恐縮ですが、仮に10年後歯の根が割れるなどで前歯4本が抜歯になった場合、部分入れ歯を、常時ではなく、週2~3回ほど外出時のみ着用するような状況は問題がありますか?
歯茎が痩せたり隣の3番の歯が倒れたりするのでしょうか。

それとも、歯茎が痩せるのは入れ歯をしていようがいまいが、抜歯後は同様に痩せるものですか?


知人で右下5番を何十年も抜けたまま(部分入れ歯がストレスで、無くても特に支障がないため)の人がいるのですが、隣の歯が倒れてきたという話を実際に聞かないため(サイトなどでは目にしますが)イメージができず、一般に本当に倒れてくるものでしょうか?

もしお時間があれば、ご意見伺えると有難いです。
回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2018-10-15 11:09:29
こんにちは。

いわゆるメタルボンドからジルコニア冠に変更されたのでしょう。
メタルボンドのよいところは金属を使用しますが、歯の裏側と横の一部が金属仕上げなので歯を大きく削られずにまだよいという点でしょう。

反対に金属を使うので天然歯ほどの透過性は望めなくなるというのと、場合によってはメタルタツーになりやすく歯茎の色や歯茎の位置が審美的に問題になることが多いという点でしょう。


今は口腔内には金属があるほうが不自然で健康的ではないという考えになってきていますから(金属のイオン化は防げないので)メタルは使わずジルコニア冠を選択されることが多くなってきているように思います。

そういう流れから今回はメタルフリーのジルコニアにされたのでしょうか?


ジルコニアは金属とは違いセラミックですから修復物の厚みがグルリと一周にわたって必要になります。
そこで想像ですが神経の処置を必要とされジルコニア冠になっているのではないでしょうか?
(説明が不十分だった可能性はあるでしょうね)

ご本人が歯の神経の保存にこだわられていなければ歯科医は割と簡単に神経を抜きますが、それは最初の治療選択時で決定されているルーティーンワークといった感じです。

ですから最初にジルコニア冠にしたいといわれたらルーティーンに抜髄処置が入る可能性は高いでしょう。
ですからあえて抜髄についての説明がなかったのかも知れません。



神経の処置を望まれないというご希望があれば、たぶん審美性は落ちるでしょうが以前と同じようなメタルボンドの選択もあったのではないかと思います。
その場合は神経をとらなくてもよかった可能性が高いように思います。

ただ、やり変えのきっかけがクラウンの先が欠けたということですから歯が加齢により近心傾斜し下の歯の叢生が酷くなったのか?バイトが深くなったのか?何らかの生理的な変化が引き金になっている可能性があるのかもしれませんね。

そうであれば場合によっては、前歯の歯の傾斜を変えたり下の前歯の部分矯正が必要になっていたりしたのかもしれません。

単純にメタルボンドを口腔内全体の治療を伴わずジルコニアにすれば抜髄が必要だったのはしょうがないように思います。



今後抜髄した前歯にどういうトラブルが起きるか?ですが、きちんとした根管治療が行われていて、きちんとしたファイバーコアの治療が行われていて、きちんとしたジルコニア冠の適合よいものが入っていて、きちんと接着ができていて、きちんとメンテナンスに通院され、きちんと臼歯のバイトを維持され、きちんと咬合調整が行われていけばそんなに大きな問題は起きないのではないかと想像します。

ただ、きちんとされておかなければいけない条件がかなり増えますからきちんとできていなければ問題を生じます。
そこが天然歯との違いということになります。


部分入れ歯は最終手段でしょう。

着脱が必要ではずしたら前歯がない状態なのですからお若い方が好んで選択されるものではないでしょう。
歯がない状態の顔はみっともないですし歳を感じ老けそうですよね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: M.Gさん
返信日時:2018-10-15 17:05:10
Dr.ふなちゃん先生

分かりやすいご説明、どうもありがとうございます。
メタルとジルコニアの処置の違いもよく理解できました。
仰る通り、メタルでは歯茎の黒ずみが目立ちました。
ジルコニアではやはり根管治療は、ありきなのですね。


先生のHPも拝見しました。今は本当に色々な矯正方法がありますね。

・ 今通っている歯科医院は、根管治療の状態は良いとは言えないものの、4か月おきのクリーニングと年一回の定期健診で、もたせるだけもたせる方向です。
抜くときは4本同時ではなく、ダメになった都度一本づつにしましょう、とのことです。

・ 根管治療をし直したとしても、10年以上も神経の無い歯で治療中に折れる可能性もありますし、金銭的精神的な負担に対しても、治療が成功するかどうか分からないとの理解です。

前歯がない状態で過ごす時間が多い場合は、(一般的に)すぐに隣の歯もどんどん倒れて抜けていくというわけではなく、やはり心理面、社会面での問題が大きいとの理解です。

上記3点の考え方の内で、もし誤っている部分があれば、お時間のある時に、ご指摘いただけると有難いです。



タイトル 審美目的のクラウン治療における根管治療
質問者 M.Gさん
地域 非公開
年齢 41歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療その他
メタルボンド
審美歯科治療(人工の歯)
クイック矯正(補綴矯正)
ジルコニアクラウン
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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