ハンドスケーラーによるスケーリングは歯を傷めないか?

相談者: Froleekさん (33歳:男性)
投稿日時:2018-12-12 18:52:45
長文になりますが、ご回答いただければありがたいです。

歯と歯茎スケーリング(超音波)を希望しました。
歯科衛生士は、今回も歯磨きチェックを予定している。
前回の歯磨きチェックでは目立つ歯石の付着はなかったので、スケーリングはしなくてもよい、と言いましたが、私としては、他の医院で超音波スケーリングを受けてから1年半以上経過していたので、希望した次第です。

しかし、実際には超音波スケーリングは行われず、なぜかハンドスケーラーで歯の根元・歯茎の奥を結構な力で、ガリガリ引っ掻くという処置のみでした。
相応の出血もありました。

歯に傷がつくので止めるよう言いたかったのですが、歯科衛生士の意向が判らず、そのまま処置を受けてしまいました。
止めるよう言えばよかったと思っています。


先端の鋭利な金属棒、ハンドスケーラーで歯を引っ掻くという行為は、歯に大きな負荷や負担がかかり歯を傷つけるのではないでしょうか?

帰宅してから、不安と納得がいかないので医院に電話したところ、
当の歯科衛生士は、以前(私から)知覚過敏の症状があると聞いていたので、超音波スケーリングはしなかった。

今回した処置は、歯周ポケットの深い部分や、ポケット深さを測定した時に出血した箇所を、ハンドスケーラーで掻爬したと言いました。
(多分、SRPという言葉を使ったと思いますが、うる覚えです。)

不安な気持ちにさせたのならごめんなさい、と言いました。
ハンドスケーラーにより、歯への負担やダメージはないのかと聞いたところ、それは有り得るとも言いました。



今回の処置が適切だったのか、非常に心配です。
当初、歯科衛生士は今回スケーリングは不要と言っていたのに、私が(超音波)スケーリングを希望したところ、なぜ、一転、歯に負担の大きいハンドスケーリングを選択したのか理解できません。

健康な歯を保つために歯医者に行ったのに、歯を傷めることになったのでは感じています。


専門家の方の意見が聞きたいです。


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2018-12-13 09:04:09
超音波スケーラー歯肉より上の大量の歯石を効率よくとるのに向いていて、手用スケーラーは、ポケットも、しかも歯の間の狭いところに向いていると言えるかもしれません。

手用スケーラーで、歯石を取ると刃部に歯石がつきますから、拭う必要があります。
その時に歯の削りカスらしきものを見たことがありませんし、歯石がとれて、ツルツルした感触になれば、それ以上はしないものです。


表題の「ハンドスケーラーによるスケーリングは歯を傷めないか?」ですが、そのような懸念のあるものは、販売されないでしょう。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2018-12-13 09:26:01
ご相談ありがとうございます。

ハンドスケーラーで歯を引っ掻くという行為は、歯に大きな負荷や負担がかかり歯を傷つけるのではないでしょうか?

そのとおりです。 

一生歯を残すために生まれつき備わっている、素晴らしい完璧な自然のバリアを壊すからです。

まず一番大きい損傷は健全歯肉線維の切断喪失、それによる免疫機構の破壊、次に、重要な健全セメント質の剥離喪失、ついで健全象牙質の損傷、健全エナメル質の強制剥離、またくりかえすと健全歯根膜繊維の消失です。

エナメル質とセメント質との境界の形態は3種類あり、5〜10%はいきなり象牙質の損傷に繋がります。
これらのことは論文や成書があります。

極端な場合はビーバーに齧られた木の根元のようになった報告もあるくらいです。

そのバリアを壊せば歯の寿命の急降下となります。


>目立つ歯石の付着はなかったので、

それなら健全な部分を削りとっただけかもしれません。

それは知覚過敏歯髄炎を引き起こしたり、抜髄から抜歯への近道に入り込んでしまうリスクが出ます。


>相応の出血もありました。

その時に鋭い痛みを感じたり、すぐに止血せずわずかでも出血が続いたならば、健全な歯肉と動脈と静脈の毛細血管を切断した可能性があります。


>結構な力で、ガリガリ引っ掻くという処置のみでした。

大きな力は治すよりも壊してしまうことは定説です。


>知覚過敏の症状があると聞いていたので、超音波スケーリングはしなかった。

適切な超音波のほうが逆により安全性が高いと言われています。


>健康な歯を保つために歯医者に行ったのに、歯を傷めることになったのでは感じています。

お話からでしか分かりませんが、そもそも、「健康な歯を保つため」のような予防計画自体がなさそうです。
またそのコンセンサスもないようですから、その行為の目的は何か別にあるのかもしれません。


本当の予防医療ならば、歯が無くなる原因や予兆は、すでに一般的にわかっていることです。

全身の病気に比べ、歯科の病気は殆どが虫歯歯周病、そしてその他と、とても少ないからです。

したがって対策も効果的で科学的なプロセスがあるからです。
誰でも間違いを少なくできることが科学だからです。


科学的なプロセスとは、お一人ずつによっても違いがあるので、まず診察した後に、パターンのどれに当てはまるかを検査で調べ、それにあった予防計画を選ぶ診断をして、その提案があり、相談によるインフォームドコンセントを確立した上で、実行し、その後の結果についても定期的に同じ検査をして、画像やプリントなど見える化した結果を共有し、記録を保管して前回までと一緒に見ながら比較診断し、健康の維持増進を確認できたね、という報告があるはずだからです。


たとえれば、パターンの決まっている、入り口の少ないアミダくじをたどるようなもので、ふつうなら誰でも間違いなく健康を手に入れるはずです。

NHKの「ドクターG」の簡易版みたいな感じです。
単なるプロセス・テクニックにすぎません。
謎解きにも似ています。


歯科治療はメリットと同時に必ずリスクを伴います。
ふつう元通りには戻せません。

良くしたいならば、むしろリスクを避け悪化を予防しましょう。
目的をはっきりさせ、歯科医院と治療は厳選しましょう。

回答 回答3
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2018-12-13 10:24:24
ハンドスケーラーにより、歯への負担やダメージはないのかと聞いたところ、それは有り得るとも言いました。

正直に回答してもらったと思います。
歯科医が言うとおりだと思います。

歯への負担になることもあります。

ただ、健常な組織であればある程度は回復します。
特に軟組織は回復しやすいです。


ハンドスケーラーは上手い下手の技術が大きく分かれる道具ですから、下手な人にやってもらうならば超音波スケーラーで行ってもらうほうが安全でしょう。

上手い衛生士さんが行ってくれるとハンドスケーラーで素晴らしい歯面にしてくれるでしょう。
もちろん状況によっては両方使ってくれる場合もあります。



>私が(超音波)スケーリングを希望したところ、なぜ、一転、歯に負担の大きいハンドスケーリングを選択したのか理解できません。

超音波スケーラーが常にあいているとは限らないので急に予定外のことを依頼されたからではないでしょうか?
ハンドスケーラーのほうが安価なので数種類常に手が届くところに用意されていると思います。

ハンドスケーラーはスケーリングだけに使用するだけではなく利便性は高いですから、複数本用意されていてすぐに使える状態だったのではないでしょうか?

超音波スケーラーは機械ですから運悪く別のチェアーで予定の患者さんに機械本体を使用されていたのかもしれません。
不要ですよといわれたのに依頼されたので衛生士さんも頑張って依頼に応えようとしてくれたのかもしれませんね。

運というのはありますよね。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2018-12-13 12:03:51
YoTToさん、こんにちは

基本的にはハンドスケーラーの方が超音波スケーラーより障害は大きいかもしれません。
しかし、超音波スケーラも誤った使用法でハンドスケーラーより大きな傷をつけてしまうことがあります。

どちらの方が害が大きいかは、術者の技量や、どちらを使い慣れている子によって大きく違ってきます。
ですので、術者が使い慣れている方を使用した方が安全なこともあります。


また、効果は一般的には超音波よりハンドの方が高くなります。
そのため、最終的にどちらを使用するかは、患者さんの状況や、術者の技量など、いくつかの状況を考慮して、その患者さんに一番適した器具を選択します。

術者側も患者さんの希望を聞き入れることも大切かもしれませんが、患者さんも術者の医学的判断を信じて任せることも必要ではないでしょうか。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Froleekさん
返信日時:2018-12-15 02:29:11
皆様、ご回答ありがとうございます。
ご意見をじっくり読ませていただきました。


今回、担当した歯科衛生士は、歯科のブログを見ると入社間もない若い人です。
他院での勤務経験があるのか、専門学校を出て間もない新人なのかまでは判りません。

若いから、経験が浅いから駄目だとは言いませんが、適切な処置をする知識・判断力・技術を持った人なのか、今回に関しては非常に懐疑しています。


診察の際、口腔内を照射するライトが鏡になっていて、自分の口腔内と姿がある程度見えました。
ハンドスケーラーの先端に付着した血の混じった物体を、前掛けに置いた紙片で何度も拭き取っていました。

今思えば、あれは削り取ったセメント質などの歯の組織そのものではなかったのか、と思います。
時間は30分位だったと思います。
言いにくいことかもしれないですが、処置にストップをかければよかったと思います。
その時は、状況を理解し判断することができませんでした。


日常の歯磨きの磨き残しや着色のクリーニングを希望したがために、その都度このような処理をされたのでは、死ぬまでに歯は根元から倒壊するだろうと思います。

※今回私が超音波スケーリングを希望したのは、当日急遽ということではなく、事前の電話予約でのことです。
急遽、予約を入れたということでもないです。
予約の遵守については医院からアナウンスされています。

時間のある時に、またお返事したいと思います。
ありがとうございました。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Froleekさん
返信日時:2018-12-17 01:06:45
当の歯科衛生士の話です。

歯茎より下側は、超音波スケーラー先端のチップが大きく、歯茎の内側へ挿入できないので、ハンドスケーラーを用いた。
超音波スケーラーの使用は歯茎より上面の場合用いている、歯茎内のクリーニングを行う際にはハンドスケーラーを用いる、と言ってました。

それが、分かっていたら最初からこの歯科に行くことはなかったです。
新設間もない歯科で、最新の設備・機材を揃えているものと思ってました。


超音波スケーラーでは、歯茎内部のクリーニングはできないのでしょうか。
歯周ポケットは深いところで約4mm程度だと言ってました。

それとも、歯茎内部まで届く先端チップをこの歯科が所持していなかっただけなのでしょうか。
過去に通っていた歯科では、スケーリング=超音波でした。
ハンドスケーラーの使用は全体のごく僅かだったと記憶しています。
助言 助言1
助言者: ネッドさん
助言日時:2018-12-17 02:18:11
回答者ではありませんが・・・

健康保険を使った保険診療においては、治療の要否は
歯科医師の診断(医学的根拠)
・保険の規則
・患者の同意・要望
これらに従って決められます。

患者さんが強く希望しても、歯科医師の診断や保険の規則に反する治療は出来ないのが原則です。これは美容整形等の自費の診療とは大きく異なります。


本来は患者さんが強く希望しても医学的根拠や保険の規則に合わない治療は行なわれない事になります。
時に患者さんは御自身の数少ない体験やネットで少し調べただけの極めて浅い知識を元に「ああして欲しい」「こうして欲しい」と訴えますが、多くの場合はこのような要望は医学的に正しくない事が少なくないように思います。

スケーリングをして欲しい等の)治療法を要望するのではなく、自分が困っている事を正確に歯科医師に伝えて治療法は専門家に任せる方が良好な結果を得る可能性が高いと思います。
ネットで調べるのでしたら治療法ではなくて、歯科医師の専門性の違いと専門性の高い歯科医師の探し方の方が有用ではないでしょうか。

今回の件では「超音波スケーラー」にこだわるのではなく、歯周病対する専門性の高い歯科医師に診てもらう事が望ましいと思います。


>> 今思えば、あれは削り取ったセメント質などの歯の組織そのものではなかったのか、と思います。

一般的に考えると歯石を取ったとも考えられます。


>> 過去に通っていた歯科では、スケーリング=超音波でした。

超音波スケーラーは新しくて優れていて、ハンドスケーラーは古くて劣った技術だと勘違いされていませんか?
最新の設備・機材を否定はしませんが、超音波スケーラーでハンドスケーラーで行っている事を全て行うのは無理があると思います。



タイトル ハンドスケーラーによるスケーリングは歯を傷めないか?
質問者 Froleekさん
地域 非公開
年齢 33歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ スケーリング(歯石取り)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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