噛合せ調整のためにエナメル質を削ることの良否

相談者: 魏志倭人伝さん (79歳:男性)
投稿日時:2022-08-24 23:18:10
エナメル質を削ることについて2点お尋ねいたします。

現在、通院中です。
かみ合わせの調整だと思うのですが、エナメル質を削っています。


1.最近、エナメル質を削る医院が多くなっているように感じます。
したがって、過去に通院していた複数の医院でもすでに削られている可能性があります。

電子カルテの共有化ができていれば、過去の履歴を検索し、現状の厚みを把握することは可能ですが、おそらく、今、通院している医院では過去の切削履歴はわからないと思います
(小生も覚えておりません)
先日

「エナメル質を削っているのですか?」

と問うてみました。

「大丈夫です。エナメル質の厚さは2mmもあるのですから」

との回答がありました。
過去に削っている可能性については留意していないようです。
上記のような状況下でエナメル質を削る行為は妥当なのでしょうか?


2.小生、現状は、上下合わせて12本の歯が欠損しています。
小臼歯大臼歯の欠損が多いです。
したがって、上下とも左右一体型の義歯を着用しています。
歯の治療を受けるときには、上下の義歯を外した状態です。

義歯を外した状態でのかみ合わせの調整は意味があるのでしょうか?
義歯を外した状態でのかみ合わせを確認し、エナメル質を削ってしまう行為は妥当なのでしょうか?


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2022-08-25 00:41:14
こんにちは。


70代の方で28本-12本=16本の歯しか無いのでしょうか?32本−12本=20本でしょうか?

現在、歯科医師会では8020運動を行なっていますが、それでは不十分ですから8024を目指していこうという話が出るようになっています。


小臼歯大臼歯咬み合わせの高さを決める要の歯でお食事をしっかり噛む鍵の歯になります。

小臼歯、大臼歯を無くしていくと負担に耐えられず、歯が動きやすくなります。

噛み合わせから来る歯周病の進行もあります。
奥歯のストッパーが緩くなると前歯は負担過剰になりぐらつくか?出っ歯すきっ歯になってきます。


エナメル質内で噛み合わせの調整をして歯周病の進行を防いだり、動揺を加速させないようにすることが終末治療になって来ます。

義歯は睡眠中もはめて寝ておられるのでしょうか?
大抵の方が、睡眠中に歯を破壊しますから外して寝るのが前提であれば外した状態での調和を作る必要が生じます。


過去の切削履歴は共有されるシステムになっていませんし、そもそもガイドグループ等掘って計測しながらエナメル質を削ってはいませんから、どれだけ削ったか?は数字はなくカルテ記載していないでしょう。
記載は咬合調整とあるだけでしょう。

歯科医は歯を見れば歯の解剖を習っていますからエナメル質が今あとどれくらい残っているか?を判断できるでしょう。

幸いにも加齢により歯は若い時より硬くなり、歯髄腔は後退しているでしょう。


上手く噛み合わせの調整をしてもらい力の調和をとってもらって特定の歯に過剰な負担が来ないようにしてもらい8020を出来るだけ長く維持されるように上手くサポートをしてもらって下さい。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2022-08-26 07:41:15
魏志倭人伝 さんこんにちは。

>1.

私はほとんど削る行為はしていないので、多いとは限らないと思います。
当院では、まずはTCHの是正指導をするからかもしれません。

今後はマイナンバーと保険証が一緒になるので、そうなると過去の履歴がみれるようになるかもしれません。

参考:TCH、歯列接触癖



>2.

義歯を外した状態で寝ており、寝ている時のブラキシズムの為の調整かもしれません。
どのような理由で調整しているのか、直接聞いてみると分かると思います。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2022-08-26 09:57:30
魏志倭人伝 さん、こんにちは

1.
上記のような状況下でエナメル質を削る行為は妥当なのでしょうか?

利益がリスクを上回ると判断されれ、患者さんの了解が得られれば妥当な処置だと思います。


2.
義歯を外した状態でのかみ合わせを確認し、エナメル質を削ってしまう行為は妥当なのでしょうか?

私は滅多に行うことはありません。
しかし、噛み合わせの調整をした方が利益が大きいと判断され、患者さんの了解が得られれば、徹底的に調整を行います。

義歯を装着した患者さんでは、まず義歯を外した状態で調整をして、次に義歯を装着した状態で行います。
場合によっては、調整後、数日から数週間経過観察して繰り返し行うこともあります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 魏志倭人伝さん
返信日時:2022-08-26 22:32:24
船橋先生、ご回答をいただきありがとうございます。

小生の場合、7917です。
29本-12本=17本です(17本のうち、1本は、右下の親知らずです)
ちなみに、千葉県に住んでいる実姉は、8626だそうです。

抜歯エナメル質を削る行為は、もとに戻すことができない不可逆的な行為なので、とてもリスキーな感じがいたします
特に違和感や痛みを感じていない歯や病巣が明らかな歯以外は、やりたくないというのが本音です。


恐縮ですが追加で質問をさせていただきます。

1.歯の解剖で習った方々は、個々の患者のエナメル質の厚みを把握する方法ついて知っている ということなのでしょうか?
それとも、日本人の歯のエナメル質の厚みの平均値 または厚みの代表値などを把握しているだけ ということなのでしょうか?


2.加齢によりエナメル質が硬くなるのは、硬くて脆くなるということなのでしょうか?
エナメル質を削って厚みを減らすことは、脆さを助長する結果にならないのでしょうか?


3.歯髄腔が後退すると言うことは、歯がその分小さくなるということなのでしょうか?


小生の歯の現状ですが。
小生、前歯歯並びは、かなり悪いです。
本来の歯列から外れて生えている側切歯が複数あります。
乳歯から生え変わる時期に、歯列の乱れが生じたようです。
現状の前歯は、既に一部の歯が軽度な出っ歯すきっ歯になっています。

現用の左右一体型の義歯は、この状態で作られたものです。

現用の左右一体型の義歯ですが、大震災等の災害時を想定して、寝るときも装着しています。
夕食後に外し、洗浄液中に浸した後、就寝時に装着しています。


小生、上向きで大の字になって寝るタイプです。
あまり格好はよくありませんが、口を開いて寝るタイプです
就寝中の状態を複数回録音してみました。
結果、いびきはしていますが、歯ぎしりはしていませんでした。

以上です。

誤字、拙文についてはご容赦ください。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 魏志倭人伝さん
返信日時:2022-08-26 22:57:58
船橋先生、ごめんなさい。

先ほどお送りした文章の一部を訂正させていただきます。

抜歯エナメル質を削る行為は、もとに戻すことができない不可逆的な行為なので、とてもリスキーな感じがいたします
特に違和感や痛みを感じていない歯や病巣が明らかな歯以外は、やりたくないというのが本音です。」

の部分に誤りがありました。

次のように訂正させていただきます。

「抜歯やエナメル質を削る行為は、もとに戻すことができない不可逆的な行為なので、とてもリスキーな感じがいたします
特に違和感や痛みを感じていない歯や病巣が明らかでない歯については、やりたくないというのが本音です。」
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 魏志倭人伝さん
返信日時:2022-08-27 12:32:22
加藤先生、ご回答有り難うございます。


健常歯のエナメル質を削ってかみ合わせの調整をするという治療を受けたのは今回を含めて2回ほどだったと記憶しています。

ほとんどの場合、詰物や被せもの義歯等を作ったときに対向する歯とのかみ合わせを調整することはありましたが、その際の調整は加工物自体を削って行い、対向する天然歯の咬合面を削って調整されたという経験は記憶にありません。

最近の傾向なのかと思いましたが、まだ、件数は多くなさそうですね。


TCHの指導を受けたわけではありませんが、欠損歯が増え始めた頃から、残歯に負担がかかることを避けるため、上下の歯をなるべく接触させないように心がけています。

具体的には、力仕事のときには、口を開いた状態にして歯の喰いしばりを防ぐるとか、食べるときの噛み締めぐせを止めるとか、寝るときは歯ぎしりなどが生じにくい姿勢で寝るとか です。


残歯が減ってくると、残歯にかかる負荷も大きくなりますが、「長持ちしてくれよ!」という期待も大きくなります。

現用の左右一体型義歯は、就寝時にも装着にしています。
(時々忘れますが)
夕食後に外し、洗浄液に浸け込んだ後、就寝時に装着しています。

就寝時には、外したほうが良いのかもしれませんが、大震災のような震災時のことも想定し、就寝時にも装着するようになりました。


就寝時には、上向きの大の字状の姿勢を採っているので、口をポカンと開けた状態で目覚めることが多いです。

就寝中の録音を複数回行ってみましたが、「いびき」はしているようですが、歯ぎしり音は録音されていませんでした。


以上です。

誤字、拙文はご容赦ください。
回答 回答4
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2022-08-27 14:42:52
>小生の場合、7917です

目標を少し達成しておらず惜しいですね。
残りの歯を大切に維持していくために定期的に歯科医院をご利用されるとよいでしょう。


歯がある方は歯周組織検査を行い歯周病の程度チェックし管理することがよく行われているでしょう。
欠損歯があり義歯等使わる状態では歯茎の連続性がないでしょうし、歯の挺出状態もバラバラでしょうからご本人だけでは磨き残しが必ず生じています。

定期的に歯面をクリーニングしてもらう事も大切になってくるでしょう。


>1.歯の解剖で習った方々は、個々の患者のエナメル質の厚みを把握する方法ついて知っている ということなのでしょうか?

歯の形態からどれくらいエナメル質が残っているかを想像可能でしょう。
ご心配するほどではないだろうと思います。



>2
加齢とともにエナメル質の石灰化度が進みます。
硬くて脆くなるのか?という危惧は不要でエナメル質は元々硬くてヒビが入りやすいです。

削って力の調和を図ると応力が集中しなくなりますからヒビや欠けが生じにくくなります。


>3
歯の構造検索してもう一度確認してみてください。
再外層がエナメル質、次が象牙質、中心が歯髄腔です。
歯髄側から第3象牙質などが出来上がって歯髄腔が後退するのです。
外部刺激への生体防御反応と考えてもよいと思います。

乳歯から生え変わる時期に、歯列の乱れが生じたようです。

乳歯は小さい歯ですから大きな永久歯が生えてくるまでに顎の発育がうまくいっていなかったのでしょう。アンバランスがあったのでしょう。




>現状の前歯は、既に一部の歯が軽度な出っ歯すきっ歯になっています。
>現用の左右一体型の義歯は、この状態で作られたものです。

保険診療は矯正治療を含まない為通常そうなります。


>小生、上向きで大の字になって寝るタイプです。
>あまり格好はよくありませんが、口を開いて寝るタイプです
>就寝中の状態を複数回録音してみました。
>結果、いびきはしていますが、歯ぎしりはしていませんでした。

口腔乾燥が生じ、歯と歯周組織によくない状態が8時間継続している可能性がありそうです。

虫歯リスクが上がりますからできるだけ唇は閉じて寝られるとよいでしょう。
しかし、歯並びが悪い方の多くが舌の機能獲得不全がありますから舌が気道を閉塞しがちで睡眠時にいびきをかきやすくなってしまうでしょう。

開口により下唇は下前歯を内側に押しますから多くの方が下前歯が挺出した過度のスピー湾曲のある咬合平面の状態になります。
そうなると上の前歯を突き上げる力が働くようになりますから、それを軽減するために上前歯の裏側や下前歯の表側等(クロスバイトがあると異なる)咬み合わせ調整を必要とする場合が増えます。

スキッパや出っ歯は上下の歯の咬み合わせの問題で生じているケースが多いです。
(ただし、実際にはケースごとに大きく異なりますからきちんと歯科医に診てもらう必要があります)


開口で寝る方は、塗れマスクをしたり口唇閉鎖用テープを貼って寝ると口腔乾燥を防ぐことが出来ます。
唾液には酸を緩衝する作用と共に細菌繁殖を抑制する抗菌作用があります。

開口でいびきをかくという状態は口で息をしている状態です。
(そうしなければ睡眠できない方は多くおられます。
鼻の条件が悪かったり、肺や横隔膜の機能が悪くなっていたりすると低酸素状態になると困りますから容易な口で呼吸を補助することが常態化します)

いびきが酷いようでしたら睡眠時に使用していただける補助装置も歯科にはあります。


歯を失う方の多くで体位変化に伴って顎の位置が大きく変化してしまうために力学的に問題が生じて歯を破壊していくことがしばしばあります。

活動時には猫背で顎が前方位にあり、睡眠時は仰臥位で顎は後退しているとか、横向き寝で側方へ偏位してるというような感じでです。

歯科医院では仰臥位で咬合調整し、更に日常位でも咬合のチェックをしてもらうと問題を発見しやすくなる場合があります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 魏志倭人伝さん
返信日時:2022-08-27 22:05:35
小牧先生、ご回答をいただき、ありがとうございます。

 
歯科に限らず、どの分野でもトレードオフの難しさは同じだと思います。
損益が五分五分ならば、なおさらです。

エナメル質は自己修復ができない組織のようなので、許容されている切削可能な量も小さいと聞いています。


削って良い量については、論文が出されているようですが、小生もまだ詳細については理解しておりません。

ちょっと目を通してみましたが、エナメル質の厚みや許容される切削量は、いずれも数値で表されています。
確か、削る量の許容値は、厚みの1/4程度までであったと記憶しています。

現状は、数値で把握することができない状態のようなので、個々の医師の官能チェックによる判断に基づいて行われているのではないかと推察しています。

ある意味、非常にリスキーな状態で行われることが多いのではないかと想像しています。


だから、先生が言われているように、医師の判断だけではなく、所有者である患者の合意を得るという2段構えにされているのだと思います。
また、滅多に行わない治療だとおっしゃっているのだと思います。

とはいえ、小生の場合には、既にエナメル質を削る治療が、直近3回の通院中に行われています。
不可逆的な処置なので、既に行われた結果については、削った医師の判断に狂いはなかったであろうと信じて納得する形になります。

特に痛みや違和感を感じることがない歯や病巣が明らかでない歯については、やってほしくない処置だというのが本音です。


過去に受けた記憶がない処置なので、現在、小生が理解しているのはこの程度です。



タイトル 噛合せ調整のためにエナメル質を削ることの良否
質問者 魏志倭人伝さん
地域 非公開
年齢 79歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 噛み合わせ(咬合)治療
噛み合わせに関するトラブル
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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