[写真あり] ファイバーコアの削る量は?脱落は?使えない時とは?

相談者: ハンカチさん (36歳:女性)
投稿日時:2008-10-12 12:25:41
こんにちは。

根菅治療をするかもしれないがあります。
再根菅治療になるので、今度治療したら薄くしか歯が残りません。
差し歯になるようです。

前の治療のとき、仮詰めの間は痛くなかったのに、インレーをかぶせてから2日ほどして、噛むと痛みが出るようになったので、今度はできるだけインレー等の金属を使わずにすませたいと思っています。

大学病院歯内療法科のA先生に、上記のことと

ファイバーコアにした方が、歯より硬くないので歯が割れにくくなると聞いたので、そうしたいのですが」

と言うと、

「それは、歯の状態による。場合によっては金属のコアじゃないとだめだ」

とおっしゃいました。

不安だったので、いつもいく歯科のB先生に同じことを聞いてみると、

「そりゃあファイバーコアの方が全然いいよ」

ということでした。

「私の若い頃は金属でやっていたが、最近はファイバーコアの方が質がよい」

というようなことをおっしゃっていて、別に高いお金を取りたくて言ってる訳とかではなさそうです。


どちらのおっしゃることが本当なのでしょう。



・ファイバーコアの説明のページに、「歯の状態によっては、使用できないことがある」とありますが、ファイバーコアが使用できないのはどんなときですか?

ファイバーコアの、「再治療が必要になった際の除去が比較的容易」という利点にとてもひかれるのです。

なぜなら、これで根の病気が治らなかったら、また再治療するわけですが、そのときコアが容易に抜けてくれれば、同じように差し歯ですむかもしれません。
金属のコアだったら、今度こそ抜歯!!になってしまうかも。
それだけは避けたいのです。


・ここの掲示板の過去ログを見たところ、ファイバーは脱落しやすいとも書かれていました。
本当ですか?


・ファイバーコアと金属のコアでは、どちらの方がたくさん歯を削るものですか?


以上3点、もしよろしければ何卒よろしくお願い申し上げます。


相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ハンカチさん
返信日時:2008-10-12 13:00:52
申し損ねましたが、は5番です。
回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2008-10-12 13:16:47
ファイバーコアのよい点は、と曲げ弾性率が同様で、歯根破折が起きにくい点だと思います。

しかしながら、私の場合は、長年の経験から、ファイバーコアを信用していません。

金属では、継ぎ目の部分を、裾野を広げるように破折を防ぐ工夫ができますが、ファイバーコアでは難しくなりますし、たとえ出来ても効果は薄いでしょう。

ファイバーコアの方が歯を多く削る可能性が高いはずです。

おそらくこの後に、全く反対の意見も出てくるでしょうが、エビデンスの得られにくい事例だと思います。

ということは実物を診ないと、的確な答えも難しいです。

たぶんファイバーコアの方が外れやすいし、大きいものでは使用出来ない可能性が高いと思います。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-10-12 23:41:34
ファイバーコア金属のコアでは、どちらの方がたくさんを削るものですか?

コアの作り方によって違います。

ファイバーコアの場合、直接法(口の中で直接作る方法)であれば削る量はかなり少なくなります。
間接法(型を取り、模型の上で作る方法)では、メタルもファイバーも変わりません。

>歯の状態によっては、使用できないことがあるとありますが、ファイバーコアが使用できないのはどんなときですか?

ここは、個人的な見解になりますので、そのつもりでおき聞きください。

前歯には、有効な方法だと思います。
臼歯大臼歯)には、ファイバーコアが本当に必要かどうか疑問が残ります。
前歯には歯根の方向にかかる力と横の力が大きくかかります。
この力に対してはファイバーの特性が生きてきます。

しかし、臼歯の場合は根の方向に大きな力がかかります。
そして、臼歯は前歯にくらべて大きな断面積があるため、横の力にも十分抵抗できます。
そのため、ファイバーの特性を期待しなくてもいいのではないでしょうか。

ファイバーコアの論文のほとんどが、単根歯(前歯)をモデルにしていたと思います。

私の場合は、ほとんどがレジンとADポスト(ステンレスのピン)でコアをつくます。

よほどのことがなければファイバーを使いません。

直接法や間接法、保険保険外の違いはありません。

すべてがこれに順ずるわけではありません。

メタルやファイバーどちらにしても、基本に忠実であれば特に問題は起こらないと思います。

過去の相談にも書かれていますが、メタルは歴史が長く実績があります。
しかし、ファイバーは歴史が浅くこれからの材料です。

私は、肯定的な考えを持っていますが、先のことはわかりません。


>申し損ねましたが、歯は5番です。

ハンカチさんの場合は、微妙な判断になります。

小臼歯は、確かに臼歯ですがかなり細いですから・・・。

拝見していないため、判断はできません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ハンカチさん
返信日時:2008-10-13 04:51:06
松山先生
ご回答ありがとうございます。

ファイバーコアにもさまざまな問題があるのですね。
すると、A先生の方が、コアのことに関して詳しいのでしょうか…。
非常に迷います…。



桜田先生
ご回答ありがとうございます。

直説法か間接法か、5番のであること…etc、総合的に言って「微妙なところ」というところなんですね。

少なくとも「とりあえずなんでもファイバーの方がいい」というわけではないところを見ると、B先生の見解は少し間違っているのかな…と思いました。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-10-13 05:52:55
ハンカチ さまおはようございます。

ファイバーコア金属のコアのどちらがいいかということですが、私はCR充填材と象牙質の接着について懐疑的な見解を持っています。

したがって以前はファイバーコアについては否定的に考えていました。

しかし私の友人の天川丹君が、少し前、歯科専門誌に垂直破折根の修復について論文を発表しました。

その手法は端的にいえば、歯根の破折部位を接着剤で接着して、補強としてファイバーコアを使用する方法です。

確か5年くらいの症例の蓄積があったように記憶しています。

以前の私の理解しているファイバーコアの使い方の違いは、象牙質との接着方法に、スーパーボンドという接着剤を使い支台となる部分にコンポジットレジンを使う方法です。

私はまだ始めたばかりなので症例数は少ないのですが、根が極端に短い症例を残さねばならないときには、接着剤の接着性に頼らなければなりません。

そのような場合は、適応症になりえるのではないかと考えています。

これからそのような条件のよくない症例については、患者さんの同意を得た上で使っていき、症例数を増やしていって良否を見極めていきたいと考えています。

参考になさってください。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ハンカチさん
返信日時:2008-10-13 06:11:42
山田先生
ご回答ありがとうございます。

CR充填
とはなんですか。すみません、検索しても出てきませんでした。


>破折部位を接着剤で接着して補強としてファイバーコアを使用する方法です。
あ…、それ、新宿歯科医院さんでなさっている方法ですね。


歯根が極端に短い症例を残さねばならないときには、接着剤の接着性に頼らなければなりません。
>そのような場合は適応症になりえるのではないかと考えています。

すみません、難しくて私にはこの文の意味するところがわかりませんでした。m(..;)m(「接着剤の接着性に頼る」(?_?))

全体の論旨としては、「ファイバーコアもいいよ」ということでしょうか。
破折した場合にファイバーコアを使うことの応用として、根菅治療のときのもいいのではないか、というようなことと理解していいでしょうか。

-------


本題とはまた別なのですが、5番の隣の4番(虫歯ではなく治療したことはない)も、コンコン叩くと痛むような感じが出てきたことに今気づきました。
真夜中(というか早朝)に、急激に不安に襲われてどうしたものか混乱しています。

慢性性根尖性歯周炎を治療しないまま、10ヶ月くらいになりますが、問題のである5番の痛みはほとんどなくなってきています。
が、こうして放置していると隣の歯の根っこまで同じ病気になることってあるのでしょうか。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2008-10-13 06:37:27
ハンカチさま判りにくい表現で申し訳ありませんでした。

CR充填材とはなんですか。すみません、検索しても出てきませんでした。

CR充填材:コンポジットレジンです、コアの場合はコア用コンポジットレジンと言います。

>それ、新宿歯科医院さんでなさっている方法ですね。

判りません、長野県の野辺山のかたです。

>すみません、難しくて私にはこの文の意味するところがわかりませんでした。
>m(..;)m(「接着剤の接着性に頼る」(?_?))

歯科用セメント象牙質への接着性能のことを指します、イメージで言うとアロンアルファで物をくっつけるイメージでしょうか。

>「ファイバーコアもいいよ」ということでしょうか。

おそらくいいと考えます、と言うのも、私の場合は症例数がまだまだ少ないので、メタルコアでは明らかに脱離のリスクが高い症例について適応、と考えて使い始めたばかりでだからです。

私は基本的にはメタルコアを使ってきたので、それでほぼ問題はなかったのですが、ここに来て歯根破折歯根長が確か9mmしか残っていない方がいらっしゃって、是非残してほしいとのことでお引き受けしました。

この方のコアをどうしようかと考えていた所、最近はじめた垂直的歯根破折で使い始めた方法を応用したらいいのではないかと考えて、今、患者さんに説明をしたところです。

今週返事が聞けるのでOKであれば応用するつもりです。

明日覚えていれば画像をUPします。

歯チャンでも、以前にこの方のレントゲンをUPしたように思います、歯根破折で検索すれば見つかるかもしれません。

>こうして放置していると隣のの根っこまで同じ病気になることってあるのでしょうか。

ありえません、おそらく心配のし過ぎと考えます。

歯根破折歯の修復 http://yamadashika.jugem.jp/?cid=143

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2008-10-14 13:28:43
松山先生のおっしゃられているように

「おそらくこの後に、全く反対の意見も出てくるでしょうが、エビデンスの得られにくい事例だと思います。」

ですね。

僕はこの3年間メタルコアは行っておりません。

基本が「ファイバーポストレジンコア」、または「レジンコア単体」、時々「既成金属ポスト+レジンコア」です。


ポスト&コアに関しては歯質の残り具合によって決めます。

簡単に言えば「がいっぱい残っていればポストは必要ない」です。

残存歯質が少なければポスト&コアは必要です。

歯がいっぱい残っていれば桜田先生のお書きになられたように、「直接法」と言う方法でポスト&コアを作ります。

これであれば、松山先生のおっしゃられている「ファイバーコアの方が歯を多く削る可能性が高いはずです。」は逆で、メタルコアの方が削る量が多くなります。
(直接法の場合アンダーカットがあっても良いため、便宜拡大は必要なくなります)



‥と、ドクターによって考え方も術式も様々です。

大学病院歯内療法科のA先生に治療をお任せするのであれば「状態によってはメタルコアもありうる」と言う事。

いや「自分は絶対にファイバーコアがいい」と決めていらっしゃるのであれば、いつも行く歯科のB先生に転医することだと思います。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2008-10-14 14:15:37
画像をUPしておきます。

画像1:初診時、歯根長が実測で9mm、メタルコアは困難と診断。
ファイバーコアを患者さんにはお勧めしています

画像2:エクストルージョン終了して骨のリモデリング終了時

画像1画像1 画像2画像2

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ハンカチさん
返信日時:2008-10-15 07:44:48
>山田先生
再度ありがとうございます。
コアについて、いろいろありがとうございました。

画像も、ありがとうございます。
歯根が9ミリでも、なんとかなることがあると知れて、嬉しいです。
いろいろな方法があるんですね。


>ありえません、おそらく心配のし過ぎと考えます。
ありがとうございます。
隣のを侵食することはないと聞いて、ほっと安心しました。



>タイヨウ先生
ご回答ありがとうございます。

ファイバーコアだと多く削るのならやめようかな…」と思っていたので、ご回答いただけて非常によかったです。


タイヨウ先生は、逆にファイバーの方が削る量が少なくてすむというご意見なのですね。
つまり、お医者さんによっては、ファイバーの方だと多く削って施術する方もいるし、金属だと多く削って施術する方もいるという感じでしょうか。

担当医さんに、ファイバーコアやセラミッククラウンの場合の削り具合を、うかがってみます。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2008-10-15 09:11:59
出遅れましたが・・・

基礎研究では、上から見たときにの3壁が残っている場合には、ファイバーコア(実際にはレジンコア+グラスファイバーポスト)で充分に強度を発揮できるといわれています。

しかし、歯の3壁が残っていないような場合には、メタルコアの方がよろしいとの事。

また、メタルコアとファイバーコアを比較した基礎研究では、その歯に荷重をかけた際には、メタルコア+歯の方がファイバーコア+歯よりも強度が上であるとの報告もあります。

反面、負荷が大きく加わった際に、ファイバーコアはパキパキ割れて外れるのに対して、メタルコアでは歯が折れます。


で、結論としては、歯が多く残っていればファイバーコア、歯があまり残っていなければメタルコアです。

私は、どちらも行いますが、メタルコアでいまだに折れたケースはありません。

ただ、無理をしてファイバーコアを行った場合に、コアが外れたことはあります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ハンカチさん
返信日時:2008-10-17 00:11:43
タカタ先生
ご回答ありがとうございます。

>しかし、の3壁が残っていないような場合にはメタルコアの方がよろしい

ああ、きっとA大学病院の先生はそのことをおっしゃってたんですね。
3壁が残るといいのですが。

>反面、負荷が大きく加わった際にファイバーコアはパキパキ割れて外れるのに対して、メタルコアでは歯が折れます。

前者の方がまだ怖くない気がしますが、微妙ですよね。


間をとって(?)金のコアというのはどうでしょうか。
回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2008-10-17 10:08:15
>間をとって(?)金のコアというのはどうでしょうか。

良いと思いますよ。

>つまり、お医者さんによっては、ファイバーの方だと多く削って施術する方もいるし、金属だと多く削って施術する方もいるという感じでしょうか。

でしょうね。

いずれにしても、担当の先生が得意な方法で治療されるのがベストな結果につながると思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ハンカチさん
返信日時:2008-10-17 19:11:47
タイヨウ先生
再びありがとうございます。

先生に、「金はどうでしょう」と聞きつつお得意な方法でお任せすることにします。


先生方、長々とありがとうございました。



タイトル [写真あり] ファイバーコアの削る量は?脱落は?使えない時とは?
質問者 ハンカチさん
地域 非公開
年齢 36歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ メタルコア(金属の土台)
ゴールドコア(金の土台)
ファイバーコア(プラスチックとファイバーの芯の土台)
支台築造その他
その他(写真あり)
お勧めの土台(コア)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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