歯科の不正請求の報道を見て、自分も過去にされていたと確信しました

相談者: カエルさん (29歳:女性)
投稿日時:2010-09-09 20:31:11
⇒参考:過去の相談
「歯医者でだされた領収書にある医学管理料とは何ですか」
「歯医者の領収書、指導料とは具体的に何をさすのでしょうか?」
他4件


いつも歯に関する膨大な情報ありがとうございます。

今回この記事(事件)を読み、私が少なくとも2回は不正請求されていた事、確信いたしました。

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札幌の84歳歯科医師、指定取り消し 診療報酬の不正請求で
 
北海道厚生局は6日、診療報酬を不正請求したとして、札幌市豊平区の渡辺歯科医院と渡辺澄子歯科医師(84)に対し、 保険医療機関の指定と保険医の登録をそれぞれ取り消すと発表。取り消し期間は4日から5年間。 同局によると、渡辺医師は2008年1月から09年12月までの約2年間にわたり、患者14人に対し、
来院していないのに診療したように装ったり、実際はしていない診療を付け足すなどして診療報酬約278万円を不正に請求した」
出典:北海道新聞(どうしんWeb)(2010/09/07)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/249830.html
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想像なのですが、こういったばれない程度の「過剰請求」は割りと多いのではないでしょうか?
先生方は、歯科の管理計画書を作成する際、患者様に同意を得ていますか?

正直、世の中に色々なお店がありますが、(内科、八百屋、美容院
洋服屋)、歯科程お会計の時にこわい思いをする場所はありません。
高額だからではなく、受けた診療行為以上のお金を払う場合があるからです。
(あったからです)

自分で点数について調べました。
う蝕処置18点すなわち180円なのですね。
低すぎると思います。

先生方が仰るとおり、患者から見ても、歯科の診療点数は低すぎるのではないか?と思うのです。

しかし、「過剰請求」はあってはならない事です。
年収が少ないと言っても、それ以下の庶民はたくさんいますので。
診療報酬の低さは歯科だけではなく、私たち患者にまで、害を与えると思います。

歯チャンネルの管理人の田尾先生の予防歯科には大変共感(?)いたします。
悪くなってからでは遅いのです。
治療する場所というより、学ぶ場所であっても良いと思います。
良い先生はたくさんいらっしゃるでしょう。
(私も1人出会いました)

しかし、「歯科」は私たちにとってまだまだこわい場所です。
おそらく先生方の仰るとおり、歯科の制度(?)に問題があるのだと思います。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-09-10 10:33:56
難しい問題ですね…。


僕も歯科大学を出て、初めて臨床現場のカルテを書いた時、解らない事だらけで戸惑いました。

当時(10年以上前)の歯科大学では治療法は教わりますが、保険請求の仕方は教わりませんでした。
(今もそうかもしれませんが…)

インレーが脱離した患者さんが来院されました。
麻酔をして、残ったセメント除去をして、虫歯を削って、神経保護をして、型取り咬み合わせを診て、仮封をして…。

カルテには

 キシロカイン  △点
 ○mlにて浸麻  △点
 セメント除去  △点
 齲蝕処置    △点
 間接覆罩    △点
 窩洞形成(複雑)△点

 連合印象    ×点
 咬合採得    ◎点

 仮封      0点

と書きました。


コレをご覧の歯科医の先生は爆笑でしょ。


△点というのは全て、保険点数表に記載されている点数です。

しかし全て「即日充填処置120点」と言う点数にまとめて請求するのが保険のルールだ、と当時の事務長にえらく怒られました。

で、書き直すと、

 即日充填処置 △点
 連合印象   ×点
 咬合採得   ◎点

とたった3行。
う〜む。
これが保険のルールなのか…と。



別の日、抜歯をしました。
新人の僕にはとっては難しく、なかなか抜けない歯で、結局1時間近くかかりました。

 難抜歯 ×点

と。


実はコレもダメ。

「難抜歯の定義がある」と言う事を知りませんでした。

新人1時間かかって抜いても、ベテランが5分で抜いても点数は変わらない…と。
上手な先生は早く抜歯ができるから、1時間当たり何本も抜歯できる=稼げる…と。
ま、これは妥当かなぁ。


新人ですからね、パッと見で診断できるはずありません。
レントゲンやら、各種検査やら、で、結果は「要観察」と言う事で終わることがしばしば…。

疾病の項目には「○○の疑い」が乱発。
で、当然、却下されるわけです。

「え〜。何の病気か解らないから検査して調べるんでしょ?」

「でも、ダメ〜。ま、月に1〜2件ならいいけどね」

という曖昧な回答(なんじゃそりゃ?)


と、歯科医であっても保険のルールは難しいのです。



また、ある時、東京の診療室に助っ人で呼ばれてお手伝いをした時。

「この請求はダメ。千葉では通るかもしれないけど、東京では通用しない。神奈川はもっと厳しいからね」

はぁ?
健康保険って全国一律ではないのか?

実は違うという事を初めて知りました。


2年に一度の保険改訂などでは「昨日まで算定できた処置が算定できなくなる」「制約や条件が増える」など偶数年の4月はてんやわんやになります。


厚労省のお役人さんも苦労して保険のルール作りをされているのでしょうが、それが実態に沿わなかったり、適応するには非常に厳しい条件を満たしていなければならなかったりと、現場とのギャップが激しいのは事実です。


以前、某議員さんが

「医科ではこの4年間で20の新技術が投入されました。
 しかし、歯科ではこの20年間で4つの新技術しか投入されませんでした。」

と言っていた事を思い出します。
 

僕はそんな保険のルールを考えながら診療するのが嫌になり、保険診療を辞退してしまったのですが、日本中の歯科医が保険を辞退したらどうなるでしょう?
(そんな思いをしながら続ける保険の先生はエライと思いますよ)


過剰請求や不正請求をする歯科医を容認するわけにはいきませんが、一概に「全ての歯科医が悪い」とは言い切れない事も事実でしょう。


保険のルールとは思っている以上に複雑で難しいんです。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-09-10 16:37:09
私も保険診療を辞退した歯科医です。
予防専門の医院なので、(厳密には)予防には保険が適用できない、という理由ですが。

ある先生は、こんな点数でまともな診療ができるか!とみんなで辞退するぐらいのことをしないと、制度が変わらないだろう、と。


今の医院を開業するずーっと前のこと、こんなことがありました。

夫(歯科医ではない)の同僚が、ある日の歯科治療費が高すぎると感じ、カルテの開示を請求し調べたところ、やられていない治療の請求があった、とのこと。

そのカルテを見せてもらったのですが、確かにやられていない処置でしたが、それは数百円(本人の負担にしたら200円程度)のことでした。

私は、ものすごい安い点数で治療していてるのだから、これぐらいの金額で文句言うことないだろう、と夫にコメントしました。

夫は、額の多い少ないではない!不正請求であることは変わりないだろう!と。

そのときは喧嘩になってしまったのですが、冷静になって考えてみると、夫の言う通りでした。
今思えば、恥ずかしい限りです。


当時の私の感覚は歯科医としてごく普通のものだったと思います。こういった感覚のずれは、ある程度存在するのかなあ、と。
もちろんいろんな歯科医がいますし、誰が悪いとかいうことでもなく。

予防がうまく機能して、歯の治療が減り、歯で苦しむ人が減り、歯科医は質の良い治療に専念できる、そうなるにはどうすればよいか、考える日々です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: カエルさん
返信日時:2010-09-10 17:54:19
先生方ありがとうございました。

私も収入が多ければ、このような投稿もしていなかったと思います。

担当の先生に面と向かって話す事も出来ない者なのでこのような場所で誰かに聞いてもらいたかったのです。
お金の事って、とても本人には言いにくいです。

素人が見ても、低すぎると思う診療点数、見直されることを願います。
(何だか偉そうですね、私^^;)



タイトル 歯科の不正請求の報道を見て、自分も過去にされていたと確信しました
質問者 カエルさん
地域 非公開
年齢 29歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ その他(歯科医師関連)
その他(保険と保険外)
治療費・費用
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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