歯科により大きな歯根のう胞の治療法提案が異なる (授乳中)

相談者: なおたさん (33歳:女性)
投稿日時:2011-05-31 20:29:47
右下6番の歯についてのご相談です。
歯科により治療法が異なり、大変困惑しています。
現在授乳中7ヶ月子供がおり、早く解決したくご回答頂ければ嬉しいです。


17年程前に神経を取り、痛みが無いまま根の先に大きく膿が溜まっていることが、レントゲンにてわかりました。

根管治療を週一10回程行い、造影効果あるの薬にて1本の歯の2本の根が原因と考えられました。

ただ、そのうちの1本には17年前に治療した際の器具の一部が残されており、器具を取り除ける可能性は20%と低く、治療できない為、1本抜歯を薦められました。


どうしても歯を残したく、前後の健康な歯にブリッジ等で傷つけたくないと伝えたところ、歯根端切除は膿が大きすぎて無理だろうとのことで、器具の入ってる根側を一部抜歯し、1本の歯へブリッジすることを薦められました。

ただ、授乳中は麻酔抗生物質の為避けたほうがいいとのことでした。



そこで、他院にも診てもらったところ、3回目の根幹治療後3日後に激痛があり、大学病院口腔外科を紹介されました。
そこでは、

「半分抜歯なんてナンセンス」

とのことで、1本抜歯+のう胞摘出の手術を薦められました。
そして授乳中でも手術は可能とのことでした。


現在も痛みがあり、授乳は止められない状況ですが、早く解決させたく、どの方法がよのか迷っています。

他の方の質問も拝見しましたが、歯を残すため根管治療→歯根端切除→抜歯とお見受けしました。

歯も残したい上、手術も怖く、上記の案の中では出来たら半分抜歯がいいのですが、膿が大きい場合、やはり抜歯+のう胞摘出が予後も考えると妥当なのでしょうか。


どうぞ宜しくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2011-05-31 21:51:47
治療法は医療機関の設備、術者の技量、得手不得手等で変わってくるのは当然です。
授乳中の麻酔、投薬もDrの考えにより変わってきます。


個人的な意見ですが、有る程度の大きさの嚢胞は摘出しかないと思っています。

また下顎の6番の歯根端切除は技術的に難しく出来るDrは少ないと思います。
となると抜歯→嚢胞摘出→再植(意図的抜歯再植術)が歯を残せる方法だと思います(可能かどうかはここでは判断できませんが)


不可能なら抜歯嚢胞摘出が一般的だと思います。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-05-31 21:58:36
そうですね…。

まあ、ヘミセクション(半分抜歯)もアリと言えばありだとは思いますが、僕はあまりやらないですね。



 〜〜 以下、私見です 〜〜


と、言うのも、例えば6番の近心根を抜歯した場合、D6Eと言うブリッジの設計になります。

6番は処置歯な事が多いですが、5番は意外と健全歯である事が多いのです。

そうすると、いくら6番の遠心根が残せると言ってもいわば「半分だけの歯」ですよね。
その代償として健康な5番を削らなければならない…と言うは大きすぎるような気がします。


もちろん患者さんの肉体的、精神的負担に加え、経済的負担も増えますが、健全な5番を守るために「1本抜歯→1本インプラント」を提案する事が多いです。


もちろん、5番が既に銀歯がかぶっているような場合は病変の大きさを見て1本抜歯かヘミセクションかを考えると思います。


なので、個人的なヘミセクショの適応基準として

 1 将来的にブリッジになる時の設計で、土台が既に処置歯
 2 病変の大きさがどちらかの根っこに限局している

と言う二つの条件を満たしている必要があります。


 〜〜 〜〜


上記の私見には「インプラント」と言う条件が入ってきますから、「最初からインプラントは考えない」と言う場合には考慮する余地が無いと言う事は付け加えておきます。


細見先生とかぶりました。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-06-01 11:05:25
当院にもそっくりなケースの患者さんが来院されて処置させて頂いたことがありますが、やはり両先生のおっしゃる通りで意見の割れるところですね。


一般的に、どこでどの様な先生が診ても妥当であろう考え方としては今提案を受けておられる、

抜歯 または 半分抜歯(ヘミセクション

になってしまうでしょうね。

もちろんどちらにも受け入れがたい様なデメリットがありますので、悩まれるのもよく理解できます。



特にヘミセクションについては、なかなかうまく行かないことが多いですしね・・。

参考⇒ヘミセクションの予後、成功率


歯並びによっては、ヘミセクションを丁寧に、歯ぐきをめくった状態で行った上で、矯正治療で隙間を埋めると言う方法も考えられる場合もあるかも知れませんが・・。

基本的にはやはりあまりうまくいく方法とは言えないかと思いますよ。



であれば、抜歯→ブリッジ or インプラントの方が比較的マシな気がしないでもないです。

ブリッジの場合、両隣の歯を削る以上は精密な治療でないと犠牲は大きくなりますが、きちんとしたブリッジが作って貰えるならそれほど悪いものでもないですよ。

健全な歯を削るのは確かにもったいないのですが、ブリッジの支えとして使うにはむしろ最高ですからね。

参考⇒精密な虫歯治療をしてくれる歯医者を探すには?



一般的ではない、特殊な解決策まで考えるとしたら、マイクロスコープを使って、専門的な先生に再度根管治療を行って頂き、特殊技術(?)でファイル(器具の名前)の除去を試みて頂くとか、細見先生のおっしゃる様に歯根端切除術をして頂くか、そんなところでしょうね。

これらはどちらも「根管治療の得意な先生」を頑張って探して相談してみる必要がありますし、高額になることも考えられますね。
(とはいえインプラントよりは安いぐらいだと思います)

参考⇒根管治療の専門医を探すには?


下顎6番の近心根はよく曲がっていますので、残存ファイルがカーブの先にあったりして、頑張ってもファイルが取れないことはありますね。

当院のケースでも、少し挑戦してすぐ諦めて、歯根端切除に切り替えました。



因みに「のう胞」であればきれいに摘出するべきなのですが、これは実際に摘出して病理組織切片を作らないと判断出来ませんから、逆に言えばファイルさえ取り除ければ根管治療で治らないとも言い切れません。

参考⇒歯根嚢胞で抜歯を薦められたが、根管治療で治せないでしょうか


一般的にはレントゲンで見て黒い影がなんとなく大きい=のう胞と診断する先生が多いのですが(その場合、根管治療は選択肢ではなくなり、摘出orのう胞ごと抜歯になりがち)、これは少々乱暴かと思います。



授乳中、というのがまたネックになる可能性も考えられるのですが、早く問題が解決するといいですね。

お大事にして下さい。




タイトル 歯科により大きな歯根のう胞の治療法提案が異なる (授乳中)
質問者 なおたさん
地域 非公開
年齢 33歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯根端切除術
根の病気(根尖病変・根尖病巣)
ヘミセクション(トライセクション)
根の病気・異常その他
授乳中の歯科治療
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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