根管治療可能かあるいは抜歯か? (海外)

相談者: lenaさん (49歳:女性)
投稿日時:2011-07-16 22:12:27
参考:過去のご相談
顎関節症の急性症状が起こったが、海外の医療事情ですぐ受診できない



以前に、投稿致しました歯の治療の件で、再度お尋ね致します。


現在、海外在住ですが、3年前に、日本に一時帰国した際、左上5番を歯根破折により抜歯、その前後の左上4番と6番の歯を合わせてブリッジを装着しました。

その後、噛み合わせに多少の不具合を感じていましたが、そのまま使用していました。


数か月前より、その辺りに、時折、軽い痛みを感じるようになり、昨年の12月に、滞在国の日本人歯科医を受診しました。

その際、撮影したパノラマレントゲン写真では、そのブリッジにしてあります左上6番の歯と、7番の歯の間の、6番よりの歯槽骨の辺り(根尖ではなく、少し脇側)に黒く写る病巣が見られましたが、先日の受診の際には、僅か半年間でしたが、その病巣が、根尖を通じて、さらに、反対側の5番との間の歯槽骨まで、広がっていました。


診察した歯科医のお話ですと、ブリッジを外して、中を観察したところ、肉眼では歯根破折は、見られないということでしたが、95%の確率で、根管治療は不可能であるので、抜歯をした方がよいと言うことでした。
ただし、外した冠からは、特に悪臭などはなかったそうです。

当該歯の根は、3本あるそうなのですが、そのうち2本は、先端まで通っておらず、薬が病巣まで浸透する可能性が少ないということでした。



3年前に、ブリッジを装着した際、当該歯に於いては、根管治療は行われませんでした。

ブリッジを装着しました日本の歯科医に、この治療について相談致しましたが、実際に顕微鏡で歯を見てみないと、レントゲン写真だけでは、何とも言えないということでした。

早急に治療ができ、またなお且つ、歯根破折がなければ、その歯を抜歯せずに、根管治療で、残せる可能性はあると仰います。



左上5番、6番とも歯が欠損した状態ですと、音漏れがする上、話しづらく、また、9月に滞在国で、重要な口頭試験が控えていることもあり、少なくともそれまでは、なんとか左上6番は、残したいと思っています。

また、現在、右側の顎関節症の悪化も見られ、咀嚼困難もありますので。



現時点では、滞在国の歯科医が、その状況を踏まえて、ブリッジの左上5番、6番のみを切り離し、6番に借り歯を装着して下さったので、左上5番だけが欠損した状態です。
ただし、試験終了後には、当該歯の抜歯を勧められました。

私としては、左上奥歯が2本欠損してしまうより、可能であれば、根管治療をして、当該歯を残したいという希望があります。


もし、根管治療が可能であった場合でも、試験が終わる10月まで、このまま放置した場合には、病巣がさらに進行し、根管治療不可能となり、抜歯せざると得なくなってしまう可能性は高いでしょうか。

今、たとえ当該歯欠損となっても、根管治療への希望を託し、8月に日本に帰国すべきか、それとも、10月まで待とうか、迷っています。


ご教示いただければ幸いです。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2011-07-17 08:50:17
ご相談ありがとうございます。

お口の状況が正確に分かりませんから、一般的に説明いたします。



>私としては、左上奥歯が2本欠損してしまうより、可能であれば、根管治療をして、当該歯を残したいという希望があります。


その歯は重要ですから、当然一生歯を残すたいと考えます。

対策として原因を探りますと、

病変の始まりが根尖ではなかったことから、歯周病の疑いがあります。
しかし、半年後の様子から、感染根管の疑いも出ています。
肉眼では確認できなくとも、歯根破折の疑いもあります。

もし残したい場合は、根管治療だけでは足りない気がします。
ただ、残念ながら最後の状況では一生歯を残すことは希望がもてない気がします。



>もし、根管治療が可能であった場合でも、試験が終わる10月まで、このまま放置した場合には、病巣がさらに進行し、根管治療不可能となり、抜歯せざると得なくなってしまう可能性は高いでしょうか。


放置は最悪を招く可能性はあります。
残せないばかりか、試験当日に腫れ上がったり痛んだりすることは予防したいものです。

10月までの延命処置は可能かもしれませんから、その旨ご担当の先生と相談されてはいかがでしょうか。



>今、たとえ当該歯欠損となっても、根管治療への希望を託し、8月に日本に帰国すべきか、それとも、10月まで待とうか、迷っています。


個人的な感想ですが、希望がもてればそれも良いでしょうし、そうでなければ重要な口頭試験への備えに比重を置いて、現地にて応急処置でしのぐのも良いでしょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: lenaさん
返信日時:2011-07-17 19:38:02
さがら先生

この度は、お忙しい中、ご教示を有難うございました。

余談ですが、国際ビルはとても懐かしいです。
20年以上前になりますが、よく地下の食堂街に、昼食を取りに行っていました。近くに職場がありまして。。。


さて、先生、延命処置とは具体的にどのような処置になるでしょうか。

今回、治療された先生は、ブリッジを外した際、当該歯の中に、お薬を入れておきましたと仰っておられましたが、それは、延命処置になるでしょうか。
それから、炎症が起きた場合に服用するようにと、抗生剤、クラリスロマイシンを処方して下さいました。


ただ、今回の診察では、歯を支えている歯肉(特に、頬側)も腫れているということでした。

3年前にブリッジを入れて頂いた日本の先生は、レントゲンの病巣の進行から言って、歯根破折の可能性が高いと言っておられます。
歯を残したいのであれば、8月に帰国する方が望ましいと。



生憎、今回治療をされた先生が、夏季休暇のため、7月下旬から3週間程休診なので、緊急に治療が必要な場合は、日本へ帰国しようと思っております。

ただ、歯根破折の場合ですと、その時点で、抜歯となってしまいますので、試験のこともありまして、決断がつかずにおります。


先生、今回、歯の中に入れたお薬だけでは、10月まで引き延ばすことは、難しいでしょうか。
お薬が入っていても、やはり、時々軽い痛みが出ます。


それから、さがら先生が仰られた、根管治療だけでは不十分とは、具体的に後どのような治療が必要になってくるのか、お教え頂けますか。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-07-21 05:54:18
lenaさまおはようございます。

ブリッジの支台となっている左上無髄歯の6番の歯根の周りに骨の欠損と考えられる陰影がでてきて、抜歯を勧められているようですね。

実際に診察したわけではないので推測にはなりますがその点はご容赦ください。


先ずレントゲン的に骨に陰影ができているということは何らかの原因で炎症が起きていて骨が吸収してきていると考えます、歯周病でない限り歯根膜は健全と考えていいので、個人的には炎症の原因を排除できれば保存は可能だと考えます。

最初に考えることは通法通り感染根管治療になるでしょう、歯根破折であれば接着修復ということになります。


根管が開かないで尚且つ根尖に病巣があれば意図的再植をすることになるでしょう、万策尽きて抜歯せざるを得なければ移植を考えますこれもかなわなければ2本欠損のブリッジになるでしょう。

個人的には中間2歯欠損はインプラントは避けたほうがいいと考えています、参考になさってください。


根管治療 
http://yamadashika.jugem.jp/?cid=30

意図的再植法 
http://yamadashika.jugem.jp/?cid=189

歯牙移植 
http://yamadashika.jugem.jp/?cid=196

内部接着修復
http://yamadashika.jugem.jp/?cid=193

外部接着再植法
http://yamadashika.jugem.jp/?cid=161

【※編集部注】

ここで記載されている接着修復は、『根管長測定器併用根管内部接着法』(根管内部接着法)という特殊な方法です。

詳細はこちらの相談の[回答6]をご覧下さい。

歯の根元が割れているかもしれないと言われた








相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: lenaさん
返信日時:2011-07-23 05:36:31
山田先生、

お忙しい中、ご回答を頂きまして、大変有難うございました。

先生のご回答を拝読して、当該歯を残すことに、少し希望が持てました。


山田先生が、仰られています、内部接着修復や、外部接着際触法、意図的際触法、歯牙移植などは、これまで、あまり耳にしたことがなかったのですが、普通の歯科でもこれらの治療は、行っていただけるのでしょうか。

それとも、大学病院などの医療施設を受診しなければならないでしょうか。



また、山田先生が仰られておりますが、中間2歯欠損の場合、インプラントにしない方がいいのは何故ですか。

それから、臼歯の中間2歯欠損で、ブリッジにする場合、4本ブリッジと、5本ブリッジとでは、どちらがよいのでしょうか。

1年でも長く、自分の歯を残したいと願っております。
引き続きご教示を頂けましたら幸いです。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-07-26 19:02:43
大学病院などの医療施設を受診しなければならないでしょうか。

引き受けていただけるDrを探すことになります。


>中間2歯欠損の場合、インプラントにしない方がいいのは何故ですか。

遊離端ならいざ知らず、ブリッジが出来るからです、もちろん4本ブリッジです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: lenaさん
返信日時:2011-07-30 06:31:57
山田先生

お忙しい中、ご回答を有難うございました。

引き受けて頂ける先生を探すということは、一般的な歯科診療ではないと解釈していいのでしょうか。

そうなると、保険の問題が出てきますね。


当該歯を残せない場合、私も、山田先生が仰られるように、4本ブリッジにしたいのですが、滞在国の主治医は、5本ブリッジにすると仰います。

4本ブリッジにした場合と5本ブリッジにした場合のメリット、デメリットをお教え頂けますか。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2011-07-30 09:21:38
おはようございます。

>一般的な歯科診療ではないと解釈していいのでしょうか。

一般的かどうかについては判りかねますが、私の中ではごく一般的な方法になります。



>4本ブリッジにした場合と5本ブリッジにした場合のメリット、デメリット

メリットについては支台歯が2本なので適合精度は上がります、また削る歯も2本で済みます、デメリットはないと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: lenaさん
返信日時:2011-08-03 18:57:23
山田先生

お忙しい中、重ねましてのご回答を大変有難うございました。

4本ブリッジのデメリットはないということなので、もう一度、主治医にご相談してみたいと思います。


それから、治療時期についてですが、現在、当該歯の歯槽骨あたりにあります病巣が、歯の全体を覆う様に広がってきていて、頬側の歯肉も少し腫れているようなのですが、このままの状態を10月まで放置した場合、根管治療はおろか、菌が全身に回ってしまい、健康上問題が生じることは考えられるでしょうか。


現在は、滞在国の主治医が、当該歯の中にお薬を詰めて、一本の借り歯を被せている状態になっております。

また、痛みが出た時は、抗生剤(クラリスロマイシン)を服用しています。

ご回答を頂ければ幸いです。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2011-08-07 04:23:27
おはようございます。

文面から推測すると急性炎症を起こしつつあるような気も致します、どのようにするのがいいのかについてまではなんともいいかねます。

ここは診察していただいてご自身の希望をお伝えになったうえで主治医の指示に従ったほうがいいように思います。



>菌が全身に回ってしまい、健康上問題が生じることは考えられるでしょうか。

ありえません。

痛みが出た時は診察していただいて適切な処置を受けていただくのがいいように思います、お大事になさいませ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: lenaさん
返信日時:2011-08-07 19:28:08
山田先生、

お忙しい中、ご教示を頂きまして、大変有難うございました。
色々と参考になりました。

菌が全身に回ることはないと伺い、安心致しました。
主治医が現在、3週間の夏季休暇中なので、少し心配をしておりました。


できれば、居住地周辺に掛かり付け医を持ちたいと思うのですが、海外だと、やはり言葉の面での不安もあり、新幹線で7時間かけても、日本の先生に診て頂けたらと考えてしまいます。

また、何かありました時には、ご助言いただければ幸いです。


この度は、本当に有難うございました。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2011-08-07 20:56:52
返信が遅くなりました。

すっかり見落としていてすみません。
一寸前の質問からさか上って回答します。

解決済みになってしまっているようで、お目にとまればいいのですが。


国際ビル内は当時と比べれば店舗や雰囲気ががらりと変わってしまいました。
周辺も一般の人が訪れるようになり、殺風景なビジネス街から賑やかな街へと変貌しています。




>さて、先生、延命処置とは具体的にどのような処置になるでしょうか。


歯周病感染根管歯根破折の疑い、それぞれの原因に対して行います。



>今回、治療された先生は、ブリッジを外した際、当該歯の中に、お薬を入れておきましたと仰っておられましたが、それは、延命処置になるでしょうか。


具体的なことが分かりませんから、何ともお答えしようがありません。


>それから、炎症が起きた場合に服用するようにと、抗生剤、クラリスロマイシンを処方して下さいました。


それは急性炎症に対して延命処置となります。



>ただ、今回の診察では、歯を支えている歯肉(特に、頬側)も腫れているということでした。


歯周病、感染根管、歯根破折の疑い、全部に共通した症状となり、それだけでは区別が付けられません。
少なくともどれが原因であっても、軽い症状とは言えません。



>3年前にブリッジを入れて頂いた日本の先生は、レントゲンの病巣の進行から言って、歯根破折の可能性が高いと言っておられます。
>歯を残したいのであれば、8月に帰国する方が望ましいと。


その可能性であったとして、その歯を残すという治療が延命処置であるのか、根本的処置であるのかは分かりません。
ご担当の先生に伺うと良いと思います。



>先生、今回、歯の中に入れたお薬だけでは、10月まで引き延ばすことは、難しいでしょうか。お薬が入っていても、やはり、時々軽い痛みが出ます。


痛みが残っているならば、その薬だけでは足りないのかもしれません。
先ほどの内服薬は、そういうときに我慢できなければ役に立ちます。



>それから、さがら先生が仰られた、根管治療だけでは不十分とは、具体的に後どのような治療が必要になってくるのか、お教え頂けますか。


あと二つの原因、歯周病と歯根破折の疑いに対しての処置を意味します。

内容はお口の状況により異なり、ここで方法を決めることはできません。
仮歯にしていただいた時点で、対応がされているかもしれません。



>菌が全身に回ってしまい、健康上問題が生じることは考えられるでしょうか。

重篤疾患があり得ると報告されています。

長期的には全身の内臓に影響が報告されていますが、もし仮に最近発症したのであれば、10月までではそれに関しての症状は出ないかもしれません。


その間に影響が出ると考えられるのは、それらの疾病よりやや軽い影響として、ひどい風邪の症状です。

その予防には、歯周病があればそれに対する応急処置をしていただくことと、口腔内を清潔にケアすることと、あまり薬剤に頼らない健康法を励行することが効果的です。




タイトル 根管治療可能かあるいは抜歯か? (海外)
質問者 lenaさん
地域 非公開
年齢 49歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療の治療法
根管治療に関するトラブル
ブリッジその他
海外その他
根の病気(根尖病変・根尖病巣)
歯根破折
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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