咬合高径の低下と顎関節にかかる力の関係について

相談者: hrgfさん (27歳:男性)
投稿日時:2013-09-16 22:51:28
お忙しいところ失礼します。


咬合高径が低くなると、顎関節症になりやすくなる、というような情報を歯科医院やネット上で見たり聞いたりすることが多く、以前からなぜなのか、どういうメカニズムで顎関節に力がかかるようになるのかかなり気になっています。

自分なりに調べたのですが、閉口筋の頭蓋骨への付着の仕方からして、下顎頭噛み合わせが低くなると後ろに下がっていくような感じはするな、と考えたのですが、それによって下顎頭が下顎窩にぶつかることになるからそれによって顎関節症になる可能性が大きくなる、ということなのでしょうか。


ほぼ素人が書いていることなので、あまりにも的外れなことを言っていたらすみません。
[過去のご相談]


回答 回答1
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2013-09-16 23:15:48
咬合高径が低くなる

どのようなイメージをお持ちでしょうか?
例えば、奥歯歯冠長が短くなっている状態でしょうか?奥歯を失って上下の歯茎が互いに接近してきた状態でしょうか?



>咬合高径が低くなると、顎関節症になりやすくなる

もし、’原因’が咬合高径が低くなる事で、’結果’が顎関節症になるのでしたら、前述の「咬合高径が低くなる」のを防いであげると顎関節症にはならない事になりますね。或いは、「一旦、顎関節症になった方の咬合高径を元に戻してあげると治癒する」かもしれませんね。

でも、もし仮に、「顎関節症になる(原因)と、咬合高径が低くなる(結果)」でしたら如何でしょうか?


また、仮に、「咬合高径が低い」と「顎関節症」とが同時に認められる事象であっても、各々に直接の因果関係が無い場合もあるかもしれません。

大変興味あるご質問だと思います。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2013-09-17 01:24:50
よく勉強されていらっしゃると思います。

かみ合わせが大きな要因であるといわれていた以前は、初めから、歯を削って、治していたのですが、咬みあわせは、単なる要因の1つでしかないと変わった今は、削らなくても、ほとんどが治っている様です。

これは、色々な要因を取り除いた後に、それでも解決しない場合、最後の手段として歯を削るという考えです。



ここからは私見です。

一方、歯を削るのが好きな先生たちは、咬合高径が低くなると、顎関節症になりやすくなるという考えを強く前面に押し出して、歯を削っている様に感じます。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2013-09-17 06:33:49
西山です

咬合高径が低くなると、顎関節症になりやすくなる、というような情報を歯科医院やネット上で見たり聞いたりすることが多く

そもそも、この理論が正しいかということが問題だと思いますが。
年齢を重ねるとともに、歯はすり減ってきますし移動も生じます。それに伴い咬合高径は低下してゆきます。

では、顎関節症の患者数はどうなのかというと、20〜30歳代がピークで、それ以降では患者数は減少してゆきます。
咬合高径の低下と一致するわけではありません。


ただ、短期間で無理やり低くしたり、極端に低くしたら影響はあるかもしれません。

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回答 回答4
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2013-09-17 17:44:41
>短期間で無理やり低くしたり、極端に低くしたら影響はあるかもしれません。

個体差が大きいと思いますが、おそらく影響の無い(何も感じない)方の方が大多数ではないかと個人的には推測します。


影響のある、たぶん少数の方は、低くする以前に何か他の因子をお持ちだったものと推測します。そして、この最後の’引き金’の役割を果たした因子はあたかも非常に大きな影響を与えたかのように見えると思います。

この際、「低くしたことが原因だから、元通りに高くすれば大丈夫!」と考えられる方々もいらっしゃるようです。
hrgfさんはどのようにお考えでしょうか?

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: hrgfさん
返信日時:2013-09-18 01:16:11
先生方、懇切丁寧に回答していただきありがとうございます。


西山先生のご回答の、

>年齢を重ねるとともに、歯はすり減ってきますし移動も生じます。それに伴い咬合高径は低下してゆきます。
>では、顎関節症の患者数はどうなのかというと、20〜30歳代がピークで、それ以降では患者数は減少してゆきます。
>咬合高径の低下と一致するわけではありません。

という部分は、単純に不思議だなあと思いました。
神経的な敏感さが関係しているのでしょうか。

結局のところ、個人的に一番気になっているのが、咬合高径が低くなると(極端な例でいうと奥歯が全て無くなってしまったような場合)、下顎は後方に押し込まれるように下がるようになり、下顎窩の後部の骨にぶつかるようになるのではないかというような、顎関節症に対する不安が混じったような、顎の動きのメカニズムに対する単純な疑問なのですが、そのようなことは単純には言い切れる問題ではないのでしょうか。

わかりづらい文章になってしまい申し訳ありません。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2013-09-18 06:02:41
西山です

>>20〜30歳代がピークで、それ以降では患者数は減少してゆきます。
咬合高径の低下と一致するわけではありません。
>という部分は、単純に不思議だなあと思いました。

つまり,噛み合わせや咬合高径の変化が顎関節症の主な原因とは言えないということです.
顎関節症は筋骨格系の障害ですので,やはり顎関節や筋肉に対する余計は負担(力)が直接的な要因になる可能性が高いと考えています.




>咬合高径が低くなると(極端な例でいうと奥歯が全て無くなってしまったような場合)、下顎は後方に押し込まれるように下がるようになり、下顎窩の後部の骨にぶつかるようになるのではないかというような、顎関節症に対する不安が混じったような、顎の動きのメカニズムに対する単純な疑問なのですが、そのようなことは単純には言い切れる問題ではないのでしょうか。

臼歯部がすべてなくなった状態で,そこに対して何も処置(義歯などの装着)せず,さらに非機能状態(食事以外)で歯を噛み合わせている時間が長いような状況が重なると,顎関節部に負担はかかるでしょう.


ただ,顎関節部に負荷がかかるからと言って,必ずしも顎関節症が生じるとは限りません.

リモデリングといって骨は常に吸収と添加を繰り返して新しくなっていきます.
その際に新しい環境にあわせてその形も変化してゆきます.
これは適応変化ですのであまり問題にはなりません.


ときどき,下顎の回転中心は頸椎部にあるが,咬合高径が低下するとその位置がずれてしまうので,咬合を高くする必要があるというようなネット広告を見ますが,これについても信頼できる科学的根拠があるわけではありません.

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タイトル 咬合高径の低下と顎関節にかかる力の関係について
質問者 hrgfさん
地域 非公開
年齢 27歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 噛み合わせ(咬合)その他
顎関節症
回答者




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