ジルコニアの破壊靭性
相談者:
はくしゃくさん (32歳:男性)
投稿日時:2015-11-22 09:50:52
ジルコニアが歯ch掲示板に登場して9年になるので、臨床実績で10年程度はあるかと思います。
歯科材料としてのジルコニアは、二酸化ジルコニウムに酸化物を混ぜ、安定化させたものを含むと思いますが、その酸化物の種類や割合、またはその製法により、硬さや粘り強さといった特性は大きく異なると認識しています。
硬度は咬合歯のことを考えると、表面にジルコニア以外の柔らかいセラミックスをコートした方がいい程、充分なものなので、問題は陶材としての靭性にあろうかと考えます。
10年あれば各社色々な製品を開発するかと思いますが、比較しているものがあまりなく、少し調べたところ、このナノジルコニアというものが高い破壊靭性を持つようです。
* http://www.grossart.jp/page007109.html
そこで質問なのですが、このナノジルコニアは実用化されていますか?
これよりも高い靭性を持つジルコニアはありますか?
また、現在主流のジルコニアの破壊靭性はどの程度ですか?
以上、ご回答よろしくお願い致します。
歯科材料としてのジルコニアは、二酸化ジルコニウムに酸化物を混ぜ、安定化させたものを含むと思いますが、その酸化物の種類や割合、またはその製法により、硬さや粘り強さといった特性は大きく異なると認識しています。
硬度は咬合歯のことを考えると、表面にジルコニア以外の柔らかいセラミックスをコートした方がいい程、充分なものなので、問題は陶材としての靭性にあろうかと考えます。
10年あれば各社色々な製品を開発するかと思いますが、比較しているものがあまりなく、少し調べたところ、このナノジルコニアというものが高い破壊靭性を持つようです。
* http://www.grossart.jp/page007109.html
そこで質問なのですが、このナノジルコニアは実用化されていますか?
これよりも高い靭性を持つジルコニアはありますか?
また、現在主流のジルコニアの破壊靭性はどの程度ですか?
以上、ご回答よろしくお願い致します。
回答1
E Eデンタル(愛知県豊橋市)の井野です。
回答日時:2015-11-25 13:28:45
たぶん回答は付かないと思いますよ、我々開業医レベルだとそこまで気にして使っていませんね。
またメーカーの数値も同一条件下ではありませんし、疑わしいものもあると聞きます。
気になれば歯科大学の理工などに問い合わせてもらった方がいいと思いますよ。
材料が強ければ歯が長持ちする訳でもありませんし、再治療になった際に外すのが厄介であるのも事実です。
ある面、人工物が歯より弱いというのも歯を長く使えるようにする考えの一つです。
ここで聞くより一度歯科大学の歯科理工学などに問い合わせてみてください。
おだいじに
またメーカーの数値も同一条件下ではありませんし、疑わしいものもあると聞きます。
気になれば歯科大学の理工などに問い合わせてもらった方がいいと思いますよ。
材料が強ければ歯が長持ちする訳でもありませんし、再治療になった際に外すのが厄介であるのも事実です。
ある面、人工物が歯より弱いというのも歯を長く使えるようにする考えの一つです。
ここで聞くより一度歯科大学の歯科理工学などに問い合わせてみてください。
おだいじに
相談者からの返信
相談者:
はくしゃくさん
返信日時:2015-11-26 01:00:45
井野先生、
ジルコニアは再治療が厄介で、過去の回答からも、まず硬すぎて削ることも難儀する、ということが分かりました。
そう考えると、最も高価であるが最も適した材料である、という私の認識は改める必要がありますね。
また開業医の方々が気にしていないのなら、患者が違いを理解し選択する、ということも起こり得ないので、メーカー側も改良する原動力とならず、例えば柔らかいけど粘り強くて、耐衝撃性もあるみたいな、より適したものがすぐに登場する土壌にない、ということも判りました。
鉄に炭素が含有したものでも、鋳鉄と鋼じゃ雲泥の差なので、十数万もするならばそれがどういうタイプのジルコニアなのか、知りたいと思うのは私の中では普通ですが、一般的にはマニアックすぎるのかも知れませんね。
治療の本質ではないので、深追いするのは止めておきます。
ありがとうございました。
ジルコニアは再治療が厄介で、過去の回答からも、まず硬すぎて削ることも難儀する、ということが分かりました。
そう考えると、最も高価であるが最も適した材料である、という私の認識は改める必要がありますね。
また開業医の方々が気にしていないのなら、患者が違いを理解し選択する、ということも起こり得ないので、メーカー側も改良する原動力とならず、例えば柔らかいけど粘り強くて、耐衝撃性もあるみたいな、より適したものがすぐに登場する土壌にない、ということも判りました。
鉄に炭素が含有したものでも、鋳鉄と鋼じゃ雲泥の差なので、十数万もするならばそれがどういうタイプのジルコニアなのか、知りたいと思うのは私の中では普通ですが、一般的にはマニアックすぎるのかも知れませんね。
治療の本質ではないので、深追いするのは止めておきます。
ありがとうございました。
回答2
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2015-11-26 11:36:50
そうですね。
井野先生の書かれているように我々開業医はあくまでも「ユーザー」です。
「メーカー」の作ってきた製品に対し、良い悪いの評価や「もっとこうした方が良い」等のアドバイスをする事はあっても製品の成分や組成、配合に対して口出しをすることはありません。
(それは研究者の仕事です)
F1レーサーもタイヤメーカーに「もっとこうした方が良い」と開発協力をすることはあっても実験、研究レベルの話に口出しすることは無いと思います。
歯科医もF1レーサーもメーカーから供給された製品をベストな状態で使いこなし、結果を出すことが仕事です。
歯科医院の患者さんもF1を見るお客さんもその結果に「期待を託す」事しかできません。
歯科医とF1レーサーの違いは販売されている製品を見て供給先のメーカーを自身の診療スタイルに合わせて「選択することができる」ことくらいでしょうか。
>それがどういうタイプのジルコニアなのか、知りたいと思うのは私の中では普通ですが、一般的にはマニアックすぎるのかも知れませんね。
「知りたい」と言う事で調べられるのは一向に構わないと思います。
(僕も車に対してはマニアックに調べる方だと思いますから)
しかし「その意見がメーカーの供給する製品に対して影響を及ぼすことはない」と言う事実は変わらないと思います。
井野先生の書かれているように我々開業医はあくまでも「ユーザー」です。
「メーカー」の作ってきた製品に対し、良い悪いの評価や「もっとこうした方が良い」等のアドバイスをする事はあっても製品の成分や組成、配合に対して口出しをすることはありません。
(それは研究者の仕事です)
F1レーサーもタイヤメーカーに「もっとこうした方が良い」と開発協力をすることはあっても実験、研究レベルの話に口出しすることは無いと思います。
歯科医もF1レーサーもメーカーから供給された製品をベストな状態で使いこなし、結果を出すことが仕事です。
歯科医院の患者さんもF1を見るお客さんもその結果に「期待を託す」事しかできません。
歯科医とF1レーサーの違いは販売されている製品を見て供給先のメーカーを自身の診療スタイルに合わせて「選択することができる」ことくらいでしょうか。
>それがどういうタイプのジルコニアなのか、知りたいと思うのは私の中では普通ですが、一般的にはマニアックすぎるのかも知れませんね。
「知りたい」と言う事で調べられるのは一向に構わないと思います。
(僕も車に対してはマニアックに調べる方だと思いますから)
しかし「その意見がメーカーの供給する製品に対して影響を及ぼすことはない」と言う事実は変わらないと思います。
回答3
相談者からの返信
相談者:
はくしゃくさん
返信日時:2015-11-28 14:56:38
櫻井先生、
ありがとうございます。
我々患者は期待を託す事しかできないので、(同着は通常ありえませんから)どのチームを選択するかが結果を左右しますね。
自分が関わるレースなのに興味が薄く、何位でもいいからゴールしてくれという人もいますが、私はやはり順位を一つでも上げて貰いたいです。
そのためタイヤ一つから、外野でガヤガヤ言ってますが、メーカーへのフィードバックが働く土壌になければ、より良いものは生まれにくいですね。
高田先生、
模造ダイヤを削るには人工ダイヤ、ということですね。
材料に合わせて、道具も選択すれば問題ないこと、解りました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
我々患者は期待を託す事しかできないので、(同着は通常ありえませんから)どのチームを選択するかが結果を左右しますね。
自分が関わるレースなのに興味が薄く、何位でもいいからゴールしてくれという人もいますが、私はやはり順位を一つでも上げて貰いたいです。
そのためタイヤ一つから、外野でガヤガヤ言ってますが、メーカーへのフィードバックが働く土壌になければ、より良いものは生まれにくいですね。
高田先生、
模造ダイヤを削るには人工ダイヤ、ということですね。
材料に合わせて、道具も選択すれば問題ないこと、解りました。
ありがとうございます。
タイトル | ジルコニアの破壊靭性 |
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質問者 | はくしゃくさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 32歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
材料・機材関連 ジルコニアクラウン |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。