神経を残す治療としてドックスベストセメントやMTAが普及しない理由

相談者: kira-kiraさん (50歳:女性)
投稿日時:2020-05-06 18:28:17
なるべく歯の神経を残す治療として、ドックスベストセメントMTAセメントを見ましたが、これらはあまりまだ日本では普及していないようですが.

治療後経過観察してうまくいく場合とそうでない場合もあることなどもネットで見ましたが、治療法として選択するのは、自費診療などもあって普及しないのでしょうか?

メリット、デメリットが知りたいです。


よろしくおねがいいたします


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2020-05-06 21:08:39
こんにちは。


ドッグスベストセメントMTAセメントもこのサイトでは何度かご質問があり何度か回答していますから、過去のものも是非参考にしてみてください。


日本で普及するか?しないか?は保険適用になるか?ならないか?でかなり変わります。

保険適用になってももちろん普及せず終わる治療法もありますが、それは販売業者が頑張ってみたが臨床的には上手く使えなかったものという事になります。


ドッグスベストセメントはアメリカの会社(しかもマイナーな)が販売している製品ですから、アメリカでもほとんど普及していないと思います。

日本では薬機法に通っていない製品は歯科医の責任の元個人輸入する事になりますから、輸入代行業者を経由して輸入し使われていると思います。


販売元の説明では昔あったカッパーセメントを改良したセメントだということです。
ですから使いやすいのですがきちんとした研究はされていないという印象があり評価は限定的(ある意味低い)だと思います。

日本の場合薬機法を通す為にはきちんとした研究がなければ駄目ですし、研究してもらう為にはお金が必要ですから虫歯を完全に取らないで殺菌しますよというような製品を研究する所は無いでしょうし、お金をかけなくてもある程度売れるのですから販売業者も研究依頼する気も無いのでしょう。


MTAセメントは、韓国の大学が販売したのが最初だったと思います。
基礎研究が丁寧にされていて評価が高まったので日本の業者も研究して日本でも販売されるようになっていると思います。

MTAセメントはモルタルセメントがベースでそこから害があると考えられる成分を無くした物だと思います。
ろ髄した時に使うと予後が期待出来ると思います。

保険適用のセメントもありこちらはMTAセメントを混ぜた物だと思います。


他にも学会が昔から推奨し大学でも習う薬剤として水酸化カルシウム製剤がありこちらは何処の歯科医院にも置いてあります。

なるべく歯の神経を残す治療には色々コツがあり実際にはアルカリ性が長期に続くセメントならば何でも良いのだと思います。

無菌的に治療出来て長期にPHが高く適度なミネラル補給か刺激が続けば歯髄が反応して、厚い象牙質を作ってくれる事で生体が防御壁を作ってくれれば良いとされています。

そしてある程度の物性があり死腔や漏洩がない状態を作れれば良いのだろうと思っています。


そういう意味で歯科医が使いやすく扱い慣れている物を上手く使って出来るだけ歯髄を保存する治療になるように、細い技術を色々かけてくれれば良いのだと思います。


とはいえ、そういう事では患者さんには分かりにくいわけですからわかりやすいようにセメントの名前が一人歩きしているのだと思います。

ネット検索では歯科医の技術や細い注意等は最も表に出にくいですからキャッチーな製品名が必要だったのでしょう。

MTAでもドッグスベストセメントでも何でもよいので出来るだけ歯髄を温存するように工夫して治療を行っていますよという所を選択されておくと良いだろうと思います。


以前の質問の楔状欠損であれば、きちんと防湿してレジン充填が上手いですという歯科医院が良いでしょうからラバーダムダイレクトボンディングを検索ワードにされる方が良いかもしれませんね。

深い虫歯の神経を残す治療はなかなか難しいですから、殺菌作用があるドッグスベストセメントを用いている場合も食事指導を組み合わせる必要があるといわれることもあります。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kira-kiraさん
返信日時:2020-05-06 21:58:33
船橋先生、大変丁寧に教えていただき本当にありがとうございます!!


ドッグスベストセメントMTAセメントでこのサイト内で検索してみたのですが、なぜか表示がされなくて、お答えいただいて大変助かりました。


ダイレクトポンディングというのは初めて聞きました。
ネット検索すると地元石川でもしているところはあるようですが、あまり採用されていないのか2件のみのヒットでした。

大変助かりました 奥歯は無理なようですが、前歯ならば大丈夫と見受けました。



>なるべく歯の神経を残す治療には色々コツがあり実際にはアルカリ性が長期に続くセメントならば何でも良いのだと思います。
>無菌的に治療出来て長期にPHが高く適度なミネラル補給か刺激が続けば歯髄が反応して厚い象牙質を作ってくれる事で生体が防御壁を作ってくれれば良いとされています。
>そしてある程度の物性があり死腔や漏洩がない状態を作れれば良いのだろうと思っています。

上記についてですが、ドッグスベストセメントやMTAセメントは石灰化をしてくれて歯が再生するのかと思いましたが、こだわらなくても一般歯科の範囲でもミネラル補給など歯の再石灰化などのドッグスベストセメントなどと似たような作用があるということでしょうか?


先生のような丁寧で親切な先生が近くにいるとよいのですが。
先生の医院のホームページ見させていただきましたが、先生のところでも取り扱いされているようでびっくりしました。
偶然でした。

テレビで紹介された小峰一雄医師の本から知ったのですが、そちらの本で取り扱い院を紹介していましたが、今は色々なルートではいってきているような感じなのかと思いました。


くさび状欠損のことも覚えてくださっていて、ダイレクトポンディングを教えていただいてありがとうございました。
初耳でした。
本当に感謝いたします。

お忙しいところご返事いただいて助かりました。
感謝致します。

ご無理でなければまたご返答いただければと存じます。
本当にありがとうございました!!
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2020-05-06 22:05:49
ドッグベストセメントは、ハッキリ言ってマーケティング戦略ですね。

差別化して集客しようとしてるモノ、です。

内容的にどれだけ評価できるのかは不明です。


対してMTAは、色々研究されてますし、歯髄温存に世界的にも認められているモノです。

但し、どちらのものもやる先生の治療の実力で、相当の差が出る、と理解されて下さい。

適当にやってるのか、しっかりやってるのか、はネットでは分かりません。

こればかりは、どの業界、仕事でもブラックボックスですね。



かなり昔のアンケートですが、歯科医に自分は普通より上だと思う、と言うのに8割近くがYESと答え、実際に検証したら2割くらいが良い腕でしかなかった、と言う話を聞いたことがあります。

そんなもんです。


歯科には自己治癒能力がなく、歯科医、歯科技工士などによる修復が必要になり、そこでかなりの差が出ますので、良く検討されて下さい。

個人的には、ドッグベストセメントとかMTAとかモノで宣伝される先生よりも、それはあくまで修復の一部として仕事されてる先生の方が腕が良い、と感じます。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kira-kiraさん
返信日時:2020-05-06 23:51:39
松元先生、大変貴重なご意見をいただいて本当にありがとうございました!!


ドッグスベストセメントは確かに難しいというふうにネットでも見ましたし、自費になりますのでうまくいかない場合にリスクもあるのかなと思っていましたし、歯科医師の先生からこのような客観的なご意見をいただけて、大変参考になります。


アンケートと腕の相違の話は衝撃的でしたが、セレックを扱っているとコンピュータで計上する分、精密性がでてくるのかなとも思ったのですが、セレックはあればいいくらいなのか、いかがでしょうか?

貴重なご意見、ありがとうございました!!
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2020-05-07 07:35:40
kira-kiraさんこんにちは。


歯の神経を残す方法に覆罩があります。
覆罩という言葉で調べると、保険でも行われていますので色々と出てくると思います。


日本でもカルボキシレートセメントが臨床報告されており、日本歯科保存学会ではガイドラインもあります。

http://www.hozon.or.jp/member/statement/file/aipc_guideline.pdf


ドッグスベストセメントMTAセメント以外にもなるべく歯の神経を残す治療方法はありますね。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2020-05-07 10:25:11
ドックスベストセメントMTAセメントについて

ドックベストセメントについてどう思われますか?


セレックを扱っているとコンピュータで計上する分、精密性がでてくるのかなとも思ったのですが、セレックはあればいいくらいなのか、いかがでしょうか?

何を基準に歯科医院を選ぶかですね、

せれセレックは神経の保存とはあまり関係なく、できるだけ「その日のうちに白く治したい」という患者さんにはマッチングします。
 


後、船橋先生の

MTAセメントは、韓国の大学が販売したのが最初だったと思います。

ジェネリックMTAの方ですね。


先行薬のMTAはロマリンダ大学のトラビネジャート教授とデンツプライアメリカ)の「プロルートMTA」がスタートですね。

歯内療法の基準をガラッと変えた画期的な薬剤ですが、使い方を間違えると除去しずらく厄介な薬になります。
  
ですので、薬は『使い方』が一番大事にになります。



虫歯関係の治療であれば顕微鏡(マイクロスコープ)や拡大鏡を使用している先生基準の方がいいと思いますよ。

おだいじに

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回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2020-05-07 12:56:50
セレックも世代によって適合度が違うと思います。
それよりもちゃんと削れていなければ、ちゃんとしたものはできないと思います。


井野先生のリンク先は2015年のものですから、今とは多少違う点ももしかしたら、あるかもしれないと思います。

回答 回答6
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2020-05-07 16:15:10
井野先生
訂正ありがとうございました。


セレックに関してですが、こちらは樹脂の充填ではなくインレークラウンブリッジ等のようなより大きな虫歯の修復の時に使われます。

メリットはインレーやクラウン、ブリッジの場合セレックを代表としたインハウスCAD/CAMのシステムがない歯科医院では型どりをして次回外注技工物が出来上げってくるまでの間形成面の汚染が問題になりますが、セレックがあれば形成面の汚染のリスクを低減できますから2次虫歯になりにくいとされていることに尽きると思っています。


過去様々なセメントが開発されて来た理由の一つにも形成面に生じるバイオフィルム(汚染)抑制に対する殺菌性や静菌性を目的にしたものがありましたから

(ドックスベストセメントの効果はまさにそれですし、日本の大学でも銀の抗菌性を期待したセメントの開発がされていたりしますからね)

セレック治療の最大の患者側メリットは形成面が汚染される期間をできるだけ短縮することに尽きると思います。


セレックのバージョンがどんどん上がり、最近のものは技工物の精度も材料の質もかなり良くなっていますからセレックがある歯科医院とない歯科医院では、せっかくならある歯科医院のほうを個人的にはお勧めしたいと思います。

(もちろん当院にも導入していますから実際に使用してみて優位性を実感していて回答しています。)


ただ、今回一連のご質問はくさび状欠損の修復についてだったと思っていますから、こちらにセレックは通常使わないと思います。

単純にレジン充填を上手く行ってもらえばよいのではないかと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kira-kiraさん
返信日時:2020-05-07 19:36:56
加藤先生、井野先生、柴田先生、そして船橋先生、再度ご投稿いただき本当にありがとうございました!!
大変参考になり助かりました!!



今回の場合は、奥歯歯茎の際の虫歯なのでインレーになるかと思いますので、セレックではないとわかり、ありがとうございます。 

2次虫歯の話はよく聞きますが、形成の汚染も影響してくるとは知りませんでした。


セレックはコンピュータで計測するので、作る際に歯全体のバランスがきれいにとれて、かみ合わせのバランスに期待できるのかと思いましたが、かみあわせとは違うとあとで思いました。 
それと、歯の箇所によったり、被せの時に利用するということがわかりました。


痛みのなかったくさび状欠損の奥歯は、レジンでうめた治療後すぐにしみはじめて、治療が難しい箇所だと聞いていたので、我慢していましたが、一年後の最近、痛みが増え、診てもらったら虫歯になっているといわれました。

その先生は、削るのを減らしたいということで回転数を落としたり手彫りで時間をかけて治療してくださって、珍しい歯医者さんでしたが、それでもこういう結果になり、こればかりは歯茎のきわで難しいのかなと思いました。


その歯医者さんは、前歯の歯茎のさがりにしても、はぐきのさがりのところにレジンでうめて虫歯になるのを防ぐシーラントかなと思いますが、そういう治療は、なかで虫歯になるとの見解で、はぐきさがりのところをふさぐ処置はしなかったです。

前の歯医者さんではうめたことがあり、先生の見解によるのだと思いました。


今思えば別の歯医者さんで歯茎の下がりのところにうめておけば、はぐきのきわの虫歯の進行がすすまなかったのかとは思っていますが。

船橋先生に教えていただいたダイレクトポジティングも歯医者さんに聞いてみようと思っています。


本当に色々ありがとうございます。
感謝致します 



タイトル 神経を残す治療としてドックスベストセメントやMTAが普及しない理由
質問者 kira-kiraさん
地域 非公開
年齢 50歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ MTA
覆髄・覆罩(覆ずい・覆とう)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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