質問 |
フィット 2025/01/01(Wed) 10:46
30年前くらいに左下奥歯の根管 治療を歯科Aで受けました。
4年前に痛み出したので、歯科B(大学病院の歯内療法科)でレントゲンを撮ってもらったところ、根管治療した下奥歯の2根中、1根にに薬が入っていないことがわかり、再根管治療(保険治療)を行いました。
根管治療した奥歯はレントゲンでは2根しか写っていませんでしたが、実際には3根ありました。
そこで質問です。薬はガッタパーチャのようです。
1.一般的な保険治療の場合でも、すでに入っている古い薬を除去して、3根共に新しい薬を入れるのでしょうか?
2.薬はどのくらいの期間、効果あるのでしょうか?
3.薬で菌を死滅させ、被せものをして根の内部が密閉状態にもかかわらず、再発する理由は何でしょうか?
4.歯を磨きすぎして歯肉などを傷つけると、菌が入りやすくなり、再発する可能性が高まるのでしょうか? |
回答1 |
柴田 (評価4.0) 2025/01/01(Wed) 20:41
Q1 大学病院であればそのような方法になると思います。
Q2 ガッタパーチャーポイントには静菌的な作用はありませんので、薬効はないと思います。
Q3 一度感染した根管から菌を死滅させることはほぼ不可能だと思います。また最近の中には菌体外毒素を産生するものがありますのでその細菌を死滅させても毒素は残り続けると思います。
むし歯の完全なる除去は結構は大変ですので、ここができてないと密閉自体が難しください再感染すると思います。
またコロナルリーケージという用語があります。これはかぶせ物と歯質の隙間から細菌が侵入するという考え方です。
Q4 大臼歯の場合歯根と歯根の間に歯髄腔と繋がる特殊な根管がある場合や歯茎が下がりくさび状欠損が進行して根管に達すると根尖病変の原因になり得ると思います。
歯肉を傷つけただけではこうはなりませんが、強い歯磨きで歯肉退縮がつづくと少し心配です。
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返信1 |
フィット 2025/01/02(Thu) 08:39
柴田先生
お忙しいところご回答ありがとうございます。
「Q2 ガッタパーチャーポイントには静菌的な作用はありませんので、薬効はないと」とありますが、根管にガッタパーチャーを入れる理由は何でしょうか?
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回答2 |
柴田 (評価4.0) 2025/01/02(Thu) 21:10
根管充填の術式にはバリエーションがあります。時代と共に変化もしてきています。
入れる理由は
場の確保
保険のルール
その他
でしょうか。場の確保は細菌の増殖するスペースを減らすようなイメージですね。
私が卒業した40年前はガッタパーチャーポイント(GP)を複数本とシーラーと呼ばれるセメント類を併用する方法が主体だったと思います。
最近はシーラーの性能が格段に良くなったのでシーラーが主体でGPは1本という方法やシーラーのみという方法も増えてきたと思います。
またMTAのみで根管充填される歯科医も少なからずいらっしゃると思います。
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回答3 |
タカタ 2025/01/05(Sun) 07:15
1.一般的な保険治療の場合でも、すでに入っている古い薬を除去して、3根共に新しい薬を入れるのでしょうか?
A:前医の治療を信用するかどうかだと思います。前の治療が完璧であれば再治療をせずにそのまま使うこともあります。しかし、前の治療が完璧でないならやり直します。その辺りは患者さんとの話し合いの中でどの部分に価値観を設定するのかを伺ってから行います。
2.薬はどのくらいの期間、効果あるのでしょうか?
A:昨今、根の中に使われる材料は進歩しており、10年以上は持ち堪えられるものになっています。しかし、30年や40年は分かりません。
3.薬で菌を死滅させ、被せものをして根の内部が密閉状態にもかかわらず、再発する理由は何でしょうか?
A:ガッタパーチャは杜仲茶の木の幹に傷をつけて採取した樹液を固めたもので、特に薬効はありません。ガッタパーチャと一緒に使うシーラーという材料がありますが、こちらは最近はアルカリ性のものが出てきていますが、せいぜい2週間もすればその効果は無くなります。菌を死滅させるのは難しいので、ある程度減少させた上で、害がない程度のところで密閉しているのが現状です。
その密閉が甘いと隙間ができ、その隙間で細菌が繁殖して再発することがあります。
4.歯を磨きすぎして歯肉などを傷つけると、菌が入りやすくなり、再発する可能性が高まるのでしょうか?
ないです
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返信2 |
フィット 2025/01/06(Mon) 00:46
タカタ先生
お忙しいところご回答ありがとうございます。
2の回答について
「根の中に使われる材料は進歩しており、10年以上は持ち堪えられるもの」とありますが、ガッタパーチャのことでしょうか?
3の回答について
保険治療の場合、ガッタパーチャしか入れないということもありえるのでしょうか?
実は再根管治療後、1年半で再発し、更に6か月後、再度再発しています。
歯医者から処方してもらった抗生物質と市販の痛み止めで凌いでいる状況です。痛みは3〜4日で治まりました。
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回答4 |
タカタ 2025/01/06(Mon) 09:30
昔はガッタパーチャがメインでしたが、近年ではバイオセラミクスというものが登場して、ガッタパーチャからバイオセラミックスに移行してきています。
また、ガッタパーチャしか使わないのか? についてですが、ガッタパーチャを単独で使うのではなく、シーラーという糊のようなものを併用するのですが、その材料が、バイオセラミクスに変わりつつあるということです.
ガッタパーチャは大きく進化していませんが、このシーラーが極端に進化してきています。
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回答5 |
柴田 (評価4.0) 2025/01/08(Wed) 14:21
保険治療の場合、ガッタパーチャしか入れないということもありえるのでしょうか?
ウォームガッタパーチャテクニックと呼ばれる垂直加圧根管充填法の場合はガッタパーチャしか入れないことはあると思います。
ただ少数派ですけど。
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返信3 |
フィット 2025/01/08(Wed) 14:47
柴田先生
お忙しいところご回答ありがとうございます。
「ウォームガッタパーチャテクニックと呼ばれる垂直加圧根管充填法の場合はガッタパーチャしか入れない」とありますが、
その場合、薬の効果はないのでしょうか?
薬の効果がある場合はどのくらいの期間、効果が見込まれるのでしょうか?
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返信4 |
フィット 2025/01/08(Wed) 14:48
タカタ先生
お忙しいところご回答ありがとうございました。
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回答6 |
柴田 (評価4.0) 2025/01/08(Wed) 18:12
ガッタパーチャ単独の場合、薬の効果は無いと思います。
再根管治療にしろ再々根管治療にしろ根管内や根管壁内に感染が及んでいますのでそれらを無菌化することは不可能だと思います。
ですからラバー等を使いむし歯をきちんと取り切って次回まで細菌が侵入しないようなしっかりとした仮封が必要だと思います。
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