歯間に虫歯があれば咬合面にもあるのか?またハイブリッドインレーについて

相談者: es68さん (28歳:男性)
投稿日時:2010-04-04 15:28:49
参考:過去のご相談
〔写真あり〕親知らずの抜歯は、脳や筋肉の衰えに繋がりませんか?
他多数


下4番5番の歯間の虫歯治療の際に受けた説明ですが、以下どう思われますか?

1、歯間に虫歯がある場合、咬合面にも絶対虫歯があるから、歯間だけ削ってレジン充填するような治療はせず、咬合面も削って、メタルインレーを入れた方が良い。


2、レジンは固まると何パーセントか収縮し、必ず隙間ができるから2次的な虫歯になりやすい。


3、歯科医が自分の歯を治療してもらう場合、絶対メタルインレーを選択する。
側面だけレジン充填の治療をお願いするような人はいないだろう。


このような説明を受け、銀は目立つだろうな…という躊躇いを吹っ切って治療したんですが、出来上がってみたらやっぱり目立つのでショックを受けています。


4、治療前、患部を手鏡で見せてもらいましたが、歯間は若っ干茶色くなっているものの、咬合面はきれいでした。

本当に咬合面まで削る必要があったのでしょうか?
歯間だけにレジン充填する治療方法は、一時的なものなのですか?
メタルインレーで治療すれば再治療不要と言われましたが。


5、是非伺いたいことですが、先生ご自身の歯でしたら、下の4番5番の歯間を治療する場合どのような治療をされますか?

銀が目立つことを気にされませんか?
それよりも治療の精度に重点をおかれますか?



6、噛み合わせが良くなくしっくりきません。
歯が小さくなった感じで、高さが足りていないと思います。
インレー装着後に高さを増すことはできるのでしょうか?

一度外さないと調節ができないようでしたら、ハイブリッドセラミックに変えようかとも考えますが、愚かなことでしょうか。。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-04-04 15:58:38
こんにちは、色々調べられているようですね。

ただこのサイト保険治療、自費治療関係なく理想的なことを書いていますので保険治療では疑問に思わせてしまう所、叶えられない所があります。

このサイトを絶対的な基準にしないでくださいね^^;
(特に私の意見は非常に偏っていますから注意してください)


この質問も非常に多いのですが^^;

>1、歯間に虫歯がある場合、咬合面にも絶対虫歯があるから、歯間だけ削ってレジン充填するような治療はせず、咬合面も削って、メタルインレーを入れた方が良い。

咬合面に虫歯があるかはケースにもよりますが、一般的には歯と歯の虫歯であれば咬合面を削ってメタルインレーを入れることが一般的な治療です。



>2、レジンは固まると何パーセントか収縮し、必ず隙間ができるから2次的な虫歯になりやすい。

収縮率は気にするほどではないのですが、隙間なく段差なく詰めるのにはメタルインレーの方がいいと思います。

綺麗に詰められないこともないのですが、レジンを隙間なく詰めるには非常に手間がかかり不器用な私なんか1時間半ぐらいかかることが殆どです・・・



>3、歯科医が自分の歯を治療してもらう場合、絶対メタルインレーを選択する。
>側面だけレジン充填の治療をお願いするような人はいないだろう。

いや、出来ればレジンで詰めてもらいたいのですが、きちんと詰める為には非常に時間もかかるので、その辺まできちんと詰めてくれる歯科医院を選ぶ必要が出てきます。

患者さんのニーズは白いレジンですが、先生がおっしゃるように不適合になりやすく虫歯のリスクは高いと思います。
顕微鏡で見ていても多くのレジン充填は段差があり・・・

同じ治療時間、手間で見た場合、インレーよりレジンの方がやり直しの治療が必要になってくる場合が多いです。



>4、治療前、患部を手鏡で見せてもらいましたが、歯間は若っ干茶色くなっているものの、咬合面はきれいでした。
>本当に咬合面まで削る必要があったのでしょうか?
>歯間だけにレジン充填する治療方法は、一時的なものなのですか?
>メタルインレーで治療すれば再治療不要と言われましたが。

咬合面を削ることを「便宜形体」と言って、銀が取れないようにする為に削らなくてはいけないものです。
虫歯があっても、無くても削る必要があります。


再治療不要は少し言葉が適切ではないかもしれませんね。
どんな材料を使用しても所詮は人工物でいつかは寿命が来ます。
1回治療すれば必ず再製の必要がいつかは出てきます。


G. V. Blackの分類
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AA%A9%E6%B4%9E

窩洞


100年前の偉大な先生です。
ただ、近年レジンの目覚ましい発展、MI(ミニマムインターベーション)の考え方でG. V. Blackからの脱却も言われ始めていますが、レジンに関してはテクニカルセンシティブな材料です。



>5、是非伺いたいことですが、先生ご自身の歯でしたら、下の4番5番の歯間を治療する場合どのような治療をされますか?
>銀が目立つことを気にされませんか?
>それよりも治療の精度に重点をおかれますか?

保険診療で治療を受けられたのですよね!?
保険診療とは患者さんの見た目を治す治療ではなく、出来るだけ長持ちする治療を行うものです。

見た目、高い治療の精度を求められるのであれば歯科医院を選んで自費治療で治療を受ける必要があるでしょうね。。。


残念ながら、保険治療は現代人の治療ニーズを組み込んだ制度ではありません。
決められた範囲内で患者さんの健康を守るものです。

これでも他の国の医療制度などより素晴らしいものなのですがね^^;



>6、噛み合わせが良くなくしっくりきません。
>歯が小さくなった感じで、高さが足りていないと思います。
>インレー装着後に高さを増すことはできるのでしょうか?

これはちょっと無理ですね。
1つ1つオーダーメイドで金属を溶かして作る指輪と同じものです。
口の中で数百℃に熱した金属を後で足すことはできませんね^^;



>一度外さないと調節ができないようでしたら、ハイブリッドセラミックに変えようかとも考えますが、愚かなことでしょうか。。

あまり見た目が気になればいいのではないでしょうか。


保険治療とは治療費が大きく異なりますので先生に一度きいてみてくださいね^^


おだいじに
 

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-04-05 01:06:27
こんばんは。

井野先生の回答に同意なのですが、思うことを書かせてもらいます。


1について

「絶対」と言われると、「いやいや・・・」と言いたくなります。
歯間(隣接面)だけにムシ歯が生じることは、多々あります。


2について

短時間でキレイに詰めることは、かなり難しいです。
特に臼歯部ともなると、大変です。

治療時間が短時間になりがちな保険診療であれば、メタルインレーの方が精度は高かろうと思います。

メタルインレーなら(麻酔の時間を除いて)10分、15分で済むような場合でも、レジンでできるだけキレイに充填修復しようと思ったら、1時間とか1時間半かかることはあります。


3について

残念ながら、ここにいましたね。
井野先生と合わせて、すでに二人目です。
(二人とも特殊な歯医者だからかも知れませんが・・・ ^^;)


>出来上がってみたらやっぱり目立つのでショックを受けています。

そりゃ、白い歯に銀歯が乗れば、目立ちますよね、下の歯ですし。



4について

メタルに限らず「インレー修復」をしようと思ったら、咬合面を削る必要があります。
それは治療法として「必要な処置」ですから、仕方ありません。


>歯間だけにレジン充填する治療方法は、一時的なものなのですか?

治療の精度を高めるためには、治療時間が必要です。
平均して22分に1人ペースで診ていかないと成り立たない保険診療では、なかなか難しいと思います。

治療の精度が「そこそこ」であれば、必然的に「一時的なもの」になってしまうと思います。



>メタルインレーで治療すれば再治療不要と言われましたが。

これは言いすぎだと思います。
歯科治療の6〜8割が再治療というのが、残念ながら現実ですからね。



5について

信頼できる先生に(できたらレジンで)お任せします。



6について

後から高さの調整ができるのは、レジン系だけでしょう。
メタルインレーであれば、作り直すしかないと思います。

審美的な面で気になっているのであれば、ハイブリッドインレーにするのは「あり」だと思います。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-04-05 14:17:16
当サイトの自費専門医3連発の回答で申し訳ありませんが…


>1、歯間に虫歯がある場合、咬合面にも絶対虫歯があるから、歯間だけ削ってレジン充填するような治療はせず、咬合面も削って、メタルインレーを入れた方が良い。

いえいえ。
担当の先生には申し訳ありませんが、「絶対」ではありません。
側面だけの虫歯と言うのも結構あります。

しかし、側面だけの虫歯をレジンで治療するのは技術も時間も必要です。
井野先生、吉岡先生の書かれているように保険で10分15分で行える治療ではありません。
逆に言えば10分15分と言う時間できっちり治そうと思えばレジンでは無く、インレーの方が良い治療になると思います。



>2、レジンは固まると何パーセントか収縮し、必ず隙間ができるから2次的な虫歯になりやすい。

いえいえ。
接着操作さえしっかりしていれば「必ず隙間ができる」と言う事はありません。
むしろ、「しっかりした接着操作が行われていれば」レジンの方が段差の無い治療が可能になります。



>3、歯科医が自分の歯を治療してもらう場合、絶対メタルインレーを選択する。
>側面だけレジン充填の治療をお願いするような人はいないだろう。

いえいえ。
上述したように側面だけの治療の出来る先生を探して治療をお願いします。



>出来上がってみたらやっぱり目立つのでショックを受けています。

そうですよね…。
心中お察しいたします。



>4、本当に咬合面まで削る必要があったのでしょうか?

実際に拝見していないので何とも言えません。
ただ、当院でインレーを外して再治療する時に「ここまで削る必要は無かったね」と言うケースが多いのも事実です。

しかし、それは井野先生も書かれた「G. V. Blackの分類」から言えば、「正しい治療」であり、否定するべき物ではありません。


MIと言う考え方自体、ここ数年で出てきた考え方です。

MIを実践するには50年以上前に制定された健康保険制度の枠組みの中では難しいように思います。



>歯間だけにレジン充填する治療方法は、一時的なものなのですか?

いえいえ。
そんな事はありません。



>メタルインレーで治療すれば再治療不要と言われましたが。

いえいえ。
これも無いでしょうね。

吉岡先生の書かれている通り「歯科治療の6〜8割が再治療というのが、残念ながら現実」ですからね。



>5、是非伺いたいことですが、先生ご自身の歯でしたら、下の4番5番の歯間を治療する場合どのような治療をされますか?
>銀が目立つことを気にされませんか?
>それよりも治療の精度に重点をおかれますか?

もちろん、治療の精度に重点を置きます。
そして、最小限の削りで治療をしてくれる先生を探します(もちろん、保険外で)。



>6、インレー装着後に高さを増すことはできるのでしょうか?

残念ながら口腔内で金属を盛り足す事は出来ません。



>一度外さないと調節ができないようでしたら、ハイブリッドセラミックに変えようかとも考えますが、愚かなことでしょうか。。

考え方にもよります。
es68 さんが「銀が(審美的に)気になる」と言う事であればハイブリッドセラミックスで作り直されても良いとは思います。

ただし、その際にも丁寧に金属を外し、ハイブリッドセラミックスの操作(主に接着操作)に慣れた先生を探される事をお勧めします。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: es68さん
返信日時:2010-04-05 19:07:44
ご回答ありがとうございます。


治療直後から失敗したな〜という感じでしたが、ご回答内容から、やっぱり失敗だったと再確認しました。

過ぎたことはどうしようもないと頭ではわかっていても、心が付いてきません。
ザブングルじゃないですが本当にくやしいです。
こういう後悔の念はどうやって処理すればいいんでしょうか。。
まったく鏡の前で口を開ける度、溜め息ものです。



担当医に、噛み合わせがしっくりこないことをお話しました。
紙のような物を挟んでカチカチギリギリし、再度噛み合わせをみてもらいましたが、その紙からの判断では問題ないようです。

しかし自分の感覚では、治療前と明らかに感覚が変わり、高さが足りず、口を閉じたときに歯にかかる圧が足りず、うずくという感じです。
歯の見た目も反対側の4番5番と比べると小さくみえます。

そのうち慣れると言われましたが、慣れちゃって良いのかと疑問に思います。


自分の感覚に従い、やり直しをお願いしても良いのか迷います。
つきましていくつか質問よろしいでしょうか。

1、新たに天然歯部を削らなければインレーは外れないのですか?

どのくらい削るのですか?
素人考えでは、天然歯に触らずともインレーに穴をあけて、釣りがねで引っ張ればどうかと考えますが。


2、ハイブリッドセラミックと天然歯はどちらが固いのですか?
平均的な耐用年数はどのくらいでしょうか?
4番のインレー形状が咬合面から内側にかけてですが相性どうでしょうか、適していますか?
上の4番は銀インレーになってます。



3、お世話になっている歯科医院では、銀のインレー自費扱いで、今回の4番5番もそうでした。

やり直しをお願いした場合、もう一度同じ費用がかかるのものなんでしょうか?

インレーを装着して噛み合わせ確認のとき、多少違和感があったもののOKしてしまいました。
自分にも落ち度があり、やり直しについて担当医にあまり言及しづらいもので…。



4、銀のインレーでもいずれは再治療が必要になるとのことですが、どのような理由で再治療の必要がでてくるのですか?

ハイブリッドセラミックの場合、接着が肝要のようですが、うまく接着しても擦り減りすぎたり割れたりすれば、再治療ですよね。
銀でも擦り減ったり割れたりして要治療となるのですか?



5、噛み合わせが感覚的にしっくりこない場合、どのくらい様子をみたら良いですか?
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-04-05 21:05:17
>1、天然歯に触らずともインレーに穴をあけて、釣りがねで引っ張ればどうかと考えますが。

仰せの通りなんですけどね。
そんなに簡単に行かないんですよ(笑)。^_^;

マイクロで見ながら(息を止めて)チマチマ取りますけど、それでもほんのわずかではありますが、天然歯を傷つけてしまいます。



>2、ハイブリッドセラミックと天然歯はどちらが固いのですか?

実は「硬い」と言う表現はヒトコトで言うと非常に難しいんですよ。

強さを表す指標としては「圧縮強さ」「引っ張り強さ」「曲げ強さ」「硬さ」「耐摩耗性」などなど…。
強度として硬いのか、摩耗と言う意味で硬いのかによっても解釈は全然違う物になってしまいます。

(意味解りますかね?書いている方も混乱してしまうくらい難しいんです)


また、ハイブリッドセラミックスもメーカーによって組成が全く異なりますので、一概に比較はできません。

 ハイブリッドレジンセラミックを混ぜ合わせたもの

ですから、大袈裟な話、レジン90%セラミック10%でも「ハイブリッド」ですし、レジン90%セラミック10%でも呼び名は「ハイブリッド」なのです。
通常ハイブリッドと言うと、重量%で70〜90%くらいセラミック(フィラー)を指しますが、これもメーカーによって様々です。


純粋な硬さ(ビッカース硬度)で言うと天然のエナメル質が270〜366、象牙質が57〜76になり、ハイブリッドセラミックスの中でもっとも硬いと言われているエステニアC&Bで190です。

ちなみにポーセレン(セラミック)は400〜460になります(メーカー公表値より)。


ですので、天然のエナメル質に比べ「やや柔らかい」と思っていただくのがよろしいかと思います。
この「やや柔らかい」と言う所が僕が「ハイブリッド好き」な理由です。



>平均的な耐用年数はどのくらいでしょうか?

まだ、ハイブリッドセラミックスが世に出てから10年経っていませんのでなんとも言えません。
また、10年前から比べると素材自体年々進化しています(接着技術も含めて)。

なので「耐用年数」と言うデータはありません。

私見ですが5〜10年とみるのが妥当ではないかと思います。



>4番のインレー形状が咬合面から内側にかけてですが相性どうでしょうか、適していますか?

実際に拝見していないので何とも言えませんが、そのようなケースであれば僕はハイブリッドセラミックスにすると思います。


>4、銀のインレーでもいずれは再治療が必要になるとのことですが、どのような理由で再治療の必要がでてくるのですか?

多くは金属とインレーとの境目から生じる「二次カリエス」「セメントの不良による脱離」が原因となります。



>ハイブリッドセラミックの場合、接着が肝要のようですが、うまく接着しても擦り減りすぎたり割れたりすれば、再治療ですよね。

そこは先生の考え方次第です。

僕は天然歯と同等の擦り減りを「良し」としますが、そうお考えにならない先生方が多いと思います。

また、ハイブリッドセラミックスは少しのチップであれば(真っ二つに割れない限りは)口腔内で補修が可能です。
また、それも良しとしない先生方もいらっしゃいます^_^;。


僕は全ての修復処置の際「レジンコーティング」と言う方法を使うのですが(レジンコーティングの話をするだけで本が1冊書けてしまう事になるので割愛させてください)、この方法をされている先生とそうでない先生では話が180度違ってくると思いますよ。

レジンコーティングをされている先生は少数派だと思います(保険では採算の取れない方法ですしね)。



>銀でも擦り減ったり割れたりして要治療となるのですか?

金属は基本的に割れたししませんね。
擦り減ったりすれば再治療になるでしょうね。



>5、噛み合わせが感覚的にしっくりこない場合、どのくらい様子をみたら良いですか?

僕は2〜3日と言いますが、もう少し余裕を見れば1週間くらいでしょうか。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2010-04-05 21:32:34
タイヨウ先生の丁寧な回答のあとなので、ほとんど書くことがないですね (^^;)
といいつつ、回答してみます。


1について

それほど大きく削らなければいけないわけではないです。
しかし、厳密には多少なりとも天然歯質を触ってしまうことになります。



2について

天然歯よりもちょっと軟らかいが、天然歯に近い物性を持った材料だと思っているので、私は好んで使います。

もしなにかその歯に不具合が起きるのであれば、ハイブリッドセラミックが「天然歯の身代わり地蔵」になってくれると良いな、と思っていますので。

耐用年数は、治療後のアフターケアや日々のセルフケアなどによっても左右されると思いますから、数字だけアテにしないようにしてもらいたいと思います。

「モノは大丈夫」だけど、「歯がダメ」だったら再治療になりかねませんからね。

「なぜ、そこがムシ歯になっちゃったのか」を考えることも大切なことだと思います。



3について

費用に関しては、医院ごとでマチマチだと思います。
自費扱いということであれば、なおのことです。

なんですが、その医院でやってくれるのかという問題が残されますよね。



4について

これに関しては、タイヨウ先生の回答に同意で (^^)



5について

次回の予約まで様子みて、ダメならその旨を伝えましょう。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2010-04-05 23:41:41
なんか勘違いされていそうなので厳しく私は書きますが。

まず歯科医師が治療しても元の状態に戻している訳ではないです。
治療と言ってもそれはリペアに近いです。


今回の虫歯も言いかえれば、手首までが腐って切り落とさないといけなくなり、安全域をみて肘まで切断して義手を作ったようなものです。

そうなると誰もが本物と分らない状態にしたいと思います。
ですが、本物と見分けがつかないものは非常に手間もかかり、その分コストもかかってきます。

保険治療とはそう言った非常にお金がかかり少数生産しかできないものを国民に提供しているものではありません。


腕が無くなった人がある程度生活に不自由しないですむ場所に、ゴールをおき費用対効果が高い所に着目しているものです。


今の状態でも世界的にみればかなり恵まれている方なのです。

世界を見れば手首の傷から死にいたる人も多くおられます。




今es68さんが望まれていることは保険では賄えない部分のことなのです。
そのレベルで治療を望まれるのであれば、今後保険証は提示せず、日本でも超が付くぐらい一流の先生の歯科医院を飛行機に乗っても受診すべきでしょう。



>しかし自分の感覚では、治療前と明らかに感覚が変わり、高さが足りず、口を閉じたときに歯にかかる圧が足りず、うずくという感じです。

完全に同じにすることは不可能だと私は思います。
気になれなずっと気になります。
繰り返しになりますが、義足、義手の類であなたの体とは違います。

義足になり100mをいきなり全力で走りしっくりこないとおっしられているように感じます。

ある程度先生に調整してもらったら慣れてもらう必要もあります。




理想を言えば元の状態に戻すことです、我々歯科医師も出来る範囲で元の状態に近いものは目指します。
ただ口と言う、髪の毛1本でも違和感を直に感じる繊細な器官にフィットさせる詰め物は非常に難しいです。

数十年後〜数百年後に成立するかもしれない再生医療であれば可能かもしれませんが。

人工の詰め物です、10年持てば御の字だと割り切ってもらった方がいいと思います。


おだいじに
 

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: es68さん
返信日時:2010-04-07 18:31:17
とても丁寧なご回答、アドバイスありがとうございます。


硬さにもいろいろあるのですね。
純粋な硬さ(ビッカース硬度)の数値だけ見ると、天然歯のエナメル質に対してハイブリッドはだいたい2/3程のようですが、正直、素人感覚ではだいぶ柔らかいのではと思ってしまう数値でした。

「やや柔らかい」とのことですが、長期使用するに際して、支障のない数値なのでしょうか?
何年使用して何ミリくらい擦り減る等のデータがあれば心強いですが、ありますか…?

ハイブリッドに着け直したところで、どんどん擦り減り、結局今の状態と同じく、歯に高さが足りないと感じるまでにどのくらい持つのか気になります。
擦り減ることに気を使わずに済むレベルなら問題ないのですが。


ちなみに白金加金とパラジウム合金、レジンのビッカーズ硬度はそれぞれいくつなのでしょうか?
参考にさせてください。



ハイブリッドがやや柔らかいことはメリットなのですか?
また素人考えで恐縮ですが、天然歯は擦り減ってもある程度再石灰化するなら、詰め物は天然歯より少し硬さ(耐摩耗性?)があっても良いような気がします。

天然歯の再石灰化なども考慮した上で、天然歯と同等程度に擦り減る・天然歯に近い物性ということなのですか?

下4番に対して、多種あるインレーの中でも素材として一番優れているというお考えなのでしょうか?


銀とハイブリッドを比較した場合、審美面では断然白いハイブリッドですが、純粋な素材として適合・予後を比べた場合、どちらが良く、どの程度の差があるのかご意見いただけませんでしょうか。

↓単発すみません、
銀のインレーの上から高さを増すために薄くレジンを盛ることはできないのでしょうか?
・白いメタルインレーは何故できないのですか?


噛み合わせについては、以前と全く同じ感覚にはならないとことは理解しています。
が、それでもしっくりこなさ加減が少し許容範囲を超えているかギリギリと感じています。


保険治療については井野先生のおっしゃる通り認識したいと思います。

今回は自費負担でしたがもろもろ踏まえた上で、もう一度担当医に噛み合わせとやり直しについてお話してみて、今後を決めたいと思います。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2010-04-07 20:27:47
>「やや柔らかい」とのことですが、長期使用するに際して、支障のない数値なのでしょうか?

支障ないと思いますよ。


>何年使用して何ミリくらい擦り減る等のデータがあれば心強いですが、ありますか…?

耐摩耗性に関してはType?金合金とほぼ同等と言うくらいで、実測値でのデータは無いと思います。

エステニアC&Bの発売元であるクラレメディカルの学術レポートを載せておきます。

http://www.dental-plaza.com/gakujitu/magazine/contents/dm111/111_026.pdf



>ちなみに白金加金とパラジウム合金、レジンのビッカーズ硬度はそれぞれいくつなのでしょうか?

大信貿易の歯科用金属のデータ表です。

http://www.daishintrading.co.jp/metal/metal_list2_3.html



ハイブリッドがやや柔らかいことはメリットなのですか?

それと、回答4にも書きましたが、小さなチップに関しては口腔内で補修できる素材である事ですね。



>天然歯の再石灰化なども考慮した上で、天然歯と同等程度に擦り減る・天然歯に近い物性ということなのですか?

天然歯の再石灰化って、目に見えるほど(形態が変わるほど)起きませんからね。


>下4番に対して、多種あるインレーの中でも素材として一番優れているというお考えなのでしょうか?

考え方次第ですよ。
審美性さえ気にしなければ、通常はゴールド系の素材を一番と考えるでしょうね。
メタルもハイブリッドも一長一短で、どちらも天然のエナメル質を基準に考えれば「所詮、人工物」ですから。



>銀とハイブリッドを比較した場合、審美面では断然白いハイブリッドですが、純粋な素材として適合・予後を比べた場合、どちらが良く、どの程度の差があるのかご意見いただけませんでしょうか。

これも、担当医(&技工士)の腕と考え方次第ですよ。
また、今後、どんな新素材が開発されてくるかによっても考え方は変わります。

現時点でのメリットデメリットを考えると「僕はハイブリッドが良いと思う」と言う程度です。

「素材の差」以上に「技術の差」の方が圧倒的に大きいです。


なので、信頼できる歯科医師にお任せし、あまり素材に凝られない方がよろしいかと思います。



>・銀のインレーの上から高さを増すために薄くレジンを盛ることはできないのでしょうか?

出来なくは無いですが、様々な弊害があります。


一つ目は金属と白い材料(一般にはレジン)との接着は非常に弱い事。

歯科用の接着剤(特に口腔内で使う接着剤)は金属とレジンをくっつける事を想定して設計されていません。
つまり、メタルインレーの上にレジンを接着しても機能させて行くうちに(咬んでいるうちに)ポロポロとはがれてきます。


二つ目はレジンの強度を出すためや、金属の地金のいろを消すためには厚みが必要な事。

充分な強度を得るためには上記のクラレのレポートにも書かれていますが、1.0mm以上の厚みを確保する必要があります。
また、レジンは半透明ですから、ある程度の厚み(おそらくこれも約1.0mmくらい)が無ければ地金の金属色が透けて見えてしまいます。


さて、現在装着されているメタルインレーの厚みはどれくらいあるでしょうか?
場合によっては1.0mm以下である事が予想されます。

つまり、レジンの厚みを確保するために今装着されているメタルインレーよりも深く削る必要があるかも知れないのです。

で、あれば金属を除去し、下地に金属が無い状態にした方が審美性ははるかに向上します。


これらの事より「メタルインレーに薄くレジンを盛る」と言う事は想定されないのです。




>・白いメタルインレーは何故できないのですか?

たぶん出来ますよ(笑)。
ジルコニアは別名「ホワイトメタル」と呼ばれている素材です。

参考:ジルコニア



ジルコニアでインレーを作れば「白いメタルインレー」は作れます。
でも、誰もやらないでしょうね。

真っ白なインレーを入れたら逆に目立ちますからね。


天然の歯の色は「白」ではありません。

上記のクラレのレポートにも書かれていますが、ハイブリッド素材の利点の一つは「優れた色調再現性」です。


鏡を見てください。
エナメル質の色一つとっても、個人個人、その歯その歯で色が違うのが解ると思います。
そして、エナメル質には透明感があります。

そう言った個々の色合いや透明感を表現するにはメタルでは出来ないのです。

ジルコニアクラウンはジルコニア単体でクラウンを作るのではなく、ジルコニアでベースを作った後、セラミックスで色調を再現しているのです。


たぶん、ホワイトメタル(ジルコニア単体)でインレーを作ったらこうなります(笑)。

画像1画像1

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: es68さん
返信日時:2010-04-09 21:21:13
お忙しいところご回答いただきありがとうございました。

ご紹介いただきましたリンク先ともとても興味深く、参考になりました。


ハイブリッドセラミックスという素材に対する理解が深まり、着けてみたいという気持ちが強くなりました。

あとは術者によるところが大きいとのことなので、こちらの選択にも注意したいと思います。


本当にありがとうございました。



タイトル 歯間に虫歯があれば咬合面にもあるのか?またハイブリッドインレーについて
質問者 es68さん
地域 非公開
年齢 28歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯治療
ハイブリッドセラミックインレー
詰め物、インレーその他
歯医者への不満・グチ
材料・機材関連
その他(写真あり)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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