フラップ手術、セメント質を除去すると歯茎と歯が着かなくなるのでは?

相談者: ma_ruさん (50歳:女性)
投稿日時:2024-01-17 18:48:47
度々お世話になっております。maruと申します。
また新たな悩みができてしまい質問を投稿させて頂きます。


3年前に左下6番の歯茎が腫れ出血ズキズキとした痛みが出て歯科大でレーザー治療を受け改善されましたが昨年秋、鶏の骨の欠片を治療した歯で噛んでしまい、以来また不調となりました。

そこで以前から気になっていたフラップ手術歯周組織再生を調べクリニックも探しているのですが、意見が分かれたことと表題の疑問も湧きフラップ手術の前に自由診療でしっかりクリーニングをする方が良いのではないかと思い始めました。

3年前に歯科大で治療してもらった際も当初は歯周組織再生治療を望んだのですが、まずはレーザー治療で回復するかやってみてからの方が良いと強く説得されました。



■状況
・腫れは治っていて歯茎は硬い
・食べ物を噛むと痛みが出る、寝起きに痛みが出る
・体調不良、喉の炎症の時にも鈍い痛みを感じる時がある
・20代の頃から歯周ポケットが深いと指摘あり(治療、現在50歳)
・骨が溶けている(添付画像あり)
歯軋りがあるようなので寝る時はマウスガード装着


歯科検診結果(今月上旬)
・左下6番だけ歯周ポケット8mmと深い箇所あり。他は健全。
・出血あり、膿が出ている。



歯周病専門医のいるクリニックでの意見
・お金をかけて痛い思いをするだけの成果はえられない、下手したら歯が抜けてしまう
親知らずが隣にあったので歯周組織が再生しにくい可能性が高い(歯科検診レントゲンなし)
・その場所だけ歯周ポケットが深いので親知らずがあった影響が強そう(歯科検診/レントゲンなし)
エムドゲイン適用なので治療をすすめましょう(昨年、歯石を取ってもらった歯科


■メンテナンス
歯科大でメンテナンスも続けていていましたが昨年、病院側がメンテナンス患者はクリニックへ転院してもらう方針となり現在かかりつけクリニックを探し中です。
昨年秋に腫れた際には引越し前に通っていたクリニックで歯石除去をしてもらいました。

自身のブラッシングは昨年夏から利き手の炎症で上手くブラッシンクできていない期間がありました。
今はだいぶ手が動くようになり一歯を裏表6分割にするイメージでのバス法とスクラビング法で30分以上かけて磨いています。



当初は歯周組織再生治療をすれば骨が再生されるものと思っていたのですが色々調べてみると、歯周組織再生治療はフラップ手術(掃除)がメインでせっかく切開するのだから歯周組織再生治療も合わせて行う運が良ければ2.3mm骨が再生される可能性もあるというふうに考えが変わりました。

しかし、そうなるとフラップ手術の歯根表面の汚染されたセメント質もすべて掻き取ってしまうというデメリットがあるので、できるなら行わない方が良いのではないかと思い始めています。

歯科検診をしてくれた医師は歯と歯茎がくっつかないこともあってフラップ手術を定期的に繰り返すこともあると話していました。



改めて質問です。

・フラップ手術でセメント質がなくなっても歯と歯茎はしっかりくっつくのでしょうか?

・フラップ手術は歯根膜も壊されてしまうという認識であっていますでしょうか?

・デメリットを踏まえてもクリーニングでの改善を試すよりフラップ手術を早く行なった方が良いものでしょうか?


背景によっても回答が変わってくるかと思い長文になってしまいましたがご回答いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2024-01-17 22:31:49
こんにちは。


問題がある歯は7番でしょうか?
親知らずがあった影響を受けるのは7番だからです。

8番を親知らずといいますから、親知らずの影響を受けるのは直前にある7番でしょう。
ただ、7番の歯根がしっかりしているならば基本的には遠心だけに影響があるケースがほとんどではないか?と思います。

失活歯根管治療を受けた事があれば根分岐部にヒビが入ったり穿孔していたり側枝が感染していて分岐部病変が生じるケースもあります。


以前のレントゲンを見てみたら失活していない歯のようでしたから、7番の遠心に親知らずがあったのを抜いた後、清掃不良から歯周ポケットが深くなり清掃が難しい分岐部まで問題を抱えるようになったのかな??と。少し想像し難かったです。



一般的にフラップを開けた方が歯根がよく見えて器具は到達しやすくなりますから根面を平滑にしやすいでしょうが、開くと歯茎はかなりダメージを受けますし、根面もダメージを受けますからまず、術後しばらくかなり痛みますね。

更に失活していない歯ならば知覚過敏が生じて後々まで不快な状態に陥ってしまったりするでしょう。


ですから、低侵襲なレーザーはまず選択してみる価値が高い治療法だろうと考えます。

ただ、レーザーは保険診療では外科を伴わないと保険請求できませんから歯科医院側は使っただけ赤字になりますね。
赤字にならないためには歯周外科併用が必要になります。
この辺りが保険制度って何だろ?と嫌になるところですね。


歯周ポケットがあまりに深いと刃物は入らなくなりますからフラップを開かないと根面の平滑化はできないだろうと考えるからかもしれませんが、ポケットプローブは入りますから、同じように刃がついていない細い棒は深くまで歯周ポケットに入って行きます。

その先からEr-Yagレーザーが様々な強さで出せるのがレーザーですから根面は簡単に(とはいえかなり時間はかかりますが)平滑化しながら消毒出来、象牙細管も閉鎖してくれるのですから、レーザーを外科併用しなくても歯周治療に保険で使えるようにすべきでしょうが、されません。
何故かなあと不思議ですね。

レーザーが外科なしでもきちんと保険請求できるように改善されれば、かなりの方の歯周病はきちんと治せるように変わりますがね。


フラップを開くと、それは外科なのですから侵襲が非常に大きいので外科後に歯茎が思いっきり下がりますが、そうなると逆に問題が生じますからリグロスなどと歯茎の高さを維持できる補填剤を入れたり複雑な治療が必要という事になります。
結局保険点数は高くなりますね。

大学病院はレーザーはどのように保険請求されましたか?自費でしたか?
想像ですが、大学病院は保険請求することなくレーザー使ってくれたのではないでしょうか?
赤字関係なくしてくれるのは大学病院だからこそという場合はありそうです。

レーザーの器具の先は使えば使うほどチビますし、使う水だってかなり高い特別の水だったりしますし、そもそもかなり高額な医療機器です。
近所の歯科医院にはそうあるものではないでしょう。



フラップ手術セメント質がなくなっても歯と歯茎はしっかりくっつくのでしょうか?

綺麗な根面には隙間なく密着します。
繊維が入り込んでくっつくという形ではないでしょうが、隙間なく密着することが大切です。


〉・フラップ手術は歯根膜も壊されてしまうという認識であっていますでしょうか?

病気でダメになった部位はすでに壊れているので心配しなくて良いでしょう。
健康ならばそもそも外科は要らないので。


〉・デメリットを踏まえてもクリーニングでの改善を試すよりフラップ手術を早く行なった方が良いものでしょうか?

クリーニングで改善できますか?改善できるレベルならばクリーニングが良いでしょうが、改善できないならばまたレーザーを試してみてはいかがですか?
起炎物質を一掃することができます。

結構丁寧にレーザー治療してもらわないと取り残しがあるとダメでしょう。
治療時間はかなりかかりますね。

それでダメならばフラップ開いてもらい、リグロスなど入れてもらって歯茎のレベルがあまり落ちすぎないようにしてもらった方が良いのではないでしょうか?


ところで、外科を伴わず効果の高いタイプのレーザーを上手く使ってくれる歯科医院があるかどうか?が一番難しいでしょうね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ma_ruさん
返信日時:2024-01-18 00:17:52
船橋先生
間違い説明不足の中、早速ご回答ありがとうございます。


ご指摘の通り7番で間違いありません。
別の治療の歯と間違えておりました。
問題の歯は生活歯根幹治療も受けたことはありません。


親知らずは生え切らず歯茎が被さったままでその隙間に菌が溜まってしまうようで炎症を繰り返していました。

30代前半で矯正をした際に親知らずを抜く必要があって抜歯
抜歯後はほぼ炎症することはなくなっていましたが3年前に久々に酷い炎症になりました。


レーザー治療と保険制度の関係、存じ上げませんでした。
大学病院ではレーザーは保険請求でした。

検査も含めて6回通院しました。
当時は外科処置の希望が通らず残念に思っていましたが船橋先生の話を聞いてレーザーで治療してもらえたことに改めて感謝しました。


フラップ手術セメント質が除去されても根面が綺麗なら歯に密着すると伺え少し安心しました。
できれば外科は最終手段にしたいのでアドバイスのように再度レーザー治療も検討したいと思いました。



歯周病治療を調べていてエアフローマスターというでの歯周病治療を行なっているクリニックを見つけたのですが、こちらはあまり効果は期待できないものでしょうか?

お手隙の際で構いませんのでご返答いただければと存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。
回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2024-01-18 14:02:25
エアフローなんぞで、固くこびり付いた歯石は取れません。
着色除去が関の山です。
そんなもので取れたら楽な治療で良いのですが、ダメですね。

メンテナンスには楽で良い機械でしょうが、治療にはなりませんね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ma_ruさん
返信日時:2024-01-18 23:49:46
度々のご回答ありがとうございます。

エアフローでは歯石は取れないのですね。「メンテナンス」としているクリニックと「歯周病治療・メンテナンス」としているクリニックがあってよく分からなかったのでお伺いできて良かったです。

船橋先生からの回答を踏まえて改めて情報を見てみるとバイオフィルムの除去には効果的なもののようですね。
チップなどを使うと縁下10mmにも対応できるとあったので、いつか機会があればメンテナンスで試してみようと思いました。


重ねてお礼申し上げます。
回答 回答3
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2024-01-19 15:22:18
〉チップなどを使うと縁下10mmにも対応できる

チップの大きさを見てみてください。
そんな大きさのものを入れてエアーとパウダーを噴射させたら、せっかくくっついた歯茎の意味がなくなりますね。


歯周ポケットが深い歯を抜いたら歯根にどうやっても取ってもらえなかった歯石がビッシリ取り残されていて、こりゃ治らないなぁとわかるものです。

根面の汚染物質を徹底的に取り除き平滑にしながら殺菌消毒もしながら象牙細管も塞ぎながら歯周組織を収斂できる治療はEr-YAGレーザーが秀逸だと実感しています。

フラップ開いた治療ではレーザー加算が付いています。
積極的に使ってもらうと良いのではないかと思います。


8o10oの歯周ポケットのコントロールは大変難しいです。
きちんと治療を受けられるとよいですね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ma_ruさん
返信日時:2024-01-21 00:05:59
エアフローでのメンテナンスにはそのようなデメリットがあるのですね。

どこのクリニックにも「歯と歯茎に優しい」書かれていて、日本歯周病学会歯周病認定医でEr-YAGレーザーを使っているクリニックでもエアフローでのクリーニングが行われていたので、すっかり良いものかと思って見ていました。。


歯周病専門医の先生にレーザーのことを聞いてもあまり良い意見が出なかったことが多かったので、Er-YAGレーザーが秀逸とのお話を伺えたこともとても良かったです。

船橋先生のおっしゃる通りまずは治療が大事なのでEr-YAGレーザーで治療してもらえるところを早く見つけたいと思います。


おかげさまで色々と迷いがあった頭の中もすっきりいたしました。
本当にありがとうございました。



タイトル フラップ手術、セメント質を除去すると歯茎と歯が着かなくなるのでは?
質問者 ma_ruさん
地域 非公開
年齢 50歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯周外科治療(フラップ手術)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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