半埋伏歯の抜歯は保険定義では難抜歯で算定するのか?

相談者: 蟻さん (25歳:女性)
投稿日時:2010-12-01 16:37:47
参考:過去のご相談
抜歯・難抜歯・埋伏歯、手術の項目と点数加算に納得いきません
他多数



いつもお世話になっております。

親知らず(一部だけ歯肉から見えている=右下・左上と、完全に歯肉に埋もれている=左下)の抜歯後、保険点数の算定に関して疑問があるとの旨、相談させていただいた者です。

その節はお世話になりました。

担当の先生にお話して、説明していただきました。


・右下…「抜歯手術・難抜歯470点」で算定されている。

難抜歯の算定用件

「歯と骨が癒着・歯根が肥大・歯根が湾曲」などの理由があって「歯牙を分割したり(歯根分離術)、骨を開削したりしての抜歯となった場合」
には該当しなかったようです。

しかし「半埋伏歯だったので難抜歯になる」という説明でした。
先述の算定用件のほかに「半埋伏歯=難抜歯」というルールがあるというニュアンスのお話でした。


【先生方に質問です】

調べた限りでは見つけられなかったのですが、「半埋伏歯の抜歯は難抜歯で算定する」という意味合いの保険のルールがあるのでしょうか?
どう定義づけされているのでしょうか?

・左上…「抜歯手術・埋伏歯1050点」で算定されている。

少しだけ歯茎から歯冠が見えている親知らずではあったものの、歯茎の中で骨に埋まっていたので、木槌でたたいて骨から出す処置をしたため「埋伏歯」になるとの説明でした。

手術中の記憶では、木槌を使ったのは左下の歯の歯根を分割した時だと思っていたのですが、左上でも木槌を使っていたかどうか覚えていません。

左下の歯は四分割されていましたが、左上の歯はそのままの形でもらって帰ってきています。

【先生方に質問です】

木槌で骨だけを割り、歯を分割せず抜歯できるケースもありますか?
それとも、木槌を使った場合必ず歯は割れた状態で抜かれますか?

左下…「抜歯手術・埋伏歯1050点+下顎水平埋伏智歯加算100点+下顎完全埋伏智歯(骨性)加算100点」で算定されている。
これはやはり加算ミスだったそうです。

下顎水平埋伏智歯加算100点+下顎完全埋伏智歯(骨性)加算100点はどちらか一方しか算定できないそうで、訂正していただきました。

お忙しい中、最後までお読みくださいましてありがとうございます。
お手数おかけしますが、先生方からご回答のほどいただけましたら幸いです。

よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2010-12-01 16:46:39
>「半埋伏歯抜歯は難抜歯で算定する」という意味合いの
保険のルールがあるのでしょうか?

半埋伏という事は一部骨が被さっているという意味ですから、理論上その骨を除去するか、歯を小さく分割するしか抜くことはできません。
という保険上の理解になります。
当然難抜歯になりますね。


>木槌で骨だけを割り、歯を分割せず抜歯できるケースもありますか?

基本的にノミと槌で削るのは骨で歯は削る対象にはなりません。
ノミと槌で歯を割ったのは特殊な場合と考えてください。


ご参考になさってください。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-12-01 16:51:58
こんにちは。

>木槌で骨だけを割り、歯を分割せず抜歯できるケースもありますか?
>それとも、木槌を使った場合必ず歯は割れた状態で抜かれますか?

木槌で割るのは骨であって、歯を木槌では割りません。
多少強引に感じるかも知れませんが、骨という物の性質上切削器械で削るよりも、場合によっては安全に骨を除去出来るからです。

因って歯は壊れずに抜歯される事も少なくありません。



また、骨を開削するためには木槌とエンジンだけが使用されるわけではありません。

ノミ様の物で手の力で押して使う場合もあるでしょうし、抜歯に使用しているエレベーターで周囲の骨も抜歯する時の力でパキパキと割れてしまう事もあります。

専用の物で形や大きさが向かないような状況があれば、専用の器具を使用せずエキスカベーターなどで骨を除去したり、抜歯そのものをしたりする事もあります。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-12-03 06:18:16
>「半埋伏歯抜歯は難抜歯で算定する」という意味合いの
保険のルールがあるのでしょうか?
>どう定義づけされているのでしょうか?

あくまで私(東京都)の経験ですが、新規指導の際、パノラマレントゲン写真上で、かなり傾いていて骨を削らないと抜歯出来ない状態のものでも、半埋伏だったので難抜歯算定していたら、指導医にこれは完全埋伏算定して良いですよ、と教えられた事があります。

言葉の定義上の表現で受ける印象と、実際の臨床にはかなりの差がある、と考えて下さい。

今回のご相談のケースには問題はないと思います。

それどころか、ご存知ないのかもしれませんが、日本でのこう言う難しい手術の保険での評価は異常に低く、国際標準の3分の1以下ですので、日本に生まれた幸運を知っていただきたいと思います。(逆に言えば、日本の歯科医は腕はあっても恵まれない状況である事も、合わせてご理解下さい。)

気になりましたので、一言私見を述べさせていただきました。

お大事に。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 蟻さん
返信日時:2010-12-04 21:18:07
細見先生
田中先生
松元先生

ご回答ありがとうございます。
大変参考になりました。

これでいったん一連の歯医者さんへの通院が終わりました。
抜歯後の経過も順調です。

こちらの相談室では多くの先生方からアドバイスをいただけたことに感謝しております。
お蔭様で、自分で選び、納得ゆく治療を受けることができました。

先生方、本当にお世話になりました!
またの機会がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。



タイトル 半埋伏歯の抜歯は保険定義では難抜歯で算定するのか?
質問者 蟻さん
地域 非公開
年齢 25歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 抜歯:8番(第三大臼歯、親知らず)
親知らずの抜歯
治療費・費用
親知らず抜歯の費用・料金・値段
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

歯磨きをしても虫歯になる原因 デンタルフロスは効果無し? 歯ブラシとデンタルフロスどっちが先? 歯科衛生士が就職前に絶対に知っておきたい