ウォーターピックについて

相談者: みれいさん (44歳:女性)
投稿日時:2011-08-21 12:52:55
⇒参考:別のご相談
「前歯を抜歯すると鼻の下が長くなるというのは本当ですか?」
参考:過去のご相談
「抜歯した右下4番の歯茎に、数週間に1度、水疱ができます」
他多数



さがら先生こんにちは。

いつも丁寧な説明を拝見しております。
写真をみても優しそうで、何となくお人柄がわかるような気がします。
できれば先生のクリニックで診て頂きたいくらいです。
ちょっと遠いので諦めてますが・・・

今日はウォーターピックについてお伺いしたく、投稿しました。

少し前に他の方のご相談に対し、さがら先生が「ウォーターピックは意味がない」と説明しておられました。
実は私もウォーターピックの愛用者で、歯磨き前に使うのですが、これを使うのと使わないのとでは食べかすの掃除が全然違うのです。
食べかすが虫歯になるわけではないのは勉強しましたが、この食べかすが長時間残っていたら細菌が繁殖したりしないのでしょうか?
それがプラークの原因にはなりませんか?

極端な話し、何も食べなくても虫歯にはなる? という事ですか?

ウォーターピックもそう安いものではありませんし、時間も無駄にしているなら考えてしまいます。
ちなみに3食後使ってます。

ご返答急いでいる訳ではありませんので、お手隙の時で構いません。
教えて頂けると幸いです。
宜しくお願い致します。
[過去のご相談]


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2011-08-22 08:36:00
ご相談ありがとうございます。

このサイトでのご指名は御法度ですが、今回限りといたしまして、写真の評判はいろいろで、だまされやすい顔だとか言われたこともあります。


さて、ご質問について、以前にも私を含めて先生方が回答しておりますが、もう一度説明いたします。



>少し前に他の方のご相談に対し、さがら先生が「ウォーターピックは意味がない」と説明しておられました。
>実は私もウォーターピックの愛用者で、歯磨き前に使うのですが、これを使うのと使わないのとでは食べかすの掃除が全然違うのです。



食べかすの掃除に効果があれば意味はあります。
他の方法がいいとは思いますが、掃除方法はいろいろありますから、お好みの方法でかまいません。

ただ、予防を目的としているならば、その効果は証明されておりませんし、一生無理なく続けるには余計なことを増やすと、肝心なことがおろそかになりやすいからです。

無理なく、無駄なく、毎日の生活に支障なく、続ける工夫が成功の鍵であるからです。

一生歯を残すことは、普通のかたであればまず実現できますし、当院では実績があります。
しかしそれにはコツがあり、ポイントを押さえなくてはなりません。

皆様が自己流で行っていることは、大分ポイントがずれております。
逆に歯を残す邪魔をしています。



>食べかすが虫歯になるわけではないのは勉強しましたが、この食べかすが長時間残っていたら細菌が繁殖したりしないのでしょうか?


たしかに雑菌が繁殖します。
しかし菌はお口の中に500種類くらいありますが、それがムシ歯歯周病を起こす原因の菌でなければ、病気にはなりません。

ただ、食べかすが、病気の菌を歯磨きする邪魔をすれば、病原菌は一緒になって増えていきます。

したがって、食べかすをとることも大事です。
でもそれが元から治す治療になっているわけではありません。



>それがプラークの原因にはなりませんか?


プラークの一部になっているかもしれませんが、その後繁殖を繰り返して病気を起こす菌に圧倒されてしまうと思います。

しかし、それほど長くそのままでいることはなく、掃除をする気になるか、歯を失ってその雑菌は追い出されるでしょう。



>極端な話し、何も食べなくても虫歯にはなる? という事ですか?


もし今全くムシ歯でき始めていないとして、何も食べなければムシ歯にはなりません。


しかし、プラークについてはちがいます。
またムシ歯にならなくても、歯周病は影響を受けます。

体が生きている限り、お口の中には栄養があり食事に困らず、湿度は100%で高く、温度も36度くらいで寒くならず、歯が残っている限りそこにくっついていられるという家も保証され、と、病原菌にはまるで一年中ハワイにいるような最高の環境でヌクヌク増え続けます。

ご自分で確認することもできます。
してはいけませんが。


長期間、絶食をして、歯磨きをせず、ウォーターピックだけを使ってみてください。
ヌルヌルわかるほど増えるはずです。
歯周病は悪化するはずです。

健康上良くありませんから、絶食道場などお医者さんの管理の元で行うことと、栄養は経管食か点滴で補充することなどいろいろ設定が必要ですから、決してお一人でしてはいけませんが、ウォーターピックの効果が実感できるはずです。


それ以外に気がついたことがあります。
ご質問はとても大切なことであり、とても良いポイントです。

しかし、ほとんどが初歩的なことです。
つまり、一生歯を残すための予防医療を全く受けていらっしゃらないことが想像されます。

良くある勘違いですが、歯石を取りにいっているとか、定期検診を受けている、とかで安心されているかたを良く聞きます。

それだけでうまく行くかたもおられるとは思いますが、根本から予防に取り組まれたほうが、もっと楽に治療から解放されると思います。

くりかえし歯を削る治療から解放されることが予防の目的の一つでもあるからです。

歯を削りに歯科医院に繰り返し通院していることは、予防が効果を上げていない証明にもなります。

ウォーターピックだけにこだわらず、基本から取り組まれることをお勧めいたしまう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: みれいさん
返信日時:2011-08-22 09:27:39
さがら先生有難うございました。
ご指名ご法度だったんですね。すみませんでした。

さがら先生の言われる「予防医療」と言うのがよく分かりません。

私は一箇所ブリッジになった時、衛生士さんからその部分はウォーターピックや専用のフロスを使うようにすすめられました。
殆ど被せ物の歯ですが、フッ素歯磨き粉も使うようにと。
(被せ物の歯にフッ素が効果あるのか疑問ですが・・・)

予防医療を全く受けていない・・・・と言われても、正直困ります。

指導というのはこちらからお願いするものではないですよね。
さがら先生のような歯科医師に巡り合った方はラッキーという事ですか?
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-08-22 11:05:59
みれいさん、今日は。

横からすみません。

>実は私もウォーターピックの愛用者で、歯磨き前に使うのですが、これを使うのと使わないのとでは食べかすの掃除が全然違うのです。

これは、

A)使っても使わなくても最終的には同じように食べかすも、歯垢もきれいに除去できるが、使ったほうが効率が良い。

ということなら、使われればよいと思います。


B)使わずに歯磨きをすると、食べかすがいっぱい出てくる。

ということなら、ウォーターピックは除去される食べかすが目には見えないが、歯ブラシは除去された食べかすが目に見えるだけの違いで、どちらも食べかすはとれているので、食べかすをとるなら、どちらを使用してもかまわないと思います。
時間と費用のコストと、使われる方の気分的な問題です。


C)使わずに歯磨きをすると、食べかすが残ってしまう。

ということなら、歯磨きが問題です。
歯ブラシだけでは食べ貸すが残るようなところには歯ブラシがあたっていないことが予測されますので、、おそらくウォーターピックを使用してもこのような場所は歯垢が残っている可能性が高いと思います。



>私は一箇所ブリッジになった時、衛生士さんからその部分はウォーターピックや専用のフロスを使うようにすすめられました。

ウォーターピックは、効率やご自身の気分的な問題なので、使用してもしなくてもよいと思いますが、食みがきは歯ブラシだけで”歯垢”が除去できないのなら、専用のフロスや、歯間ブラシなどの補助器具を併用されたほうがよいと思います。


>殆ど被せ物の歯ですが、フッ素歯磨き粉も使うようにと。
>(被せ物の歯にフッ素が効果あるのか疑問ですが・・・)

フッ化物は、かぶせもの自体には効果はありませんが、虫歯になりやすいかぶせものと歯との境目の予防のためには効果がある可能性があります。


>予防医療を全く受けていない・・・・と言われても、正直困ります。
>指導というのはこちらからお願いするものではないですよね。
>さがら先生のような歯科医師に巡り合った方はラッキーという事ですか?


日本の歯科医療では治療が中心で予防に関しては正しい知識が普及しておりません。
予防に熱心と思われる開業医でも、商業ベースで知識の普及が進んだために、情報がかなりゆがめられていることが多く見受けられます。

我々の世界では、”ドグマ”と言って、一般的に正しいと言われていることが実は間違っているということはたくさんあります。
一般に”都市伝説”と言われるようなものです。

残念ながら、予防に関しては、よい先生に巡り会える可能性は少ないと思います。
さがら先生のようなかたがたくさんみえるとよいのですが。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-08-22 13:25:53
ご返信ありがとうございます。

>予防医療を全く受けていない・・・・と言われても、正直困ります。


すみません。
つい、言い過ぎてしまいました。
訂正します。

きちんとお受けになっておられるのですね。
申し訳ありません。

小牧先生のお話の通り、日本ではいろいろな取り組み方がありますから、そのような解釈の予防もあるのだと思います。
効果が出ていて、ご自身に合っていれば良いと思います。



ただ、予防の目的が一生歯を残すためであったり、もう二度と削らないで暮らしたい、とかであれば、内容が少々違うという、別の考えのお話です。

そのためであれば、掃除の道具の話の前に、基本的に大事な健康と病気の知識についてのお話が先にくる順番が良いと思っています。



そして、世の中にいろいろある方法をお話ししてからご自由に選択をしていただいて、それからくわしい検査をして、診断をして、相談しながら計画を立てて、実行して、実行した結果をまた検査して、評価して、また相談しながら計画を立てなおして、またそれを実行して、・・・、という延々そのくり返しになります。

したがって対話が長くなってしまいます。



道具の話はその中でするほんの一部のお話にしか過ぎない、大事なことの後にくる、それほど大事でもない順番と思っています。


何しろ、歯垢という名前の手ごわい病原菌を相手にすることが健康のコツですが、相手を食べかすという名前の食品、それも病気の原因ではない全く別の物に気を取られては、効果が薄いからです。

たとえれば、弓で的を射るときに、くっついていてすぐ隣であっても、全く別の的を狙っていては、オリンピックでも勝てません。



>指導というのはこちらからお願いするものではないですよね。


いいえ、ご希望があればお話をしていただいて良いと思います。
ご担当の先生とよく相談することをお勧めいたします。


>さがら先生のような歯科医師に巡り合った方はラッキーという事ですか?


いいえ、ご自身のご希望に合うところは探せば見つかるはずです。
私も先輩方から教わりました。

小牧先生は私など足元にも及ばない予防の権威で私も学ばせていただいています。
なお、実物はおしゃれなダンディで、犬ではありません。

小牧先生以外にもこのサイトに回答していらっしゃる先生方は素晴らしい歯科医師が多く、ほとんど予防に関心が高いはずです。

まずはご担当の先生とよく相談することをお勧めいたします。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: みれいさん
返信日時:2011-08-22 21:16:43
さがら先生、小牧先生ご返答有難うございました。

よく分かりました。
少し無駄な費用と時間を費やしていたような気がします。

今かかっている歯科の先生がどれだけ予防医療に関心があるか分かりませんが、できれば相談してみようかなと思います。

小牧先生はオシャレでダンディな先生なのですね。
「犬ではないだろうな」とは思ってましたが(笑)
さがら先生のようにニコニコ顔の写真を載せたら、きっと相談者はメンタル的に安心しますよ。
優しそうな先生の写真付きですと何を言われても説得力があるような気がします。
すみません、雑談でした。

先生方、くだらない質問に丁寧に答えて頂き、有難うございました。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2011-08-22 22:28:27
>C)使わずに歯磨きをすると、食べかすが残ってしまう。

>ということなら、歯磨きが問題です。
歯ブラシだけでは食べ貸すが残るようなところには歯ブラシがあたっていないことが予測されますので、、おそらくウォーターピックを使用してもこのような場所は歯垢が残っている可能性が高いと思います。


ウォーターピックを使ったことのある人なら誰でも経験があると思いますが、歯みがきした後でも、ウォーターピックを使うと食べカスが必ずといっていいほど出てきます。
歯みがきの後にフロスを行ってもプラークが付着してくるのと一緒です。
元々歯みがきで食べカスをすべて除去するなどということは夢物語ですから、当然といえば当然なことかと思います。


ただ、食べカスを除去することがむし歯予防につながるかどうかはわかりません。
虫歯の原因は食べカスではありませんからね。
個人的にはウォーターピックはむし歯予防には無意味かと思います。

(ただ、歯周病予防には有効なんじゃないかとは思ってます。)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: みれいさん
返信日時:2011-08-22 23:00:33
森川先生、ウォーターピックの有用性に関しては良く分かりました。

今後使い続けるかどうか分かりませんが、少なくとも今使っているものがダメになった場合、新たに購入することはなさそうです。
とても勉強になりました。
有難うございました。



タイトル ウォーターピックについて
質問者 みれいさん
地域 非公開
年齢 44歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯予防
歯周病(歯槽膿漏)予防
歯磨き(プラークコントロール) その他
予防関連
材料・機材関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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