6番と7番の根管治療後のクラウンの素材で迷っている

相談者: redbullさん (42歳:男性)
投稿日時:2015-10-01 20:37:12
クラウンの種類について

こんにちは。
いつも勉強させていただいております。
今回は、臼歯のクラウンの種類について相談させてください。


現在、右上7番、左上6・7番の根幹治療をしており、近々クラウンを入れる予定になっています。
元々は保険の銀歯で良いと考えていたのですが、いざ入れる段になって本当にそれで良いのか悩んでいます。

自分としては、上の奥歯ということもあり、審美性は気にしていません。
(他にも銀のクラウンインレーがあるので)

また、金属アレルギーも無いです。
(今後アレルギーになる可能性もありますが、既に他にもたくさん銀歯があるので、アレルギーに対する心配という意味で考えるなら、他もやらなくては意味がないので、アレルギーの点は今回は度外視したいと思っています)

二次的な虫歯になる可能性や、適合性、耐久性、など実用面をメインに選択したいと思っています。


今後、3本または4本のクラウンを入れる必要があるので、金銭的にもちょっと厳しいので、もし保険外にするならば、ハイブリッドにしようかと考えていますが、こちらのサイトを拝見すると、ハイブリッドは賛否両論あるようですね。

それでも保険の銀歯よりは十分メリットがある、と考えていいのでしょうか?
(審美性以外の面で)

もし良いとすると具体的にどういった点が良いのでしょうか?
ちなみに、ハイブリッドの場合は金属の裏打ちのあるものになるようです。


今まで、保険の治療しか受けたことがなく、効果の程が明確でないものに、数十万円の金額をかけるのがどうも抵抗があり決断できずにいます。

ちなみに、金歯は見た目的に抵抗があるので考えていません。
(審美性を気にしないと言っておきながら変ですが)


また、担当医から、「銀歯は時間とともに錆びて溶け出し、それが二次的な虫歯の原因になる」というような説明を受けました。
銀歯が溶け出すというのは、こちらのサイトでも拝見していいるのですが、それが二次的虫歯の原因になる、というのは有るのでのでしょうか?
(成分がという意味で受け取ったのですが、そうではなく溶けて穴が開いて、そこから虫歯になる、という意味でしょうか?)


もちろん、いろいろの考え方があると思いますが、ご意見いただけるとありがたいです。
[過去のご相談]


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2015-10-05 09:39:35
二次的な虫歯になる可能性や、適合性、耐久性、など実用面をメインに選択したいと思っています。

二次カリエスの発生、適合は材質の差では無く、歯科医師歯科技工士のウデの差です。

耐久性で言えば保険の金銀パラジウム合金は破損の可能性も低く、長く持つ材料です。


>それでも保険の銀歯よりは十分メリットがある、と考えていいのでしょうか?
>(審美性以外の面で)

審美性、金属アレルギーのリスクを全く考えないと言う事であればハイブリッドセラミックスを選ぶ理由は全くありません。


>今まで、保険の治療しか受けたことがなく、効果の程が明確でないものに、数十万円の金額をかけるのがどうも抵抗があり決断できずにいます。

それであれば保険の銀歯でも構わないと思います。

自費治療

 良かったけど高かった

では満足のいく結果とは言えません。

コストパフォーマンスと言う意味では日本の保険治療は世界最高レベルですから。


>担当医から、「銀歯は時間とともに錆びて溶け出し、それが二次的な虫歯の原因になる」というような説明を受けました。
>それが二次的虫歯の原因になる、というのは有るのでのでしょうか?

材質的にそのような事にはなりません。
上手な先生が丁寧に作れば保険の銀歯でも10年20年と使えるはずです。

3人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: redbullさん
返信日時:2015-10-08 17:58:02
櫻井先生

丁寧なご回答ありがとうございました。
またお返事が遅くなり大変失礼しました。


> 審美性、金属アレルギーのリスクを全く考えないと言う事であればハイブリッドセラミックスを選ぶ理由は全くありません。

つまり、銀のクラウンハイブリッドクラウンを比較した場合のハイブリッドの長所は、審美性と金属アレルギーのリスクが低いという点がメインで、それ以外の長所はあまりない、というお考えでしょうか?

また、ハイブリッドに関する以前の記事を拝見すると、いろいろと欠点もある、というような記述もあるようですが、だいぶ古い記事もあるので、現在ではどうなのかと気になっています。
(素材や技術の進歩など)
現在でも状況は同じでしょうか?


ご意見いただけるとありがたいです。
宜しくお願い致します。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2015-10-08 17:58:50
銀のクラウンハイブリッドクラウンを比較した場合のハイブリッドの長所は、審美性と金属アレルギーのリスクが低いという点がメインで、それ以外の長所はあまりない、というお考えでしょうか?

その通りです。

逆にハイブリッドセラミックスの短所

 1 フィットが甘い(適合が劣る)
 2 経時的に変色する
 3 割れる
 4 すり減る
 5 プラークが停滞しやすくなる

と言う事もお考えになられた方がよろしいかと思います。


>ハイブリッドの場合は金属の裏打ちのあるものになるようです。

との事ですが、上記1と3を改善するために金属の裏打ちをするだけで、2,4,5は金属無しのハイブリッドセラミックスとなんら変わりはありません。



>現在でも状況は同じでしょうか?

多少は改善されておりますが、劇的には変わっていませんね。

製作方法がCAD/CAMで作れるようになった事くらいでしょうか。


僕も4年くらい前まではハイブリッドセラミックスを多用しておりましたが、どうも5年経過くらいからの劣化が目立つようになってきたので、今はほとんど勧めてはおりません。
(劣化には個人差がありますので、全員がダメと言う訳ではありませんが)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: redbullさん
返信日時:2015-10-15 11:35:33
櫻井先生

的確なご回答ありがとうございました。

>  1 フィットが甘い(適合が劣る)

上記は、銀のクラウンハイブリッド(金属の裏打ちのある)を比較しても、という意味でしょうか?


また、ここで言っている「適合」という言葉の意味は、土台へのフィットだけではなく、噛み合わせ面の形状や、嚙合わせの良さ、隣接する歯との隙間、等も含めて、という意味でしょうか?

何度も恐縮ですが、ご教示いただけるとありがたいです。
宜しくお願い致します。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2015-10-15 12:15:53
>上記は、銀のクラウンハイブリッド(金属の裏打ちのある)を比較しても、という意味でしょうか?

回答2で書いた通り、金属の裏打ちがあるとハイブリッドの欠点である「適合が劣る」と言う点は改善され、銀のクラウンと同等か、使用する金属の種類(ゴールド等)によってはフィットは良くなります。


噛み合わせ面の形状や、嚙合わせの良さ、隣接する歯との隙間

文字化けしておりますが…

咬み合わせの面、隣在歯とのコンタクト部は(設計にもよりますが)ハイブリッド素材が出ている面になりますので、摩耗や劣化は避けられません。

咬合面隣接面を金属にすれば摩耗や劣化は防げますが、審美性は損なわれますので、「だったら最初からゴールドクラウンとして設計する」事が多いような気がします。


「金属の裏打ちのあるハイブリッドセラミックス」と言っても、いろいろなパターンの設計があります。

 1 内面のみ金属で全周ハイブリッド(ハイブリッドマージン
 2 内面のみ金属で全周ハイブリッド(メタルマージン)
 3 舌面咬合面までメタル(頬面、隣在面ハイブリッド)
 4 頬面のみハイブリッド(窓あけ)

など。


一応、一般的には「2」である事が多いので、いままでの回答は「2」を想定して回答しております。

マージンフィットを犠牲にして審美性を向上させた「1」や、歯ぎしりなどが強い人の場合は「3」にする事もあります。
「金属の使用量を減らす(原価が安くなる)」「軽く作る(微々たるものですが)」のが目的で「4」とする可能性も考えられます(ほとんどしないと思いますが)。


どのような設計にするのかは担当の先生としっかり相談された方がよろしいかと思います。
場合によっては見本やイラストを見せてもらうと寄りイメージしやすいかも知れません。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: redbullさん
返信日時:2015-10-15 13:45:50
櫻井先生

ご回答ありがとうございました。

ひとくちにハイブリッドといってもいろいろな種類があるのですね。勉強になりました。
お伺いしていると、どうもハイブリッドは自分の要望には向かないように思えます。


費用はかかってしますが、セラミックメタルボンド)も検討しようかと思うのですが、メタルボンドであれば、上記のような適合の悪さは解消され、銀のクランと比べて適合が良くなると考えられるでしょうか?
(もちろん、医師の得意・不得意や、時間のかけ方の違いはあるでしょうが)

何度も恐縮ですが、宜しくお願い致します。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2015-10-15 14:14:25
メタルボンドであれば、上記のような適合の悪さは解消され、銀のクランと比べて適合が良くなると考えられるでしょうか?

そうですね。

おおむねそうなると考えてよろしいかと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: redbullさん
返信日時:2015-10-18 14:24:13
櫻井先生

丁寧なご回答誠にありがとうございました。
大変よく理解できました。

今回の質問はこれにて解決とさせていただきます。
ありがとうございました。



タイトル 6番と7番の根管治療後のクラウンの素材で迷っている
質問者 redbullさん
地域 非公開
年齢 42歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 保険のクラウン(奥歯:銀歯)
ハイブリッドセラミッククラウン
お勧めのクラウン(被せ物・差し歯)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

歯磨きをしても虫歯になる原因 デンタルフロスは効果無し? 歯ブラシとデンタルフロスどっちが先? 歯科衛生士が就職前に絶対に知っておきたい