根管治療にラバーダムは本当に必要か?

相談者: dekachikuさん (39歳:男性)
投稿日時:2016-10-22 10:38:31
現在根管治療をしていてラバーダムを使っていないので、心配で書き込みをさせて頂いております。

今日近所の病院、少し遠いところの病院に電話で聞いたところ、驚くことに100%ラバーダムを使っているというところがなく、ケースバイケースで使うかどうか決めるとのことでした。
病院によっては、ラバーダムは保険でも義務付けられていないので、必ずしも使う必要はないとのことでした。


今の病院がラバーダムを使っていないので、転院をしようかと考えていたのですが、ラバーダムを使っていないところが非常に多いのので、今の先生との関係もあって転院するかどうか迷っています。

今の先生にラバーダムを使って下さいといえばよいのでしょうか?
ラバーダムをお願いした場合、いくらプラス料金を払えば宜しいでしょうか。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2016-10-22 10:49:08
dekachiku さんこんにちは

>今の先生にラバーダムを使って下さいといえばよいのでしょうか?

それぞれの先生に感が方もありますし、保険診療では医院のサービスとなってしまいますからお願いをしても難しいと思います。
ただでさえ、保険診療の根管治療の治療費が安い、いわゆる不採算部門ですからそこにさらに経費をかけてとなると‥‥。


>いくらプラス料金を払えば宜しいでしょうか。

例えばですが、ラバーダム代として別途料金を頂くということは混合診療となってしまいますからできません。


>驚くことに100%ラバーダムを使っているというところがなく

残念ですが、保険診療で100%ラバーダムを使っている 医院を探すことは至難の技かと思います。
もしも、100%ラバーダム にこだわられるのであれば自由診療で 100%ラバーダムを使って根管治療をしていただける医院さんに転院されるしか方法が無いと思います。

ご参考になれば

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-10-22 10:50:17
dekachiku様おはようございます。

ラバーダムについてですね、この掲示板でも絶対必要だと主張するDrと私のようにほとんど必要を感じないDrとに見事に分かれます。

使う使わないはそれぞれ理由があるのでどうしても使ってほしいという事であれば使ってもらえるDrを探すしかありません。

使っていないDrに使ってくれというのもおそらく気後れするでしょうしいわれたほうもうっとしいと感じるでしょう。

少なくとも私は感じます。


>今の先生にラバーダムを使って下さいといえばよいのでしょうか?

一度言ってみてはどうでしょうか。


>いくらプラス料金を払えば宜しいでしょうか。

そういう問題ではないと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: dekachikuさん
返信日時:2016-10-22 10:55:12
水川先生 コメント有難う御座います。

混合治療というのはできないのですね。
変な制度ですね
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: dekachikuさん
返信日時:2016-10-22 10:59:00
山田先生 コメント有難う御座います。

山田先生がラバーダムを必要とされない理由は何でしょうか?
これまでのご経験で細菌感染がなかったからでしょうか?

出来れば転院したくないので、ラバーダムを使わなくてもよいという理由をお聞かせ頂ければ幸いです。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2016-10-22 12:47:40
>山田先生がラバーダムを必要とされない理由は何でしょうか?

必要としないからです。


>これまでのご経験で細菌感染がなかったからでしょうか?

感染根管なら根管内はそもそも感染しています、しかしそれを無菌にすることなどできません。


>出来れば転院したくないので、ラバーダムを使わなくてもよいという理由をお聞かせ頂ければ幸いです。

根尖孔さえ緊密に封鎖できれば治るようです、つまり根管形成が根尖までできているかと、根尖まで根管充填ができて根尖が封鎖できたかです、これができなければ治癒は望めないでしょう、しかし中にはラバーダムなど到底使ったと思えないようないい加減な根管充填でも治っているのがあるから不思議です。

そのような歯を抜歯する機会があればマイクロで観察しますが本当にきれいに治っています。

回答 回答4
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2016-10-22 13:13:11
ラバーダム根管洗浄剤(消毒剤)が口腔内に漏れないようにするために使われていることが多いと思います。

再根管治療は元々細菌に完成している歯髄腔歯質への治療ですから最初から無菌状態ではありません。
汚染された歯質や充填剤を無理無駄なく機械的に除去して更に薬剤で消毒して無害化するということをやっています。

再汚染する前に薬剤で蓋をするのですから基本的にラバーダムの使用の有無はそんなに予後に影響を与えるものではありません。


それよりも口腔内からの汚染を防ぐための隔壁をちゃんと作っておくことと治療途中に緊密なシーリングを行っておくことなど別のことのほうが大切だったりすると思います。

小児の治療の場合は嘔吐反射や急に動くなどの突発的な問題が起こる可能性があるので、ラバーダムを好んで使われる先生はおられます。

大人の場合は口腔内も広くなっていますし、排唾管やバキュームで常に吸引しておくことで問題なく治療が進行できる場合が多いです。
ただ、小児並みに唾液の出が異常に多く下顎の臼歯のように排唾が間に合いそうもなく根管治療の支障になる場合はラバーダムを行ったほうが術者もストレスも軽減するのでラバーダムを行う場合もあると思います。


元々汚染されていた部分を機械的にも化学的にも殺菌消毒しますから、ちゃんと通常の吸引が行われていれば治療成績に問題になることはないと思います。

マイクロを用いた診療では視認できる術野が狭くなりますからラバーダムをされる先生は多いです。
多くは安全面での問題です。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2016-10-22 17:07:06
以下、長文です。


ラバーダムを使わなくてもよいという理由

僕的には「そんな理由は無い」です。


「シートベルトをしなくてもよい理由」
「ヘルメットをかぶらなくてもよい理由」

と同じです。

シートベルトもヘルメットも今は義務化されているので装着が当たり前でしょうが、そもそも「義務だから装着する」のでしょうか?

本来は「安全のために装着する」はずです。

必要ないと言っているのは「(たまたま)今まで事故を起こさなかったから必要ない」と言っている過ぎません。


確かにラバーダムは義務化されてはおりませんが、歯科大学では「必ずラバーダムをすること」として習います。

10年ほど前まで保険点数にもラバーダムの点数は設定されておりましたが、現在では無くなりました。
それは「ラバーダムをしなくても良い」のではなく「必要に応じてラバーダムをすること」を前提に「再診料に包括化された」だけです。


大学(教習所)で装着するよう指導されているラバーダム(シートベルトやヘルメット)を装着しないで良いという理由は無いでしょう。

妊婦さんなどでシートベルトの装着が困難な場合などと同様にラバーダムでも装着が困難な場合は例外的にはあります。
しかし、そういった例外でなければ「するに越したことはない」あるいは「するべき」なのです。


それと、もう一つ。


とあるブログに海外の日本人歯科医

「日本の歯科治療がガラパゴス状態」
「一度に二人以上の患者さんを担当するというスタイルは、おそらく日本だけでしょう。
あと思いつくのは戦場ぐらいなものです。」

と書かれていました。

僕もまさに同感です。


根管治療とは医学的に言えば「体内と外界を交通させる治療」です。
大げさに言えば「開腹手術と一緒」と言う事になります。

ラバーダムはいわば「小さな手術室」です。

「極力、汚染を持ち込まない環境を作る」ためには必須の処置です。

「ラバーダムをしない治療」と言う事は「手術室のない野戦病院での手術」と一緒です。


僕も10数年前まではラバーダムをしていませんでした。
それでも大きな事故もありませんでしたし、根管治療もそれなりに治っていたと思います。

しかし、それは「たまたま大丈夫だった」ということに過ぎないと思い、反省しています。


「シートベルトをしない」
「ヘルメットをしない」
「野戦病院のような環境での手術」

どんなに腕があったとしても「それじゃダメ」なんですよ。

ちょっと大げさなように感じられるかもしれませんが、基本的には同じ事です。


ラバーダムを使うか使わないか、最終的には

「医療人としてのモラルの問題」

なのかもしれません。


長くなりましたが、参考まで。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: dekachikuさん
返信日時:2016-10-22 17:23:42
櫻井先生 詳細なご説明有難う御座いました。シートベルト、ヘルメットに例えて考えると確かに分かりやすいですね。

ちなみに、先生のところではマイクロスコープとラバーを使って保険診療はやって頂けるのでしょうか?
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2016-10-22 20:42:52
メチャ長文ですが、ご興味があれば読まれてみてください。


→参考:ラバーダム大激論



回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2016-10-22 21:15:35
>「医療人としてのモラルの問題」

常々モラルの問題だと考えていることを少し書き留めておきます。

根管充填ができていないにもかかわらず高価なセラミックを被せている。

抜髄した歯が痛いと言っても気のせいにする。

根管治療した歯が響くと言ったら無髄歯はそんなものという。

・3カ月に一度定期検査をして、毎回スケーリングをする。

・根管治療をしている歯が痛いというとTCHに気を付けてくださいと返事をする。

あげればきりはありませんが・・・。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2016-10-22 21:42:58
dekachikuさんへ

残念ながら櫻井先生は保険医ではないので保険診療はできないと思います。

さすがに大学病院以外でラバーダムを保険診療でほぼ使う歯科医院を探すのはとても困難だと思います。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2016-10-22 22:12:51
田尾先生、読んできました。
中々熱い議論が交わされていたのですね。


一応保険医ですし、根管治療保険なので大臼歯にはラバーダムを標準としています。

マイクロスコープを使う歯科医師としてはラバーダムした方が治療は楽だと思います。
大臼歯の根管内を観察してり処置する場合ミラーを使う方が多いと思います。
呼気の中に含まれる水蒸気がミラー面に付着して曇らせるからです。
ちゃんとした表面処理をすればミラーが曇る事は少ないのかもしれません。

歯牙の形態からラバーダムが付けづらい時はオーラルガードを利用しています。

ラバーダムを付けたから全て滅菌できるわけではなく、装着してからJと35%のH2O2を利用して術野を消毒しなければなりませんし、グローブやファイルなどの器具それぞれを少なくとも消毒レベルぐらいまで綺麗にした方が良いと思います。

1人の専門家がこの回答を支持しています  



タイトル 根管治療にラバーダムは本当に必要か?
質問者 dekachikuさん
地域 非公開
年齢 39歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ ラバーダム
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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