近い将来、歯科治療の修復材が進化することはないのでしょうか?

相談者: アクアさん (26歳:女性)
投稿日時:2008-12-06 13:18:45
こんにちは。
いつもこちらのサイトで勉強させていただいております。


私は子供のころ入れた保険メタルインレーの交換を考えており、現在素材を検討しているところでです。

急を要するものではないのでじっくりと考えたいと思い、いろいろと調べています。
貴金属やセラミックハイブリットのメリット・デメリットはこちらのサイトで勉強しましたので自分なりに承知しています。

貴金属にはすぐれた調和性がある代わりに審美的な欠点があり、セラミックやハイブリットは審美的にすぐれている代わりに強度・耐久性に多少問題がある(もちろん治療する先生によって違うと思いますが、一般論としての私の見解です)と言われますよね。


そこで疑問というか期待なのですが、近い将来、両者の長所を兼ね備えた、さらにすぐれた素材が開発されるような可能性はないのでしょうか?

つまり貴金属のように強度があり、マージンにぴったりフィットしてと同じように磨り減ってくれ、しかも審美性も良い素材です。
そのような素材が開発されたらいくらお金がかかっても飛びつきたいのですが…


先日、このようなサイトを見つけました↓実用化されるのはまだ先だと思いますが、どうなのでしょう?

http://wiredvision.jp/news/200804/2008040922.html



エナメル質は自己再生できると書いてありますが、私の認識では、再生しないと思っていました。
(再生できるなら、知覚過敏にならないですよね)

また、こちらのサイトで先生方がおっしゃっていたように、エナメル質より人工の修復物のほうが強度的にも良いですし、わざわざ天然のエナメル質で修復する治療が実用化されるのか?とも思います。


しかし、自分の歯と人工の修復物を接着させる非常に優れた素材が開発されたらいいのに、と思います。
例えば両者を分子レベルで溶かし、結合させるような特殊な接着剤で、隙間がゼロになるようなものです。

最先端の修復物について少しでも期待がもてるような情報がありましたらぜひ知りたいです!


相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: アクアさん
返信日時:2008-12-06 13:25:02
追記です。


エナメル質が自己再生するかという部分、自分の勘違いでした!

エナメル質は再石灰化するので自己再生しますね。
回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-12-06 18:13:38
アクアさん、こんにちは。


近い将来というのはどれくらいのスパンをお考えでしょうか。

私が大学に在学中(約20年前)は光重合レジンが出たてで、「すごいな」と思ってました。

現在はシェードの種類も豊富にあり、自費でほとんど境目がわからなくなるくらいきれいに修復することができます。

また、接着力に関しても以前に比べれば格段に進歩しています。

ハイブリッドセラミックスという材料も比較的新しいものです。

歯科材料は確実に進歩していると思います。


おそらく今後もどんどん新しい素材や技術が開発されることは間違いないでしょう。


それが近い将来かどうかはわかりかねますが・・・。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2008-12-06 18:30:26
こんにちは。

興味深い記事ですね。

ただ読んでる限りでは、まだ実質欠損のない(穴の開いてない)状態の虫歯再石灰化の様に思います。
(どっちとも読めますけど・・)

となるとフッ素でもプラークコントロールでもそれなりに成果が上がりますので、どれほどの費用対効果があるのか、微妙かも知れませんね。

よくテレビで取り上げられるヒールオゾン3Mix-MP法などもそれに近い発想ですしね。

一般の方は、「虫歯」と言うと穴の開いてるやつを想像すると思いますので、穴の開いた重症の虫歯を薬で治す・・というのはまだちょっと夢物語かも知れませんね^^;

それと日本の薬事認可が数年で下りるとはとてもとても・・



>貴金属のように強度があり、マージンにぴったりフィットしてと同じように磨り減ってくれ、しかも審美性も良い素材です。

確かに歯科界の夢ですね^^

今一番近いのは、間違いなくコンポジットレジンだと思いますよ。

強度やすり減り具合は歯質と同じぐらい(かやや柔らかい)、マージンフィットは腕次第、審美的。

その上製品によってはフッ素やストロンチウム(実は歯質強化にすごく良い)など有効なミネラルがずっと出続けたり、唾液との馴染みが良いのでプラークがたまり難かったり・・と。
むしろ虫歯予防になるのではないかぐらいの物もあります。

実際に歯質が強化されてる組織も顕微鏡像で確認されてますね。

参考⇒レジンでも2次カリエスの発生を食い止めることは可能ですか?


接着力もMAXならエナメル質にも象牙質にも20Mpa(1c?あたり200kgの引っ張り強さ)以上と、理屈の上では来るとこまで来てるかなと。

生かすも殺すも術者の技量次第というのが大きな欠点ですね。

それとまだやっと本当に良くなってきたところなので、最新のタイプの実績が十分にたまってない(=エビデンスになってない)ところも問題だと思います。

(今大規模なリサーチは始まってます)



あとはセラミックでも敢えて少し軟らかめのものが海外製品にならあるので、結構気になってます。
硬くさえなければ・・と言う材料ですから、大規模な修復や、手の届かないところには非常に良いと思います。

問題は接着ですね。
接着剤に頼らないぐらいの術者、技工士の技量もかなり大きいと影響すると思いますよ。

ハイブリッドセラミックも使い方次第ではそれに近いと思うのですが、どちらにしても接着剤で理想的なのがまだないというのは大きな問題ですね。

この辺りは今も年々新製品が出てきてます。



以上、「レジン愛」の渡辺の、予定通りの回答でした(笑)

参考→2次カリエス(二次カリエス)になる主な原因はなんでしょうか?

参考→レジン修復の適応範囲はどのくらいまで?

参考→フッ素を放出するレジンで治療してもらえますか?

参考→前歯が1/3欠けた場合、クラウンにする必要性は?(レジンでは無理?)

参考→6番ゴールドインレー予定、先生方の適合への「こだわり」は?

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: アクアさん
返信日時:2008-12-06 19:10:40
畑田先生&渡辺先生、教えていただいてありがとうございます!!


そうですね、私が子供の頃に比べたらびっくりするぐらい良いものができましたよね。
自分の口の中を見て、昭和の人間だなあ〜と感じます。


エナメル質再生というのが、COの再石灰化のことだとしたら、ちょっとがっかりですね…

渡辺先生は本当にレジン愛好家でいらっしゃるのですね!
私は子供の頃何の疑いもなく保険のインレーを入れましたから、その頃渡辺先生に出会っていたらなあ〜なんて思います。

大方の人がそうだと思うのですが、自分のに対する意識が高まるのって20代になってからですよね。時すでに遅かりし…です。


身体のほかの部分は再生技術が進んでいるのに、歯はどうして駄目なんでしょうかね…はやく実用化されてほしいです。

先生方の明るいご回答で、ポジティブな気分になりました。
本当にありがとうございました!
助言 助言1
助言者: dreaming appleさん
助言日時:2008-12-07 22:54:23
興味深い記事を見つけたので立ち寄らせてください。

東北大学で粒子状のハイドロキシアパタイトによる直接充填の研究が進んでいるそうで、非常に気になっています。


しかしながら心配なのは、新技術が確実にアクセスできるようになるのか、という点です。

今でも、きっちり根幹治療されていたり、2次カリエスになりにくい丁寧な治療をされている先生は、同業者から嫌みを言われていたりしますよね。

タカタ先生なんかは実家の周りに灯油を撒かれたとか。。。。

コンビニより多くなってしまった歯医者さんにとっては、新技術の登場というのは、かなりの脅威なのでは無いでしょうか。

歯医者さん自身を含めて、一度治療すればほとんど虫歯にならない、そのものが再生できるようになる、という技術の登場が理想なのですが、果たして社会の対応というのはどうでしょうね。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-12-07 23:05:01
dreaming appleさん、違うスレですがこんにちは。

>今でも、きっちり根幹治療されていたり、2次カリエスになりにくい丁寧な治療をされている先生は、同業者から嫌みを言われていたりしますよね。

そうなんですか?


>コンビニより多くなってしまった歯医者さんにとっては、新技術の登場というのは、かなりの脅威なのでは無いでしょうか。

いや、国民の口腔衛生を担当する歯科医師としては、私は新技術は歓迎しますよ。
しかし、世の中の研究や新技術といわれているものが実用化されるまでにはいくつかの障害を乗り越えなければなりません。


研究では結果を残せても、実際の患者さんの口の中では結果を出せない研究というものはたくさんあるのです。
そして、その中の一粒の研究が実を結ぶという感覚です。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2008-12-07 23:32:10
はじめまして


>身体のほかの部分は再生技術が進んでいるのに、はどうして駄目なんでしょうかね…はやく実用化されてほしいです。


私の不勉強ですが。
再生技術が実際に臨床に応用されている臓器ってそんなにあるんですか。

私の思い当たるところでは、再生といえるのかどうか知りませんが、やけど治療での上皮組織の再生ぐらいですかね。

私自身は心臓の冠動脈のバイパス手術を受けているんですが、働かなくなった冠動脈を再生したといえるんでしょうか。
単純に代用組織によるアダプテーションかなと思っているんですが。

助言 助言2
助言者: dreaming appleさん
助言日時:2008-12-07 23:37:35
畑田先生、違うスレですが返信ありがとうございます。


>そうなんですか?

こちらの相談室には熱心な先生方が多いので、その割合が特別多いのかもしれませんが、以前のコメントでたまに見かけました。

タカタ先生のは、度を超えていてびっくりですが。。。


>いや、国民の口腔衛生を担当する歯科医師としては、私は新技術は歓迎しますよ。しかし、世の中の研究や新技術といわれているものが実用化されるまでにはいくつかの障害を乗り越えなければなりません。

この中でも薬事法での認可が降りるかどうかの問題は大きな壁ですよね。

歯科業界全体はなかなか危ない世界だというのは否定できない事実ではあると思いますが、中にはこの相談室にコメントを寄せてくださるようん、勉強熱心で患者の為を思ってくれる先生方も多いので、個人輸入や何かの方法で薬事の壁も乗り越えてくれるのでは無いかと。。

あ、でも認可されないと個人輸入もできないんでしたっけ?
そんなことはないですよね。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2008-12-08 04:59:53
アクアさまおはようございます。


むし歯になってしまったについては仕方がないので、現実的な方法で出来る範囲で出来るだけ腕のいいDrに治療してもらうことだと思います。

そしてもしお母さんになられたら、むし歯を作らない育児をなさるのがいいと思います。

現実的にはそれほど難しくは有りません、ポイントさえ抑えておけば実に簡単です、あとはそれを実行する「知恵」の問題だと考えています。

3歳までお菓子を与えない育児をなさることです、これさえ実行すれば何でも好き嫌いなくパクパク食べる味覚に育ちます、そしてむし歯ゼロに育つでしょう。

甘党にもならないので一生むし歯と歯周病のリスクが低くなります。

一番の難題はジジババ対策になります。

むし歯を作らない子育て
http://www.yamadashika.jp/prevent.html#01
 
子育てと砂糖に関する考え方
 http://www.yamadashika.jp/prevent10.html

むし歯ゼロ育児の事例 
http://www.yamadashika.jp/0care.html
 
「始めの一歩」育児体験集  
http://www.yamadashika.jp/step.html

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: アクアさん
返信日時:2008-12-08 15:37:03
こんなにたくさんのコメントをいただいて、驚きと同時に大変嬉しく思います。


ハイドロキシアパタイトによる直接充填修復については私も読みしたが、ハイドロキシアパタイトと書かれている限りはC1レベルのう触にしか使えなそうですね。

渡辺先生が指摘なさっているように、フッ素等を使った再石灰化と同じことのように感じました。


私が興味深く思いましたのは以下の記事です。
http://www.kitec.or.jp/pdf/h14seeds/h14s003.pdf#search='将来%20虫歯%20治療%20再生'

う触病変部の組織を培養して新たな歯髄象牙質エナメル質をつくり欠損部に移植するという方法が、動物実験段階で成功しているようです。

もしこの技術が実用化されれば、現在までの虫歯治療というものが、高額で永久的な価値のある「治療」と、従来通りの手頃な「修復」に二分されるのではないでしょうか。

コンビニ歯科は淘汰されないと思いますが、もっと歯科医院によって個性が出てくると思います。個人的な見解ですが…


今後は日本も海外のように歯科治療の多くの領域が保険適用外になることと予想されますが、私は少々不安を感じます。

というのも、虫歯を「自己責任」とする海外先進諸国と、「疾患」と捉えてきた今までの日本では、意識が大きく違うと思います。
(現在では日本の予防歯科も海外レベルに近づいてはいますが)


歯科治療が保険適用外にかわる流れは致し方のないことだと思いますが、虫歯になったらすぐ治療、と言われて育ってきた現在の成人以上の世代に、いきなり高額な治療費を負担させるというのは無理があると思うのですが。

貧富の差が激しい国では、貧しい人はがボロボロですよね、日本の将来もそうなるのでしょうか。
話が脱線してすみませんでした。



タイトル 近い将来、歯科治療の修復材が進化することはないのでしょうか?
質問者 アクアさん
地域 非公開
年齢 26歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 材料・機材関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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