セラミックやジルコニアと比べてメタルボンドの長所・短所は?
相談者:
ちゃんたんさん (45歳:男性)
投稿日時:2011-10-25 12:42:36
参考:過去のご相談
*セラミックを被せた場合、歯の強度はどのくらい低下しますか?
他多数
上の前歯にメタルボンドの差し歯を入れるかどうか、検討中です。
オールセラミックやジルコニアでは無くて、メタルボンドにする場合は、具体的に、どの様なケースがありますか。
オールセラミック、ジルコニアや他の自費の素材と比較してメタルボンドの長所、短所は、何でしょうか。
前歯4本を差し歯にしたいです。
金属の土台、ファイバーコアの土台、自然歯が、混在しています。
*セラミックを被せた場合、歯の強度はどのくらい低下しますか?
他多数
上の前歯にメタルボンドの差し歯を入れるかどうか、検討中です。
オールセラミックやジルコニアでは無くて、メタルボンドにする場合は、具体的に、どの様なケースがありますか。
オールセラミック、ジルコニアや他の自費の素材と比較してメタルボンドの長所、短所は、何でしょうか。
前歯4本を差し歯にしたいです。
金属の土台、ファイバーコアの土台、自然歯が、混在しています。
[過去のご相談]
回答1
高田歯科 (神戸 三ノ宮・須磨)のタカタです。
回答日時:2011-10-25 13:02:46
審美補綴のご相談ですね。
私の出番かなと。
さて、オールセラミックの範疇の中にジルコニアは含まれますので、ここではオールセラミックとメタルボンドで比較しましょう。
<メタルボンドのメリット>
・オールセラミックに比較すると歯を削る量が少ない
・形成が少し楽
・(舌側に金属を露出させることが許される必要があるが)かみ合わせの問題で下の前歯が強く当たりすぎてセラミックだと破折の可能性がある場合の緊急避難的な治療が可能
・熱伝導性に優れるので、熱いものや冷たいものが凍みて、歯が生きていることが実感できる
・セメントの種類を選ばないので、セメントの種類による化学物質過敏症の方にも適応できる場合がある
・不慮の事態で欠けるような場合には、金属とポーセレンの界面が剥がれてしまうリスクが少ない。
オールセラミック特に、ジルコニアの場合には、ジルコニアの部分とその表層のセラミックの融合は殆ど無いので界面でガバっと剥がれる可能性がある。
<オールセラミックのメリット>
・審美的
・金属アレルギーの人にも安心
・将来歯茎が痩せてきても歯茎の部分に黒い線が見えてこない
・欠けたり、外れて飲み込んだとしても、体に害の少ない物質なので安全
・熱伝導性は低いので、治療後の知覚過敏は少ない
といったところでしょうか。
私の出番かなと。
さて、オールセラミックの範疇の中にジルコニアは含まれますので、ここではオールセラミックとメタルボンドで比較しましょう。
<メタルボンドのメリット>
・オールセラミックに比較すると歯を削る量が少ない
・形成が少し楽
・(舌側に金属を露出させることが許される必要があるが)かみ合わせの問題で下の前歯が強く当たりすぎてセラミックだと破折の可能性がある場合の緊急避難的な治療が可能
・熱伝導性に優れるので、熱いものや冷たいものが凍みて、歯が生きていることが実感できる
・セメントの種類を選ばないので、セメントの種類による化学物質過敏症の方にも適応できる場合がある
・不慮の事態で欠けるような場合には、金属とポーセレンの界面が剥がれてしまうリスクが少ない。
オールセラミック特に、ジルコニアの場合には、ジルコニアの部分とその表層のセラミックの融合は殆ど無いので界面でガバっと剥がれる可能性がある。
<オールセラミックのメリット>
・審美的
・金属アレルギーの人にも安心
・将来歯茎が痩せてきても歯茎の部分に黒い線が見えてこない
・欠けたり、外れて飲み込んだとしても、体に害の少ない物質なので安全
・熱伝導性は低いので、治療後の知覚過敏は少ない
といったところでしょうか。
回答2
山田歯科医院(渋谷区幡ヶ谷)の山田です。
回答日時:2011-10-25 18:36:35
ちゃんたんさん、はじめまして。
メタルボンドの長所については、タカタ先生がお答え下さいました。
最近では歯科用金属の価格が高騰しており、傾向としてオールセラミックを選択する傾向があります。
よく「ジルコニアは割れない」などと説明する先生もいらっしゃるそうで、アメリカでは破損から訴訟に至るケースが近年非常に増えていると聞いています。
材料、治療法にはそれぞれのメリット、デメリットがあります。
治療するケースにあった治療法、材料の選択が必要だと思います。
それについては、担当する歯科医師によって、知識や技術が異なりますので…。
同じメタルボンドでも、ジルコニア、オールセラミックでも全く違う結果になることも考えられます。
1本自然歯を削って…とありましたが、宮下先生、タイヨウ先生などが回答下さったように強度云々の問題ではなく私の見解としてもおすすめ出来かねます。
1995年日本口腔衛生学会誌に発表された岡山大学予防歯科の森田学先生の「歯科修復物の使用年数に関する疫学調査」(これが唯一の修復物の平均使用年数を示した文献だと思われます)によると、クラウン、ブリッジなどの歯冠修復物の平均使用年数は約8年とされています。
8年でやり直しになると言うことです。
また、多分日本の修復治療では最も著名と思われるY先生は講演で「審美性を維持するなら3年に一度はやり直さないと…。」と明言され会場がざわめきました。
芸能人など多くの有名人を治療している先生です。
高額な審美修復をこれから8年後にはまたしなければならない可能性が大きいのです。
有名な話ですが松田聖子が24本の審美修復にかかった費用は800万円。
まあ、芸能人ですから…。
是非考えてみてください。
メタルボンドの長所については、タカタ先生がお答え下さいました。
最近では歯科用金属の価格が高騰しており、傾向としてオールセラミックを選択する傾向があります。
よく「ジルコニアは割れない」などと説明する先生もいらっしゃるそうで、アメリカでは破損から訴訟に至るケースが近年非常に増えていると聞いています。
材料、治療法にはそれぞれのメリット、デメリットがあります。
治療するケースにあった治療法、材料の選択が必要だと思います。
それについては、担当する歯科医師によって、知識や技術が異なりますので…。
同じメタルボンドでも、ジルコニア、オールセラミックでも全く違う結果になることも考えられます。
1本自然歯を削って…とありましたが、宮下先生、タイヨウ先生などが回答下さったように強度云々の問題ではなく私の見解としてもおすすめ出来かねます。
1995年日本口腔衛生学会誌に発表された岡山大学予防歯科の森田学先生の「歯科修復物の使用年数に関する疫学調査」(これが唯一の修復物の平均使用年数を示した文献だと思われます)によると、クラウン、ブリッジなどの歯冠修復物の平均使用年数は約8年とされています。
8年でやり直しになると言うことです。
また、多分日本の修復治療では最も著名と思われるY先生は講演で「審美性を維持するなら3年に一度はやり直さないと…。」と明言され会場がざわめきました。
芸能人など多くの有名人を治療している先生です。
高額な審美修復をこれから8年後にはまたしなければならない可能性が大きいのです。
有名な話ですが松田聖子が24本の審美修復にかかった費用は800万円。
まあ、芸能人ですから…。
是非考えてみてください。
相談者からの返信
相談者:
ちゃんたんさん
返信日時:2011-10-25 19:44:12
回答3
川崎歯科クリニック(中野区大和町)の川崎です。
回答日時:2011-10-25 20:27:47
こんばんわ。カワサキです。タカタ先生・山田先生、さすがのお回答です。
さて、メタルボンドの金属は、我々歯科の間では、次の、3つがあります。
@ プレシャスス …… 貴金属を多く含む
A セミ・プレシャス …… @とBの中間
B ノン・プレシャス …… 貴金属の含有率が低い
金属合金の商品は、多々ありますが、上の3つに大分けされます。
当然、貴金属を多く含むほうが、生体親和性(=体のなじみ具合)がよいです。
歯ぐきも黒くなりにくいとされています。
@ > A > B の順に、素材的・値段的によいです。
また、また、裏側の金属の露出ですが、かれも、歯科業界では、
@ フルカバー・タイプ …… 裏側すべてが、カバーされる(金属の露出なし)
A フルベイク・タイプ …… 裏側の一部(0,5o〜2.0oくらい)が、メタルのラインが出る。
のふたつに、分かれます。
@の場合は、Aに比べて、やや、支台歯(土台となる歯)を、セラミックの厚みの部分だけ、多めに削る必要があります。(ほんの、少しですが……そんなに、差はありません)
また、耐久性も、@・Aともに、ほとんど差はないと考えれれます。
※ もっとも、形成(=歯の形を整えること)のやりかたは、歯科医師により、異なります)
取り急ぎ、用件まで。
審美修復ですので、このように、よく、検討するのは、とても良いことだと思います。
また、疑問があれは、お伝え下さい。
さて、メタルボンドの金属は、我々歯科の間では、次の、3つがあります。
@ プレシャスス …… 貴金属を多く含む
A セミ・プレシャス …… @とBの中間
B ノン・プレシャス …… 貴金属の含有率が低い
金属合金の商品は、多々ありますが、上の3つに大分けされます。
当然、貴金属を多く含むほうが、生体親和性(=体のなじみ具合)がよいです。
歯ぐきも黒くなりにくいとされています。
@ > A > B の順に、素材的・値段的によいです。
また、また、裏側の金属の露出ですが、かれも、歯科業界では、
@ フルカバー・タイプ …… 裏側すべてが、カバーされる(金属の露出なし)
A フルベイク・タイプ …… 裏側の一部(0,5o〜2.0oくらい)が、メタルのラインが出る。
のふたつに、分かれます。
@の場合は、Aに比べて、やや、支台歯(土台となる歯)を、セラミックの厚みの部分だけ、多めに削る必要があります。(ほんの、少しですが……そんなに、差はありません)
また、耐久性も、@・Aともに、ほとんど差はないと考えれれます。
※ もっとも、形成(=歯の形を整えること)のやりかたは、歯科医師により、異なります)
取り急ぎ、用件まで。
審美修復ですので、このように、よく、検討するのは、とても良いことだと思います。
また、疑問があれは、お伝え下さい。
相談者からの返信
タイトル | セラミックやジルコニアと比べてメタルボンドの長所・短所は? |
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質問者 | ちゃんたんさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 45歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
オールセラミック(陶器の被せ物) メタルボンド 審美歯科治療(人工の歯) ジルコニアクラウン |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。