予防を頑張っても子どもが虫歯になってしまったという相談が多く悲しい

相談者: オレンジの太陽さん (42歳:女性)
投稿日時:2012-07-31 10:16:21
⇒参考:過去のご相談
「10歳、虫歯予防のため今後年代ごとのポイントについて教えてください」他多数



こんにちは。
いつも勉強させていたただいております。

先日は、炭酸飲料の導入についてのご投稿、糖代謝など難しい所もありましたが興味深く読ませていただきました。

さて、私は主婦ですので日々スーパーを利用していますが、炭酸含め清涼飲料水の売場面積はとても広いと感じます。
売れるから山積みになっているのだと思いました。
売れるということは、歯のことなど気にせずかどうかは別として、買って飲んでいる人が多いということだと思います。

でも、12歳児のDMFTはどんどん減少しているのですよね。

糖分だけではない、歯磨きだけではない、というのは多くの先生方が書かれているのを読みましたが、それでもやはり飛ぶようにジュースが売れるのを見ると、みなさんどうやって子供さんの歯の健康を守っているのかとても気になります。

私自身、子供の歯のことに関心を持つようになり、こちらはじめ色々勉強させていただき、

「食べたらなるべく早めにできるだけ丁寧にフロス&歯磨きをするように努力」
「その後フッ素をやって次の飲食までできる限り時間をおくよう努力」
「時々歯科を受診して先生の点検、歯磨きチェックとお掃除」

を4年近く続けていますが関係ないならとむなしくなります。

子供自身は白いご飯が大好きでしっかり食べる方のようなので飲食の間隔をあけるのはそんなに難しくありません。
ジュースについては普段は家には無く、お友達が来た時とか外食の時に飲んでいます。
ドリンクバーみたいな所に連れていっても2杯めは飲むか飲まないかなのでそんなに好きでもないみたいで、今5年生でいつまで続くかわかりませんが今は楽です。

リスクは人それぞれというのもわかりますが、お子様の歯のことでとても頑張っていらっしゃるお母さんからの「あんなに頑張ったのに虫歯になってしまった」と内容の投稿が多いのが悲しいです。

歯に限らず、塩分と血圧とか、菜食とガンとか、何でも同じかもしれませんが。
[過去のご相談]


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2012-07-31 12:32:07
オレンジの太陽 ・さん

虫歯の原因は、外因性と内因性が有ります。

外因性は貴女の心配されている、食べ物や飲み物等です。

しかし、世の中には歯磨きもしない、食事や飲み物にも注意していないのに、虫歯が全く無い人がいます。

今の若い人を治療していると、エナメル質が薄い人や柔らかい人に遭遇する事が多く成っています。この人達は、少しでも気を抜くと直ぐに虫歯が進行してしまいます。

人の歯はいつも再石灰化をする為に頑張っているのですが、個人の唾液の量や成分によって、能率が変わってきます。

歯並びや、舌の運動領域、歯の回りの筋肉や粘膜によっても、虫歯になるリスクは個人差が出来てきます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: オレンジの太陽さん
返信日時:2012-07-31 15:14:44
志築先生はじめまして。
早速のご解答ありがとうございました。

内因性の要因による石灰化を助けるためにも、食べ物や食べ方を工夫して外からの攻撃を減らす、ということですね。
同じ人が食べ方をした場合お砂糖は少ない方が有利と理解しています。

内因性の要因を自己の努力でいい方にもっていくことはできるのでしょうか。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2012-07-31 15:41:16
歯の質はそれほど多くの影響は無いように思います。

昔は歯の質を本題にした時代も有りましたが、歯の質の個人差はさほどないようです。

むしろ、唾液の影響の方が大きいように思います。

唾液の酸を中和する力や、唾液の量は影響します。

歯そのものが影響するとすれば、溝が深い等の形態的に虫歯になりやすいという要素は有ります。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2012-07-31 20:29:09
オレンジの太陽 ・さん

<<内因性の要因を自己の努力でいい方にもっていく>>

内因性の原因を早期に見つけて、それに対応したメンテナンスや体作りをする事になります。 
矯正治療もこれに含まれると思います。

広義に成りますが、妊娠前から妊娠中の母親の健康状態等も内因性の要因と成る事が有ります。
これは、骨格等を含めた広い分野の話です。

この辺りについては研究はされているのですが、まだまだ一般的には情報が殆どない状態だと思います。

私達歯科医師の多くは、先ほどの虫歯に成るリスクの無い人達に常に接する機会が少ない為に、今迄は置き去りにされて来た分野でした。

近年になり、予防という観念からリスクの少ない人達と接する機会が増えて来ていますが、未だに歯科にかかった事が無い人達が多くいます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: オレンジの太陽さん
返信日時:2012-07-31 21:38:45
小牧先生こんばんは。
早速のご回答ありがとうございました。

唾液は体液なのでそうそうのことでペーハーは変わらないですよね?
酸性の反対はアルカリ性なので、重曹でうがいはどうか、といった投稿をいつか読ませていただいたような気がしますが、それほど単純ではない、といったことだったように記憶しています。

その人の歯の質というのはどの時点で確定なのでしょうか。
幼弱永久歯の時期をどう過ごすかで歯の質は変わりますか。

志築先生こんばんは。
再度ご回答ありがとうございました。

歯のメカニズムははっきりしていても、全身の中の歯と見ると人により微妙なようですね。
でも、歯科受診が必要なかった人達というグループは確かに存在するのですね。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2012-08-01 12:46:24
唾液は体液なのでそうそうのことでペーハーは変わらないですよね?
>酸性の反対はアルカリ性なので、重曹でうがいはどうか、といった投稿をいつか読ませていただいたような気がしますが、それほど単純ではない、といったことだったように記憶しています。

唾液の緩衝能(酸やアルカリをを中和する能力)は変えることは出来ないと言われています。
しかし、緩衝能が低くても、唾液量が多ければ、総量でカバーすることが出来ます。

唾液が少なくなっている人は唾液を増やすようなアプローチが必要でしょう。


>その人の歯の質というのはどの時点で確定なのでしょうか。
>幼弱永久歯の時期をどう過ごすかで歯の質は変わりますか。

歯質の強さは生えてきた時点でほとんど差はないと言われています。

生えてから、歯の表面は、唾液中のフッ素イオン等を取り込んで歯質が強くなって行きます。
とくに初期のうちに(どのくらいの年月かは私にはわかりません)大きな影響を受けるようです。

しかし、影響を受ける部分は表層に浅い部分で、エナメル質の深い部分では大きな変化は有りません。

象牙質に関しては、中から石灰化が進み、年齢とともに有機質が減って行きます。



もちろん、溝等の形の問題は、は得る前に決まっており、生えてから変化することは有りません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: オレンジの太陽さん
返信日時:2012-08-01 16:24:42
小牧先生こんにちは。

再度ご回答ありがとうございました。
個人のDNA的なものの要因が大きいようですね。
それにプラスアルファで生えたばかりの歯にはフッ素が作用しやすいということでしょうか。

フッ素といえば虫歯抑止率が気になりますが、よく見る数字は、たとえばミラノールを一定期間使用した群と対照群それぞれ1,000人、7番までとして28,000本ずつの歯を比較しての差を出しているのかな、と思っていますが、この「効果」も元々のリスクが高くなかった人たち、何もしなくても虫歯にはならなかったかもしれない人たちに現れていると考えるべきなのでしょうか。 
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2012-08-01 19:00:58
フッ素といえば虫歯抑止率が気になりますが、よく見る数字は、たとえばミラノールを一定期間使用した群と対照群それぞれ1,000人、7番までとして28,000本ずつの歯を比較しての差を出しているのかな、と思っていますが、この「効果」も元々のリスクが高くなかった人たち、何もしなくても虫歯にはならなかったかもしれない人たちに現れていると考えるべきなのでしょうか。 


最も信頼性の高い、RCTのシステマティックレビューという研究デザインでは、フッ化物洗口そのものだけでは、確か減少が平均で20%台だったと思います。
(はっきり明言できなくてすみません)

日本の研究は50〜60%というような高い効果を示したと言うような研究がいくつか有りますが、研究デザインのレベルが低く信頼性に少し欠けます。


対照は、リスクの低い人も高い人もあわせた一般的な集団です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: オレンジの太陽さん
返信日時:2012-08-02 10:45:54
小牧先生

再度ご回答ありがとうございました。

同じように使っても、とても効果があったと感じる方とそうでない方と出てくるわけですね。

そして、効果があった方についてはミラノールだけが著効したのか、元々のリスクが高くなかったのか、他と好条件が重なったのか色々可能性があり、逆の方についてもそれが言えるということですね。

前に、抑止率25%とはどういうことかを質問させていただいて、将来8本できることになっている虫歯が6本で済むということ、と先生に教えていただいたことがあります。
平均は群単位での平均で、個人の24本の歯では数字は出せないわけですね。

「これをやれば確実」とか「絶対」ということがないのが理解できたように思います。
よさそうなことをコツコツ続けるしかないのもわかりました。

ありがとうございました。

最後になってしまいましたが、志築先生、お忙しい中何度もお返事いただきありがとうございました。



タイトル 予防を頑張っても子どもが虫歯になってしまったという相談が多く悲しい
質問者 オレンジの太陽さん
地域 非公開
年齢 42歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯予防
子供の虫歯予防
回答者




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