口内の細菌バランスと日々の努力について

相談者: オレンジの太陽さん (42歳:女性)
投稿日時:2013-09-13 11:45:34
こんにちは。
いつも勉強させていただいております。

口の中にはいろいろな細菌がいて、飲食をすると口の中(プラーク内)のPHが酸性に傾きある種の細菌が活発に活動するが、ある程度の時間がたつと唾液の自浄作用などもあってPHも戻り細菌バランスもいつもの状態に戻るということについて教えていただきたくよろしくお願いいたします。

口の中の細菌のバランスというのは、人それぞれ違っていて病気のリスクも人それぞれ、というように理解していますが、今回お聞きしたいのはこの細菌のバランスがいつ決まってしまうのかということです。

たとえばミュータンス菌についてですと、赤ちゃん時代に他人の口から移らなければ、とか3歳までに口の中の状態が確定するなどといった説明はよく見かけます。

ミュータンス菌に限らず諸々の細菌のバランスや定着状況について、一旦決まってしまったらその後はおいそれとは変えることはできないのか、それとも丁寧な歯磨きや飲食の間隔を開けることなど家庭でもできる努力で少しずつでもいつものバランスをよい状態にもっていくことが可能なのかどうかをお聞きしたくよろしくお願いいたします。
[過去のご相談]


回答 回答1
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2013-09-13 12:28:27
>細菌のバランスがいつ決まってしまうのか

ここでの回答を私自身も楽しみに待っています。

遺伝子解析が進み、続々と報告がされているようですね。(私自身が直接目を通しているわけではありませんが・・)
しかしながら、現段階では、トップの研究者の方々にお尋ねしてもかなり様々な結果が出ているような気がします。

例えば、

・「腸内細菌叢は生後3日くらいで、ほぼ確定される」つまり、その後の抗生剤投与の影響は考えなくてもよい。
時間が経てば元に戻るから。(生後x日・x年も様々です)

・「腸内細菌の種類・比率は、その環境によって変化する」

等々、いずれも名のある先生方から直接伺ったものです。

口腔内常在菌を含めて、近い将来には解決する課題なのかもしれませんが・・。(勿論、既に解決済みとの意見もあると思います)
一人の方の経年的なサンプルを、ず〜と追っかけないといけないでしょうし・・。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: オレンジの太陽さん
返信日時:2013-09-13 15:19:11
藤森先生はじめまして。

早速のお返事ありがとうございました。

細菌がいても、むし歯歯周病を発症させにくくする予防方法をもっと勉強した方がよいようなのでがんばりたいです。
回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2013-09-15 18:24:33
お口の中に共生する細菌は、300種類くらいいると言われています。

歯垢1mgの中に1億個くらいの細菌がいるとも言われています。

これは、大変嫌な表現ですが、大便よりも多い数字のようです。(出口よりも入口の方が汚れているのは嫌ですよね(^_^;))

また、腸内には100〜300種類の細菌がいて100兆個くらいが共生しているのですから、これらがどこからきて住み着くのかとても興味深いご質問です。


お口の中には、外界からいろいろなものが入ってきますから、内部への関門です(内部に侵入するにつれ消化管の胃酸や酵素でかなり減るようです)

ここにどういう細菌とどのくらいの数で共生しているかで、確かにヒトの健康は大きく変わってくるでしょう。

そういう点で、ヒトの嗜好は非常に大きなカギを握っているかもしれません。

お口の中の自浄作用が届かなくなる因子を出来るだけ作らないようにすることと、いかにも危なそうなものはお口に入れないようにしたいものです。

お口の中や生体に、あるいは粘膜に住み着くような細菌を侵入させないようにしたいですし、もしも侵襲させたらそれが定着しないようにさせたいですね。(歯がないとミュータンス菌は悪さをするほど集団では住み着けないからという意味でしょうが、その後のお手入れが悪いと定着することもありそうです。)

文明生活を送っている集団内に、歯磨きやお口のお手入れが習慣化することはとても意味があるようです。

また、宿主の健康も大事ですから、いつもお口の中が唾液で潤っているようだとよさそうですね。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2013-09-15 18:45:04
オレンジの太陽 さん、今日は。

お口の中の常在菌の細菌叢が変えられるかという問題ですね。

答えは、簡単には変えられないと思います。

但し、一生かわらないわけでは有りません。

赤ちゃんの歯が生えてくると、歯が生える前には見られなかった歯につく細菌が増えてきます。
成長とともに、外界から色々な細菌を取り込み、およす3歳から5歳ぐらいまでに、一定の細菌叢が出来上がると言われています。

しかしその後も変化を続け、口と口との頻繁な直接の接触が有れば、細菌叢も影響を受けます。
夫婦間で共通した歯周病菌がみつかることもわかっています。

また、虫歯の穴を放置していてたり、虫歯治療によって不適合な修復物が見られたりすれば、乳酸桿菌が増えてくることや、甘い物を多く摂取するとミュータンス菌が増えてくることもわかっています。

歯周病が進んで、放置することで、深い歯周ポケットの仲では、歯周病菌が増えてきます。

このように、細菌叢は変化していきます。

しかし、抗菌剤等を用いて、直接細菌に働きかけ、虫歯や歯周病の予防や治療を行おうとする試みは、今の所成功していません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: オレンジの太陽さん
返信日時:2013-09-16 08:46:38
ふなちゃん先生はじめまして。
ママさん先生としてのご回答、いつも読ませていただいております。

ご返信ありがとうございました。

最近の集団というのは口の中だけではなく、口から消化器とつながっているんですよね・・。

最近バランスを毎日毎日気にするよりも、よく噛む、ストレス少なく、歯磨きの仕方を習うということを続けていきたいと思いました。

ありがとうございました。



小牧先生こんにちは。
いつもお世話になります。

ご返信ありがとうございました。

歯があればそこに住む細菌がいて、接触の仕方次第では人と人との間で細菌が移動することがあるということですね。
それに、菌ごとに好む環境があって条件が整うと増えてくるので、その人の細菌バランスはある程度固定ながらも変わる可能性もあるということですね。
細菌同士の拮抗などでこれが増えたからこれが減ったなど、偶然もあったりとか一筋縄ではいかなそうですね・・。

やはり定期的に歯医者さんに通ったり、勉強しながらコツコツよさそうなことを続けていきたいと思いました。


また何かありましたらご相談させていただきます。
その節はよろしくお願いいたします。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: オレンジの太陽さん
返信日時:2013-09-16 10:10:52
藤森先生
 
補足ありがとうございました。



タイトル 口内の細菌バランスと日々の努力について
質問者 オレンジの太陽さん
地域 非公開
年齢 42歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 専門的な質問その他
その他(その他)
回答者




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