部分入れ歯の設計について

相談者: 強羅さん (30歳:男性)
投稿日時:2017-04-26 21:47:57
こんにちは。
部分入れ歯について質問をお願いします。

いくつかの歯医者で部分入れ歯についての説明を受けました。、、、、、

そこで疑問が生まれたのですが、レストの部分は隣の歯を削るという歯医者と、噛み合わせを見てこれなら歯は削らずに部分入れ歯を作れるという歯医者がありました。
この考えの違いは何なのでしょうか。

歯を削らず部分入れ歯ができるというのなら、そっちの方がいいのでしょうか?

また隣の歯のレストを掛ける部分を削ったら、もし部分入れ歯を入れなかったら、そのレストの部分が削られてないので噛み合わせや骨格が少しでもズレやすくなる可能性などはないのでしょうか?


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2017-04-26 22:05:43
強羅 さんこんにちは

>歯を削らず部分入れ歯ができるというのなら、そっちの方がいいのでしょうか?

削らずにすむのであれば削らない方が良いと思います。、もちろんクリアランスがあれば削る必要性が無いのはたしかです。

しかし、レスト座とレストの本来の役割を考えると、削らずにその目的を達成することは難しいと思います。

本来の役割とは、鈎歯にかかった力を垂直方向に伝えるという役割になります。
単純にレストをかけると歯を引き倒すような力が加わりやすくなります。
そうすると、鈎歯にダメージが加わりますからあまり良いことではありません。

レスト座を削ら無いことで、歯自体がダメになってしまうのでは元も子もありません。

私は、必ずレスト座を形成しています。

入れ歯の得意な先生に診ていただくのが良いと思います。
私もそうでしたが、補綴科の入れ歯部門で研鑽を積まれたような先生が良いかと思います。

>もし部分入れ歯を入れなかったら

使用する前提で治療しますから、使用しないということになると話しの根底が崩れてしまうことになります。

使用しないのであれば治療は受けられ無い方が良いと思います。
とりあえず作ってみるという方法もあるかもしれませんが、なんとなくはわかりますが、それでは良い結果は得られ無いと思います。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2017-04-27 08:49:57
ご相談ありがとうございます。

>歯を削らず部分入れ歯ができるというのなら、そっちの方がいいのでしょうか?

削ることによる欠点がどれだけその歯や顎全体の寿命に影響するかどうかの検査・診断が必要です。


>もし部分入れ歯を入れなかったら・・・噛み合わせや骨格が少しでもズレやすくなる可能性などはないのでしょうか?

ありえます。
学会では、いびつなり、とも言われ、頭の骨が歪む可能性も示唆されております。


>そこで疑問が生まれたのですが

よく相談しましょう。。


>レストの部分は隣の歯を削るという歯医者と、噛み合わせを見てこれなら歯は削らずに部分入れ歯を作れるという歯医者がありました。

そもそもレストは危険な設計です。
よく説明を受けましょう。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2017-04-27 09:07:08
こんにちは。

鉤歯のレストについてもご質問ですね、かなり専門的ですね。

そもそもレストという装置は咬合力を鉤歯に伝えて入れ歯の沈み込みを防ぐためのものです、レストがない設計なら入れ歯が沈み込んで顎堤に食い込んでしまいます。

こうなってくると場合によっては咬合の崩壊につながることになりかねません。

>隣の歯を削るという歯医者と、噛み合わせを見てこれなら歯は削らずに部分入れ歯を作れるという歯医者がありました。
>この考えの違いは何なのでしょうか。

鉤歯にレストの厚みの空隙があればあえて削らなくても済みます、しかし空隙がなければレストの厚みの分だけ削らなくてはなりません。

>また隣の歯のレストを掛ける部分を削ったら、もし部分入れ歯を入れなかったらそのレストの部分が削られてないので、噛み合わせや骨格が少しでもズレやすくなる可能性などはないのでしょうか?

ないでしょう、少なくとも私は経験したことはありません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 強羅さん
返信日時:2017-04-28 23:39:26
回答ありがとうございます!
とてもわかりやすい説明でためになります。

歯の移動を避けるために入れ歯を入れておこうと考えているのですが、食事の時もつけておいた方がいいのでしょうか?

食事で食べ物を噛むときに支持歯を傷めてしまうから、食事以外でつけておこうと考えているのですが‥


また、さがら先生に質問なのですが、「いびつなり」という現象は歯が抜けた状態が原因になるということでしょうか?

僕の場合、部分入れ歯を外す場面も多々あると思うのですが、その時にレスト分を削ってしまっている支持歯も、噛み合わせや骨格に影響があるということでしょうか?

さがら先生なら、6番を抜歯した患者さんにどの様な補綴方法を勧めますか?
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2017-04-29 13:05:15
ご質問ありがというございます。

>歯の移動を避けるために入れ歯を入れておこうと考えているのですが、食事の時もつけておいた方がいいのでしょうか?

まさにその通りです。


>食事で食べ物を噛むときに支持歯を傷めてしまうから、食事以外でつけておこうと考えているのですが‥

食事の時にはとても大きな衝撃力や負担が歯全体にかかります。
したがって、食事の時に使うことが残りの歯全部を守ることになります。

ちなみに、「支持歯」とは入れ歯を支える歯の意味であれば、最新の補綴用語では支台歯と言います。
昔は鉤歯と言っていました。

当然、適切な設計の部分入れ歯であれば、食事中に使うことによって初めて、支台歯も守れます。


>歯が抜けた状態が原因になるということでしょうか?

いいえ、仮に1本も歯が抜けてなくても、噛合せに問題があれば起こりえます。

もちろん、歯が抜けた状態は抜けていない状態よりとても悪化していますから、さらに起こり得るといえます。

ちなみに抜歯とは、削ることより、またさらに神経を抜くより、それよりも最大に状況が悪化しているということを、もう一度思い起こしていただきたいことです。


>僕の場合、部分入れ歯を外す場面も多々あると思うのですが、その時にレスト分を削ってしまっている支持歯も、噛み合わせや骨格に影響があるということでしょうか?

ありえます。

初めに噛合せの検査・診断が行われていて、噛合せにとても重要な箇所かどうかを見極めてから設計診断がされていれば安心です。
頭骨や顔、ひいてはもしかすると肩・背中・腰・脚など身体までが歪まない予防となります。


>さがら先生なら、6番を抜歯した患者さんにどの様な補綴方法を勧めますか?

部分入れ歯の設計は最高に高度でとても難しい補綴です。
また、6番は咀嚼にもっとも重要な歯で、たった1本とお思いかもしれませんが、一生の心身の健康を考えるならばとても重症な治療といえます。

何故かと言うと、咀嚼機能不全により、他の歯の疾病と寿命や、胃腸・膵臓・胆嚢・肝臓など消化器官の疾病と寿命を左右するからです。

したがって補綴目的が、心身も含む健全な咀嚼機能回復、そして、他の歯や心身の健康をもう失わせない、というのであれば、全体的・総合的な検査・診断が必要です。

日本補綴歯科学会では約40種類の検査がガイドラインとして推奨されています。


なお、レストは支台歯にとても悪影響を与えるリスクが出ます。
使わなくて済めば、そのほうが支台歯の寿命を延ばせます。

また、では全く削らないほうが良いのかと言えば、レストのためではなく、健全な他の歯の部分を削る必要も出てくることがあります。

補綴治療とは虫歯治療ではないため、虫歯でないところも削る必要があるからです。
それにより、もう歯を失わないですむからです。

少々込み入った話になりました。
よく相談しましょう。




タイトル 部分入れ歯の設計について
質問者 強羅さん
地域 非公開
年齢 30歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 部分入れ歯 その他
義歯・入れ歯関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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