ラバーダムを使用の有り無しは、根管治療する歯の位置による?

相談者: 雅史さん (45歳:男性)
投稿日時:2011-06-19 13:41:44
⇒参考:過去のご相談
「X線で根尖に膿がたまっている像が見られないのにフィステルができる」
他多数



いつもお世話になっています。

かかり付けの歯科医院には右上3番を再根管治療することとなりました。

予約時に受付の方に、貴医院では根管治療時にラバーダムは使用されているのか、お聞きした所、多くのケースで使用しているとの回答でした。

昨日 根管治療を受けましたが、ラバーダムの使用は無しで、治療後 主治医の先生より、

・雅史さんの、今回の治療箇所では、ラバーラムは使用しない。
・他の多くのケースでは使用している。

旨の説明を受けました。



【質問】
根管治療する歯の位置により、ラバーダムを使用したり、しなかったりするものなのでしょうか?

それとも

現在の私の右上3番の前後の歯が、
 - 右上4番1回法インプラント上部構造がついていない
 - 右上2番、3番が連結仮歯で、右上2番は抜髄で金属棒のようなものが立てられている

となっていて、右上3番の治療にラバーダムが付けにくい状態になってたので使用されなかったのでしょうか?


以上 宜しくお願いします。
[過去のご相談]


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2011-06-19 13:46:47
根管治療する歯の位置により、ラバーダムを使用したり、しなかったりするものなのでしょうか?

上顎の前歯部等はラバーの必要性は低いように思います。
理想は全症例ラバーをするのがいいとは思いますが、保険点数も無く苦慮するところです。

私も全症例ラバーはしませんが、根管充填の時はラバーをするようにしています。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 雅史さん
返信日時:2011-06-19 14:04:38
細見先生

早速のご回答ありがとうございました。

・上顎の前歯部等はラバーの必要性は低い
根管充填の時はラバーをする

主治医の先生も上記のようにおっしゃってました。



>保険点数も無く苦慮するところです。

ファイバーコアをお願いしておりますので、どうせなら最初から自費にしてラバーダムを付けて欲しいところでした。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-06-19 16:26:25
ラバーダムしたから自費診療マイクロスコープを使ったから自費診療になるわけではありません。
また一度自費にすると、ファイバーコアのあとの補綴物も自費になるみたいです。

保険のルールはややこしい上に、県単位で細かいルールが違い保険医としては大変苦労しています。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-06-19 22:30:56
雅史さまこんばんわ。

歯チャンで話題のラバーダムですね。

根管治療する歯の位置により、ラバーダムを使用したり、しなかったりするものなのでしょうか?


個人的には使える状況なら下顎大臼歯は必ず使っています。
上顎7番もほとんど使うようにしています。
上顎前歯はまず使いません。

誤解のないようにお願い致したいのですが、ラバーダムを使えば根管の中の細菌が消えてなくなってしまうのではありません。

ラバーダムはただのゴムのシートでしかありません、それ自体が感染根管を治すものでもありません。

Drによってはそれらしい薀蓄を色々と述べていらっしゃいますが、要は感染根管が治ればいいのです。

いや歯科界としてはお恥ずかしいことに、そのほとんどが医源性疾患です。
我々はその感染根管を治さなければならないのです、即ちラバーダムシートを使うのが目的ではないのです。

感染根管が治らなければどんな薀蓄もただのたわごとです。

なんだか昨今集患ツールのひとつに成り下がっているように個人的には感じています。

以上私の個人的な、多分少数派意見ではあります。


感染根管治療 http://yamadashika.jugem.jp/?cid=30

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 雅史さん
返信日時:2011-06-19 22:59:42
柴田先生、山田先生

ご回答ありがとうございました。

【柴田先生】
1歯につき保険適用外の処置をすると、以降 その歯については保険が適用されない事 理解しております。

 ただ保険点数の問題だけで、今回ラバーが使用されなかったようなら、ファイバアコアをお願いし、以降 保険が適用されないのですから、最初から自由診療にし、ラバーを使用して欲しかったと考えました。


【山田先生】
山田先生のラバーの使用状況をお聞かせ願えて、私の主治医も、保険点数うんぬんでラバーをつけなかったのではなく、意図を持って使わなかったんだなぁという確信がもてました。


ラバーダムはただのゴムのシートでしかありません

根管治療中、唾液など細菌を含むものが、治療中の管に入りにくいような場所なら、あえてラバーを付ける必要もないという理解でよろしいでしょうか?



【多数派意見の先生方】
ぜひ先生方の、ご意見をおきかせ頂きたく。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2011-06-19 23:37:31
こんばんわ。

まあそのように理解していただいていいと思います。
しかしたとえ唾液が入ったとしても結果として治れば文句はないでしょう。

私が30数年前勤務していた歯科医院の副院長は、某国立大学の口腔治療の医局員でしたが、床上浸水で根管治療をしているよとよく仰っていました。

当時私はほぼ全症例ラバーダムシートを使っていたので思わず笑ってしまいました。
もちろん当時は一日の患者さんは多くて10人、平均8人位でしたから別に時間的にそうおったてられるような状況ではありませんでしたし、若かったので患者さんの話に耳を傾けるほど人生経験も話術もありません。

チャっチャと診断して黙々と治療していました。
翻って現在は曲がりなりにも経営者ですし、経験も積んできて人間理解もそれなりにできるようになっているのでその時のように黙々と治療することはありません。

患者さんのお話を出来るだけお聞きして、時には傾聴したり冗談を言ったり患者さんとの信頼関係を築くのにも配慮いたしております。

そして1日に多い日なら20人くらいの患者さんを診察しなければなりません。
やはり合理的に考えながら省ける所は省いていかなければやっていくことは出来ません。

もうすでに初老の歯医者ですもんね。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2011-06-20 10:25:13
こんにちは、
山田先生がおっしゃるようにラバーダムは1つの道具であり、これが治療を行う訳ではありませんね。

またラバーを張るにもコストがかかってきますので、どこかで線を引く必要が出てきます。

この線は先生毎に違います。

数字上、私は99.9%ラバーダムをして根管治療をしていますが、実はラバーを張るタイミングもあります。

私は、コア除去+隔壁後にラバーダムをしますが、ある専門医の先生が言うには、
「もっと早い段階でラバーを張らないと駄目」とおっしゃられました。

また細見先生のように最終的な詰め物を行う際に必ずラバーを張る先生もおられます。

この辺りは歯科医師側の考えと裁量権になります。

その歯科医師が必要だと思えばしますし、そんなに差がないと思えば行いません。

どれが最も費用対効果が高いかも分りませんし、ラバーを張ることにより無駄に労力を費やすこともあります。


今の先生のラバーを張る歯、ラバーをしない歯と言うのもよく分ります。


私が患者さんに説明する下手な説明は、

今、小舟に乗っています、『海水』が「船」の中に入って来ると沈没してしまいます、
海水を船の中に入らせないようにするには!?

解決法、
「1、「船」の縁を高くしてしまう(小舟ではなくタンカーのように大きくする)」
「2、海面にシートをする」

*これを根管治療で置き換えると、「船」が「歯」で『海水』が『唾液』になります。

解決法は1、「隔壁」 2、「ラバーダム」になり
細菌を侵入させない為にはこの2つがポイントになると話します。


考え方によっては「船」場所にも左右されることはあります。
例えば、
A、「嵐のように海面が荒れている場所」、
B、「湖のように海面が穏やかな場所」、
当然、前者の方が船に海水が入らないような対策を考えないといけない訳です。

また歯で言うとA奥歯、B前歯になります。


海水が船の中に1滴でも入れば沈没する訳ではありません。
より予防策をはろうとすれば前歯にもラバーをすべきでしょうし、経済的なことを考えて一番効果が出やすい所を考えればAの奥歯にラバーを張るべきだと考えれます。


不安だからもし全部の歯にラバーをとなれば、自費で治療を全て行っている専門医の先生に電話で問い合わせて貰った方がいいと思いますよ。
(初診時から全て自費治療になります)
その方が全症例にラバーダムをしている確率はグッと上がります。

ただし、治療費は保険窓口負担のの20倍以上かかってくると思って下さい^^;



ラバーダムは感染予防の1つです。
あった方がいいかと言われれれば、教科書的にはあった方がいいと話します。
ただし、いざ臨床という経済が入って来た所で見た場合には考え方は色々分れてきてしまうと思います。


こんな風に
http://eedental.fine.to/eeblog/2011/06/post-314.html

大きな病変でも治る時もあります、
ただ「ラバーダムがあったから治ったのか!?」と聞かれれば「違う」と答えると思います。


以上私見でした。


たぶん世界中見ても、
抜髄より数倍厄介な感染根管処置の治療費が低い国なんてそうそうありませんよ。 

国の方針だから仕方がありませんが、治療費はもう少し考えて貰いたいものです。

と、保険治療していない歯科医師が言う・・・^^;


おだいじに




30分ダラダラ書いていたら長文になりました(笑)
    

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2011-06-20 11:12:40
基本的に井野先生のかか荒れている事に同意です。


僕も99.9%とは言えませんが95%くらいラバーダムを使います。
(かけられない所には無理してかけません)


しかし、ラバーダムの意味合いとしての最重要項目は「唾液の侵入を防ぐ」ではなく「誤飲防止」と思っております。
(もちろん感染予防をないがしろにしても良いという意味ではありません)

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 雅史さん
返信日時:2011-06-20 15:17:50
山田先生、井野先生、タイヨウ先生

ご回答ありがとうございました。

時間的/金銭的コスト と 治療効果 と 得られる収入のバランスの上で、ラバーをどこに使うか、いつから使うかが異なってくると理解いたしました。

ラバー必須を唱う、歯チャンの先生方の中でも、ラバーの使い方に色々と差があることがわかり、少々驚きました。


【山田先生】

>しかしたとえ唾液が入ったとしても結果として治れば文句は
>ないでしょう。

患者にとっては、それはそうです。 患者側は中途半端にしかラバーのことを理解していないので、このスレで先生方から教えていただいた事項を理解していないと、「ラバー使用と言っていたのに、何でラバー使わないの?」という不信を生むように感じました。


【井野先生】

長文解説ありがとうございました。

ラバーを使用する歯の部位、使い始める時期 と 治療成績に対するエビデンスまでは、ないんだなぁと理解しました。

>国の方針だから仕方がありませんが、治療費はもう少し考えて貰いたいものです。

歯医者さんだけでなく、医者、薬屋、柔道整復に週1で保険診療で通っていますが、やっていただいていることに対して歯医者さんの治療費は、ずいぶんと安いなぁと感じます。
高いと思う時は、ブリッジ(保険適用時でも)や、インプラント
入れてもらった時ぐらいでしょうか。


【タイヨウ先生】

>最重要項目は「唾液の侵入を防ぐ」ではなく「誤飲防止」と思っております。

誤飲は、治療中の根管に、不必要なものが入るという意味でしょうか? 
喉への誤飲を防止するなら、根管治療以外でもラバーダムが必要なのでは?
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2011-06-20 15:58:40
>喉への誤飲を防止するなら、根管治療以外でもラバーダムが必要なのでは?

その通りです。

根管治療以外でもラバーダムは活躍します。




正式には「ラバーダム防湿法」と言います。

ラバーダム防湿の目的は

 治療部位への唾液(細菌)の侵入を防ぐ
 呼気や唾液を遮断して乾燥状態を保つ
 薬剤や治療器具の(喉への)誤飲を防ぐ
 舌や頬粘膜などを排除し、術野を明示する

などがあります。

また、金属アレルギーの患者さんのインレーアマルガムを除去する場合にもラバーダムを行う事で切削金属片が口腔粘膜に飛び散るのを防いでくれたりもします。


これらの目的を達成するためにラバーダムは有効なのですが、諸先生方の書かれているように「部位によって」「目的によって」はラバーダムでは無く「簡易防湿(ガーゼやコットンロールなど)」で済ませる場合もあります。


保険診療におけるコストや時間とのバランスや「鼻呼吸が困難でラバーダムをすると苦しい」などの状況を考慮すれば「上顎前歯の治療でラバーダムは必須では無い」という意見が出てもおかしくは無いと思います。


一般的にラバーダム防湿が望ましいケースとしては

 根管治療全般
 臼歯部のレジン充填
 メタルインレーの除去など

また、以前はオフィスホワイトニングの時にも行っておりました。
(最近は歯肉保護用レジンなどが充実しているので行いませんが…)


逆にラバーダムが邪魔な場合

 抜歯などの外科処置
 クラウンの除去
 前歯部のレジン充填(色が合わせにくくなります)
 型取りの時
 入れ歯
 歯周病治療
 インプラント治療
 噛み合わせ治療

などでしょうか。


参考にされてください。

(僕も教科書を見ながら書いているわけではないので、ツッコミどころは満載かもしれませんが、一般の方に理解していただくには充分かな?と思って書いております。)

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2011-06-20 19:00:35
雅史さん、こんにちは。


私はここ10年ぐらいは100%ラバーダムをしています。

根管治療時にラバーダムをしなかった症例はここ10年ぐらいで1例もありません。



ラバーダムが細菌を減らすことはできませんが、新たな細菌を根管に入るのを防ぐことができます。
(正確に使われたとして)

根管治療において細菌の種類が多いほうが治りが悪いと言われています。
ラバーダムの大きな目的の一つは、新たな種類の細菌を根管の中に入れないことだと思います。


ラバーダムを使用しないで悪くなることはあっても、使用することで悪くなることはないので、すべてのケースで使用すれば良いと思うのですが。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 雅史さん
返信日時:2011-06-20 19:39:37
タイヨウ先生、小牧先生

ご回答ありがとうございました。

【タイヨウ先生】
詳細のご解説ありがとうございました。
根管治療以外にもラバーが活躍する場面はあるのですね。

患者にエプロンを着けない歯医者さんはいないと思いますが、エプロンよりも、必要な時にラバーを使って欲しいと思いました。


【小牧先生】

>ラバーダムを使用しないで悪くなることはあっても、使用することで悪くなることはないので、使用すればいいと思うのですが。

ごもっともと思います。
先生方のご意見をお聞きした範囲では、時間的/金銭的コスト と治療効果 と 得られる収入のバランスの上で、ラバーをどこに使うか、いつから使うかを各医院さんで決めてられると理解しました。



今回 私の右上3番の根幹治療に、ラバーダムが使用されなかったのですが、その意図が先生方の回答でわかり、主治医に対する信頼感が損なわれずにすみました。
回答頂いた先生方に感謝いたします。



タイトル ラバーダムを使用の有り無しは、根管治療する歯の位置による?
質問者 雅史さん
地域 非公開
年齢 45歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ ラバーダム
根管治療その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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