残っている歯も全て覆う入れ歯を作ることができますか?(海外)

相談者: SPNさん (54歳:女性)
投稿日時:2023-09-09 12:35:25
55歳女性、入れ歯の相談です。

左上奥歯が3つ、右上奥歯が1つなくなりました。
インプラントがいくつかあり、他の歯は残っています。
全ての前歯がすり減っており、厚さ方向に溝ができています。

また、過去10年以上に渡って次から次に歯の問題が起こり、根幹治療抜歯となってきたので、今後も残っている歯の治療や抜歯などが必要になることは必然のように思えます。
その度に入れ歯を作り直すのも無駄だし、すり減っている前歯も今のうちに保護する必要があると思います。

そこで、残っている歯も全て覆ってしまうような、全体の入れ歯(残っている歯を抜かずにそのまま残すという意味で、総入れ歯とは違うと思いますが、全部の歯を入れ歯のようにする、繋がった1部品)を作ることはできないかと考えています。
可能でしょうか? 

床と呼ばれるような全体の皮膚を覆うピンクのプラスチックやメタルは付けたくないのですが、全体を覆わないようなものを作ることはできるでしょうか?
[過去のご相談]


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2023-09-09 17:42:44
>その度に入れ歯を作り直すのも無駄

歯を大切に思うのでしたら、まず、このような考えは、悲しむべき考えかと思います。

そもそも、どうして短期間に「入れ歯を作り直す」ことになってしまうのか、理解できていますか。


>全体の入れ歯(残っている歯を抜かずにそのまま残す

ホープレスな歯を安易に残すことで、結局、直ぐに入れ歯を作り直すことになることよりも、この歯は残せる or 残せないについて、ちゃんと診査していただき、的確な診断していただくことが必須でしょう。

また、残せると判断いただいた歯を大切にしていく為には、どうすれば良いのか、歯や周囲組織のみならず、力のコントロールについても、徹底した管理の継続が必要です。


>全ての前歯がすり減っており、厚さ方向に溝ができています

欠損に依って、臼歯部の咬み合わせが不足してはいませんか。

今までの投稿を読み返してみましょう。

多くの回答者が、良いアドバイスを書いてくださっているように思います。


>床と呼ばれるような全体の皮膚を覆うピンクのプラスチックやメタルは付けたくないのですが、全体を覆わないようなものを作ることはできるでしょうか?

残存している歯や、インプラントが、ちゃんとしっかりあるのでしたら、ブリッジと称される義歯 or コーヌス義歯や、アタッチメントを用いた特殊な治療方法等で対応が可能かと思います。

しかしながら、この投稿の質問欄に「左上奥歯が3つ、右上奥歯が1つなくなりました」とあり、過去の投稿には「インプラントが8本程度あるのですが、そのうちの数本がだめになってしまいました」とあります。

もしかして、歯周病インプラント周囲炎への対峙が不足しているのではありませんか。

それらを鑑みますと、床が無い義歯はもちろん、面積が少ない義歯での対応は、現実的ではないように推測できます。

お掛かりの担当医と、よく相談なさってみましょう。

2人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: SPNさん
返信日時:2023-09-10 02:25:33
小林先生

お返事ありがとうございます。
私の過去の質問も読んで下さったのですね。
ご丁寧な対応に感謝しています。

私は、決して歯を大事に思っていないわけではありませんが、治療したところが頻繁にだめになったり、数十万円以上かけた治療が、毎年のようにやり直しになるのは受け入れることはできません。

これほどの無駄に関して、歯のためにかけるお金をケチっているとは言えないと思います。

回答やアドバイスについて、更に疑問や納得できないこともあるのですが、診察してもらって具体的にならないと話が進まないと感じました。

海外在住のため、一時帰国する前に、治療にかかる期間だけでも目途を立てておきたいと思ったのですが、残念です。

どちらにしても、ご親切に回答していただきありがとうございました。
回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2023-09-10 16:34:32
こんにちは。

50歳を過ぎて来ますと、天然歯をどんどん失って行かれる方が増えて来ます。

昔は治療技術も材料も乏しく貧しい日本という時代がありましたから、40歳代で早めに歯をどんどん抜いて、上下総入れ歯にする人が多くおられた時代もありました。

現代は歯科医院も増えて、治療に時間や手間暇をかけられる余裕ができて来ましたから、出来るだけご自身の歯を残す方向の治療をしてもらえる良い時代になっています。

インプラント治療に関しては、それを選択した方が患者さんの生活の質が保たれると言われています(広島大学で30年くらい前に論文にしています)

歯が残っていますと歯根膜感覚や歯髄の知覚がありますから、脳の活性化に繋がる可能性があります。
先日、東北大学から重度歯周病の歯を残す方が海馬の委縮に繋がっているのではないかというような論文も出たようですから、何が幸いするのか?は実のところ統計ではよくわかりません。

可能であれば使える歯は、健康でしっかり機能できる状態で残せるならば残した方が良いのではないでしょうか?
その為にも、残った歯のお手入れや歯の治療は欠かせないと思っています。

歯科医によっては、健康な歯も積極的に抜いてオールオンXのようなインプラント支持のオール人工物に置換する治療を推奨される人もおられます。
その場合、いきなり300万から500万円くらい必要ではないか?と思っています。

そういう治療を受けた方でも力のコントロールが上手く行かない場合(イビキをかいて寝てよく歯軋りや食いしばりを繰り返すなど)、頑丈なはずの構造体が経年負荷により折れて再度新製が必要になり、また高額治療費を出さなければ急にQOLが低下するという場合もありえます。

残りの歯の歯冠を全部削り落として、残根義歯にする場合でも歯髄処置からとなれば期間はかかります。

また、新たに作り出す噛み合わせの位置に馴染めるか?も、本来ならば少し期間を使って様子見しながら作って行くのが一般的でしょう。(残根上義歯は形は総入れ歯に近似しますから義歯床はなくならないですが、保険適用でも可能でしょう)

欠損部が多く残存歯もあるならば、かなりの治療バリエーションがありますから、日本に一時帰国される期間だけでの選択と治療は難しいのではないか?と想像いたします。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: SPNさん
返信日時:2023-09-11 02:04:24
ふなちゃん先生

いつも丁寧な回答をありがとうございます。
少し現実的なイメージが湧いてきました。

インプラントは既に7本程度あり、自分の歯のように快適だったので好きだったのですが、土台の骨の退化や、その結果の感染等のため、3本ぐらい取り外す羽目になってしまい、それらの部分は再度インプラント不可能なので、抜けたままになっているという状況なのです。

このような経験もあって、今後はインプラントではなく入れ歯を考えているというわけです。

見かけ上の総入れ歯にするためには、残りの歯は、歯冠を全部削り落としてしまわなければならないのですね? 
歯冠を残したまま、クラウン状の入れ歯にできればいいなと思っていたのですが。。。

歯冠もなくなると考えると躊躇してしまいます。
可能な限り、今持っているものはキープしたいという基本的な思いがあります。

また、通常の総入れ歯のような大きな床が必要になるというのも不快感が大きくて受け入れられそうにないです。
我がままのようですが、作ったとしても使わないほど不快に感じると思います。

とはいっても、何かの対策が必要です。
左右とも奥歯が抜けているので、現状では固体を食べるのは著しく困難なのですが、いっそのこと一生流動食でも全体を覆う床で食べるよりましという気持ちです。

けれども、見かけだけでも(口を開けた時に他人から見える部分だけでも)、ちゃんとした歯がある状態にしたいです。
その見かけの歯で実際の食事はできなくてもいいのですが、床なしで見かけの歯を作ることはできるでしょうか? 

つまり、食事するためにはしっかりしていないといけないので、ブリッジのように隣の歯に負担がかかるワイヤーなどを付けたり、床を作ったりする必要があるのだと思いますが、食事をしないならば、軽く載せるような感じの見かけの歯を作れないかなと思っています。

何か良い案があれば教えて下さい。今の状態だと、人と会ったり笑ったりするのも憂鬱です。

アドバイス、よろしくお願いします!!  
回答 回答3
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2023-09-12 08:07:31
アメリカでは、SNAP ON SMILEが選択できると思います。
オーストラリアから来た患者さんも、それを何年も日常で使っておられましたから、英語圏では普及しているのかもしれません。
アメリカの歯科医が親に作ったというケースレポートもあります。

仮歯用のPMMAディスクを削り出し加工して作りますから、設計により軽食程度なら可能です。
日本でも導入している歯科医院がチラホラ見られるようになっています。

下の前歯がすり減っているならば、バイト挙上(噛み合わせを総合的に上げる)しなければ、綺麗になりませんから厚みが取れる可能性があると想像します。

PMMA樹脂は多少弾性がありますから、歯科用語のアンダーカットに強いです。
また樹脂ですから、構造体が軽いというメリットもあります。

実際に自分用も極薄で真っ白タイプを(色はかなりのバリエーションから選択できます)一つ作って持っていますが、自分の歯があれば唾液の環流を妨げる装着感が悪い装置は一瞬しか使わないです。

まぁ、インビザラインなどのアライナー矯正を受けられる方は20時間から22時間はそれに矯正力をプラスしたようなアライナーを、治療の為にはめ続けられる訳ですし、リテーナーとして2年は厚みがあるビベラ等アライナーをつけられるのですから歯茎部分を大きく覆わない分慣れやすいのでしょう。

比較的安価ですから(一装置15万円程度)そういうタイプを試された後、金属を使う精密で頑丈なコーヌス義歯(より高い)などをお考えになってみる段階を踏まれても良いのかもしれませんね。

海外の学会に参加するからとか、結婚式があるからとか、記念撮影用にとか、仕事で必要だからと作られる人はおられます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: SPNさん
返信日時:2023-09-12 09:04:23
ふなちゃん先生

アドバイスと情報をありがとうございます。とても心強いです。
SNAP ON SMILEですね!ぜひ試してみたいと思います。
ちょっぴり希望が持てて元気になりました。
ふなちゃん先生のおかげです。

長期的な対策は必要だと思いますが、それまでの間もニッコリ笑うことができそうです。
本当にありがとうございました!



タイトル 残っている歯も全て覆う入れ歯を作ることができますか?(海外)
質問者 SPNさん
地域 非公開
年齢 54歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 抜歯:複数の歯(臼歯部)
義歯・入れ歯関連
海外その他
回答者




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