直接覆髄・間接覆髄で水酸化カルシウム製剤を使用した後について
相談者:
-ふみ-さん (48歳:男性)
投稿日時:2025-06-02 08:38:35
いつもお世話になります。
今回の質問は、「直接覆髄・間接覆髄で水酸化カルシウム製剤の粉を使った場合のその後について」です。
直接覆髄・間接覆髄で水酸化カルシウム製剤の粉を使った場合その部分が象牙質に置き換わると問題がないですが、もしうまく象牙質にならなかった場合、その部分は隙間や穴として空間ができたままの状態になりますか?
隙間になると、雑菌の増殖の場所にもなる気がして、それなら覆髄をせず直接CR等で充填をする方がいいのかと考えたりしています。
周辺環境、その人の新陳代謝等にもよると思いますが、象牙質が再生しないことの方が少ないのでしょうか。
隙間や穴になっても問題がないのであれば安心はできるのですが。
よろしくお願い申し上げます。
今回の質問は、「直接覆髄・間接覆髄で水酸化カルシウム製剤の粉を使った場合のその後について」です。
直接覆髄・間接覆髄で水酸化カルシウム製剤の粉を使った場合その部分が象牙質に置き換わると問題がないですが、もしうまく象牙質にならなかった場合、その部分は隙間や穴として空間ができたままの状態になりますか?
隙間になると、雑菌の増殖の場所にもなる気がして、それなら覆髄をせず直接CR等で充填をする方がいいのかと考えたりしています。
周辺環境、その人の新陳代謝等にもよると思いますが、象牙質が再生しないことの方が少ないのでしょうか。
隙間や穴になっても問題がないのであれば安心はできるのですが。
よろしくお願い申し上げます。
[過去のご相談]

船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2025-06-02 18:19:15
こんにちは。
水酸化カルシウム製剤が象牙質に置き換わるのではなく、水酸化カルシウム製剤の持続的な刺激と殺菌力により歯髄側にモヤモヤとして整列が綺麗ではない第3象牙質が出来てくる、というイメージになると思います(生体防衛反応)。
ですから歯髄腔は狭くなってきます。
これは加齢に伴う反応とよく似ていて、それを薬効により数ヶ月の生体反応として出現させるというようなイメージになると思います。
その際使用された水酸化カルシウム製剤の物理的強度に問題がないのか?とか、安定した覆髄材として信頼できるのか?という問題はあると思います。
そのため、現在は、可能なのであればそういうものは使わずにできるだけ樹脂のようなものだけで治療を完了しておきたいというのが基本になっていると思います。
とはいえ、そうできない場合が多々ありますから致し方なく水酸化カルシウム製剤の助けを借りて、一時的に完全閉鎖しておく事を行うということになる場合があると思います。
回答で毎回お伝えしていますが、治療時の細かい内容に関しては患者さんが治療法を選ぶのではなく、臨床医がその場その場で臨機応変に治療を組み立てるのが基本になると思います。
そして治療に100%正解はありませんから、(歯科医がルーティーンにしている内容はあり、それは個々の歯科医の経験則に応じて組み替えられて随時行われています)それぞれの歯科医の施術時の力加減、早さ、見極めの個々の基準など歯科医個人の特性に応じて成功確率をあげるように行われているのが現状ですし、それ以上でもそれ以下でもないと思っています。
臨床の成功経験を積み重ねていくためにそれぞれの歯科医は鋭意工夫をしていると思います。
ですから、ネット等で正解を探されるのも良いですが、結局は歯科医にうまくやってくれるようにお願いするというお気持ちを持たれるしかないと思います。
また、個人個人個体差があるのは当然ですから、同じ治療を同じように受けられてもうまくいく人もいれば行かない人もいます。
運悪く上手く行かなかった場合は、次の治療ステージに進むことになるのが常でしょう。
水酸化カルシウム製剤が象牙質に置き換わるのではなく、水酸化カルシウム製剤の持続的な刺激と殺菌力により歯髄側にモヤモヤとして整列が綺麗ではない第3象牙質が出来てくる、というイメージになると思います(生体防衛反応)。
ですから歯髄腔は狭くなってきます。
これは加齢に伴う反応とよく似ていて、それを薬効により数ヶ月の生体反応として出現させるというようなイメージになると思います。
その際使用された水酸化カルシウム製剤の物理的強度に問題がないのか?とか、安定した覆髄材として信頼できるのか?という問題はあると思います。
そのため、現在は、可能なのであればそういうものは使わずにできるだけ樹脂のようなものだけで治療を完了しておきたいというのが基本になっていると思います。
とはいえ、そうできない場合が多々ありますから致し方なく水酸化カルシウム製剤の助けを借りて、一時的に完全閉鎖しておく事を行うということになる場合があると思います。
回答で毎回お伝えしていますが、治療時の細かい内容に関しては患者さんが治療法を選ぶのではなく、臨床医がその場その場で臨機応変に治療を組み立てるのが基本になると思います。
そして治療に100%正解はありませんから、(歯科医がルーティーンにしている内容はあり、それは個々の歯科医の経験則に応じて組み替えられて随時行われています)それぞれの歯科医の施術時の力加減、早さ、見極めの個々の基準など歯科医個人の特性に応じて成功確率をあげるように行われているのが現状ですし、それ以上でもそれ以下でもないと思っています。
臨床の成功経験を積み重ねていくためにそれぞれの歯科医は鋭意工夫をしていると思います。
ですから、ネット等で正解を探されるのも良いですが、結局は歯科医にうまくやってくれるようにお願いするというお気持ちを持たれるしかないと思います。
また、個人個人個体差があるのは当然ですから、同じ治療を同じように受けられてもうまくいく人もいれば行かない人もいます。
運悪く上手く行かなかった場合は、次の治療ステージに進むことになるのが常でしょう。

顕微鏡歯科シバタ(名古屋市守山区大森)の柴田です。
回答日時:2025-06-03 23:18:52
>直接覆髄・間接覆髄で水酸化カルシウム製剤の粉を使った場合
実際臨床では粉単独での覆髄は非常に困難だと思います。
専用の液と練和して使うことが多いと思います。
カルビタールは直接覆髄が適応になっていると思います。
ダイカル等の2ペーストタイプと対比させるために「粉を使った」と表現されたのでしょう
か?
>覆髄をせず直接CR等で充填をする方がいいのか
日本歯科保存学会が2015年に発行したガイドラインでは同じような表現があると思います。
ただこちらはラバーダムを使い、う蝕検知液を正しく使い露髄していないことを確認の上、正しいか手順でレジン充填をする場合、深いう蝕でも裏層は必要ないそうです。
ただ去年発行された別のガイドラインでは歯髄温存療法を推奨されていると思います。
実際臨床では粉単独での覆髄は非常に困難だと思います。
専用の液と練和して使うことが多いと思います。
カルビタールは直接覆髄が適応になっていると思います。
ダイカル等の2ペーストタイプと対比させるために「粉を使った」と表現されたのでしょう
か?
>覆髄をせず直接CR等で充填をする方がいいのか
日本歯科保存学会が2015年に発行したガイドラインでは同じような表現があると思います。
ただこちらはラバーダムを使い、う蝕検知液を正しく使い露髄していないことを確認の上、正しいか手順でレジン充填をする場合、深いう蝕でも裏層は必要ないそうです。
ただ去年発行された別のガイドラインでは歯髄温存療法を推奨されていると思います。

相談者:
-ふみ-さん
返信日時:2025-06-04 06:36:04

相談者:
-ふみ-さん
返信日時:2025-06-04 06:42:19
>柴田先生
おはようございます。
比較とかそういう意識はございません。
直接覆髄は過去に一度してもらったことがあります。
その時は、水酸化カルシウム製剤の粉の上にベースセメントを敷いてからその上にCRという方法をしました。
露髄したならば、じかにCRよりも何かで保護してからの方がいいように思いますね。
間接覆髄レベルでしたらそのままCRでもいいと思いますが。
おはようございます。
比較とかそういう意識はございません。
直接覆髄は過去に一度してもらったことがあります。
その時は、水酸化カルシウム製剤の粉の上にベースセメントを敷いてからその上にCRという方法をしました。
露髄したならば、じかにCRよりも何かで保護してからの方がいいように思いますね。
間接覆髄レベルでしたらそのままCRでもいいと思いますが。

船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2025-06-04 11:19:20
材料を練って硬化したものに圧をかけますと、案外容易に割れます。
つまりは充填材料としては強度に欠けるということになると思います。
そのため最低でも、その上に充填材料を用いて十分な厚みで充填することになっていると思います。
水酸化カルシウム製剤の上に(操作性が悪いため粉だけで用いることはないと思います)ベースセメントなど、その上に接着シーリング可能なCRというのがそれですね。
CRは水分があるとうまく使えませんから、露髄した場合に直接CRだけするという歯科医はほぼいないのではないかと思います。
CRの歯髄刺激性が疑われていた時代がありましたが今は問題ないとされています。
つまりは充填材料としては強度に欠けるということになると思います。
そのため最低でも、その上に充填材料を用いて十分な厚みで充填することになっていると思います。
水酸化カルシウム製剤の上に(操作性が悪いため粉だけで用いることはないと思います)ベースセメントなど、その上に接着シーリング可能なCRというのがそれですね。
CRは水分があるとうまく使えませんから、露髄した場合に直接CRだけするという歯科医はほぼいないのではないかと思います。
CRの歯髄刺激性が疑われていた時代がありましたが今は問題ないとされています。

相談者:
-ふみ-さん
返信日時:2025-06-05 08:41:32
タイトル | 直接覆髄・間接覆髄で水酸化カルシウム製剤を使用した後について |
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質問者 | -ふみ-さん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 48歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
材料・機材関連 覆髄・覆罩(覆ずい・覆とう) |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。